この法律の施行に当たっては、我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることがないよう留意するとともに、確立された国際法規を遵守しなければならない。
要点個人情報の保護に関する法律 173 条は、本法の施行に当たり、日本が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げず、確立された国際法規を遵守すべきことを国に求める規定である。
Q · 個人情報保護法にこんな国際法っぽい条文があって、うちの会社に関係あるの?
国を縛る施行指針で、民間の越境商流を支える土台になる
個人情報保護法 173 条は、本法の施行に当たり国が国際約束を誠実に履行し、確立された国際法規を遵守すべきことを定めます。名宛人は国と個人情報保護委員会で、個人を直接縛る条文ではありません。ただし日本が EU との円滑なデータ移転(十分性認定)を維持できる法的な足場はこの原則の上に立ち、それが崩れれば日本企業の EU ビジネスが止まります。具体的な越境移転ルールは 28 条にあり、両者は一体で機能します。
海外のクラウドに写真を預ける、越境ECで住所を打ち込む、外資系アプリに登録する。そのたびにあなたの個人データは静かに国境を越えている。その流れを一番奥で方向づけているのが、個人情報保護法の終盤に置かれたこの一文だ。「条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げるな、確立された国際法規を遵守せよ」。個人の権利義務を直接定める条文ではない。名宛人は国と個人情報保護委員会であり、施行上の縛りである。だが軽く見てはいけない。日本がGDPR水準と足並みを揃え、EUとの相互の円滑なデータ移転を保ち、DFFT(信頼ある自由なデータ流通)やCPTPPの越境データ条項に加われる法的な足場は、憲法98条2項を受けたこの原則の上に立っている。あなたのデータがどの国のルールで守られるか、その土台の一部がここにある。
個人情報の保護に関する法律 173 条は、本法の施行に関する国際的整合性の原則を定める規定である。名宛人は国および個人情報保護委員会であり、締結した条約その他の国際約束の誠実な履行と、確立された国際法規の遵守を求める。憲法 98 条 2 項の誠実遵守義務を、個人データ保護の領域で具体化した施行上の指針として機能する。
本法の施行に当たり、国が条約その他の国際約束を誠実に履行し、確立された国際法規を遵守すべきことを定める施行指針です。名宛人は国と個人情報保護委員会で、個人を直接縛る規定ではありません。
個人データを外国にある第三者に提供することです。海外サーバーのクラウドや外資系 SaaS を使うだけでも発生します。ルールは個人情報保護法 28 条が定めています。
ある国の個人データ保護水準が EU と同等と欧州委員会が認める制度です。日本は認定を受けており、EU から日本への円滑なデータ移転が可能になります。定期的に見直されます。
違法ではありません。個人情報保護法 28 条の要件(本人同意、基準適合体制、認定国など)を満たせば適法に越境移転できます。委託先の所在地確認が実務上の要点です。
日本と EU の相互の十分性認定は 2019 年 1 月に発効し、その後の再審査でも継続しています。国内運用が国際水準から外れると剥奪されうるため維持は綱渡りです。
原則として本人同意が必要ですが、認定国への移転や基準に適合する体制を整えた委託先など、同意なしで移転できる例外があります(個人情報保護法 28 条)。
Data Free Flow with Trust(信頼ある自由なデータ流通)の略で、日本が提唱した国際的なデータ流通の枠組みです。173 条の国際整合の姿勢がその法的土台の一部です。
個人データは国境を越えて流れ、経済も国際協定の網の中にあるため、国内で突出した規律を作ると国際約束に反するからです。憲法 98 条 2 項の誠実遵守義務を具体化しています。
直接あなたを縛る条文ではありませんが、影響は大きいです。この原則があるからこそ日本はEUとの相互の円滑なデータ移転(十分性認定)を保て、それが崩れると日本企業のEUビジネスが止まります。具体的な越境移転ルールは28条にあります。業界裏話ヒント:EUの十分性認定は永続ではなく定期的に見直され、日本の運用が国際水準から外れれば剥奪されうる。だから委員会は水面下で常にEU側と歩調を合わせている。この綱渡りを知る企業は、越境移転の設計で先手を打てる
縁がないとは言い切れません。国内向けの商売でも、使っているクラウドやSaaSが海外サーバーを使えば、そこで越境移転(28条)が発生しています。この国際整合の原則は、あなたが意識しない裏側の仕組みを支えています。業界裏話ヒント:多くの中小企業は「海外に送っていない」と思い込んでいるが、Google WorkspaceやAWSを使った時点で米国等への移転が起きている。委託先の所在地を一度棚卸しすると、想像以上に越境していることに気づく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 名宛人・規律対象 | 173 条:国・個人情報保護委員会(施行上の努力) | — |
| 性質 | 国際整合性の原則・訓示的な施行指針 | — |
| 違反・不遵守の効果 | 直接の制裁なし、国際約束・整合性への影響 | — |
| 実務上の使いどころ | 十分性認定・DFFT 等の枠組みの法的土台 | — |
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