人事訴訟法 第11条(秘密漏示に対する制裁)
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参与員又は参与員であった者が正当な理由なくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
秘密漏示に対する制裁とは何ですか?
定義秘密漏示に対する制裁とは、人事訴訟法第11条に定められた規定で、「参与員又は参与員であった者が正当な理由なくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 人事訴訟法第11条(秘密漏示に対する制裁)は、日本の人事訴訟法に含まれる条文です。
- 人事訴訟法第11条の条文原文は「参与員又は参与員であった者が正当な理由なくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 人事訴訟法第11条は第三款 参与員に置かれています。
- 人事訴訟法の公布日は平成15年7月16日です。
- 人事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 人事訴訟法第11条の前の条は人事訴訟法第10条です。
- 人事訴訟法第11条の次の条は人事訴訟法第12条です。
- 人事訴訟法第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000109 - 本サイト収録
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000109/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点人事訴訟法11条は、参与員または参与員であった者が正当な理由なく職務上知り得た人の秘密を漏らした場合、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 離婚裁判に立ち会った参与員が、私の家庭の事情を周りに話したらどうなるの?
1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金の対象です
人事訴訟法11条により、参与員または参与員であった者が正当な理由なく職務上知り得た人の秘密を漏らすと、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処されます。懲戒ではなく刑罰です。刑法134条の秘密漏示罪と異なり親告罪の定めがないため、当事者が告訴しなくても、また許したとしても、捜査や起訴は進みえます。公訴時効は漏示の時から3年です。
解説
離婚訴訟の法廷に、法服を着ていない人が座っていることがある。参与員である。家庭裁判所が毎年あらかじめ選任した一般市民の名簿から事件ごとに指定され、審理や和解の試みに立ち会い、市民感覚からの意見を述べる(人事訴訟法9条)。つまり、あなたの不貞の有無、預金残高、子どもの生活ぶり、診断書の中身を、裁判官と書記官以外の一般人が同じ部屋で聞いている。11条は、その回路に一本だけ入れられたヒューズだ。参与員が、あるいは任期を終えた元参与員が、正当な理由なく職務上知り得た人の秘密を漏らせば、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。懲戒ではなく刑罰であり、前科がつく。しかも刑法134条の医師・弁護士の秘密漏示罪と違い、親告罪の定めがない。あなたが許しても、手続は止まらない。
法的な位置づけ
人事訴訟法11条は参与員による秘密漏示を処罰する規定であり、参与員または参与員であった者が、正当な理由なく、その職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らした場合に、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を科す。人事訴訟への市民参加に伴って開示される私生活上の秘密の保護を目的とする。
よくある質問 AI による整理
Q1参与員の守秘義務とは?
参与員が審理や和解の試みで知った当事者の秘密を外に漏らしてはならない義務です。人事訴訟法11条が刑罰で担保し、任期終了後も続きます。
Q2参与員 守秘義務違反 罰則は?
1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(人事訴訟法11条)。2025年6月施行の改正で「懲役」が「拘禁刑」に置き換わりました。
Q3参与員 秘密漏示 親告罪?
親告罪ではありません。刑法134条の秘密漏示罪は刑法135条で親告罪ですが、人事訴訟法11条にはその定めがなく、告訴がなくても起訴できます。
Q4元参与員が話しても違法?
違法となりえます。条文は「参与員であった者」も対象に含めており、退任から何年経っていても、正当な理由なく漏らせば処罰されます。
Q5参与員 秘密漏示 時効 いつまで?
公訴時効は漏示行為の時から3年です(刑事訴訟法250条2項)。民事の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年です。
Q6名前を伏せて話せば秘密漏示にならない?
なりえます。職業や子の年齢などから当事者が特定できる形で話せば、「人の秘密を漏らした」に当たる可能性があります。
Q7参与員の「正当な理由」とは何ですか?
法令に基づく証言や照会への回答、法令上の通報義務に基づく開示などが典型です。単なる世間話や興味本位の共有は含まれません。
Q8参与員に秘密を漏らされたら損害賠償できる?
請求を検討できます。参与員は裁判所の非常勤職員であるため国家賠償法1条、または民法709条が根拠となりえます。刑事の結論を待つ必要はありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1参与員って、結局どこの誰がやってるんですか?
家庭裁判所が毎年あらかじめ選任した名簿の中から、事件ごとに指定されます(人事訴訟法9条)。元教員、元調停委員、地域活動の経験者など、法律家ではない一般市民です。実務のポイント:地方では名簿の母数が小さく、顔見知りに当たる確率が都市部より高い。指定は事件ごとなので、心当たりがあれば期日前に書記官へ伝えるだけで差し替えの余地が残る
Q2裁判員の守秘義務より重いって本当ですか?
上限は重いです。裁判員の守秘義務違反の基本類型が6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律108条)であるのに対し、人事訴訟法11条は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:裁判員が守るのは評議という制度の秘密、参与員が守るのはあなた個人の家庭の秘密。守る対象が違うから、重さも違う
Q3私が「もういいです」と言えば、それで終わりますよね?
終わりません。医師や弁護士の秘密漏示罪(刑法134条)は刑法135条で親告罪とされ告訴がなければ起訴できませんが、人事訴訟法11条にその定めはなく、あなたの意向と無関係に捜査も起訴もできます。実務のポイント:裏を返せば、親告罪の告訴期間6か月に縛られない。噂を半年後に知っても、公訴時効3年の内なら告発できる
間違えやすい点 AI による整理
- 守秘義務があること自体は、参与員経験者もたいてい知っている。知らないのはその深刻度だ。研修で渡される注意書きを職業倫理の話として受け取ると、上限1年の拘禁刑という刑事罰との距離を完全に見誤る。懲戒でも注意でもなく、前科がつく犯罪である
- 「当事者の自分が許せば終わる」という前提そのものが成立しない。刑法134条の秘密漏示罪は刑法135条で親告罪とされているが、人事訴訟法11条にその定めはない。あなたの意向と無関係に捜査も起訴も進みうる
- あなたから見れば「名前は出していない世間話」でも、法律から見れば、特定可能な形での開示は「人の秘密を漏らした」に当たりうる。この落差が、悪意のない一言を前科に変える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主体 | 人訴法11条:参与員・参与員であった者 | 刑法134条:医師・薬剤師・弁護士など列挙された職業の者 裁判員法108条:裁判員・補充裁判員・その経験者 |
| 法定刑 | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 基本類型は6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 親告罪か | 親告罪の定めなし(告訴不要) | 親告罪(刑法135条) 親告罪の定めなし |
| 守る対象 | 人事訴訟の当事者等、個人の家庭の秘密 | 業務上取り扱った依頼者・患者の秘密 評議の秘密と職務上知り得た秘密 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には参与員に相当する専用罰則はなく、公務員の秘密漏洩罪または業務上秘密漏洩罪の一般規定で対応する構造。
韓国も手続参加者専用の罰則より、公務上・業務上の秘密漏洩罪の一般規定で規律する傾向。
ドイツは公務担当者等による私的秘密の漏洩を一般条項で包括的に処罰し、名誉職を含む公務関与者に及ぶ。
フランスは職業上・職務上の秘密保持義務違反を一般規定で処罰し、手続関与者にも適用される。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、和解の試みに立ち会った参与員が、同じ小学校の PTA で顔を合わせる相手だったらどうなる? 数週間後、あなたの不貞の主張と夫の借金の話が、保護者のグループ LINE に形を変えて流れている。参与員の名簿は地域社会から作られる以上、地方都市ではこれは机上の空論ではない
- 参与員を務めたあなたが、飲み会で「今日の事件がすごくてさ」と名前を伏せて話した。人口5万の町で、職業と子の年齢を言えば誰の話か特定される。伏せたつもりは、法的には漏らしたことになりうる
- 噂が自分の耳に届いた。誰から聞いたのかを遡れるのは、周囲の記憶が新しい最初の数日だけ。漏示の立証は伝達経路の記録がほぼ全てで、公訴時効は漏らした時から3年。動き出しが遅いほど、証拠だけが先に消えていく
- 参与員を終えて5年、同窓会で当時の事件を思い出話として語る。条文は「参与員であった者」も対象に含めており、任期の終了は免罪符にならない。退任から何年経っていても、漏らした行為そのものが処罰される
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏れた情報の中身と、それを聞いた人の証言を LINE や書面で確保する。伝達経路の記録が立証の中心になる2. 担当の家庭裁判所の書記官に事実を申し出る。参与員の選任と指定は家庭裁判所の権限であり、以後の運用に直結する3. 親告罪ではないため、告訴でなく告発でも捜査は始まりうる。警察または検察へ4. 並行して国家賠償法1条または民法709条による損害賠償を検討する。刑事の結論を待つ必要はない
訴えられた側:1. 誰に、いつ、どこまで話したかを時系列で書き出す。争点は「特定可能性」と「正当な理由」の二点に絞られる2. 裁判所からの照会への回答、証人としての証言、法令上の通報義務に基づく開示であれば、正当な理由に当たりうる3. 記憶と供述が固まる前に弁護人へ相談する。初期方針が結論を左右する4. 非親告罪であっても、当事者への謝罪と被害回復は起訴猶予や量刑に強く影響する
時効(請求できる期限):公訴時効は漏示行為の時から3年(法定刑の長期が5年未満であるため、刑事訴訟法250条2項)。民事の損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条、国家賠償法4条)
学説
通説:本条の「人の秘密」は、非公知の事実で、本人が秘匿を望み客観的にも秘匿の利益があるものをいう。当事者本人に限らず、訴訟で言及された子や第三者の秘密も含まれうる。
通説:「正当な理由」には、法令に基づく証言や通報など、秘密の保護を上回る利益がある開示が含まれる。匿名化した雑談でも特定可能であれば漏示に当たりうる。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)制定 人事訴訟を地方裁判所から家庭裁判所へ移管する人事訴訟法の制定に伴い新設された。参与員制度の導入に合わせ、参与員及び参与員であった者による秘密漏示を「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」で処罰する規定を置いた
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法の懲役・禁錮一本化に伴う整理改正により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に置き換えられた。刑期の上限や罰金額自体に変更はない
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:人事訴訟法の制定(人事訴訟の家庭裁判所への移管と参与員制度の導入)に伴い、参与員及び参与員であった者の秘密漏示を「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」で処罰する規定として新設。
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法の懲役・禁錮一本化に伴う整理改正で「懲役」が「拘禁刑」に置き換えられた。刑期の上限と罰金額に変更はない。
- 人事訴訟法 第9条参与員の立会いと意見聴取、本罪の主体の根拠
- 人事訴訟法 第2条人事訴訟の範囲、秘密が生じる手続の画定
- 人事訴訟法 第22条当事者尋問等の公開停止、秘密保護の並行装置
- 刑法 第134条秘密漏示罪の一般類型、親告罪の点で対照
- 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第108条市民参加者の守秘義務違反罪、法定刑の対照
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