人事訴訟法 第22条(当事者尋問等の公開停止)
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- 人事訴訟における当事者本人若しくは法定代理人(以下この項及び次項において「当事者等」という。)又は証人が当該人事訴訟の目的である身分関係の形成又は存否の確認の基礎となる事項であって自己の私生活上の重大な秘密に係るものについて尋問を受ける場合においては、裁判所は、裁判官の全員一致により、その当事者等又は証人が公開の法廷で当該事項について陳述をすることにより社会生活を営むのに著しい支障を生ずることが明らかであることから当該事項について十分な陳述をすることができず、かつ、当該陳述を欠くことにより他の証拠のみによっては当該身分関係の形成又は存否の確認のための適正な裁判をすることができないと認めるときは、決定で、当該事項の尋問を公開しないで行うことができる。
- 2.裁判所は、前項の決定をするに当たっては、あらかじめ、当事者等及び証人の意見を聴かなければならない。
- 3.裁判所は、第一項の規定により当該事項の尋問を公開しないで行うときは、公衆を退廷させる前に、その旨を理由とともに言い渡さなければならない。当該事項の尋問が終了したときは、再び公衆を入廷させなければならない。
この条文の基本情報
当事者尋問等の公開停止とは何ですか?
定義当事者尋問等の公開停止とは、人事訴訟法第22条に定められた規定で、「人事訴訟における当事者本人若しくは法定代理人(以下この項及び次項において「当事者等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 人事訴訟法第22条(当事者尋問等の公開停止)は、日本の人事訴訟法に含まれる条文です。
- 人事訴訟法第22条の条文原文は「人事訴訟における当事者本人若しくは法定代理人(以下この項及び次項において「当事者等」という。」で始まります。
- 人事訴訟法第22条は第一章 総則に置かれています。
- 人事訴訟法の公布日は平成15年7月16日です。
- 人事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 人事訴訟法第22条の前の条は人事訴訟法第21条です。
- 人事訴訟法第22条の次の条は人事訴訟法第23条です。
- 人事訴訟法第22条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第22条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000109 - 本サイト収録
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第22条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000109/22
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点人事訴訟法22条は、離婚訴訟等で当事者や証人が私生活上の重大な秘密について尋問を受ける場合、裁判官全員一致の決定で当該尋問を非公開にできると定める。
Q · 離婚裁判で、性生活やDVの中身を傍聴人のいないところで話すことはできる?
要件を満たせば、その尋問だけ非公開にできる
人事訴訟法22条により、離婚訴訟などで当事者本人や証人が私生活上の重大な秘密について尋問を受ける場合、裁判官全員一致の決定で当該事項の尋問を非公開にできます。ただし、公開の法廷で話すと社会生活に著しい支障が生じることが明らかで、そのため十分に陳述できず、その陳述がなければ他の証拠だけでは適正な裁判ができないことが要件です。裁判所は事前に当事者等と証人の意見を聴き、傍聴人を退廷させる前に理由を言い渡します。
解説
離婚訴訟の法廷は、原則として誰でも傍聴できる。夫の不貞相手との性的関係の詳細、妻の精神疾患の病名、子どもの出生の経緯、婚姻中の性生活の破綻。これらをあなたは見知らぬ傍聴人の前で、証言台に立って語らなければならない。多くの人はこの現実を知らないまま訴訟を起こし、期日の直前に凍りつく。人事訴訟法22条は、そこに一つだけ抜け道を開けている。裁判官全員一致の決定があれば、その尋問部分だけ傍聴人を退廷させられる。ただし条件は厳しい。公開の法廷で話すと「社会生活を営むのに著しい支障」が明らかに生じ、そのせいで十分に話せず、かつその陳述がなければ他の証拠だけでは適正な裁判ができない。この三つが揃って初めて扉が開く。知らなければ、誰も教えてくれないまま、あなたは公開の場で全部話すことになる。
法的な位置づけ
人事訴訟法22条は、人事訴訟における当事者尋問等の公開停止を定める規定である。身分関係の形成または存否の確認の基礎となる私生活上の重大な秘密について尋問を行う場合に、陳述不能と適正な裁判の困難という要件を満たすときは、裁判官全員一致の決定により当該事項の尋問を非公開で行うことを認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.非公開にしたい尋問事項を洗い出す 本人尋問・証人尋問で語ることになる私生活上の事項(性的DVの態様、精神疾患の診断名、子の出生の経緯など)を項目ごとに書き出し、身分関係の判断の基礎となる事項かを確認する
- 2.三要件を具体的事実で主張書面に落とす 公開により社会生活に著しい支障が生じることが明らかであること、そのため十分に陳述できないこと、その陳述なしでは他の証拠だけで適正な裁判ができないことを、職業・地域社会・子の学校環境など具体的な生活基盤の被害として記述する
- 3.尋問期日より前に申し立てる 裁判所は決定前に当事者等と証人の意見を聴かなければならない(2項)ため、尋問期日の指定前後の早い段階で申立てを行い、意見聴取の時間を確保する。証人がいる場合は本人の意向も事前に確認する
- 4.記録の閲覧制限を同時に申し立てる 非公開尋問の内容も調書には残るため、人事訴訟法35条による訴訟記録の閲覧等の制限を別途申し立て、法廷と記録の両方を閉じる
よくある質問 AI による整理
Q1離婚裁判 傍聴 できる?
できます。離婚訴訟は判決手続なので憲法82条の公開原則が及び、誰でも傍聴できます。非公開になるのは人事訴訟法22条の決定があった尋問部分に限られます。
Q2人事訴訟法22条とは
離婚や認知などの人事訴訟で、私生活上の重大な秘密に関する尋問を、裁判官全員一致の決定で非公開にできると定めた規定です。
Q3離婚裁判 非公開 申立て 方法
非公開を求める尋問事項を特定し、公開による具体的支障と陳述不能、他の証拠では足りない理由を書面で主張して、尋問期日より前に申し立てます。
Q4離婚調停と離婚裁判 公開 違い
調停は非公開の話合い手続ですが、離婚訴訟は公開の法廷で行われる判決手続です。訴訟に移ると傍聴が可能になる点に注意が必要です。
Q5尋問 非公開 いつまでに申し立てる?
条文上の期限はありませんが、裁判所は事前に当事者等と証人の意見を聴く必要があるため、当該尋問期日の相当前に申し立てるのが実務上の目安です。
Q6離婚裁判 判決 公開される?
判決の言渡しは憲法82条1項により必ず公開です。22条で非公開にできるのは尋問の一部だけで、判決や事件の存在までは秘密になりません。
Q7離婚裁判 記録 閲覧 制限 できる?
できます。ただし法廷の非公開とは別手続で、人事訴訟法35条による閲覧等の制限を別途申し立てる必要があります。
Q8証人尋問 非公開 できる?
できます。22条は当事者本人・法定代理人だけでなく証人も対象で、証人自身の私生活上の重大な秘密に関する尋問も非公開の対象になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1離婚の裁判って、本当に知らない人が傍聴席に座れるんですか?
座れる。人事訴訟は判決手続であり、憲法82条1項の公開原則が及ぶ。調停や審判が非公開なのとは仕組みが違う。例外が人事訴訟法22条による当事者尋問等の公開停止である。実務のポイント:期日の日時と法廷は裁判所内の開廷表で確認できる。相手方が親族や知人を傍聴させてくる事例は実務で実際にあり、それ自体は違法ではない。だからこそ、尋問事項の中身を見て事前に手を打つかどうかが分かれ目になる
Q2非公開にしてくださいと言えば、裁判官は認めてくれるものですか?
頼むだけでは足りない。22条1項は裁判官の全員一致に加え、公開すると社会生活に著しい支障が生じることが明らかで、そのため十分な陳述ができず、かつその陳述を欠くと他の証拠だけでは適正な裁判ができない、という三要件を求める。実務のポイント:実務で通りやすいのは、支障の中身を抽象的な羞恥心ではなく、職業・地域社会・子の学校環境など具体的な生活基盤の被害として書けた場合である。この書き分けができるかどうかで結論が動く
Q3非公開で話したことが、あとで記録から漏れることはないんですか?
22条が閉じるのは法廷の扉だけで、尋問内容は調書に残る。訴訟記録の閲覧を制限するには人事訴訟法35条の秘密保護のための閲覧等の制限を別途申し立てる必要がある。判決の言渡しは憲法82条1項により必ず公開される。実務のポイント:法廷の非公開だけ取って記録の制限を忘れる例は少なくない。二つは別手続なので、申立書は同時に用意しておく
Q4自分ではなく、証人として呼ばれた親や友人を守ることはできますか?
できる。22条1項は当事者本人・法定代理人だけでなく証人も対象としており、証人が自己の私生活上の重大な秘密について尋問を受ける場合を含む。2項により裁判所はあらかじめ証人の意見も聴く。実務のポイント:証人が非公開を望んでいるのに当事者側がそれを伝えないまま期日を迎える例がある。証人尋問を申請する側が、事前に本人の意向を確認して申立てに反映させるのが実務上の配慮である
間違えやすい点 AI による整理
- 「家庭の問題だから法廷も非公開だろう」と多くの人が信じているが、これは前提そのものが逆。家庭裁判所で扱う事件のうち、調停や審判は非公開だが、離婚訴訟・認知の訴え・嫡出否認などの人事訴訟は判決手続であり憲法82条の公開原則が及ぶ。調停の非公開に慣れた感覚のまま訴訟に移行すると、法廷に立った瞬間に前提が崩れる
- 非公開の決定が出れば事件全体が秘密になると思われているが、22条が覆うのは「当該事項の尋問」という一区切りだけ。判決の言渡しは必ず公開(憲法82条1項)、判決書も原則として閲覧の対象になる。守れるのは法廷で語られる生の証言であって、事件の存在や結論ではない
- 「裁判官に頼めば配慮してくれる」と期待する人がいるが、22条1項は裁判官の全員一致を要求する。合議体であれば三人のうち一人でも反対すれば非公開にできない。しかも要件は『著しい支障が明らか』『そのせいで十分な陳述ができない』『他の証拠では適正な裁判ができない』の三段重ね。情に訴えるのではなく、この三つを主張書面で埋める作業になる
- 傍聴人さえいなくなれば安心と考えがちだが、非公開で行われた尋問も調書には記録される。当事者は訴訟記録を閲覧できるし、人事訴訟法35条の閲覧制限を別途申し立てなければ、記録の秘密性は当然には確保されない。法廷の扉と記録の扉は、別々に閉める必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護の対象 | 人事訴訟法22条:法廷での尋問(傍聴人の退廷) | 人事訴訟法35条:訴訟記録の閲覧・謄写等 |
| 判断主体と要件 | 裁判官全員一致の決定、著しい支障・陳述不能・他の証拠では不十分の三要件 | 当事者等の申立てにより裁判所が決定、私生活上の重大な秘密等の記載部分 |
| 事前手続 | 当事者等および証人の意見聴取(2項)、退廷前に理由の言渡し(3項) | 閲覧制限を求める部分の特定と申立て |
| 効果の範囲 | 当該事項の尋問のみ、終了後は再び公衆を入廷させる | 制限決定の対象となった記録部分の閲覧等を第三者に対して制限 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は家事事件の処理手続自体を原則不公開とし、日本のように公開原則の下で尋問単位の例外を設ける構造とは逆の設計
ドイツは家事事件の審理を原則非公開とし、裁判所が当事者の意思に反しない範囲で公開を許可できる構造
フランスは離婚事件の弁論を評議室(chambre du conseil)で行うとし、原則非公開
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 性的 DV を理由に離婚を求めている。婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)を立証するには、何をされたかを具体的に証言するしかない。だが傍聴席には、相手方が呼んだ親族が座っている。この状況こそ22条が想定した場面だが、申立てをしなければ裁判所は原則として公開のまま進める
- もし、あなたの職場の同僚が離婚訴訟の傍聴席に座っていたら? 人事訴訟の法廷は誰でも入れる。事件番号と期日は裁判所の掲示で分かる。地方都市では、知人が傍聴していたという話は珍しくない
- 被告側の立場。相手方が非公開尋問を申し立て、あなたの反対尋問の機会が実質的に狭まるのではと不安になる。ただし22条は傍聴人を退廷させるだけで、当事者と代理人は在廷したまま。反対尋問権は失われない。ここを誤解して過剰に争うと、裁判所の心証を損なう
- 第一回期日まであと10日。本人尋問で何を聞かれるかを弁護士と詰めている段階で、初めて「これ、全部公開の場で話すんですか」と気付く。非公開の申立ては尋問期日より前に準備しておく必要がある。当日その場で思い付いても、裁判所は当事者等と証人の意見を聴く手続(2項)を踏まねばならず、間に合わないことがある
- 嫡出否認や認知の訴えで、子の出生に至る経緯、DNA 鑑定の背景事情を証言する。子ども本人が将来この記録を見る可能性、そして今この瞬間に傍聴席にいる第三者。二つの公開が、同じ一回の証言に重なっている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 尋問で語らざるを得ない私生活上の事項を、項目ごとに書き出す(性的 DV の態様、精神疾患の診断名、出生の経緯など) 2. 各項目について、公開されると就労・地域生活・子の養育にどんな具体的支障が生じるかを、勤務先の性質や居住環境まで落とし込んで記述3. その支障ゆえに公開では十分に話せないこと、かつその証言なしには他の証拠だけで判断できないことを主張書面に整理4. 尋問期日の指定前に申立て、2項の意見聴取が期日前に終わるよう時間を確保5. 並行して人事訴訟法35条の記録閲覧制限も検討し、法廷と記録の両方を塞ぐ
訴えられた側:1. 相手方の非公開申立てに対し、2項の意見聴取であなたの意見を述べる機会がある。無条件に反対するのではなく、非公開の範囲が過大でないかを具体的に指摘する2. 22条は傍聴人を退廷させるだけで、当事者・代理人は在廷し反対尋問もできる点を確認し、防御権の実質的な侵害がない限りは争点を絞る3. あなた自身も私生活上の重大な秘密について尋問を受けるなら、同じ条文であなた側の非公開を求められる。双方申立ては珍しくない4. 裁判所が非公開とした事項の扱いについて、判決理由での記載範囲を最終準備書面で意識する
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はないが、実質的な期限は当該事項の尋問が行われる期日である。その尋問が公開で終わってしまえば、事後に遡って非公開にすることはできない。申立ては尋問期日の相当前に行い、2項の意見聴取の時間を確保する必要がある。なお、離婚原因となる不貞行為に基づく慰謝料請求権は損害および加害者を知った時から3年で時効(民法724条)となるため、訴訟提起自体の時期も別途管理する
学説
通説:本条の公開停止は憲法82条2項の対審非公開の例外に位置付けられ、公開により真実の陳述が得られず適正な裁判が損なわれる場合を「公の秩序を害する虞」に当たると解することで合憲性を説明する。要件の厳格さは公開原則への配慮とされる
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)人事訴訟法制定 人事訴訟手続法を全面改正して人事訴訟法が制定され、人事訴訟の第一審管轄が地方裁判所から家庭裁判所へ移管された。その際、身分関係紛争特有の私生活の秘密に配慮する規定として当事者尋問等の公開停止が置かれた。その後の改正の有無および条番号の異動については人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:人事訴訟手続法を全面改正して人事訴訟法を制定。第一審管轄を家庭裁判所へ移管するとともに、私生活上の重大な秘密に関する当事者尋問等の公開停止規定を新設
- 人事訴訟法 第35条訴訟記録の閲覧等の制限、法廷非公開と対の措置
- 人事訴訟法 第19条民事訴訟法の一部規定の適用除外、職権探知との接続
- 人事訴訟法 第20条職権による事実探知と証拠調べ、適正な裁判の要請
- 人事訴訟法 第2条人事訴訟の定義、本条が及ぶ事件の範囲
- 民事訴訟法 第92条秘密保護のための訴訟記録閲覧制限の一般規定
- 裁判所法 第70条公開停止の手続的枠組みと理由の宣示
- 特許法 第105条の7営業秘密に係る当事者尋問等の公開停止の同型規定
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