人事訴訟法 第27条(当事者の死亡による人事訴訟の終了)
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- 人事訴訟の係属中に原告が死亡した場合には、特別の定めがある場合を除き、当該人事訴訟は、当然に終了する。
- 2.離婚、嫡出否認(父を被告とする場合を除く。)又は離縁を目的とする人事訴訟の係属中に被告が死亡した場合には、当該人事訴訟は、前条第二項の規定にかかわらず、当然に終了する。
この条文の基本情報
当事者の死亡による人事訴訟の終了とは何ですか?
定義当事者の死亡による人事訴訟の終了とは、人事訴訟法第27条に定められた規定で、「人事訴訟の係属中に原告が死亡した場合には、特別の定めがある場合を除き、当該人事訴訟は、当然に終了する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 人事訴訟法第27条(当事者の死亡による人事訴訟の終了)は、日本の人事訴訟法に含まれる条文です。
- 人事訴訟法第27条の条文原文は「人事訴訟の係属中に原告が死亡した場合には、特別の定めがある場合を除き、当該人事訴訟は、当然に終了する。」で始まります。
- 人事訴訟法第27条は第一章 総則に置かれています。
- 人事訴訟法の公布日は平成15年7月16日です。
- 人事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 人事訴訟法第27条の前の条は人事訴訟法第26条です。
- 人事訴訟法第27条の次の条は人事訴訟法第28条です。
- 人事訴訟法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000109 - 本サイト収録
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000109/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点人事訴訟法27条は、人事訴訟の係属中に原告が死亡すると訴訟は当然に終了すると定める。離婚・嫡出否認・離縁の訴えでは、被告が死亡した場合も訴訟は終了する。
Q · 離婚裁判の途中で相手が死んだら、裁判はどうなるの?
判決は出ず訴訟は当然終了、離婚は成立しません
人事訴訟法27条2項により、離婚訴訟の係属中に被告が死亡すると、訴訟は判決を経ずに当然に終了します。同法26条2項が定める検察官への承継は、離婚訴訟には適用されません。婚姻は死亡によって解消されますが、離婚が成立したわけではないため、生存配偶者は民法890条により相続人となります。原告が死亡した場合も、同条1項により訴訟は終了します。
解説
離婚訴訟の途中で相手が死んだ。あなたはこう考えるはずだ。「じゃあ裁判は自分の勝ちで終わるのか、それとも負けか」。答えはどちらでもない。訴訟は判決を出さずに、その瞬間に消滅する。人事訴訟法27条は、離婚・嫡出否認・離縁を目的とする訴訟で当事者が死亡したとき、訴訟は当然に終了すると定める。勝敗の確定がないということは、あなたが婚姻関係を解消できないまま配偶者の地位で残るということだ。そしてここが本番だ。婚姻関係が続いたまま相手が死ねば、あなたは配偶者として相続人になる(民法890条)。離婚判決が確定していれば相続権はゼロだった。何年も争ってきた離婚訴訟が、相手の死という偶然で、あなたを相続人の側に押し戻す。逆にあなたが原告として死んだ場合、1項によりやはり訴訟は終了し、相続人が引き継いで離婚を完成させることはできない。離婚を求める権利は、あなた一代限りで消える。
法的な位置づけ
人事訴訟法27条は、人事訴訟における当事者死亡の効果を定める規定である。原告が死亡した場合は、特別の定めがある場合を除き訴訟は当然に終了する。離婚・嫡出否認(父を被告とする場合を除く)・離縁の訴えについては被告が死亡した場合も当然終了とし、同法26条2項の検察官承継を排除する。身分関係の形成を求める権利の一身専属性を反映した規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.死亡の事実と訴訟終了の時点を確定する 代理人から死亡の連絡を受けたら、除籍謄本(戸籍謄本)で死亡日を確認し、裁判所に訴訟が終了したことを確認する。和解調書が作成された後の死亡であれば離婚は成立しているため、その先の手続がまったく変わる
- 2.訴訟記録と財産資料の写しを確保する 訴訟で提出された財産目録、預金の取引履歴、別居に関する資料などの写しを手元に確保する。遺産分割協議や相続税申告の基礎資料として使える
- 3.相続を承認するか放棄するかを判断する プラスの財産と負債の概況を調べ、単純承認・限定承認・相続放棄のどれを選ぶかを、相続の開始を知った時から3か月以内に決める(民法915条)
- 4.身分関係の後始末を選ぶ 必要に応じて、姻族関係終了届(民法728条2項)、復氏届(民法751条)、離縁訴訟であれば死後離縁の許可申立て(民法811条6項)を行う
- 5.相続税の申告と遺産分割を進める 他の相続人(亡くなった配偶者の子や親など)と遺産分割協議を行い、死亡を知った日の翌日から10か月以内に相続税を申告する(相続税法27条)
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟の当然終了とは何ですか?
判決や取下げなどの当事者の行為を経ずに、法律の規定によって訴訟がその時点で自動的に終わることです。人事訴訟法27条では、当事者の死亡がその原因になります。
Q2離婚訴訟中に相手が死亡したら相続できますか?
離婚判決が確定する前に死亡した場合、婚姻は離婚によらずに解消されるため、生存配偶者は民法890条により相続人になります。相続放棄の判断期限は3か月です。
Q3離婚訴訟中に死亡したら財産分与はどうなる?
財産分与は離婚の成立が前提のため、訴訟が当然終了すると財産分与の請求は判断されないまま終わります。その代わり、生存配偶者は相続人として遺産分割に参加します。
Q4嫡出否認の訴え 原告死亡 どうなる?
原則として訴訟は終了します。ただし人事訴訟法41条2項の特則により、一定の親族などが6か月以内に訴訟手続を受け継げる場合があります(最新の改正状況をご確認ください)。
Q5離縁訴訟中に養親が死亡したらどうする?
訴訟は当然に終了しますが、家庭裁判所の許可を得て行う死後離縁(民法811条6項)という別の手段が残っています。訴訟の終了を確認した後、速やかに検討することが大切です。
Q6人事訴訟 被告死亡 検察官が相手になるのはどんな場合?
認知の訴えや親子関係存否確認の訴えなど、27条2項に列挙されていない人事訴訟では、26条2項により検察官を相手方として訴訟を続けられます。
Q7訴訟終了後に訴訟記録は使えますか?
訴訟記録の閲覧・謄写は、人事訴訟法や民事訴訟法の規定に従って請求できます。別居の経緯や財産に関する資料は、遺産分割協議の交渉材料になりえます。
Q8離婚訴訟中の死亡 遺族年金はもらえる?
離婚が成立していなければ、法律上は配偶者のままです。遺族厚生年金の受給権者になりうるものの、別居期間の長さによっては生計維持要件の審査で争点になることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1離婚裁判の途中で夫が死んだら、離婚は成立したことになるんですか?
成立しません。人事訴訟法27条2項により訴訟は当然に終了し、判決は出ません。婚姻は死亡によって解消されますが、これは離婚とは別の解消原因です。実務のポイント:弁護士はこの局面で真っ先に相続関係を確認します。離婚できなかったことが不利とは限らず、相続人になることで結果的に得る額が財産分与を上回るケースは珍しくない。悔しさで判断せず、まず数字を並べる
Q2訴訟が終わったのに、こちらが払った弁護士費用や裁判費用はどうなるんですか?
判決がないため訴訟費用の負担裁判もなく、原則として各自が支出した分を負担したままです。弁護士との委任契約は依頼者死亡なら終了、相手方死亡なら終了事由を契約書で確認する必要があります。実務のポイント:着手金は原則返還されませんが、報酬金は成果が出ていないため発生しないのが通常です。委任契約書の「事件終了」の定義に訴訟終了が含まれているか、その一行を確認するかどうかで数十万円が動く
Q3嫡出否認の訴えは父が死んだら全部終わりですか? 子の身分は永久に変わらないんですか?
父を原告とする訴訟は終了します(27条1項)。ただし2022年(令和4年)の民法改正で子・母にも否認権が認められ、それぞれ固有の権利として行使できる余地が残ります(民法774条、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:父の死亡後は DNA 鑑定の検体確保が急激に難しくなる。火葬前に毛髪や爪などの検体を保全できるかどうかが、その後の立証を左右する。この一点を初動で助言できる弁護士は多くない
Q4被告が死ぬ直前に和解が成立していたら、どうなりますか?
和解離婚は和解調書の作成時に効力が生じるため、その後の死亡は離婚の効力に影響しません。つまり離婚は成立しており、相続権は失われます。実務のポイント:相手が重篤な状態にあるとき、和解の期日を早めるか引き延ばすかは、離婚成立と相続権が正反対の方向に動く判断です。期日調整という地味な一手が、結果の数字を最も大きく動かす瞬間になりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴訟が終了するなら、原告の主張が認められなかった、つまり婚姻は有効のまま確定した」と読む人がいる。これは問いの立て方が誤っている。終了は判決でも棄却でもなく、訴訟物そのものの消滅である。既判力は生じないので「離婚できないと判断された」という司法判断は存在しない。存在しないものを根拠に後の交渉を組み立てると、足場ごと崩れる
- 当事者の死亡で訴訟が終わることは知っていても、その深刻度が読めていない人が多い。終了は手続の話ではなく、財産の話だ。離婚判決確定の一日前に相手が死ねば相続人、一日後なら相続権ゼロ。同じ一年の争いが、数日のズレで数千万円の差に変わる
- 「配偶者が死んだのだから、婚姻関係は死亡で解消されて同じことだ」と考えるのは半分しか合っていない。死亡による婚姻解消と離婚は、法的効果が違う。姻族関係の終了には届出が必要(民法728条2項)、復氏にも届出が要る(民法751条)、そして相続権の有無が正反対になる。「どちらでも終わり」ではない
- あなたから見れば『相手が死んだのだから、もう争う相手がいない』だが、法律から見れば『あなたは今、相続人の一人として他の相続人と向き合う立場に移った』。争いの相手が配偶者から、亡き配偶者の子や親に入れ替わる。この視点の切り替えが遅れた人が、遺産分割協議で一番弱い位置に置かれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 被告が死亡した場合の効果 | 人訴27条2項:離婚・嫡出否認(父被告を除く)・離縁は当然終了 | 人訴26条2項:検察官を相手方として訴訟を続行 民訴124条:訴訟手続が中断し、相続人等が受継 |
| 原告が死亡した場合の効果 | 人訴27条1項:特別の定めがない限り当然終了 | 人訴26条1項:一定の場合に受継の余地を定める 民訴124条:相続人等が受継して続行 |
| 判決・既判力 | 判決なし、既判力も生じない | 続行後の判決に対世効(人訴24条) 受継後の判決は承継人を拘束 |
| 根底にある考え方 | 身分関係を形成する権利は一身専属 | 身分関係の確定という公益を優先 財産上の権利義務は相続により承継 |
他国ではどう定めているか 3 か国
離婚の訴えで判決確定前に夫または妻が死亡した場合、本案については訴訟が終結したものとみなされる。日本と同じ一身専属性の考え方に立つ。
離婚手続の終局決定が確定する前に一方の配偶者が死亡すると、手続は本案について終了したものとみなされる。日本と構造がほぼ同じ。
離婚訴訟は当事者の死亡により消滅(abate)するのが原則。ただし判決言渡し後、確定前の扱いは州によって異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 三年かけた離婚訴訟。財産分与の額で最後まで揉めていた矢先、相手が心筋梗塞で急死した。訴訟は自動的に終了し、財産分与の請求権も消える。代わりにあなたは配偶者として法定相続分(子がいれば2分の1)を取得する。争っていた財産分与額より相続分の方が大きいことも、小さいことも、どちらもある
- もし、離婚調停から訴訟へ進んだ後にあなた自身が余命宣告を受けたとしたら? あなたが死亡した時点で訴訟は終了する(1項)。「離婚を成立させてから死にたい」という願いは、法律上かなわない。遺言で相続分を調整するなど、別の手段に切り替える判断を、今のうちに弁護士と詰めておく必要がある
- 嫡出否認の訴えで、あなた(夫)が原告として「この子は自分の子ではない」と争っている最中に死亡した。訴訟は終了する。ただし嫡出否認は2022年(令和4年)改正で子や母にも否認権が認められたため、別の権利者が自分の否認権を行使できる余地は残る(最新の改正状況をご確認ください)
- 養子縁組の解消(離縁)を求めて訴えていたが、被告である養親が死亡。訴訟は終了する。ただし離縁したいという目的が消えたわけではない。死後離縁という別ルート(民法811条6項、家庭裁判所の許可)が残っている。訴訟終了通知を受け取ってから、この切り替えを何日で判断できるかが分かれ目になる
- 相手方代理人から「本人が死亡しました」という上申書が届いた。あなたに残された検討時間は実質数日。相続放棄の熟慮期間は死亡を知った時から3か月(民法915条)。訴訟終了と相続人化がセットで襲ってくる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 死亡の事実を知ったら、戸籍謄本と死亡診断書の写しを速やかに取得し、訴訟終了の時点を確定させる2. 婚姻が継続していた以上、配偶者として相続人になる(民法890条)。プラス財産と負債の概況を3か月以内に把握し、相続放棄・限定承認の要否を判断する(民法915条) 3. 訴訟記録の財産資料を写しで確保、遺産分割協議の資料に転用する4. 姻族関係を断ちたい場合は姻族関係終了届、旧姓に戻したい場合は復氏届を検討(民法728条2項、751条)
訴えられた側:1. 被告側であっても構造は同じで、原告が死亡すれば訴訟は当然終了する(1項)。まず終了の効果として既判力が生じないことを確認する2. 相手方相続人から財産分与相当の請求が来ても、財産分与請求権は離婚の成立が前提であり、訴訟終了により発生しない旨を主張できる3. ただし婚姻費用の未払分など、死亡前に発生していた債権は相続人に承継されうるので、別枠で精算の準備をする4. 離縁訴訟の場合は死後離縁(民法811条6項)への切り替えを家庭裁判所に確認する
時効(請求できる期限):訴訟終了自体に期間制限はなく、死亡の時点で当然に効果が生じる。連動して走る期限が実質的な時間圧になる:相続放棄・限定承認は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月(民法915条)、相続税申告は死亡を知った日の翌日から10か月(相続税法27条)、死後離縁の許可申立ては期間制限なしだが早期が望ましい(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:離婚・離縁を求める権利は一身専属的な形成権であり、当事者が死亡すれば訴訟物そのものが消滅する。そのため訴訟は判決を経ずに終了し、既判力も生じない。残る財産上の問題は相続法の枠組みで処理される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:人事訴訟手続法を全面的に見直して人事訴訟法を制定し、当事者の死亡による訴訟終了を27条として整理した(2004年4月1日施行)。
- 人事訴訟法 第26条当事者死亡時の受継、27条2項が排除する原則規定
- 人事訴訟法 第12条人事訴訟の被告適格、検察官を被告とする場合の基礎
- 人事訴訟法 第41条嫡出否認の訴えの当事者に関する特則
- 人事訴訟法 第2条本法の対象となる人事訴訟の定義
- 民法 第890条配偶者の相続権、訴訟終了の実質的効果
- 民法 第811条死後離縁の許可、離縁訴訟終了後の代替手段
- 民事訴訟法 第124条一般の訴訟手続における中断・受継の原則
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