人事訴訟法 第44条(認知の訴えの当事者等)
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- 認知の訴えにおいては、父又は母を被告とし、その者が死亡した後は、検察官を被告とする。
- 2.第二十六条第二項の規定は、前項の規定により父又は母を当該訴えの被告とする場合においてその者が死亡したときについて準用する。
- 3.子が認知の訴えを提起した後に死亡した場合には、その直系卑属又はその法定代理人は、民法第七百八十七条ただし書に定める期間が経過した後、子の死亡の日から六月以内に訴訟手続を受け継ぐことができる。この場合においては、民事訴訟法第百二十四条第一項後段の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
認知の訴えの当事者等とは何ですか?
定義認知の訴えの当事者等とは、人事訴訟法第44条に定められた規定で、「認知の訴えにおいては、父又は母を被告とし、その者が死亡した後は、検察官を被告とする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 人事訴訟法第44条(認知の訴えの当事者等)は、日本の人事訴訟法に含まれる条文です。
- 人事訴訟法第44条の条文原文は「認知の訴えにおいては、父又は母を被告とし、その者が死亡した後は、検察官を被告とする。」で始まります。
- 人事訴訟法第44条は第三章 実親子関係訴訟の特例に置かれています。
- 人事訴訟法の公布日は平成15年7月16日です。
- 人事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 人事訴訟法第44条の前の条は人事訴訟法第43条です。
- 人事訴訟法第44条の次の条は人事訴訟法第45条です。
- 人事訴訟法第44条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第44条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000109 - 本サイト収録
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第44条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000109/44
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点人事訴訟法44条は、認知の訴えの被告を父または母とし、その死亡後は検察官を被告とすると定める。子が訴訟中に死亡した場合の孫による受継も規律する。
Q · 父が亡くなった後でも、認知を求める裁判はできるの?
できる。検察官を被告に死亡から3年以内に提訴する
人事訴訟法44条1項により、父又は母が死亡した後の認知の訴えは検察官を被告として提起します。ただし民法787条ただし書により、父又は母の死亡の日から3年を過ぎると訴えられません。訴訟中に父又は母が死亡した場合は検察官が手続を受け継ぎ(同条2項)、原告の子が死亡した場合は、3年経過後に限り、直系卑属又はその法定代理人が子の死亡から6か月以内に受継できます(同条3項)。
解説
父が生きている間に「認知してほしい」と言い出せなかった人は多い。その父が死んだ瞬間、道が閉じたと思い込む。閉じていない。認知の訴えは、父(または母)が死亡した後は検察官を被告として起こせる。あなたが訴状を向ける相手は、会ったこともない検察官になる。これが本条1項の正体である。さらに、訴えている最中に父が死んでも訴訟は終わらない。検察官が被告の席に座り直す(2項、人事訴訟法26条2項の準用)。3項はもう一段深い。認知を求めていた子が訴訟中に死亡しても、その直系卑属(孫)が手続を受け継げる。ただし受け継げるのは、民法787条ただし書の3年が過ぎた後、子の死亡から6か月以内という狭い窓の中だけだ。3年がまだ残っているなら、孫は受継ではなく自分の名前で訴えを起こす側に回る。誰を被告にするかを外した訴状は、血縁の事実がどれほど確かでも、中身に入る前に落とされる。
法的な位置づけ
人事訴訟法44条は、認知の訴えにおける当事者適格を定める規定である。被告は父又は母とし、その死亡後は検察官が被告となる。訴訟係属中に父母が死亡した場合は同法26条2項を準用して検察官が手続を受け継ぎ、原告たる子が死亡した場合は、民法787条ただし書の期間経過後に限り、直系卑属又はその法定代理人が子の死亡から6か月以内に受継できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.父又は母の死亡日と最後の住所地を確定する 除籍謄本・戸籍の附票を取り寄せ、死亡日と死亡時の住所地を確認する。死亡日は3年の期限の起算点、住所地は管轄家庭裁判所の判断材料になる
- 2.出訴期限を算定しカレンダーに置く 死亡日から3年後の日付を算出し、逆算して証拠収集と訴状作成の締切を設定する。期間は催告や交渉では止まらない
- 3.検体・資料の証拠保全を申し立てる 父母が入通院していた医療機関に病理標本や保存血液が残っていないか弁護士経由で確認し、廃棄のおそれがあれば民事訴訟法234条の証拠保全を申し立てる
- 4.検察官を被告として家庭裁判所に訴状を提出する 被告欄を検察官(管轄家庭裁判所に対応する地方検察庁の検察官)と記載し、収入印紙と郵便切手を添えて提出する。母子手帳・手紙・送金記録などを時系列で整理して証拠として添付する
- 5.判決確定後10日以内に認知の届出をする 認知を認める判決が確定したら、判決謄本と確定証明書を添えて市区町村役場に認知の届出をする(戸籍法63条)
よくある質問 AI による整理
Q1死後認知とは何ですか?
父又は母の死亡後に、裁判で親子関係を認めてもらう手続です。人事訴訟法44条により検察官を被告として家庭裁判所に訴えを起こします。
Q2死後認知の訴えはいつまでできる?
父又は母の死亡の日から3年以内です(民法787条ただし書)。除斥期間と解されており、交渉や内容証明では止まりません。
Q3死後認知の裁判費用はいくら?
訴状に貼る収入印紙は1万3000円が目安で、別に郵便切手代がかかります。DNA 鑑定を行う場合は鑑定費用が別途必要です。
Q4死後認知はどこの裁判所に訴える?
家庭裁判所です。原告の住所地、または父母が死亡時に住所を有していた地を管轄する家庭裁判所に提起できます(人事訴訟法4条)。
Q5死後認知でも調停は必要?
父母の死亡後は被告が検察官となり合意による解決になじまないため、実務上は調停を経ずに家庭裁判所へ直接訴えを起こします。
Q6認知の裁判中に父が死亡したらどうなる?
訴訟は終わりません。人事訴訟法44条2項が同法26条2項を準用し、検察官が被告の立場を受け継いで審理が続きます。
Q7認知の裁判中に子が死亡したら訴訟は終わる?
民法787条ただし書の3年経過後であれば、子の直系卑属又はその法定代理人が子の死亡から6か月以内に受継できます(本条3項)。
Q8死後認知が認められたら戸籍はどうなる?
判決確定後、訴えを起こした者が確定の日から10日以内に認知の届出をします(戸籍法63条)。これにより戸籍に父の記載がされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1父が死んだ後に認知の裁判って、結局だれを訴えるんですか。相続人ですか。
検察官です(人事訴訟法44条1項)。父の妻や子を被告にした訴状は当事者適格を欠き、中身の審理に入る前に問題になります。実務では、相続人は補助参加(民事訴訟法42条)という形で争ってきます。実務のポイント:検察官は父を知らないため、自分から反証を組み立ててくることはあまりありません。勝敗を実質的に動かすのは、補助参加してくる父方親族が鑑定にどこまで協力するかです
Q2DNA 鑑定って、本人が死んでいてもできるものなんですか。
遺体からの採取は実務上ほぼ実現せず、現実には父方親族の検体か、医療機関に残る資料で勝負します。病理標本、摘出組織、保存血液は施設ごとに保存期間があり、放っておけば廃棄されます。実務のポイント:提訴前でも民事訴訟法234条の証拠保全で標本を押さえられます。親族の鑑定協力は強制できませんが、正当な理由なく拒んだという事情は、裁判所の事実認定であなたに有利に働くことがあります
Q3認知が認められたら、遺産はちゃんともらえるんでしょうか。
相続権は出生時にさかのぼって生じます(民法784条)。ただし他の相続人が既に遺産分割を終えていた場合、分割はやり直されず、価額の支払いを請求できるにとどまります(民法910条)。不動産そのものは戻りません。実務のポイント:認知判決が確定すると相手方は相続税を払いすぎた状態になり、確定を知った日の翌日から4か月以内に更正の請求(相続税法32条)が必要になります。この期限の存在を交渉の場で示せると、相手の姿勢が和解寄りに動くことがあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「父が死んでしまった、いったい誰を訴えればいいのか」という問いの立て方自体がずれている。被告を探す作業は必要ない。法律が検察官を被告の席に座らせている(本条1項)。あなたが探すべきなのは被告ではなく、3年の残り時間と、父の身体に由来する検体がどこに残っているかの二つだ
- 3年の出訴期間があること自体は知っている人が多い。だがその重さを知らない。これは消滅時効ではなく出訴期間(除斥期間と解されている)で、中断も更新もない。内容証明を出しても止まらず、相手方の親族が「話し合いましょう」と言って引き延ばせば、それだけで権利が静かに消える
- あなたから見れば、認知は「父に認めてもらう」という感情の決着である。法律から見れば、出生時にさかのぼって相続人が一人増えるという財産の再配分だ(民法784条)。この落差があるからこそ、父の配偶者や子は全力で争ってくる。感情の問題として準備した側は、財産の攻防で押し切られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 人訴44条:認知の訴えに特化した被告適格と受継 | 人訴12条:人事訴訟一般の被告適格 人訴26条:訴訟係属中の当事者死亡の一般規律 |
| 被告死亡時 | 提訴前の死亡は検察官が被告、係属中の死亡は検察官が受継(2項) | 被告とすべき者が死亡し他にいないときは検察官を被告(3項) 被告死亡で被告とすべき者がないときは検察官が受継(2項) |
| 原告死亡時 | 3年経過後に限り直系卑属等が6か月以内に受継(3項) | 規定なし 原告死亡の受継は一般規律なし(原則として訴訟終了) |
他国ではどう定めているか 5 か国
生父死亡後は相続人を相手方とし、相続人がないときは社会福利主管機関を相手方とする。検察官を被告とする日本とは設計が異なる
父母の死亡後は検察官を相手方とする点で日本と同じ。期間は死亡を知った日から2年で、起算点が日本と異なる
父子関係の確認は家事非訟手続で行われ、父の死亡後も裁判上の確認が可能
父の死亡後は相続人を相手方とし、相続人がない場合は国を相手方とする
採用州では親の死亡後も親子関係確定手続を認めるが、州ごとに要件が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父の訃報を、葬儀が終わったずっと後に知人経由で知ったとしたら? 民法787条ただし書の3年は、あなたが知った日ではなく父が死亡した日から走り出している可能性が高い。落ち着いてから考えようと一年置けば、証拠を集められる時間は残り三分の二に減る。病院に残る検体の保存期間はその間も進んでいる
- あなたは亡くなった夫の妻だ。ある日、夫の死後に認知の訴えが提起されたと知る。だが被告は検察官であって、あなたではない。あなたは当事者ですらない。黙っていれば、防御を一度も出さないまま、知らない子どもが相続人として確定する。自分の相続分を守りたいなら、補助参加(民事訴訟法42条)を自分から申し出るしかない
- 認知を求めて争っていた母が、判決を待たずに亡くなった。あなたは母の子、つまり被告とされた男性の孫にあたる。受け継げる窓は6か月しか開かない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 父または母の死亡日を確定し、3年後の日付をカレンダーに置く(民法787条ただし書)。2. 入通院先に病理標本・保存血液・手術検体が残っていないか弁護士経由で照会し、必要なら民事訴訟法234条の証拠保全。3. 相手が存命なら家庭裁判所の調停から(家事事件手続法257条)、死亡後は調停になじまないため家庭裁判所へ直接提訴し、被告は検察官と特定する。4. 母子手帳、手紙、送金記録、写真など生前の交際と養育の痕跡を時系列で束ねる
訴えられた側:父本人なら、任意認知(民法779条)と判決による認知のどちらが子と自分の双方にとって穏当かを先に比較する。判決は公開の手続と記録を残す。父方の相続人なら、被告は検察官であってあなたは当事者ではない。黙っていれば防御の機会がないまま判決が出るので、補助参加(民事訴訟法42条)を早期に申し出て、鑑定の実施方法と検体の同一性に争点を作る。鑑定協力を拒むだけの対応は、事実認定でかえって不利に評価されうる
時効(請求できる期限):父または母の死亡の日から3年(民法787条ただし書)。除斥期間と解されており、催告や交渉では止まらない。死亡の事実が客観的に明らかでなかった事案で起算点を後ろにずらした裁判例はあるが、実務上、解釈が分かれる論点であり、原則は死亡日起算として動くこと。子が提訴後に死亡した場合、直系卑属またはその法定代理人による受継は、この3年の期間が経過した後、子の死亡の日から6か月以内(本条3項)
学説
通説:父母死亡後の検察官は、身分関係の公益性から形式的当事者として被告の地位に就くにとどまり、事実関係を積極的に争う立場にはない。実質的な攻防は補助参加する相続人との間で行われる
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)人事訴訟法制定、平成16年4月1日施行 旧人事訴訟手続法を全部改正して家庭裁判所を人事訴訟の管轄裁判所とする新法に移行した際、認知の訴えの被告適格(検察官被告)と直系卑属による受継の規律が本条に整理された。その後の親子法制改正(令和4年、2024年4月1日施行)が本条自体の文言に及んだかは未照合のため、total_revisions は -1とし人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:旧人事訴訟手続法を全部改正して人事訴訟法を制定(平成16年4月1日施行)。認知の訴えの被告適格と子の死亡時の受継を本条に整理
- 人事訴訟法 第2条認知の訴えを人事訴訟に位置づけ
- 人事訴訟法 第12条被告適格と検察官被告の一般原則
- 人事訴訟法 第26条本条2項が準用する受継の規律
- 人事訴訟法 第43条認知の無効・取消しの訴えの当事者
- 人事訴訟法 第45条父を定める訴えの当事者の対比
- 民法 第787条認知の訴えの実体法上の根拠と3年の出訴期間
- 民法 第910条分割後に認知された者の価額支払請求
- 民事訴訟法 第124条本条3項が1項後段の受継義務を排除
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