不動産登記法 第129条(筆界調査委員の解任)
クイックジャンプ
- 法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が次の各号のいずれかに該当するときは、その筆界調査委員を解任することができる。
- 一心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
- 二職務上の義務違反その他筆界調査委員たるに適しない非行があると認められるとき。
この条文の基本情報
筆界調査委員の解任とは何ですか?
定義筆界調査委員の解任とは、不動産登記法第129条に定められた規定で、「法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が次の各号のいずれかに該当するときは、その筆界調査委員を解任することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第129条(筆界調査委員の解任)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第129条の条文原文は「法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が次の各号のいずれかに該当するときは、その筆界調査委員を解任することができる。」で始まります。
- 不動産登記法第129条は第一節 総則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第129条の前の条は不動産登記法第128条です。
- 不動産登記法第129条の次の条は不動産登記法第130条です。
- 不動産登記法第129条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第129条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第129条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/129
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法129条は、法務局又は地方法務局の長が、心身の故障または非行を理由に筆界調査委員を解任できると定める。解任事由は二つに限られ、当事者に解任請求権はない。
Q · 境界調査に来た筆界調査委員が信用できないとき、外してもらえますか?
解任できるのは法務局長で、当事者に請求権はありません
不動産登記法129条により、法務局又は地方法務局の長は、筆界調査委員が心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき、又は職務上の義務違反その他筆界調査委員たるに適しない非行があると認められるときに、その委員を解任することができます。条文は解任することができるとする裁量規定であり、申請人や関係人に解任を請求する権利は定められていません。中立性に疑いを持った場合は、法務局長への解任の申出という職権発動を促す形か、意見聴取等の期日で疑問を記録に残す方法が現実的な選択肢になります。
解説
筆界特定を申請すると、あなたの土地の境界を実際に歩いて調べる人間が一人割り当てられる。それが筆界調査委員であり、法務局又は地方法務局の長が任命する非常勤の委員である(127条)。129条は、その委員を任期の途中で外す条件を二つだけ書いている。心身の故障で職務の執行に堪えないと認められるとき、そして職務上の義務違反その他の非行があると認められるとき。押さえるべきは二点ある。第一に「解任することができる」であって「しなければならない」ではない。動かすのは法務局長の裁量であり、当事者であるあなたに解任を請求する権利は条文のどこにも書かれていない。第二に、公務員の身分に関する処分は行政手続法の適用除外(行政手続法3条)であり、解任に聴聞(本人に反論の場を与える正式手続)は要求されない。委員側から見れば身分保障の薄い椅子であり、申請人から見れば、この手続の公正さを支える弁がこの一条に集約されている。
法的な位置づけ
不動産登記法129条は、筆界特定手続において事実の調査を担う筆界調査委員の解任について定める規定である。解任権者は法務局又は地方法務局の長であり、解任事由は心身の故障による職務執行不能と、職務上の義務違反その他の非行の二つに限定される。任命を定める127条、欠格事由を定める128条と一体で、委員の身分と手続の公正を規律する。
よくある質問 AI による整理
Q1筆界調査委員とは何ですか?
筆界特定の手続で現地見分や資料の収集など事実の調査を担当し、筆界特定登記官に意見を提出する非常勤の職です。地元の土地家屋調査士や司法書士などの専門家が任命されます。
Q2筆界調査委員は誰が任命しますか?
法務局又は地方法務局の長が任命します(不動産登記法127条)。解任権者も同じ法務局長であり、任命から解任までの人事権が一つの機関に集中しています。
Q3筆界調査委員が解任されるのはどんなときですか?
不動産登記法129条が定めるのは二つだけです。心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき、そして職務上の義務違反その他筆界調査委員たるに適しない非行があると認められるときです。
Q4筆界調査委員の非行とはどこまで含まれますか?
条文は職務上の義務違反その他筆界調査委員たるに適しない非行と定めるのみで、内容は列挙されていません。判断は法務局長の裁量に委ねられ、抽象的な不信感ではなく日付入りの具体的事実が必要になります。
Q5筆界調査委員の解任に聴聞は必要ですか?
公務員の身分に関する処分は行政手続法3条により同法の適用が除外されるため、解任に聴聞などの正式手続は法律上要求されていません。委員側から見れば身分保障の薄い地位です。
Q6筆界調査委員は公務員ですか?
法務局又は地方法務局の長が任命する非常勤の職であり、公務としての規律を受ける立場にあります。そのため身分に関する処分には行政手続法の聴聞規定が及びません。
Q7筆界調査委員の解任を法務局に申し出る方法は?
法定の申立て手続はないため、職権発動を促す申出書という形になります。日時・発言内容・同席者を特定した事実を書面化し、意見聴取等の期日を迎える前に提出するのが現実的です。
Q8筆界調査委員と土地家屋調査士は何が違いますか?
土地家屋調査士は当事者から依頼を受ける民間の資格者、筆界調査委員は法務局長から任命され中立の立場で事実の調査を担う職です。同じ人物が場面によって両方の立場に立ちます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調査委員がどう見ても相手方寄りなんですが、交代させられますか?
129条が定める解任事由は心身の故障と非行の二つに限られ、当事者に忌避を申し立てる明文の規定は置かれていない(129条、127条)。実務では法務局への申出により担当の指定替えが検討されることもあるが、運用は各法務局で異なる。実務のポイント:交代を求めるより、疑わしい発言を意見聴取等の期日の記録に残させる方が費用対効果は高い。その記録は、後に筆界確定訴訟へ進んだときの材料になる
Q2解任された委員が担当していた調査は、全部やり直しですか?
解任は将来に向かって職を失わせるもので、既に行われた事実の調査が当然に無効となるわけではない。ただし後任の委員が改めて調査し意見を提出する(130条)ため、実質的にやり直しに近い形になることが多い。実務のポイント:あなたが出した測量図や立会いの記録は法務局側に残るので再提出は不要。先に確認すべきは、前任委員の現地見分の記録が引き継がれているかどうかである
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「中立性に疑いのある委員は外して当然」だが、条文から見れば解任事由は心身の故障と非行の二つしかない。相手方との過去の受任関係や心証の偏りは、そのままでは条文の文言に乗らない。この落差を知らずに期日で「忌避します」と口にしても、手続は止まらないし記録にも残らない
- 解任という制度があること自体は知っていても、その効果の重さは意識されていない。委員が交代すれば事実の調査は実質的にやり直しとなり、あなたの筆界特定は数か月単位で後ろへずれる。解任は公正の回復であると同時に、申請人にとっては時間という費用の請求書でもある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 129条:在任中の委員を任期途中で職から外す | 127条:委員を任命し地位を与える 128条:就任時に委員となれない者を定める |
| 要件 | 心身の故障による職務執行不能、または非行 | 法務局又は地方法務局の長による任命 法定の欠格事由に該当しないこと |
| 効果の性質 | することができる(法務局長の裁量) | 任命行為により地位が発生 該当すれば当然に就任できない |
| 当事者が動かせる余地 | 請求権なし。職権発動を促す申出にとどまる | 関与の規定なし 関与の規定なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は境界紛争を行政の調処委員会で扱い、委員は地方主管機関が委嘱する。委員の解任は法律本体ではなく下位の設置弁法で規律される点が日本と異なる
韓国は地籍再調査に伴う境界決定を合議体の委員会が担う。日本が単独の調査委員に事実の調査を委ねるのに対し、合議制を採る点で構造が異なる
ドイツは境界確定を公的に任命された測量技師(ÖbVI)が担い、その任免と懲戒は州法と職業規則で規律される。手続内の一時的な委員ではなく恒常的な職業身分として組み立てられている
米国は境界紛争を原則として訴訟で解決し、測量士は州の免許制度と懲戒手続で規律される。日本のような裁判外の行政特定手続に専属する委員という職は一般的でない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、現地調査に来た筆界調査委員が、相手方の土地を過去に測量したことのある土地家屋調査士だったとしたら? 意見の提出まで残り二週間。129条が並べる解任事由は心身の故障と非行の二つだけで、過去の受任歴はその文言に乗らない。あなたに打てる手は、法務局長への解任の申出という職権発動の促しと、意見聴取等の期日で疑問を記録に残させることに限られる
- あなたが土地家屋調査士として筆界調査委員に任命された。持病の悪化で現地見分を三度延期した時点で、129条一号の射程に入る。辞任するか解任されるかは、法務局長の判断一つで決まる
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正 筆界特定制度の創設に伴い新設された条文。筆界調査委員という新たな職を設けるにあたり、任命(127条)、欠格(128条)と一体で、任期途中の解任事由を心身の故障と非行の二つに限定して明文化した。施行は平成18年1月20日
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:筆界特定制度の創設に伴い新設。筆界調査委員という新たな職を設けるにあたり、任命(127条)、欠格(128条)と一体で、任期途中の解任事由を心身の故障と非行の二つに限定して明文化した。施行は平成18年1月20日
- 不動産登記法 第127条解任される地位の任命根拠
- 不動産登記法 第128条就任時の欠格事由を定める
- 不動産登記法 第130条解任で中断する事実の調査
- 不動産登記法 第131条委員が関与する手続の入口
- 行政手続法 第3条公務員の身分処分は聴聞除外
- 国家公務員法 第78条心身の故障による分限の一般規定
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