不動産登記法 第78条(地上権の登記の登記事項)
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- 地上権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
- 一地上権設定の目的
- 二地代又はその支払時期の定めがあるときは、その定め
- 三存続期間又は借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十二条第一項前段若しくは第二十三条第一項若しくは大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成二十五年法律第六十一号)第七条第一項の定めがあるときは、その定め
- 四地上権設定の目的が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物の所有であるときは、その旨
- 五民法第二百六十九条の二第一項前段に規定する地上権の設定にあっては、その目的である地下又は空間の上下の範囲及び同項後段の定めがあるときはその定め
この条文の基本情報
地上権の登記の登記事項とは何ですか?
定義地上権の登記の登記事項とは、不動産登記法第78条に定められた規定で、「地上権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第78条(地上権の登記の登記事項)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第78条の条文原文は「地上権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。」で始まります。
- 不動産登記法第78条は第三節 権利に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第78条の前の条は不動産登記法第77条です。
- 不動産登記法第78条の次の条は不動産登記法第79条です。
- 不動産登記法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法78条は、地上権の登記事項として設定の目的・地代の定め・存続期間・事業用定期借地権である旨・区分地上権の上下の範囲を限定列挙する規定である。
Q · 登記簿の地上権の欄には、いったい何が書かれているんですか?
目的・地代・存続期間・上下の範囲など5項目です
不動産登記法78条は、地上権の登記において記録すべき事項を限定列挙します。第59条各号の共通事項に加え、①設定の目的、②地代又はその支払時期の定めがあるときはその定め、③存続期間又は借地借家法22条1項前段・23条1項等の定めがあるときはその定め、④事業用定期借地権である旨、⑤区分地上権の場合は地下又は空間の上下の範囲及び土地の使用の制限の定めです。地代は地上権の成立要件ではないため、記載がなければ無償の地上権と読むことになります。
解説
登記簿の乙区に「地上権設定」の文字を見つけたら、次に目を落とすべきは地代の欄である。空白であれば、その地上権は無償だ。地上権は賃借権と違い、地代は成立要件ではない(民法266条)。78条2号がわざわざ「地代の定めがあるときは、その定め」と条件付きで書いているのは、そういう意味である。あなたがその土地を買っても、地上権者は物権として使い続け、しかも地主の承諾なく譲渡も転貸もできる。さらに5号を読めば、地下鉄トンネルや送電線のための区分地上権は、地下何メートルから何メートルまでという上下の範囲まで登記されている。杭が打てるか、地下室が掘れるか、その答えは不動産業者の説明ではなく、この登記事項の並びの中にある。78条は登記手続の規定という顔をしているが、実質は土地の使用価値がどこまで削られているかを列挙した明細である。
法的な位置づけ
不動産登記法78条は、地上権の登記における固有の登記事項を定める規定である。第59条各号の権利に関する登記の共通事項に加え、設定の目的、地代及び支払時期の定め、存続期間等の定め、事業用定期借地権である旨、区分地上権の上下の範囲と土地の使用の制限を限定列挙し、登記官が記録すべき事項の範囲を画する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書を取得して乙区を全部読む 法務局窓口またはオンライン(登記・供託オンライン申請システム)で対象地の登記事項証明書を取得する。甲区の所有者名義より先に乙区を開き、地上権・賃借権・地役権・抵当権の記載を順に確認する
- 2.78条の5項目を書き出して欠落を見る 設定の目的、地代とその支払時期、存続期間(借地借家法22条1項前段・23条1項の定めを含む)、事業用定期借地権である旨、区分地上権の上下の範囲と使用の制限を一覧化する。地代欄が空白なら無償の地上権と読む
- 3.存続期間の残年数と借地権の類型を確定する 設定日と存続期間から残年数を計算し、借地借家法22条型(一般定期借地権)か23条型(事業用定期借地権)か普通借地権かを特定する。残り10年を切る定期借地権付きの底地は担保評価が急落するため、価格交渉の前提になる
- 4.区分地上権は測量基準付きで上下範囲を照合する 地下何メートルから何メートルまでか、基準面が東京湾平均海面か地表面かを確認し、建築計画の基礎深度・杭長と突き合わせる。読み取れないときは鉄道事業者や電力会社の用地担当に掘削承諾の運用を直接照会する
- 5.登記と契約の食い違いを司法書士に持ち込む 契約書の内容と登記事項が一致しない場合、合意していても登記していない定めは第三者に対抗できない。設定契約書・公正証書の原本を取り寄せ、更正登記または追加登記の可否を司法書士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1地上権の登記事項とは?
不動産登記法78条が定める5項目です。設定の目的、地代とその支払時期、存続期間等の定め、事業用定期借地権である旨、区分地上権の上下の範囲と使用の制限が記録されます。
Q2区分地上権の登記に上下の範囲は必要ですか?
必要です。78条5号は、民法269条の2第1項前段の地上権について、目的である地下又は空間の上下の範囲を登記事項としています。範囲の特定を欠く申請は通りません。
Q3事業用定期借地権であることは登記できますか?
できます。設定の目的が借地借家法23条1項・2項の建物所有であるときは、その旨が78条4号の登記事項になります。ただし設定自体に公正証書が必要です。
Q4存続期間の定めがない地上権はどうなりますか?
登記事項としては記録されず、期間は当事者の請求により裁判所が20年以上50年以下の範囲で定めます(民法268条2項)。慣習があるときはそれによります。
Q5地上権の設定登記は誰が申請しますか?
登記権利者である地上権者と登記義務者である土地所有者の共同申請が原則です(不動産登記法60条)。実務では司法書士が双方から委任を受けて申請します。
Q6地上権は登記簿のどこに載りますか?
所有権以外の権利なので権利部乙区に記録されます。甲区の所有者名義だけを見ても、その土地がどこまで使われているかは分かりません。
Q7土地の使用の制限も登記できますか?
区分地上権については登記できます。78条5号は民法269条の2第1項後段の定め、つまり土地所有者の使用を制限する特約も登記事項としています。
Q8地上権の抹消登記はいつ必要ですか?
存続期間の満了、放棄、合意解除などで地上権が消滅したときです。登記記録は自動では消えず、原則として当事者の共同申請で抹消します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1地上権と賃借権って、借りる側からするとどっちが得なんですか?
地上権が圧倒的に有利です。物権なので登記請求権があり、78条が登記事項を細かく定めているのもそのためです。地主の承諾なく譲渡・転貸できる点も大きく、賃借権なら民法612条で承諾が必要です。実務のポイント:だからこそ地主は地上権を嫌い、日本の借地の大半は賃借権です。相手が地上権に固執してきたら、将来の事業売却や証券化を織り込んでいるサインだと読んでよい
Q2登記簿に地代が書いてない地上権を見つけました。あとから地代を請求できますか?
原則としてできません。地上権は無償が原則で、地代は当事者が定めたときに初めて発生します(民法266条)。78条2号が「定めがあるときは」と条件付きなのはそのためです。実務のポイント:送電線や地下トンネルの区分地上権は、設定時に一時金を払って地代の定めを置かない形が多い。相続前に乙区を見ておくと、その土地の収益力がゼロだと分かり、遺産分割での評価と取り合いが変わります
Q3地下鉄が通ってる土地でも、地上には普通に家を建てられるんですよね?
建てられますが無制限ではありません。区分地上権は上下の範囲だけでなく、土地の使用の制限の定めも登記事項です(78条5号、民法269条の2第1項後段)。杭の深度や荷重の上限が記録されていることがあります。実務のポイント:この制限は登記されて初めて第三者に対抗できる。記載の意味が読み取れないときは、不動産業者を経由せず鉄道事業者や電力会社の用地担当に掘削承諾の運用を直接照会したほうが、正確な答えが早く出ます
間違えやすい点 AI による整理
- 地上権と賃借権の違いは知っていても、その差が「地主の承諾なしに売れる」という一点でどれほどの経済的差を生むかまでは意識されていない。太陽光・通信鉄塔・物流施設のように事業ごと第三者へ売却する前提の案件では、承諾不要という性質が投資適格性そのものを左右する。だから事業者は多少高くても地上権に固執する
- 「事業用定期借地にしておけば期間満了で確実に土地が返ってくるか」という問いの立て方自体が誤っている。返ってくるかどうかを決めるのは登記ではなく、公正証書によって設定されたか否かである(借地借家法23条3項)。書面の形式を外した瞬間、返ってこない借地に化ける
- あなたから見れば「他人の権利が付いているだけの土地」だが、金融機関から見れば担保評価を直撃する情報である。存続期間の残りが短い定期借地権付きの底地、範囲の特定が曖昧な区分地上権、どちらも融資審査で減点材料になる。その落差が、売却時に思わぬ価格差として跳ね返る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権利の性質と登記の可否 | 78条:地上権は物権。登記請求権があり、地上権者から登記を求められる | 81条:賃借権は債権。特約がなければ登記請求権はない 80条:地役権は物権。承役地に登記し、要役地に職権で記録される |
| 対価の位置づけ | 78条2号:地代は「定めがあるとき」のみ登記事項。無償の地上権が成立しうる | 81条1号:賃料は賃貸借の成立要件であり、常に登記事項 80条:対価は登記事項として掲げられていない |
| 範囲の特定 | 78条5号:区分地上権は地下又は空間の上下の範囲と使用の制限まで記録 | 81条:土地全体または賃貸の範囲、譲渡転貸の許諾の定めが中心 80条:承役地のうち地役権が設定される範囲を特定 |
| 譲渡・転貸 | 78条:制限は原則登記事項でなく、地主の承諾なく譲渡・転貸できる | 81条3号:譲渡・転貸の許諾の定めが登記事項。原則は民法612条で承諾が必要 80条:要役地の所有権に随伴し、単独では譲渡できない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2010年の物権編改正で地上権を普通地上権と区分地上権に整理し、日本の民法269条の2に近い立体的利用の規律を明文化した。登記事項は土地登記規則が定める
韓国も地上権の登記事項を条文で列挙する構成をとり、目的・範囲・存続期間・地代とその支払時期を掲げる。日本法の構造に近い
ドイツの Erbbaurecht は独立の Erbbaugrundbuch に記録される点で、日本のように土地登記記録の乙区に記載する方式と異なる。地代(Erbbauzins)は Reallast として別に登記されうる
米国は権利の類型を法定列挙する登記事項制度をとらず、証書(deed、lease)そのものを記録する方式が中心である。何が公示されるかは証書の記載次第となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 買付を入れた土地の登記事項証明書に、見慣れない「区分地上権」の文字が並んでいたとしたら? 決済まであと5日。上下の範囲は地下12メートルから25メートル、土地の使用の制限として杭打ちの深度規制まで記録されている。建築計画の基礎設計をやり直すか、価格を下げるか、決断の材料はその数行しかない
- 地主として、太陽光事業者に地上権を設定した。数年後、事業者は発電所ごと外資ファンドへ売却する。地上権は物権なので、あなたの承諾は要らない
- 事業用定期借地のつもりで、テナント企業と契約書を交わして地上権を設定した。ところが公正証書にしていない。借地借家法23条3項の効力要件を欠くため、期間満了で当然には戻ってこず、更新拒絶には正当事由が必要な普通借地権として扱われる。78条4号の「その旨」を登記できるのは、そもそも有効に成立している場合だけである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 登記事項証明書を取得し乙区を全部読む。地上権設定の目的、地代の有無と支払時期、存続期間、区分地上権なら上下範囲と使用制限を書き出す2. 地代の記載がなければ無償の地上権であり、後から当然には地代を請求できないと理解する(民法266条) 3. 存続期間の残年数と、借地借家法22条型か23条型かを特定する4. 記載が実態と食い違うなら、設定契約書や公正証書の原本を取り寄せ、司法書士に更正登記の可否を相談する
訴えられた側:1. 設定契約の内容と登記申請情報を一致させる。合意しても登記していない定めは第三者に対抗できない2. 事業用定期借地権なら公正証書が効力要件(借地借家法23条3項)、契約書のみでは普通借地権として扱われる3. 区分地上権は上下範囲を測量基準付きで特定する。抽象的な記載では申請が通らない4. 土地が将来転売される前提で、必要な条件は78条各号の枠内に落とし込んで登記する
時効(請求できる期限):登記事項の記録自体に時効はない。存続期間が満了すれば地上権は消滅し、その後の抹消登記は共同申請が原則。存続期間の定めがない地上権は、当事者の請求により裁判所が20年以上50年以下で定める(民法268条2項)。地代債権は債権の一般消滅時効に服し、権利行使できると知った時から5年(民法166条1項1号)
学説
通説(登記事項限定列挙説):78条各号は地上権について登記しうる事項を限定的に列挙したものであり、列挙外の合意、たとえば修繕分担や原状回復の方法は登記できない。これらは債権的効力にとどまり、土地の譲受人には及ばないと解される
通説(地上権の無償性):地上権は地代を成立要件とせず、地代は当事者が定めた場合に限り発生する(民法266条)。78条2号が「定めがあるときは」と条件付きで規定するのはこの実体法上の帰結を登記手続に反映したものと理解される
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 旧不動産登記法の全部改正により、地上権の登記事項を号列挙する現行78条が新設された。オンライン申請制度への移行に合わせ、登記事項の整理と明確化が図られた
- 平成25年(2013年) 大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成25年法律第61号)の制定に伴い、3号に同法7条1項の被災地短期借地権の定めが登記事項として追加された
- 令和3年(2021年)公布の借地借家法改正に伴う整備 借地借家法22条が書面に加え電磁的記録による設定を認める形で項に分かれたことに伴い、3号の引用が「第22条第1項前段」に改められた。実体的な登記事項の範囲自体に変更はない(現行条文の引用形式を要確認)
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:旧不動産登記法の全部改正により現行法が制定され、地上権の登記事項を号列挙する78条が置かれた。オンライン申請制度への移行に合わせ、登記事項の整理と明確化が図られた
- 2.平成25年(2013年) 改正:大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成25年法律第61号)の制定に伴い、3号に同法7条1項の定めが登記事項として追加された
- 3.令和3年(2021年) 改正:借地借家法22条が電磁的記録による設定を認める形で項に分かれたことに伴い、3号の引用が「第22条第1項前段」に改められた。登記事項の実体的範囲自体に変更はない
- 不動産登記法 第59条権利に関する登記の共通登記事項
- 不動産登記法 第79条永小作権の登記事項、用益権の並列規定
- 不動産登記法 第80条地役権の登記事項、範囲特定の対比
- 不動産登記法 第81条賃借権の登記事項、債権型借地との対比
- 不動産登記法 第81条の2配偶者居住権の登記事項、用益権の新類型
- 民法 第269条の2区分地上権の実体法上の根拠
- 民法 第266条地代の定めがある場合の賃貸借規定の準用
- 借地借家法 第23条事業用定期借地権と公正証書要件
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