不動産登記法 第145条(筆界特定手続記録の保管)
クイックジャンプ
前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。)は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管する。
この条文の基本情報
筆界特定手続記録の保管とは何ですか?
定義筆界特定手続記録の保管とは、不動産登記法第145条に定められた規定で、「前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第145条(筆界特定手続記録の保管)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第145条の条文原文は「前条第一項の規定により筆界特定の申請人に対する通知がされた場合における筆界特定の手続の記録(以下「筆界特定手続記録」という。」で始まります。
- 不動産登記法第145条は第三節 筆界特定に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第145条の前の条は不動産登記法第144条です。
- 不動産登記法第145条の次の条は不動産登記法第146条です。
- 不動産登記法第145条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第145条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第145条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/145
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法145条は、筆界特定の申請人に通知がされた後の筆界特定手続記録を、対象土地の所在地を管轄する登記所で保管すると定める。申請先の法務局本局ではない。
Q · 筆界特定が終わったあと、その記録はどこに置かれるんですか?
対象土地の所在地を管轄する登記所で保管されます
不動産登記法145条により、筆界特定の申請人に対する通知がされた後、筆界特定手続記録は対象土地の所在地を管轄する登記所において保管されます。申請を受け付けた法務局または地方法務局の本局ではなく、土地の管轄が基準です。保管された記録のうち筆界特定書の写しは、何人でも手数料を納付して交付を請求でき(146条)、利害関係の疎明は不要です。ただし図面や意見書など筆界特定書以外の部分の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限られます。
解説
筆界特定の申請書を出した場所と、その結果が眠る場所は同じとは限らない。申請は対象土地を管轄する法務局または地方法務局の長に対して行うが、手続が終わり申請人への通知が済むと、一件記録は「対象土地の所在地を管轄する登記所」に移されて保管される。ここが145条の要点である。あなたが十年後に「あのとき筆界はどう特定されたのか」を確かめたくなったとき、行くべきは当時やり取りした法務局本局ではなく、その土地を今管轄している登記所だ。さらに効くのは、この記録が私的なファイルではないという点。保管された筆界特定手続記録のうち筆界特定書の写しは、誰でも手数料を払えば取得できる(146条)。あなたが隣人と争った経緯は、人ではなく土地に紐づいた公的記録として残り続ける。
法的な位置づけ
不動産登記法145条は筆界特定手続記録の保管場所を定める規定であり、申請人への通知がされた筆界特定の手続の記録は、対象土地の所在地を管轄する登記所において保管される。基準となるのは申請を受けた法務局ではなく対象土地の管轄であり、記録の閲覧および写しの交付請求(146条)の窓口もこれに従う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象土地の所在地から管轄登記所を特定する 登記事項証明書や公図で対象土地の所在地を確定し、法務局が公表する管轄一覧で現在の管轄登記所を調べる。申請当時にやり取りした法務局本局ではなく、土地の管轄が窓口である点を最初に押さえる
- 2.筆界特定の有無を管轄登記所に確認する 管轄登記所に対し、対象土地について筆界特定手続記録が保管されているかを照会する。地番単位で特定できるよう、地番・地目・隣接地の情報を整理して持参または事前に準備する
- 3.筆界特定書の写しの交付を請求する 146条に基づき、筆界特定書の写しの交付を請求する。何人でも請求でき、利害関係の疎明は不要。手数料を納付し、特定された筆界とその理由の要旨を確認する
- 4.筆界特定書以外の部分は利害関係を示して閲覧する 図面、測量成果、意見書など筆界特定書以外の部分の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限られる。所有権や隣接関係など、どの部分にどんな利害関係があるかを説明できる資料を揃える
- 5.取得した記録を土地家屋調査士に評価してもらう 取得した筆界特定書と図面を土地家屋調査士に渡し、再測量の要否、分筆登記や売買への影響、筆界確定訴訟を検討すべきかを判断してもらう。過去の記録があれば調査の出発点にできる
よくある質問 AI による整理
Q1筆界特定手続記録とは何ですか?
筆界特定の申請から特定までの一件記録です。筆界特定書のほか、図面、測量成果、当事者や関係人の意見書などが含まれ、通知後は不動産登記法145条により登記所で保管されます。
Q2筆界特定の記録はどこで保管されていますか?
対象土地の所在地を管轄する登記所です(145条)。申請先は法務局または地方法務局の長ですが、手続終了後の記録の保管場所は土地の管轄で決まるため、両者が一致しないことがあります。
Q3過去に筆界特定がされたか調べる方法は?
対象土地の所在地を管轄する登記所に照会します。筆界特定書の写しの交付は何人でも請求でき(146条)、利害関係の疎明も不要なので、売主に尋ねる前に自分で確認できます。
Q4筆界特定書の写しの請求に費用はかかりますか?
手数料が必要です(146条)。具体的な額は政令・法務省令で定められ改定されることがあるため、請求前に管轄登記所または法務局の案内で最新額を確認してください。
Q5筆界特定の記録はいつまで残りますか?
保存期間は法務省令で定められています。期間が経過すると写しの交付や閲覧ができなくなる可能性があるため、古い事案ほど早めに管轄登記所へ確認することが実務上重要です。
Q6管轄の登記所はどうやって調べますか?
法務局が公表する管轄一覧で、対象土地の所在地から確認します。市町村合併や登記所の統廃合があっても、記録は現在その土地を管轄する登記所に引き継がれます。
Q7土地を買う前に筆界特定の履歴を確認できますか?
できます。筆界特定書の写しは何人でも請求できるため、買主候補の段階でも管轄登記所で確認できます。境界紛争の前歴は売主の説明を待たずに把握できます。
Q8筆界確定訴訟の判決が出たら筆界特定はどうなりますか?
筆界確定訴訟の確定判決と抵触する範囲で、筆界特定は効力を失います。ただし記録自体は登記所に保管され続け、訴訟でも中心的な資料として扱われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1筆界特定の記録って、まったく関係ない他人でも見られるんですか?
筆界特定書の写しの交付は何人でも請求できる(不動産登記法146条、手数料が必要)。ただし図面や意見書など筆界特定書以外の部分の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限られる。保管場所は対象土地の所在地を管轄する登記所である(145条)。実務のポイント:土地を買う側の実務では、売主の説明より先に管轄登記所で筆界特定の有無を確認する。境界トラブルの前歴は、売主が黙っていても記録の側から出てくる
Q2筆界特定の結果に納得できません。役所が決めたのだから不服申立てできますよね?
筆界特定は、審査請求や取消訴訟で争う仕組みが用意されていない。争う道は筆界確定訴訟であり、確定判決と抵触する範囲で筆界特定は効力を失う。そして145条で保管された手続記録は、その訴訟で中心的な資料になる。実務のポイント:だから筆界特定の段階で出す資料の質が、後の訴訟の出発点をそのまま決める。安い前哨戦のつもりで手を抜くと、その手抜きが記録として裁判所の目に触れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「筆界特定の記録を見たいが、どこに問い合わせればいいのか」という問いの立て方自体がずれている。窓口は問い合わせ先を探して決まるものではなく、対象土地の所在地の管轄で自動的に決まる。申請を受けた法務局本局に照会しても、手続が終わった記録はそこにはない
- 筆界特定手続記録が閲覧できること自体は知られているが、閲覧できる相手の広さが軽く見られている。筆界特定書の写しの交付は何人でも請求でき、利害関係の疎明も要らない(146条)。将来その土地を買おうとする人も、次に境界を争う気の隣人も、結論を確認できる立場にある。ただし図面や意見書など筆界特定書以外の部分の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限られる
- 筆界特定が済めば境界は永久に固まったと考えがちだが、筆界確定訴訟の確定判決が出れば、筆界特定はその判決と抵触する範囲で効力を失う。記録が登記所に保管され続けることと、その内容が最終決着であることは別の話である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何を定める条文か | 145条:通知後の筆界特定手続記録の保管場所 | 131条:筆界特定の申請と申請先(法務局または地方法務局の長) 146条:保管された記録の写しの交付・閲覧請求 |
| 窓口・名宛人 | 対象土地の所在地を管轄する登記所 | 対象土地を管轄する法務局または地方法務局の長 記録を保管する登記所(145条により決まる) |
| 使うタイミング | 手続終了後、記録の所在を探すとき | 境界に争いが生じ、手続を始めるとき 過去の特定内容を確認・立証したいとき |
| 誰が関係するか | 将来の買主・相続人・隣接地所有者を含む不特定多数 | 土地の所有権登記名義人等の申請適格者 筆界特定書は何人でも、それ以外は利害関係人のみ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は地籍図重測と不動産紛争調処の枠組みで境界を扱い、測量成果は所在地の地政事務所が保管する。日本のように筆界特定という独立した準司法的手続を法定していない点が構造上の違い
韓国は地籍再調査事業の中で경계결정위원회が境界を決定し、結果は地籍公簿に反映される。個別申請型ではなく事業主導型である点が日本の筆界特定と異なる
ドイツは境界標の設置請求権を民法に置き、境界資料は州の地籍当局が管理する。境界の確定は測量行政と民事訴訟に分かれ、登記所に手続記録を集約する日本型の設計とは異なる
米国は連邦統一法がなく、州法により測量図(survey plat)を郡の記録官が記録・公開する仕組みが一般的。境界紛争は民事訴訟(quiet title / boundary line action)で処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 決済まであと10日。買おうとしている土地について、以前隣地と境界でもめたらしいと仲介業者がこぼした。過去に筆界特定がされていたかどうかは、どこで確かめられる? 答えは対象土地の所在地を管轄する登記所。売主に問い合わせるより早く、手数料を払って筆界特定書の写しを請求すれば、特定された筆界とその理由が分かる
- 隣人が先に筆界特定を申請し、あなたは関係人として意見を求められた。面倒だからと雑に出した書面も、通知後は手続記録として登記所に保管される。数年後、あなたが土地を売るとき、買主候補がその記録にたどり着く
- 亡くなった父が二十年近く前に隣家と境界でもめていたらしいと親族から聞いた。相続した土地を分筆したいが、当時の事情を覚えている人はもういない。当時の担当者を探しても意味はなく、窓口は現在その土地を管轄している登記所である。管轄の統廃合があっても、記録は管轄に従って引き継がれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対象土地の所在地を管轄する登記所を法務局の管轄一覧で特定する。申請を受けた法務局本局ではない2. 筆界特定書の写しの交付を請求する(146条、手数料が必要)。何人でも請求でき、利害関係の疎明は不要3. 図面や意見書など筆界特定書以外の部分の閲覧は自分が利害関係を有する部分に限られるため、どの部分にどんな利害関係があるかを説明できるようにしておく4. 取得した記録を土地家屋調査士に渡し、再測量が要るかどうかを判断してもらう
訴えられた側:1. 隣地所有者から筆界特定が申請された段階で、出す意見書と資料は将来公的に保管される前提で作る。感情的な一文も記録として残り続ける2. 手続中に主張を出し尽くす。通知後は記録が固定され、後から差し替えはきかない3. 結果に納得できなくても、筆界特定そのものを審査請求で争う仕組みは用意されていない。争う道は筆界確定訴訟であり、確定判決と抵触する範囲で筆界特定は効力を失う4. 売却予定があるなら記録の内容を先に把握し、買主への説明を準備しておく
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。筆界特定書等の写しの交付・閲覧請求(146条)にも請求期限はないが、記録の保存期間は法務省令で定められており、期間経過後は取得できなくなる可能性がある(最新の規定をご確認ください)。筆界特定に不服がある場合の出訴期間の定めもなく、筆界確定の訴えに消滅時効の定めもない
学説
通説:筆界特定は筆界を新たに創設するものではなく、既に存在する公法上の筆界を行政手続によって明らかにする作用と解されている。したがって145条による記録の保管は、行政判断の証跡保存であると同時に、後の筆界確定訴訟における立証基盤としての機能を持つ
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正 筆界特定制度の創設に伴い第6章として新設された条文。境界紛争を訴訟以外の行政手続で解決する道を開き、その手続記録を対象土地の管轄登記所に集約する仕組みを定めた。以降の改正の有無は要検証
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:筆界特定制度の創設に伴い、第6章の一連の規定として新設。境界紛争を訴訟以外の手続で解決する道を開くとともに、その手続記録を対象土地の所在地を管轄する登記所に集約して保管する仕組みを定めた。以降の改正の有無は要検証
- 不動産登記法 第123条筆界および筆界特定の定義規定
- 不動産登記法 第131条筆界特定の申請先と管轄の定め
- 不動産登記法 第143条筆界特定と筆界特定書の作成
- 不動産登記法 第144条申請人への通知、本条の保管開始の起点
- 不動産登記法 第146条保管記録の写しの交付・閲覧請求権
- 土地家屋調査士法 第3条筆界特定手続の代理業務の範囲
- 民事訴訟法 第226条訴訟での文書送付嘱託による記録取寄せ
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める