受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

不動産登記法 第146条(手続費用の負担等)

クイックジャンプ
  1. 筆界特定の手続における測量に要する費用その他の法務省令で定める費用(以下この条において「手続費用」という。)は、筆界特定の申請人の負担とする。
  2. 2.筆界特定の申請人が二人ある場合において、その一人が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、等しい割合で手続費用を負担する。
  3. 3.筆界特定の申請人が二人以上ある場合において、その全員が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であるときは、各筆界特定の申請人は、その持分(所有権の登記がある一筆の土地にあっては第五十九条第四号の持分、所有権の登記がない一筆の土地にあっては第二十七条第三号の持分。次項において同じ。)の割合に応じて手続費用を負担する。
  4. 4.筆界特定の申請人が三人以上ある場合において、その一人又は二人以上が対象土地の一方の土地の所有権登記名義人等であり、他の一人又は二人以上が他方の土地の所有権登記名義人等であるときは、対象土地のいずれかの土地の一人の所有権登記名義人等である筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額を負担し、対象土地のいずれかの土地の二人以上の所有権登記名義人等である各筆界特定の申請人は、手続費用の二分の一に相当する額についてその持分の割合に応じてこれを負担する。
  5. 5.筆界特定登記官は、筆界特定の申請人に手続費用の概算額を予納させなければならない。

この条文の基本情報

手続費用の負担等とは何ですか?

定義手続費用の負担等とは、不動産登記法第146条に定められた規定で、「筆界特定の手続における測量に要する費用その他の法務省令で定める費用(以下この条において「手続費用」という。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 不動産登記法第146条(手続費用の負担等)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
  2. 不動産登記法第146条の条文原文は「筆界特定の手続における測量に要する費用その他の法務省令で定める費用(以下この条において「手続費用」という。」で始まります。
  3. 不動産登記法第146条は第四節 雑則に置かれています。
  4. 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
  5. 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 不動産登記法第146条の前の条は不動産登記法第145条です。
  7. 不動産登記法第146条の次の条は不動産登記法第147条です。
  8. 不動産登記法第146条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第146条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
  • 本サイト収録不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第146条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/146

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点不動産登記法146条は、筆界特定の測量費など手続費用を申請人の負担と定める。双方の土地所有者が共同申請すれば折半となり、登記官は概算額の予納を求める。

Q · 隣が越境しているのに、筆界特定の測量費はどっちが払うんですか?

原則は申請した側の全額前払いです

不動産登記法146条1項により、筆界特定の測量費などの手続費用は申請人の負担です。訴訟のような敗訴者負担はなく、特定結果が有利に出ても隣地所有者に請求できません。ただし対象土地の双方の所有権登記名義人等が二人で申請すれば2項で折半、同じ側に複数人いれば3項・4項で持分割合の按分になります。さらに5項により筆界特定登記官は概算額を予納させなければならず、費用は着手前の前払いとなります。

解説

境界紛争を裁判にせず登記所に持ち込める。それが筆界特定制度であり、多くの解説はそこで話を終える。146条が語るのはその先、誰が払うかである。答えは1項、申請人、つまり言い出したあなただ。測量に要する費用その他法務省令で定めるものが「手続費用」として申請人にのしかかり、しかも5項により概算額を先に予納しなければ手続そのものが動かない。勝敗による精算はない。筆界特定の結果があなたの主張どおりに出ても、隣地所有者に一円も請求できない。逆に、隣地所有者を説得して二人で申請すれば2項が働き、負担は折半になる。共有地なら3項で持分割合、双方に複数の共有者がいれば4項でまず土地ごとに二分の一、その中を持分で割る。つまりこの条文は費用計算式であると同時に、申請書を出す前に誰を巻き込むかという交渉の設計図でもある。

法的な位置づけ

不動産登記法146条は、筆界特定の手続費用の負担者を定める規定である。測量に要する費用その他法務省令で定める費用を手続費用とし、原則として申請人がこれを負担する。申請人が複数のときは、対象土地のいずれの側に属するかと持分割合に応じて按分され、筆界特定登記官は手続に先立ち概算額を予納させる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.申請前に隣地所有者へ共同申請を打診する 申請書を提出する前に隣地所有者へ連絡し、共同申請を提案する。146条2項が働けば手続費用は折半になる。提出後に同意を得ても折半には戻らないため、この打診が費用を半減できる唯一のタイミングとなる
  2. 2.土地家屋調査士に測量費の概算と追納リスクを確認する 土地家屋調査士に対象土地の広さ・形状・分筆履歴を示し、測量費の概算と追加測量が生じやすい土地かを事前に確認する。傾斜地、長い境界線、古い分筆履歴のある土地は追納が出やすい
  3. 3.共有地なら共有者全員を申請人に加える 対象土地が共有の場合、共有者全員で申請すれば3項により持分割合の按分となり、言い出した一人が全額を負担する事態を避けられる。持分は登記のある土地は59条4号、登記のない土地は27条3号による
  4. 4.予納額の提示を受けた時点で採算を判定する 筆界特定登記官から概算額の予納を求められた段階で、争っている面積の価値と手続費用を並べて比較する。割に合わなければ、隣地との筆界確認書の取り交わしや境界標の設置による決着に切り替える
  5. 5.予納して手続を進め、追納要求に備える 定められた期間内に概算額を納付する。納付がなければ手続は進行せず却下に至りうる。現地調査後に追加測量が必要となれば追納を求められるため、見積額の一定割合を予備費として確保しておく

よくある質問 AI による整理

Q1筆界特定の手続費用には何が含まれますか?

測量に要する費用その他法務省令で定める費用が手続費用です。中心は現地測量の実費で、申請時に納める手数料とは別枠です。土地家屋調査士に代理を依頼した場合の報酬も別に発生します。

Q2筆界特定を共同申請するとどうなりますか?

対象土地の一方と他方の所有権登記名義人等が二人で申請すると、146条2項により手続費用を等しい割合で負担します。単独申請の全額負担が半分になるため、申請書を出す前の交渉が効きます。

Q3共有地の筆界特定は誰がいくら払いますか?

申請人全員が同じ側の共有者なら3項で持分割合の按分です。双方の土地に申請人がいる場合は4項でまず土地ごとに二分の一を割り、その中を持分割合で分けます。

Q4筆界特定の予納金は返ってきますか?

実際に費消された測量費等には充当され、勝敗による精算や相手方への求償はありません。手続が進んだ後に取り下げても、使われた分は戻らないのが原則です。

Q5予納しないと筆界特定はどうなりますか?

5項により筆界特定登記官は概算額を予納させなければならず、定められた期間内に納付がなければ手続は進みません。申請の却下に至る可能性があります。

Q6隣が申請した筆界特定に費用を払う必要はありますか?

隣地所有者が単独で申請したなら1項により費用負担は生じません。関係人として意見や資料を提出し、記録を閲覧することはできます。共同申請を承諾した場合のみ負担が発生します。

Q7筆界特定の申請を途中で取り下げられますか?

取下げ自体は可能ですが、既に測量が実施されていればその費用は戻りません。予納額の提示を受けた段階が、最も傷の浅い撤退ラインになります。

Q8筆界特定と裁判では費用の負担者が違いますか?

違います。筆界特定は146条で申請人負担ですが、筆界確定訴訟は民事訴訟法61条により訴訟費用を敗訴した側が負担します。負担構造が逆転する点が選択の分かれ目です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1境界を越えてきたのは隣なのに、なんで測量費をこっちが全部払うんですか?

146条1項が「筆界特定の申請人の負担とする」と定めているためです。筆界特定には訴訟費用のような敗訴者負担の仕組みがなく、結果が有利に出ても隣地所有者に請求できません。ただし二人で申請すれば2項で折半になります。実務のポイント:土地家屋調査士は相談の初回に「隣の方も一緒に申請できませんか」と必ず確認します。共同申請にできるかどうかで見積額が半分になるからです。こちらから先に切り出せば、隣家への説明資料まで用意してもらえることが多い

Q2予納って、いくらぐらい先に払うことになるんですか?

5項により筆界特定登記官が概算額の予納を求めます。金額は対象土地の広さ・形状・現地の状況で決まり、測量費が中心です。数十万円規模になることは珍しくありません(最新の運用状況をご確認ください)。申請時の手数料とは別枠です。実務のポイント:追加測量が必要になれば追納を求められます。傾斜地、長い境界線、古い分筆履歴のある土地は追納が出やすいので、申請前に調査士へ「追納が出そうな土地か」を聞いておく

Q3お金を払って筆界特定してもらえば、境界はもう動かないんですよね?

動きます。筆界特定は登記官の判断であって、裁判の判決のような既判力はありません。相手が納得しなければ筆界確定訴訟が提起され、判決が異なる結論なら特定は覆ります。それでも筆界特定書と手続記録は登記所に保管され、その訴訟で有力な資料になります。実務のポイント:相手が訴訟まで行く気配なら、最初から筆界確定訴訟を選び、民事訴訟法61条の敗訴者負担に賭けた方が総額は安く済む場合がある

間違えやすい点 AI による整理

  • あなたから見れば「越境しているのは隣なのだから、費用は隣が持つべきだ」となる。法律から見れば「申請したのはあなたなのだから、全額あなたが持つ」となる。筆界特定に敗訴者負担の概念はなく、特定結果があなたに完全に有利に出ても、支払った測量費は一円も回収できない。この落差を知らずに申請すると、勝って財布だけ薄くなる
  • 「申請人が費用を負担する」ことは知っていても、5項の予納制の重さを知らない人が多い。これは後払いでも成功報酬でもなく、着手前の全額前払いである。しかも追加測量が必要になれば追納を求められる。予算が尽きて手続が止まれば、払った分は戻らないまま境界も決まらない
  • 「筆界特定にお金を払えば境界が確定する」という前提そのものが誤っている。筆界特定は登記官の行政判断(役所が下す公的な判断であって、裁判の判決ではない)であり、既判力がない。相手が納得せず筆界確定訴訟を起こし、裁判所が別の結論を出せば、あなたが費用を出した特定は覆る。買っているのは「決着」ではなく「訴訟で強く効く資料」である
比較の観点この条文ほかの条文
負担者の決まり方不動産登記法146条:筆界特定の手続費用は申請人が負担、共同申請なら折半・持分按分不動産登記法131条:筆界特定の申請時に申請人が手数料を納付
民法224条:境界標の設置費用は相隣者が等しい割合、測量費は土地の広狭に応じて分担
支払いのタイミング5項により手続開始前に概算額を予納、追加測量があれば追納申請時に一括納付
境界標設置の実施に応じて相隣者間で清算
結果による精算敗訴者負担の概念なし、有利な特定が出ても相手に請求できない手数料は返還されない
分担割合は結果ではなく土地の広狭で決まる
隣地所有者を巻き込む手段共同申請の任意交渉のみ、強制する仕組みはない申請人以外に納付義務は生じない
相隣関係として当然に分担義務が生じる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
土地法第46条の1〜46条の3(地籍図重測)、民事訴訟法第78条

台湾には筆界特定に完全対応する登記所主導の手続はなく、地籍図重測は行政主導、個別の境界争いは民事訴訟で処理され訴訟費用は敗訴者負担となる。申請による測量費は申請人が先行負担する点は日本と共通する

韓国
공간정보의 구축 및 관리 등에 관한 법률(空間情報の構築及び管理等に関する法律)

地籍測量の수수료は原則として申請人負担であり、費用の入口設計は日本と同様。境界確定そのものの争いは民事訴訟に委ねられる

ドイツ
BGB § 919 Abs. 3、各州 Vermessungsgesetz

境界標の設置(Abmarkung)費用は関係者が等しい割合で負担すると民法典が明定しており、申請人全額負担の日本とは逆の出発点に立つ。測量自体は州の測量法に基づく公的手続で行われる

アメリカ
Boundary survey、quiet title action(州法)

境界の確定は原則として民事訴訟(quiet title / boundary line action)で処理され、測量費は依頼した当事者が負担する。訴訟費用の転嫁は州法と契約条項に依存し、統一的な行政手続は存在しない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • なぜ隣が越境しているのに、測量費を払うのはこちらなのか。1項の答えは冷たい。申請したのがあなただからである。
  • 相続した実家に買主がつき、決済まであと45日。ところが買主から確定測量図の提出を求められ、隣地の所有者は施設に入っていて連絡がつかない。筆界特定に頼るしかないが、5項の予納金は売却代金が入るより先に、あなたの口座から出ていく。売却益の計算をやり直すか、決済を延ばすかを、今週中に決めなければならない
  • 隣人から「一緒に筆界特定を申請しないか」と持ちかけられた側になったとき、断れば費用は相手の全額負担で、あなたは一円も払わずに済む。登記所に保管された記録は関係人として閲覧できる。だが断り続けた末に筆界確定訴訟を起こされれば、今度は民事訴訟法61条で訴訟費用は敗訴した側が負担する。ただ乗りには期限がある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 申請書を出す前に隣地所有者へ共同申請を打診する。2項が働けば負担は折半になり、これを逃すと後戻りできない2. 土地家屋調査士に測量費の概算と、追納が生じやすい地形かを事前に確認する3. 共有地なら共有者全員で申請する。3項により持分割合の按分になり、言い出しっぺの全額負担を避けられる4. 予納額の提示を受けた時点で、争っている面積の価値と費用を並べ、割に合わなければ筆界確認書や境界標設置での決着に切り替える

訴えられた側:1. 隣人が単独で申請したなら、1項によりあなたに費用負担は生じない。共同申請の誘いを受けたときは、折半額と、断って相手に全額払わせる場合の得失を数字で比べる2. ただし断り続ければ筆界確定訴訟に移行しうる。訴訟になれば民事訴訟法61条で敗訴した側が訴訟費用を負担し、負担構造が逆転する3. 手続では関係人として意見や資料を提出し、費用を出さずに自分の主張を記録に残す4. 越境部分を長年占有している場合は、取得時効の主張が使えるかを先に検討する

時効(請求できる期限):筆界特定の申請自体に法定の期限はない。ただし5項の予納は筆界特定登記官が定める期間内に納付しなければ手続が進まず、申請の却下に至りうる。放置には別の時計が動いており、隣地が越境部分を占有し続ければ民法162条の取得時効(占有開始が善意無過失なら10年、それ以外は20年、占有開始時から起算)が進行する

学説

通説:筆界特定は筆界特定登記官による公的な判断であって裁判の判決ではなく、既判力を有しない。筆界確定訴訟の判決が確定すれば、これと抵触する範囲で筆界特定は効力を失う(同法148条)。したがって申請人が負担する手続費用は「決着」ではなく「訴訟で有力に働く資料」の対価として理解される

費用負担の趣旨に関する説明:筆界特定は登記官が職権的に調査する公的手続でありながら公費ではなく申請人の予納金で運営される。発意者かつ受益者への全額負担と予納制は、申請の濫立を抑制し費用の回収を確実にする制度設計と説明される

改正沿革 AI による整理

  • 平成17年(2005年)法律第29号、平成18年(2006年)1月20日施行 筆界特定制度の創設に伴い新設。境界紛争を訴訟外で解決する行政手続を設けると同時に、その費用を申請人負担とし、予納制で担保する枠組みを定めた

改正の年表

  1. 1.平成17年(2005年) 新設:平成17年法律第29号により筆界特定制度が創設され、本条が新設された。平成18年(2006年)1月20日施行。手続費用を申請人の負担とし、申請人が複数の場合の按分ルールと概算額の予納制を同時に定めた

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

不動産登記法の全文を見る所属する編章節を開く:第四節 雑則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›