要点不動産登記法 146 条は、筆界特定の測量費など手続費用を申請人の負担と定める。双方の土地所有者が共同申請すれば折半となり、登記官は概算額の予納を求める。
Q · 隣が越境しているのに、筆界特定の測量費はどっちが払うんですか?
原則は申請した側の全額前払いです
不動産登記法 146 条 1 項により、筆界特定の測量費などの手続費用は申請人の負担です。訴訟のような敗訴者負担はなく、特定結果が有利に出ても隣地所有者に請求できません。ただし対象土地の双方の所有権登記名義人等が二人で申請すれば 2 項で折半、同じ側に複数人いれば 3 項・4 項で持分割合の按分になります。さらに 5 項により筆界特定登記官は概算額を予納させなければならず、費用は着手前の前払いとなります。
境界紛争を裁判にせず登記所に持ち込める。それが筆界特定制度であり、多くの解説はそこで話を終える。146条が語るのはその先、誰が払うかである。答えは1項、申請人、つまり言い出したあなただ。測量に要する費用その他法務省令で定めるものが「手続費用」として申請人にのしかかり、しかも5項により概算額を先に予納しなければ手続そのものが動かない。勝敗による精算はない。筆界特定の結果があなたの主張どおりに出ても、隣地所有者に一円も請求できない。逆に、隣地所有者を説得して二人で申請すれば2項が働き、負担は折半になる。共有地なら3項で持分割合、双方に複数の共有者がいれば4項でまず土地ごとに二分の一、その中を持分で割る。つまりこの条文は費用計算式であると同時に、申請書を出す前に誰を巻き込むかという交渉の設計図でもある。
不動産登記法 146 条は、筆界特定の手続費用の負担者を定める規定である。測量に要する費用その他法務省令で定める費用を手続費用とし、原則として申請人がこれを負担する。申請人が複数のときは、対象土地のいずれの側に属するかと持分割合に応じて按分され、筆界特定登記官は手続に先立ち概算額を予納させる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
測量に要する費用その他法務省令で定める費用が手続費用です。中心は現地測量の実費で、申請時に納める手数料とは別枠です。土地家屋調査士に代理を依頼した場合の報酬も別に発生します。
対象土地の一方と他方の所有権登記名義人等が二人で申請すると、146 条 2 項により手続費用を等しい割合で負担します。単独申請の全額負担が半分になるため、申請書を出す前の交渉が効きます。
申請人全員が同じ側の共有者なら 3 項で持分割合の按分です。双方の土地に申請人がいる場合は 4 項でまず土地ごとに二分の一を割り、その中を持分割合で分けます。
実際に費消された測量費等には充当され、勝敗による精算や相手方への求償はありません。手続が進んだ後に取り下げても、使われた分は戻らないのが原則です。
5 項により筆界特定登記官は概算額を予納させなければならず、定められた期間内に納付がなければ手続は進みません。申請の却下に至る可能性があります。
隣地所有者が単独で申請したなら 1 項により費用負担は生じません。関係人として意見や資料を提出し、記録を閲覧することはできます。共同申請を承諾した場合のみ負担が発生します。
取下げ自体は可能ですが、既に測量が実施されていればその費用は戻りません。予納額の提示を受けた段階が、最も傷の浅い撤退ラインになります。
違います。筆界特定は 146 条で申請人負担ですが、筆界確定訴訟は民事訴訟法 61 条により訴訟費用を敗訴した側が負担します。負担構造が逆転する点が選択の分かれ目です。
146条1項が「筆界特定の申請人の負担とする」と定めているためです。筆界特定には訴訟費用のような敗訴者負担の仕組みがなく、結果が有利に出ても隣地所有者に請求できません。ただし二人で申請すれば2項で折半になります。業界裏話ヒント:土地家屋調査士は相談の初回に「隣の方も一緒に申請できませんか」と必ず確認します。共同申請にできるかどうかで見積額が半分になるからです。こちらから先に切り出せば、隣家への説明資料まで用意してもらえることが多い
5項により筆界特定登記官が概算額の予納を求めます。金額は対象土地の広さ・形状・現地の状況で決まり、測量費が中心です。数十万円規模になることは珍しくありません(最新の運用状況をご確認ください)。申請時の手数料とは別枠です。業界裏話ヒント:追加測量が必要になれば追納を求められます。傾斜地、長い境界線、古い分筆履歴のある土地は追納が出やすいので、申請前に調査士へ「追納が出そうな土地か」を聞いておく
動きます。筆界特定は登記官の判断であって、裁判の判決のような既判力はありません。相手が納得しなければ筆界確定訴訟が提起され、判決が異なる結論なら特定は覆ります。それでも筆界特定書と手続記録は登記所に保管され、その訴訟で有力な資料になります。業界裏話ヒント:相手が訴訟まで行く気配なら、最初から筆界確定訴訟を選び、民事訴訟法61条の敗訴者負担に賭けた方が総額は安く済む場合がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 負担者の決まり方 | 不動産登記法 146 条:筆界特定の手続費用は申請人が負担、共同申請なら折半・持分按分 | — |
| 支払いのタイミング | 5 項により手続開始前に概算額を予納、追加測量があれば追納 | — |
| 結果による精算 | 敗訴者負担の概念なし、有利な特定が出ても相手に請求できない | — |
| 隣地所有者を巻き込む手段 | 共同申請の任意交渉のみ、強制する仕組みはない | — |
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