労働契約法 第19条(有期労働契約の更新等)
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- 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。
- 一当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
- 二当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。
この条文の基本情報
有期労働契約の更新等とは何ですか?
定義有期労働契約の更新等とは、労働契約法第19条に定められた規定で、「有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働契約法第19条(有期労働契約の更新等)は、日本の労働契約法に含まれる条文です。
- 労働契約法第19条の条文原文は「有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞…」で始まります。
- 労働契約法第19条は第四章 期間の定めのある労働契約に置かれています。
- 労働契約法の公布日は平成19年12月5日です。
- 労働契約法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働契約法第19条の前の条は労働契約法第18条です。
- 労働契約法第19条の次の条は労働契約法第20条です。
- 労働契約法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第19条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128 - 本サイト収録
労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/419AC0000000128/19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働契約法19条は、反復更新された有期契約や更新への合理的期待がある契約の雇止めに客観的合理的理由と社会通念上の相当性を求め、労働者が更新を申し込めば従前と同一条件で契約が継続したとみなす規定である。
Q · 有期契約で「今回で更新は最後」と言われたら、もう争えないんですか?
反復更新された契約なら、雇止めは解雇と同じ基準で争える
労働契約法19条により、過去に反復更新されてきた有期契約(1号)、または更新への合理的期待がある有期契約(2号)では、使用者の雇止めに『客観的に合理的な理由』と『社会通念上の相当性』が必要です。これを欠く雇止めは効力を持たず、従前と同一条件で契約が継続したものとみなされます。ただし保護は労働者が『更新を希望します』と申し込んで初めて起動します。契約期間満了日までの間、または満了後遅滞なく申し込むことが要件です。黙って去ると、要件を満たしても保護は受けられません。
解説
契約社員、パート、派遣、嘱託。「有期契約だから期間が来たら終わり」と告げられて、多くの人が黙って職場を去る。だが労働契約法19条は、その『当たり前』に一枚だけ穴を開ける。過去に反復して更新されてきた契約、または『次も更新される』と期待する合理的理由がある契約は、使用者が更新を拒む(雇止め)とき、正社員を解雇するのと同じ厳しさで審査される。具体的には『客観的に合理的な理由』があり『社会通念上相当』と認められなければ、その雇止めは効力を持たず、あなたは従前と同じ条件で働き続けられる。鍵は、あなたが『更新を希望する』と申し込むこと。黙って去れば、どれだけ要件を満たしていてもこの保護は発動しない。一言の申込みと、過去の更新回数の記録が、あなたの職を守る分水嶺になる。
法的な位置づけ
労働契約法19条は雇止め法理を定める規定であり、過去に反復更新された有期労働契約(1号)または更新への合理的期待がある有期労働契約(2号)について、使用者の更新拒絶に客観的合理的理由と社会通念上の相当性を要求する。要件を満たさない雇止めは効力を持たず、労働者の更新申込みを承諾したものとみなされ、従前と同一の労働条件で契約が継続する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.その場で更新を希望すると申し込む 雇止めを告げられたら、口頭で済ませず『契約更新を希望します』とメール・LINE・内容証明など形に残る方法で申し込む。19条の保護はこの申込みが起点であり、契約期間満了日までの間、または満了後遅滞なく行う必要がある
- 2.更新の実態を時系列で記録する 過去の更新回数、更新時の手続(書類・面談の有無、自動更新だったか)、上司が継続を期待させた言動を時系列で整理する。手続が形骸化しているほど1号・2号該当性が認められやすい
- 3.雇止め理由証明書を書面で請求する 使用者に雇止めの理由を記載した証明書を書面で請求する。理由が後付けや曖昧であれば、それ自体が客観的合理的理由を欠く証拠になり、後の交渉・労働審判で主導権を握れる
- 4.拒絶されたら労働審判・地位確認訴訟へ 申込みを拒絶されたら、地位確認とバックペイ(雇止め期間中の賃金)を求めて労働審判または訴訟を提起する。実務では地位確認を足場に解決金での和解に至るケースが多い
よくある質問 AI による整理
Q1雇止めとは何ですか?
有期労働契約の期間満了時に、使用者が契約の更新を拒絶することです。解雇とは異なりますが、反復更新型・合理的期待型では労働契約法19条により解雇に準じた審査がなされます。
Q2雇止め法理の要件は何ですか?
①反復更新で解雇と同視できる契約(1号)または更新への合理的期待がある契約(2号)であること、②労働者が更新を申し込んだこと、③使用者の拒絶に客観的合理的理由と社会通念上の相当性がないこと、の3点です。
Q3有期契約は何回更新したら守られますか?
回数だけで決まりません。更新回数に加え、更新手続が形だけだったか、上司の継続を期待させる言動があったか等の実態で判断されます。回数が多く手続がずさんなほど労働者に有利です。
Q4雇止めが違法・無効になるのはどんな場合ですか?
反復更新型または合理的期待型に該当し、かつ使用者が客観的合理的理由を示せない場合です。無期転換(通算5年)直前の雇止めは無効リスクが特に高くなります。
Q5雇止めは何日前に予告が必要ですか?
更新を3回以上した者、または通算1年を超えて継続雇用された者を雇止めする場合、少なくとも30日前の予告が必要です(厚生労働省告示の基準)。
Q6雇止め理由証明書はもらえますか?
もらえます。労働者が請求すれば、使用者は雇止めの理由を記載した証明書を遅滞なく交付する義務があります(告示)。理由が後付け・曖昧なら、合理性欠如の証拠になります。
Q7雇止めを争う労働審判の流れは?
更新申込みの記録を整え、地位確認とバックペイを求めて労働審判を申し立てます。原則3回以内の期日で審理され、多くは解決金での調停・和解で決着します。
Q8無期転換ルールと雇止めの関係は?
通算5年で無期転換申込権が生じる(18条)ため、企業が5年手前で雇止めする例があります。この『5年の壁』直前の雇止めは19条で無効とされるリスクが最も高い類型です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1契約書に『更新しないことがある』とハッキリ書いてあっても、雇止めを争えますか?
争える余地は十分にある。契約書の文言は判断材料の一つに過ぎず、決定的ではない(労働契約法19条)。19条が見るのは更新の反復回数、更新手続が形骸化していなかったか、上司が継続を期待させる言動をしていたか等の実態。実務のポイント:弁護士は雇止め相談でまず『これまで何回更新したか』『更新時に面談や書類のやり取りがちゃんとあったか』を聞く。更新手続がいい加減(自動更新、書類なし)なほど労働者に有利。形だけの契約書より、ずさんな運用実態の方が武器になる
Q2雇止めされそうなとき、何を言えばいいんですか?黙って受け入れるしかない?
『更新を希望します』と明確に申し込むことが法的に決定的。19条の保護はこの申込みが起点で、契約期間満了日までの間、または満了後遅滞なく行う必要がある。実務のポイント:口頭だと『言った言わない』の水掛け論になる。必ずメール・LINE・内容証明など形に残る方法で送る。『申込みをした事実』とその日付が、後で保護要件を満たすかどうかの生命線になる
Q35年経つ前に契約を切れば、無期転換も雇止めの問題も避けられると聞きましたが本当ですか?
それは危険な誤解。通算5年直前の雇止めは、無期転換(労働契約法18条)逃れと見られ、19条で無効とされるリスクが最も高い類型。合理的理由の立証は通常より厳しく問われる。実務のポイント:人事の現場では『4年11か月で切る』運用が横行したが、裁判例はこれに厳しい目を向けている。労働者側は『なぜ今年だけ更新されないのか』を記録し、5年を意識した不更新であることを示せれば、交渉で一気に優位に立てる
Q4雇止めを争って勝ったら、本当に職場に戻れるんですか?気まずくないですか?
19条が認められれば、従前と同一の労働条件で契約が継続したものとみなされ、地位確認とバックペイ(雇止め期間中の賃金)が認められる。実務のポイント:実務では、判決や労働審判で地位確認を勝ち取った後、復職ではなく金銭和解(解決金)で決着するケースが多い。『戻れる立場にある』という事実そのものが、和解金額を引き上げる強力な交渉カードになる。戻る気がなくても、まず申込みと地位確認で足場を作るのが定石
間違えやすい点 AI による整理
- 「有期契約は期間満了で自動的に終わる、文句は言えない」と信じ込んでいる人が圧倒的に多いが、反復更新されてきた契約や更新への合理的期待がある契約では、雇止めに『客観的合理的理由』と『社会通念上の相当性』が必要になる。理由なき雇止めは無効となり、働き続けられる
- 「契約書に『更新する場合がある』と書いてあるから、更新されなくても文句は言えない」という前提そのものが誤っている。19条が見るのは契約書の文言ではなく、更新の反復回数、更新手続が形だけだったか、上司が継続を期待させる言動をしていたか、といった客観的な実態。立てている問いがずれているために、争えるはずの雇止めを諦めてしまう
- 19条に守られると知っていても、その保護が『申込み』をして初めて起動する重大さを見落としている。黙って去れば、どれだけ要件を満たしても保護はゼロ。あなたから見れば『不当だ』でも、法律から見れば『申込みがない=争う意思がない』と扱われる。この落差が、多くの人を泣き寝入りに追い込む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護の対象・性質 | 労契法19条:有期契約の雇止め(更新拒絶)を解雇に準じて審査 | 労契法16条:無期契約の解雇権濫用法理 労契法18条:通算5年での無期転換申込権 |
| 発動の起点 | 労働者の更新申込み(満了日まで or 満了後遅滞なく) | 使用者の解雇の意思表示に対する事後審査 労働者の無期転換の申込み |
| 認められる効果 | 従前と同一条件で契約継続とみなす(地位確認+バックペイ) | 解雇無効、雇用関係の存続 期間の定めのない労働契約への転換 |
| 適用の前提 | 反復更新型(1号)または合理的期待型(2号)への該当 | 期間の定めのない労働契約の存在 同一使用者との通算契約期間が5年超 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は定期契約が期間満了後も継続・反復されると不定期契約とみなす規定を置く。日本の雇止め法理が判例由来の総合判断であるのに対し、台湾はみなし規定型でより形式的。
韓国は通算2年を超えると無期契約とみなす。加えて判例上『갱신기대권(更新期待権)』が認められ、日本の19条2号と機能的に類似する。
ドイツは有期契約の締結自体に客観的理由を要求し(入口規制型)、理由なき反復更新を制限する。日本の出口(雇止め)規制とアプローチが対照的。
米国は随意雇用が原則で、有期契約の更新拒絶も契約条項に従う。日本のような一般的雇止め保護法理は存在せず、保護は契約・州法・差別禁止法に依存する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 学習塾の非常勤講師として6年、毎年ほぼ自動で契約が更新されてきた。今年だけ『生徒数減で更新なし』と言われた。更新手続が書類一枚の形だけだったなら、それは『期間の定めのない労働者の解雇』と同視されうる。雇止めの合理性を使用者が立証できなければ、あなたの席は残る
- もし契約満了まであと10日、上司から口頭で『今回で終わりね』と告げられたら、あなたは何をすべきか。答えは一つ、その場で『更新を希望します』とメールで送ること。この申込みがないと、19条の入口にすら立てない。残り10日が勝負
- 派遣・契約社員を多く抱える企業の人事担当者として、通算4年11か月の契約社員を『5年になる前に』雇止めしようとしている。これは19条で無効とされるリスクが最も高いパターン。無期転換逃れと見られた瞬間、合理的理由の立証は極めて困難になる
- コロナ禍やリストラの局面で、真っ先に名前が挙がるのが有期雇用のあなた。だが『正社員は守られて自分は切り捨て』が当然とは限らない。整理解雇の考え方が雇止めの合理性判断にも流れ込み、人選の合理性や説明の有無が問われる
- 病院で3年更新を続けてきた有期の看護師。師長から『来期は更新しない』と言われたが理由は曖昧。雇止め理由証明書を書面で求めたところ、相手が後付けの理由しか出せなかった。その曖昧さ自体が、合理的理由の欠如を示す証拠になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 雇止めを告げられたら、その場で『契約更新を希望します』と明確に申し込み、メール等で記録を残す(19条の保護は申込みが起点) 2. 過去の更新回数、更新時の手続(書類・面談の有無)、上司の継続を期待させた言動を時系列で整理3. 使用者に雇止め理由証明書を書面で請求(告示上の明示義務あり) 4. 申込みを拒絶されたら、労働審判または地位確認訴訟へ。実務では解決金での和解に至るケースが多い
訴えられた側:1. 雇止めの前に、その契約が反復更新型・期待保護型に当たらないか、更新回数と運用実態を点検2. 客観的合理的理由(業務縮小、勤務成績、契約上の更新基準への該当性など)を文書で整理し、社会通念上の相当性を確保3. 雇止め予告(更新3回以上または通算1年超は30日前、告示)と理由明示を履行4. 無期転換(通算5年)直前の雇止めは19条無効リスクが高いため、安易な『5年の壁』回避は避ける
時効(請求できる期限):申込みのタイミングが決定的:契約期間が満了する日までの間に更新の申込みをするか、満了後遅滞なく締結の申込みをすること(労働契約法19条柱書)。雇止めの効力を争う訴え自体に特定の出訴期間はないが、未払賃金(バックペイ)請求権の消滅時効(労働基準法115条、当面3年。最新の改正状況をご確認ください)が進行するため、早期着手が要
学説
通説:19条は東芝柳町工場事件・日立メディコ事件で確立した判例法理を明文化したものであり、1号(解雇同視型)と2号(合理的期待型)の二類型に整理される。回数のみでなく更新手続の運用実態・使用者の言動を総合考慮して該当性を判断する点に争いはない。
改正沿革 AI による整理
- 平成24年(2012年)労働契約法改正 労働契約法に19条として新設。最高裁判例(東芝柳町工場事件・最判昭和49.7.22、日立メディコ事件・最判昭和61.12.4)で確立されていた雇止め法理を明文化し、解雇と同視できる反復更新型(1号)と更新への合理的期待型(2号)の二類型を条文化した。同改正で18条の無期転換ルールも併せて新設
改正の年表
- 1.平成24年(2012年) 新設:労働契約法改正(平成24年法律第56号、2012年8月10日施行)により19条として新設。最高裁の雇止め法理(東芝柳町工場事件・日立メディコ事件)を明文化し、反復更新型(1号)と合理的期待型(2号)を条文化。同改正で18条の無期転換ルールも併せて新設された。
- 労働契約法 第16条解雇権濫用法理、雇止め審査が借用する判断基準
- 労働契約法 第17条有期契約の契約期間途中の解約制限
- 労働契約法 第18条無期転換ルール、通算5年による無期転換申込権
- 労働基準法 第14条有期労働契約の契約期間の上限規制
- 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第8条有期雇用労働者の不合理な待遇格差の禁止(通称 パート・有期法)
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