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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 7 分7 分7 分

労働契約法 第3条(労働契約の原則)

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  1. 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。
  2. 2.労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
  3. 3.労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
  4. 4.労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。
  5. 5.労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。

この条文の基本情報

労働契約の原則とは何ですか?

定義労働契約の原則とは、労働契約法第3条に定められた規定で、「労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 労働契約法第3条(労働契約の原則)は、日本の労働契約法に含まれる条文です。
  2. 労働契約法第3条の条文原文は「労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。」で始まります。
  3. 労働契約法第3条は第一章 総則に置かれています。
  4. 労働契約法の公布日は平成19年12月5日です。
  5. 労働契約法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 労働契約法第3条の前の条は労働契約法第2条です。
  7. 労働契約法第3条の次の条は労働契約法第4条です。
  8. 労働契約法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第3条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128
  • 本サイト収録労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/419AC0000000128/3
裁判例 2件に引用されています

関連度の高い2件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点労働契約法3条は、労使対等の合意・均衡・仕事と生活の調和・信義則・権利濫用禁止の五原則を定める。配転や懲戒の権利が就業規則にあっても、行使が濫用なら命令は無効となる。

Q · 就業規則に転勤させる権利が書いてあったら、もう拒否できないの?

命令する権利があっても、濫用なら無効。従う義務はない

拒否できる場合があります。労働契約法3条5項は権利濫用の禁止を定めており、転勤や懲戒を命じる権利が就業規則にあっても、その行使が濫用にあたれば命令そのものが無効になります。さらに1項は対等な合意、3項は仕事と生活の調和への配慮を求めます。3条は単独で勝ち切る条文ではなく、解雇の16条や懲戒の15条と束ねて主張を補強する解釈指針として、裁判官が会社の行き過ぎを断ち切るときに作用します。

解説

会社の人事異動の内示が出た。家族の事情で受けたくないのに「業務命令には従う義務がある」と言われ、断れば解雇かと身がすくむ。ここで多くの人が知らないのが労働契約法3条だ。第1項は「労働契約は対等の立場における合意に基づいて締結し、変更すべき」と宣言する。現実の力関係を思えば理想論に聞こえるかもしれない。だが本当の武器は第5項にある。「権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない」。つまり、転勤や出向を命じる権利が就業規則上あったとしても、その使い方が濫用にあたれば、命令そのものが無効になる。あなたに従う義務は生じない。さらに第4項の信義誠実の原則は、会社が一方的に不利益な条件を押し付ける場面で、あなたを守る盾になる。3条は理念規定と軽く扱われがちだが、裁判官が会社の行き過ぎを断ち切るときに最初に引く糸である。

法的な位置づけ

労働契約法3条は、労働契約の締結および変更における基本理念を定める規定である。対等の合意、就業実態に応じた均衡、仕事と生活の調和、信義誠実、権利濫用の禁止という五つの原則を掲げ、個別規定の解釈を方向づける一般条項として機能する。罰則を伴わない民事上の指針規定である。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.不利益な命令の根拠を文書で求める 転勤・出向・降格・賃下げ・懲戒を告げられたら、即答せず就業規則上の根拠条項と業務上の必要性を文書で示すよう求める。口頭の説明だけで終わらせない
  2. 2.生活への影響を具体的に記録し書面で伝える 育児・介護・健康など家庭事情と、その命令で生じる具体的な不利益を事実と数字で記録し、会社へ書面で伝える。これが3条3項・5項の濫用認定の証拠になる
  3. 3.即時の同意を避け持ち帰って相談する 賃下げや配転の同意を迫られても、その場で署名せず「持ち帰って検討する」と告げる。3条1項の対等な合意は即答を迫られた状況では成立しにくく、後に真意の合意ではないと争う余地が残る
  4. 4.個別条文と束ねて無効・地位確認を検討する 命令が濫用と考えられるなら、解雇の16条・懲戒の15条・出向の14条など個別条文と3条を束ね、労働組合・ユニオン・労働局のあっせん・弁護士を通じて無効確認や地位確認を検討する

よくある質問 AI による整理

Q1労働契約法とはどんな法律ですか?

労使間の契約ルールを定めた民事の法律です。平成19年制定、20年施行。判例で確立した合意原則・信義則・権利濫用禁止を明文化したもので、労働基準法と違い罰則はありません。

Q2労働契約法3条の五つの原則とは何ですか?

1項対等の合意、2項就業実態に応じた均衡、3項仕事と生活の調和への配慮、4項信義誠実、5項権利濫用の禁止の五つです。個別条文を貫く解釈指針として機能します。

Q3信義誠実の原則は労働契約でどう使われますか?

3条4項の信義則は、会社が一方的に不利益な条件を押し付ける場面で労働者を守る盾になります。説明や協議を欠いた一方的な権利行使を制限する根拠になります。

Q4仕事と生活の調和への配慮義務とは何ですか?

3条3項は、会社にワークライフバランスへの配慮を求めます。育児・介護を抱える労働者への転勤命令が、これと5項の権利濫用を組み合わせて無効とされた裁判例があります。

Q5権利濫用とされるのはどんな場合ですか?

判例は、業務上の必要性がない、不当な動機・目的がある、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益があるのいずれかなら濫用とします(東亜ペイント事件)。

Q6出向命令も拒否できますか?

出向命令も3条5項の権利濫用禁止の対象です。労働契約法14条が出向命令権の濫用を明文で無効としており、3条の理念がその背景にあります。

Q7副業禁止は労働契約法3条で争えますか?

争う余地があります。3条3項の仕事と生活の調和と5項の権利濫用禁止の観点から、合理的理由のない副業の全面禁止は無効と解する余地があります。

Q8労働契約法と労働基準法はどう違いますか?

労働基準法は罰則と労基署の取締を伴う最低基準法、労働契約法は罰則のない民事ルールです。労契法違反は最終的に裁判所が契約の効力を判断する形で実現します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1就業規則に「会社は転勤を命じることができる」と書いてあったら、もう拒否できないんですか?

拒否できる場合があります。労働契約法3条5項の権利濫用禁止により、転勤命令の権利が就業規則にあっても、その行使が濫用なら命令は無効です。判例(最判昭和61.7.14東亜ペイント事件)は、業務上の必要性がない、不当な動機・目的がある、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益がある、のいずれかなら濫用とします。実務のポイント:育児・介護を抱えているだけでは弱く、転勤で具体的にどんな不利益が生じるかを事実と数字で示せるかが分かれ目。内示の段階で書面を出し配慮を求めた記録があると、濫用認定がぐっと近づく

Q2プレッシャーをかけられて賃下げの同意書にサインしちゃいました。もう取り消せませんか?

争う余地があります。労働契約法3条1項は対等な立場での合意を求め、9条は就業規則による不利益変更の原則禁止を定めます。判例(最判平成28.2.19山梨県民信用組合事件)は、不利益変更への労働者の同意は自由な意思に基づくと認めるに足りる合理的理由が客観的に存在して初めて有効とします。実務のポイント:サインの有無より、十分な説明があったか、不利益の内容を理解していたかが決め手。説明不足のまま急かされたサインは、後から覆せる可能性が十分にある

Q3労働契約法って違反したら罰則あるんですか?

ありません。労働契約法には罰則規定がなく、労働基準法のような行政取締もありません(労基署の臨検対象外)。民事的なルールを定めた法律で、違反は最終的に裁判所が契約の効力を判断する形で実現します。実務のポイント:罰則がないからこそ、自分で気付いて主張しないと誰も守ってくれない。労基署に駆け込んでも「それは労契法なので民事で」と返されがち。労働局のあっせん、労働審判、ユニオンが実効的な窓口になる

Q4パートだから正社員と待遇が違うのは仕方ないですよね?

必ずしも仕方なくありません。労働契約法3条2項は就業の実態に応じた均衡を求め、具体的にはパート有期法8条・9条(不合理な待遇差の禁止、均等待遇)が救済を定めます。判例(最判令和2.10.13等)も、賞与・退職金・各種手当ごとに不合理性を判断しています。実務のポイント:パートだからと一括りにせず、手当一つずつ、その手当の趣旨が非正規にも当てはまるかを分解すると争いやすい。通勤手当・皆勤手当・扶養手当あたりは是正されやすい

間違えやすい点 AI による整理

  • あなたから見れば「就業規則に書いてあるから会社の命令は絶対」だが、法律から見れば「権利があること」と「その行使が有効なこと」はまったく別の話だ。この落差を知らないと、本来は拒否できる命令に黙って従ってしまう
  • 3条が理念規定であることは知っていても、その意味を取り違えている人が多い。理念規定だから無力なのではなく、解雇権濫用の16条や懲戒の15条といった個別条文の解釈を貫く背骨として、裁判で現実に効いている。軽い飾りではなく、判断の方向を決める重力だ
  • 「3条を根拠に会社を訴えれば勝てるか」という問いの立て方そのものがずれている。3条は単独で具体的な請求権を生むより、他の条文と組み合わせて主張を補強する役割が大きい。問うべきは「どの個別条文と3条を束ねるか」だ
比較の観点この条文ほかの条文
条文の性格3条:基本理念・解釈指針(一般条項)16条:解雇権濫用の具体的効果規定
9条:就業規則による不利益変更の原則禁止
単独で請求権を生むか原則生まない。他条文を補強する背骨生む。客観的合理性・社会的相当性を欠く解雇は無効
生む。労働者の合意か合理的変更がなければ不利益変更は無効
主な発動場面配転・懲戒・賃下げ全般の濫用判断の土台解雇の有効性争い
就業規則変更による労働条件切り下げ

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
労働基準法 第1条・民法 第148条

台湾も労働条件の対等決定を労基法1条で掲げ、権利濫用の禁止は民法148条の一般条項が担う。理念と一般条項の二段構えは日本と類似

韓国
근로기준법 제4조・민법 제2조

韓国は労働条件の対等決定を勤労基準法4条に置き、信義則・権利濫用は民法2条が規律する。労働法と民法一般条項の役割分担が日本と近い

ドイツ
GewO § 106・BGB § 242

ドイツは使用者の指示権を営業法106条が規定し、その行使は民法242条の信義誠実と公正な裁量(§ 315)で統制される。判例法理の母法的位置にある

アメリカ
Covenant of good faith and fair dealing

米国は employment-at-will(随意雇用)を原則としつつ、契約上の誠実公正義務で一定の歯止めをかける。州ごとに扱いが分かれ、日本ほど包括的な理念規定は持たない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 単身赴任を伴う転勤を内示されたが、育児と介護を同時に抱えていて受けられない。労働契約法3条3項は仕事と生活の調和への配慮を会社にも求める。これを5項の権利濫用と組み合わせれば、転勤命令が無効になりうる。実際、育児・介護の重い負担を理由に転勤命令が無効とされた裁判例がある
  • もし、入社時にサインした就業規則に「会社は業務上の必要により勤務地・職種を変更できる」とあったら、どんな異動でも従うしかないのか。答えは否だ。権利が「ある」ことと、その行使が「有効」であることは別問題。濫用と評価されれば命令は無効になる
  • あなたが中小企業の経営者で、勤務態度の悪い従業員を懲戒したい。だが処分が重すぎたり弁明の機会を欠いたりすると、3条5項と15条で懲戒権の濫用とされ、処分は無効、さらに賠償リスクまで負う。下す前に相当性と手続を確認する必要がある
  • 賃下げの同意書に明日までサインしろと迫られている。3条1項は対等な合意を要求する。即答を迫られた状況での署名は、後で「真意に基づく合意ではない」と争う余地が残る。今夜サインを保留する判断が、半年後に効いてくる
  • パートだから正社員と待遇が違って当然、と諦めていないか。3条2項の就業の実態に応じた均衡の考慮は、不合理な待遇格差を争う土台になる。具体的な救済はパート有期法の個別規定が担うが、その理念の出発点がこの第2項だ

取るべき行動

被害を受けた側:1. 不利益な命令(転勤・出向・降格・賃下げ・懲戒)を受けたら、まず根拠(就業規則の条項、業務上の必要性)を文書で求める2. 家庭事情・健康・生活への影響を具体的に記録し書面で会社へ伝える、これが3条3項・5項の濫用認定の証拠になる3. 即時の同意は避け、持ち帰って労働組合・ユニオン・労働局・弁護士に相談4. 命令が濫用と考えられるなら、個別条文(16条解雇、15条懲戒など)と3条を束ねて、無効確認や地位確認を検討する

訴えられた側:1. 人事権の行使(配転・出向・懲戒・賃下げ)の前に、就業規則上の根拠、業務上の必要性、対象者の不利益のバランスを文書で整理する2. 対象者の生活事情(育児・介護・健康)を聴取し配慮した記録を残す、3条3項への対応が後の濫用否定の盾になる3. 一方的な押し付けではなく説明と協議のプロセスを踏み、3条1項の対等な合意の体裁を整える4. 懲戒は相当性と弁明の機会を欠くと15条で無効、処分前に専門家へ確認する

時効(請求できる期限):3条自体に特定の時効はない。ただし、これを背景に争う具体的請求には各別の時効が働く。賃金請求権は当分の間3年(労働基準法115条、本来5年。最新の改正状況をご確認ください)、不法行為に基づく損害賠償は知った時から3年または5年(民法724条)。配転・懲戒命令の無効主張は争う実益が続く限り可能だが、長期間の放置は黙示の同意と評価されるリスクがある

学説

通説:3条は具体的な請求権を直接生む規定ではなく理念規定であるが、無力な飾りではなく、解雇権濫用(16条)・懲戒(15条)など個別条文の解釈を方向づける一般条項として裁判で実質的に機能するとする

改正沿革 AI による整理

  • 平成19年(2007年)制定、平成20年(2008年)3月1日施行 労働契約法の制定により新設。判例で確立されていた合意原則・信義則・権利濫用禁止を労働契約の基本原則として明文化した。制定後、3条本体は改正されていない(平成24年改正は18条等の追加で3条には及ばない)

改正の年表

  1. 1.平成19年(2007年) 新設:労働契約法の制定(平成19年法律第128号、平成20年3月1日施行)により新設。判例で確立されていた合意原則・信義則・権利濫用禁止を労働契約の基本原則として明文化した
  2. 2.平成24年(2012年) 改正:有期労働契約に関する18条(無期転換)等が追加されたが、3条本体は改正されず、制定時の内容を維持している

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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