労働契約法 第1条(目的)
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この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。
この条文の基本情報
目的とは何ですか?
定義目的とは、労働契約法第1条に定められた規定で、「この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働契約法第1条(目的)は、日本の労働契約法に含まれる条文です。
- 労働契約法第1条の条文原文は「この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、…」で始まります。
- 労働契約法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 労働契約法の公布日は平成19年12月5日です。
- 労働契約法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働契約法第1条の次の条は労働契約法第2条です。
- 労働契約法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128 - 本サイト収録
労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/419AC0000000128/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働契約法第1条は、労働契約が労使の合意により成立・変更されるという合意の原則を定め、労働者の保護を図りつつ個別の労働関係の安定を目的とする。罰則のない民事ルールである。
Q · 会社から一方的に給料を下げられたら、労基署が助けてくれるんですか?
労基署は管轄外。労働契約法に基づき労働審判等で争います
合意なき賃下げや就業規則の不利益変更は、労働基準法ではなく労働契約法の領域です。労働契約法第1条は労使の合意により労働契約が成立・変更されるという合意の原則を掲げ、会社は原則として労働者の同意なく労働条件を不利益に変更できません。労基署は労基法違反(残業代・最低賃金等)しか動かないため、賃下げの有効性は労働審判や裁判所で争うことになります。ただし就業規則の変更が合理的であれば、同意なくても拘束力を持つ例外(10条)があります。
解説
ブラック企業に苦しんで「労基署に通報すれば何とかなる」と思っている人は多い。だが、その期待が裏切られる瞬間がある。残業代未払いや違法な長時間労働なら労働基準監督署が動く。しかし「合意なく給料を一方的に下げられた」「就業規則を勝手に書き換えられて手当が消えた」という相談は、労基署では『それは民事ですので』と門前払いされる。なぜか。それを規律しているのが、この労働契約法だからだ。この法律には罰則が一切ない。労働基準法のように国が刑罰で会社を縛るのではなく、あなたと会社の私的な契約関係を、裁判所を通じて整える法律である。第1条はその設計思想を宣言する。労働契約は労使の『合意』で成立し変更されるという合意の原則。つまり会社はあなたの同意なく労働条件を不利益に変更できないのが大原則だ。この一文を知っているかどうかで、賃下げ通告を受けた夜のあなたの動き方が変わる。
法的な位置づけ
労働契約法第1条は、同法の目的を定める規定である。労働者と使用者の自主的交渉の下で労働契約が合意により成立・変更されるという合意の原則その他の基本的事項を定めることで、合理的な労働条件の決定・変更を円滑にし、労働者の保護と個別の労働関係の安定を図ることを宣言する。罰則を伴わない民事的ルールである点に特徴がある。
よくある質問 AI による整理
Q1労働契約法とは何ですか?
労働者と使用者の私的な契約関係を裁判所を通じて整える民事ルールです。罰則はなく、合意の原則や就業規則の不利益変更、解雇権濫用法理などを定めます。2008年に施行されました。
Q2労働契約法と労働基準法の違いは?
労働基準法は最低基準を罰則付きで定め労基署が動く法律、労働契約法は罰則なしで賃下げや解雇の有効性を裁判所で争う民事ルールです。窓口も労基署と労働審判で分かれます。
Q3合意の原則とは何ですか?
労働契約は労使の合意で成立し変更されるという労働契約法1条・3条の基本原則です。会社は原則として労働者の同意なく労働条件を不利益に変更できないことを意味します。
Q4労働契約法に罰則はありますか?
ありません。労働基準法と異なり刑事罰を伴わない民事ルールです。逆に言えば国の起訴を待たず、労働者自身が原告として裁判所に直接権利を主張できます。
Q5労基署で『民事です』と断られたらどうすればいい?
それは労働契約法の領域だという合図です。諦めず労働審判に切り替えれば、原則3回以内の期日で平均2〜3か月の短期決着が狙えます。弁護士相談も有効です。
Q6業務委託契約でも労働契約法は適用されますか?
契約書の名称に関わらず、実態が指揮命令下の労働であれば労働者と判断され労働契約法が適用されうります。『業務委託だから労働者でない』という会社の主張が崩れる場合があります。
Q7賃下げに同意していない場合どうすればいい?
まず『同意していない』ことをメールか書面で明確に残します。合意の原則の下では、不同意の記録が後の『黙示の同意があった』という会社側主張を封じる決定打になります。
Q8労働契約法はいつできた法律ですか?
平成19年(2007年)に制定され、平成20年(2008年)3月1日に施行されました。判例で積み重ねられた合意原則や不利益変更法理を民事ルールとして体系的に明文化したものです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1残業代を払ってもらえないんですが、これも労働契約法の問題ですか?
残業代未払いは主に労働基準法37条の問題で、労働基準監督署が是正勧告できる領域です。労働契約法は別物で、賃下げや解雇の有効性、就業規則の不利益変更(10条)など、罰則のない私的契約の争いを扱います。実務のポイント:同じ『給料が少ない』でも、未払い残業代なら労基署、合意なき基本給カットなら労働審判と、入口が分かれる。最初に自分の問題がどちらかを見極めるだけで、半年は時間を節約できる
Q2会社が就業規則を変えたら、私の同意なしでも給料を下げられるんですか?
原則は労働契約法8条・9条で『合意による変更』ですが、9条但書・10条により、変更が合理的で周知されていれば同意なしでも拘束力を持つ例外があります。合理性は変更の必要性・不利益の程度・代償措置などで総合判断されます。実務のポイント:会社は『就業規則を変えたから有効』と言いがちだが、合理性のハードルは判例上かなり高い。安易に諦めず、不利益の大きさと代償措置の有無を専門家に見てもらう価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 『労働トラブルは全部労基署に持っていけば解決する』という前提そのものが誤っている。労基署が動くのは労働基準法違反(残業代、最低賃金、安全衛生など刑罰のある領域)。不利益変更や解雇の有効性は労働契約法の領域で、労基署の管轄外。最終的には労働審判か裁判所で争う
- 『合意原則があるなら会社は何も変えられない』と知っている人でも、その例外の深刻さまでは知らない。就業規則による不利益変更が『合理的』であれば、個別同意がなくても拘束力を持つ(労働契約法10条)。原則は同意制だが、合理性という抜け道があり、その判断基準は判例の蓄積で決まっている
- 『罰則がない法律だから弱い』と思われがちだが、逆だ。罰則がないからこそ、刑事手続を経ず、あなた自身が原告として裁判所に直接権利を主張できる。国の起訴を待つ必要がない分、むしろ動きやすい武器になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 労働契約法:個人と雇い主の私的契約関係 | 労働基準法:労働条件の最低基準 労働組合法:団体交渉・労働組合 |
| 強制力 | 罰則なし(裁判所で民事的に権利主張) | 罰則あり(刑事罰・労基署の是正勧告) 不当労働行為の救済(労働委員会) |
| 相談窓口 | 労働審判・裁判所 | 労働基準監督署 労働委員会・労働組合 |
| 典型的な問題 | 賃下げ・就業規則の不利益変更・解雇の有効性 | 残業代未払い・最低賃金・安全衛生 団体交渉拒否・組合活動への妨害 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は独立した労働契約法を持たず、労働基準法(最低基準)と民法の僱傭規定で労働契約を規律する。
韓国も独立の労働契約法はなく、勤労基準法が最低基準と契約ルールを包括的に規律する。
中国は2008年施行の独立した労働契約法を持ち、書面契約義務など日本より形式要件が厳格である。
ドイツは労働契約を民法典の雇用契約の特則として位置づけ、解約保護法(KSchG)等の個別法で労働者保護を補完する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが小さな会社の経営者で、業績悪化のため全社員の基本給を一律カットしたい。就業規則を書き換えれば一発でできると思っていないか。合意原則の下では、不利益変更は原則として個別の同意が要る。同意なき一方的変更は後に無効と判断され、差額の遡及払いを命じられることがある
- もし、入社時に説明されていた手当が、ある月から黙って消えていたら? 給与明細の一行が減ったとき、それは『合意なき労働条件の不利益変更』かもしれない。会社が就業規則を変えただけでは、あなたの同意がない限り効力が及ばないのが原則だ
- 賃下げの同意書にサインを求められ、あと数日で返事をしろと迫られている。ここで安易に署名すれば、合意原則の下で『あなたが同意した』動かぬ証拠になる。サインの前に一呼吸置けるかどうかが分水嶺だ
学説
通説:労働契約法は罰則を持たない民事ルールであり、強行法規かつ刑事罰を伴う労働基準法とは性質を異にする。第1条の『合意の原則』は労使対等決定の理念を示すが、現実の交渉力格差を補うため8条以下に不利益変更の規律を置く設計と理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)制定、平成20年(2008年3月1日)施行 労働契約法(法律第128号)の制定により本条を新設。判例で積み重ねられてきた労働契約の合意原則・不利益変更法理・解雇権濫用法理を、罰則のない民事ルールとして体系的に明文化した。第1条はその目的・基本理念を宣言する条文として置かれた
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:労働契約法(法律第128号)の制定により本条を新設。判例で積み重ねられた合意原則・不利益変更法理・解雇権濫用法理を民事ルールとして明文化。平成20年(2008年)3月1日施行。
- 2.平成24年(2012年) 改正:有期労働契約に関する無期転換ルール(18条)、雇止め法理の明文化(19条)等を追加(法律第56号)。第1条の目的規定自体は変更されていない。
- 労働契約法 第3条労使対等の合意原則を具体化する基本理念
- 労働契約法 第8条合意による労働契約内容の変更
- 労働契約法 第9条就業規則による不利益変更の原則禁止
- 労働契約法 第10条就業規則変更の合理性による拘束力
- 労働契約法 第16条解雇権濫用法理、解雇の有効性の判断
- 労働基準法 第13条最低基準を罰則付きで定め、これに反する契約条件を無効化する強行法規
- 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第8条有期・非正規の不合理な待遇格差を規律する特別法(通称 パートタイム・有期雇用労働法)
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