労働契約法 第7条
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労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働契約法第7条は、日本の労働契約法に含まれる条文です。
- 労働契約法第7条の条文原文は「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規…」で始まります。
- 労働契約法第7条は第二章 労働契約の成立及び変更に置かれています。
- 労働契約法の公布日は平成19年12月5日です。
- 労働契約法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働契約法第7条の前の条は労働契約法第6条です。
- 労働契約法第7条の次の条は労働契約法第8条です。
- 労働契約法第7条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第7条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128 - 本サイト収録
労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第7条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/419AC0000000128/7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働契約法7条は、使用者が合理的な就業規則を労働者に周知させていれば、その内容が労働契約の内容になると定める。周知を欠けば、その効力は生じない。
Q · 見たこともない就業規則が、私の労働条件を決めているって本当ですか?
周知された合理的な就業規則が契約内容になる
労働契約法7条により、使用者が合理的な労働条件を定めた就業規則を労働者に周知させていれば、契約書に書いていない部分も就業規則の内容が労働契約の中身になります。鍵は二つ、規則が「合理的」であることと「周知」されていることです。掲示・備付け・書面交付などで誰でも見られる状態が必要で、金庫にしまった運用では周知になりません。ただし就業規則と異なる個別合意がある部分は、12条の最低基準を下回らない限り、その個別合意が優先します。
解説
入社初日に渡された雇用契約書はA4一枚、書いてあったのは給与と勤務地と勤務時間くらいだった。では残業代の計算方法、休職制度、退職金、懲戒のルールはどこにあるのか。答えは就業規則だ。労働契約法7条は、会社が合理的な内容の就業規則を労働者に周知させていれば、契約書に書いていない部分も就業規則の内容がそのまま労働契約の中身になると定める。つまりあなたが一度も読んでいない冊子が、あなたの労働条件を静かに埋めている。ただし条文には二つの鍵がある。第一に「合理的」であること、第二に「周知」されていること。朝礼で口頭で触れただけ、金庫にしまって見たい人だけ総務に来いという運用では、周知とは言えない。そして但書、あなたが個別に就業規則と違う条件を合意していた部分は、12条の最低基準を下回らない限り、その個別合意が優先する。会社の作った設計図に、あなた自身が書き込める余白がある。
法的な位置づけ
労働契約法7条は就業規則の労働契約規律効を定める規定である。使用者が合理的な労働条件を定めた就業規則を労働者に周知させていた場合、契約に個別の定めがない事項について、その就業規則の内容が労働契約の内容となる。ただし就業規則と異なる個別合意は、第12条の最低基準を下回らない限り優先する。
手順
- 1.就業規則の全文と周知の事実を開示請求する 会社に対し、就業規則の全文と「いつ、どの方法で周知したか」を書面で開示請求する。掲示・備付け・書面交付・データ共有のいずれかが客観的に確認できるかをチェックする
- 2.入社時の書類と就業規則を照合する 労働条件通知書・雇用契約書・採用時のオファーメールを集め、就業規則と食い違う有利な条件がないか照合する。通知書のほうが有利な部分は個別合意として優先しうる
- 3.周知または合理性を欠く条項を特定し主張する 不利な規則について合理性または周知を欠くなら、その条項は労働契約の内容になっていないと主張する。固定残業代・退職金減額・懲戒など金銭や処分に関わる条項を優先的に点検する
- 4.労基署相談または労働審判を検討する 残業代・退職金など金銭が絡むなら、労働基準監督署への相談、または原則3回期日で迅速に進む労働審判を検討する。賃金請求権の消滅時効(当分の間3年)に注意して早めに動く
よくある質問 AI による整理
Q1就業規則とは何ですか?
賃金・労働時間・休職・退職金・懲戒など労働条件を統一的に定めた社内ルールです。労働契約法7条により、合理的で周知されていれば労働契約の内容になります。
Q2就業規則の周知方法は?
労働基準法106条により、見やすい場所への掲示・備付け、書面交付、社内データでの共有が法定の方法です。いつでも見られる状態であれば、実際に読んでいなくても周知に当たります。
Q3就業規則は何人から作成義務がありますか?
労働基準法89条により、常時10人以上の労働者を使用する事業場に作成と労働基準監督署への届出義務があります。10人未満でも作成・周知すれば7条の効力は生じます。
Q4就業規則と労働協約はどちらが優先しますか?
労働協約が優先します。労働契約法13条により、法令や労働協約に反する就業規則の部分は労働契約の内容になりません。協約は労使の合意として上位に立ちます。
Q5就業規則が周知されていないと残業代はどうなりますか?
固定残業代などの根拠条項が周知を欠けば労働契約の内容にならず、会社は別途残業代を支払う義務が残ります。周知の立証責任は会社側にあります。
Q6パートにも就業規則は適用されますか?
適用されます。ただし正社員用と別にパート用就業規則がある場合や、賞与を正社員のみとする条項は、合理性と周知の両面から争う余地があります。
Q7就業規則が違法だと無効になりますか?
労働基準法や労働協約に反する部分は労働契約法13条で労働契約の内容にならず、労基法の基準を下回る部分は労基法13条で無効となり法定基準に置き換わります。
Q8入社時に就業規則の説明がなかった場合どうなりますか?
周知の有無が問題になります。会社が周知を立証できなければ、不利な条項はあなたの労働契約の内容になっていない可能性があり、その条項に拘束されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1就業規則って見たことないんですけど、それでも従わないといけないんですか?
従うかどうかは「周知されていたか」で決まります。労働契約法7条は、会社が合理的な就業規則を労働者に周知させていた場合に限り、その内容が労働契約になると定めます。実務のポイント:周知は「いつでも見られる状態」で足り、あなたが実際に読んだ必要はありません。ただし金庫にしまって誰も見られない運用は周知になりません。会社が周知の事実を立証できなければ、不利な条項はあなたを縛りません
Q2雇用契約書に書いてあることと就業規則が違ったら、どっちが優先ですか?
原則は労働者に有利なほうです。7条但書により、個別の労働契約で就業規則と異なる合意をした部分は個別合意が優先します。ただし12条で、就業規則の基準を下回る個別合意は無効になります。実務のポイント:個別契約は就業規則より有利な方向にだけ上書きでき、不利な方向には下げられない。入社時のオファーレターやメールで有利な条件を引き出して文面に残しておくと、後で効いてきます
Q3会社が後から就業規則を変えて、給料を下げてきました。これも7条で有効になるんですか?
いいえ、すでに働いている人の労働条件を就業規則の変更で不利に下げる場面は7条ではなく10条の問題です。10条は変更の合理性をより厳しく審査します。実務のポイント:7条は入社時、10条は変更時と場面が分かれています。会社が7条を持ち出して既存社員の不利益変更を正当化しようとしたら、それは条文の使い方を間違えています。10条の合理性(不利益の程度・必要性・代償措置・労組との交渉)で争えます
間違えやすい点 AI による整理
- 就業規則の存在は知っていても、それが「自分の労働契約そのもの」になっていることの重大さを知らない人が多い。契約書に書いていない労働条件はすべて就業規則で決まる。つまり就業規則を読まずに入社することは、契約内容の大半を見ずにサインしているのと同じだ
- 「就業規則に書いてあるから従うしかない」という問いの立て方そのものが誤っている。本当に問うべきは「その規則は合理的か」「会社は私に周知していたか」だ。この二つの要件を欠けば、規則は契約内容にならない。従う前に要件を疑うのが正しい順序
- 「就業規則は会社が一方的に決められる」と思われているが、7条が扱うのはあくまで契約締結時点の話。すでに働いている人の労働条件を就業規則の変更で不利に下げるには、10条のより厳しい合理性審査と周知が要る。入社時と変更時ではルールが違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 7条:入社時、契約に定めのない労働条件を就業規則で補充 | 10条:在職中、就業規則の変更で労働条件を変更 12条:就業規則の最低基準効(個別合意の下限) |
| 必要な要件 | 合理的な労働条件 + 労働者への周知 | 変更の合理性(不利益の程度・必要性・代償等)+ 周知 就業規則の基準を下回る合意であること |
| 効果 | 就業規則の内容が労働契約の内容になる | 変更後の就業規則が労働契約の内容になる 下回る部分の合意が無効となり就業規則の基準による |
| 個別合意との関係 | 異なる個別合意がある部分は個別合意が優先(但書) | 9条が原則として合意なき不利益変更を禁止 個別合意でも最低基準は下回れない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は常時30人以上で工作規則の作成・主管機関への報告と公開掲示を義務づける。法令・労働協約に反する工作規則は無効とする点(71条)が日本の13条に近い
韓国は常時10人以上で就業規則の作成・申告義務を課す。不利益変更には労働者過半数の同意を要求する点で、日本より手続的保護が厚い
ドイツは事業所協定(労使協定)が直接・強行的に労働関係を規律する。使用者が一方的に定める就業規則とは異なり、事業所委員会との共同決定を前提とする
米国は随意雇用(at-will)が原則で、ハンドブックは原則として契約ではないが、州によっては黙示の契約を構成しうるとする判例法理がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退職時に「退職金は就業規則どおり、勤続3年未満は支給なし」と言われた。だがあなたは入社時にそんな規則の説明を受けた記憶がない。会社は本当にその規則をあなたに周知していたか。周知を立証できなければ、その条項はあなたの労働契約の内容になっていない可能性がある
- あなたが小さな会社の社長で、就業規則は作ったが金庫にしまったまま。ある社員が残業代を請求してきたとき、あなたは「就業規則で固定残業代にしている」と反論したい。だが周知していなければ、その条項は労働契約の内容にならず、固定残業代の抗弁は通らない
- 転職先で「うちは年俸制だから残業代は出ない」と言われた。だが就業規則にその根拠がなく、周知もされていなければ、口頭の説明だけでは効力を持たない。あなたは未払い残業代を請求できる立場にある
- あと数日で退職届を出す予定。退職金規程が「自己都合は減額」となっているが、その規程をあなたは一度も見たことがない。周知の有無を確認しないまま手続きを進めると、減額が確定する。今夜のうちに就業規則の閲覧を請求すべきだ
- パートで働き始めて半年、正社員とほぼ同じ仕事なのに賞与がない。就業規則を見ると賞与は正社員のみと書いてある。この規則の内容が合理的か、そしてあなたに周知されていたか、二つの観点から争う余地がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 就業規則の全文と「いつ、どの方法で周知されたか」を会社に書面で開示請求する2. 入社時の労働条件通知書・雇用契約書・採用時のメールを集め、就業規則と食い違う有利な条件がないか照合する3. 不利な規則について合理性または周知を欠くなら、その条項は契約内容になっていないと主張4. 残業代・退職金など金銭が絡むなら、労働基準監督署への相談、または労働審判(原則3回期日で迅速)を検討する
訴えられた側:1. 就業規則を作っただけで満足せず、労働基準法106条の周知(掲示・備付け・書面交付・データ共有)を確実に実施し、その記録を残す2. 規則内容が合理的か点検し、特に不利益条項は個別同意を別途取る3. 就業規則と異なる個別合意は12条の最低基準を下回らない範囲で有効、必ず書面に残す4. 紛争時は周知の立証責任が会社側にあると心得て、証拠を先回りで整える
時効(請求できる期限):7条自体に時効はないが、これに基づく賃金請求権は当分の間3年(本来5年、労働基準法115条の経過措置)、退職金請求権は5年。起算点は各賃金の支払日(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:労働契約法7条は秋北バス事件以来の判例法理を明文化したものであり、合理性と周知の二要件を満たす就業規則が労働契約を規律する。周知は効力発生要件であり、その立証責任は使用者側にあると解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)制定、平成20年(2008年)施行 労働契約法の制定により新設。秋北バス事件最高裁判決(最大判昭和43.12.25)以来の判例法理、すなわち合理的な就業規則が労働契約の内容になるという準則を明文化した
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:労働契約法の制定(平成19年法律第128号、平成20年施行)により新設。秋北バス事件最高裁判決以来の判例準則、すなわち合理的な就業規則が労働契約の内容になるという法理を明文化した。
- 労働契約法 第9条就業規則の変更による労働条件の不利益変更の原則禁止
- 労働契約法 第10条就業規則変更時の合理性・周知による契約内容変更
- 労働契約法 第12条就業規則の最低基準効、これを下回る合意の無効化
- 労働契約法 第13条法令・労働協約に反する就業規則の不適用
- 労働基準法 第89条就業規則の作成・届出義務の特則
- 労働基準法 第90条就業規則作成時の過半数代表の意見聴取手続
- 労働基準法 第106条就業規則の周知義務の根拠
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