労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。
要点労働契約法 7 条は、使用者が合理的な就業規則を労働者に周知させていれば、その内容が労働契約の内容になると定める。周知を欠けば、その効力は生じない。
Q · 見たこともない就業規則が、私の労働条件を決めているって本当ですか?
周知された合理的な就業規則が契約内容になる
労働契約法 7 条により、使用者が合理的な労働条件を定めた就業規則を労働者に周知させていれば、契約書に書いていない部分も就業規則の内容が労働契約の中身になります。鍵は二つ、規則が「合理的」であることと「周知」されていることです。掲示・備付け・書面交付などで誰でも見られる状態が必要で、金庫にしまった運用では周知になりません。ただし就業規則と異なる個別合意がある部分は、12 条の最低基準を下回らない限り、その個別合意が優先します。
入社初日に渡された雇用契約書はA4一枚、書いてあったのは給与と勤務地と勤務時間くらいだった。では残業代の計算方法、休職制度、退職金、懲戒のルールはどこにあるのか。答えは就業規則だ。労働契約法7条は、会社が合理的な内容の就業規則を労働者に周知させていれば、契約書に書いていない部分も就業規則の内容がそのまま労働契約の中身になると定める。つまりあなたが一度も読んでいない冊子が、あなたの労働条件を静かに埋めている。ただし条文には二つの鍵がある。第一に「合理的」であること、第二に「周知」されていること。朝礼で口頭で触れただけ、金庫にしまって見たい人だけ総務に来いという運用では、周知とは言えない。そして但書、あなたが個別に就業規則と違う条件を合意していた部分は、12条の最低基準を下回らない限り、その個別合意が優先する。会社の作った設計図に、あなた自身が書き込める余白がある。
労働契約法 7 条は就業規則の労働契約規律効を定める規定である。使用者が合理的な労働条件を定めた就業規則を労働者に周知させていた場合、契約に個別の定めがない事項について、その就業規則の内容が労働契約の内容となる。ただし就業規則と異なる個別合意は、第 12 条の最低基準を下回らない限り優先する。
賃金・労働時間・休職・退職金・懲戒など労働条件を統一的に定めた社内ルールです。労働契約法 7 条により、合理的で周知されていれば労働契約の内容になります。
労働基準法 106 条により、見やすい場所への掲示・備付け、書面交付、社内データでの共有が法定の方法です。いつでも見られる状態であれば、実際に読んでいなくても周知に当たります。
労働基準法 89 条により、常時 10 人以上の労働者を使用する事業場に作成と労働基準監督署への届出義務があります。10 人未満でも作成・周知すれば 7 条の効力は生じます。
労働協約が優先します。労働契約法 13 条により、法令や労働協約に反する就業規則の部分は労働契約の内容になりません。協約は労使の合意として上位に立ちます。
固定残業代などの根拠条項が周知を欠けば労働契約の内容にならず、会社は別途残業代を支払う義務が残ります。周知の立証責任は会社側にあります。
適用されます。ただし正社員用と別にパート用就業規則がある場合や、賞与を正社員のみとする条項は、合理性と周知の両面から争う余地があります。
労働基準法や労働協約に反する部分は労働契約法 13 条で労働契約の内容にならず、労基法の基準を下回る部分は労基法 13 条で無効となり法定基準に置き換わります。
周知の有無が問題になります。会社が周知を立証できなければ、不利な条項はあなたの労働契約の内容になっていない可能性があり、その条項に拘束されません。
従うかどうかは「周知されていたか」で決まります。労働契約法7条は、会社が合理的な就業規則を労働者に周知させていた場合に限り、その内容が労働契約になると定めます。業界裏話ヒント:周知は「いつでも見られる状態」で足り、あなたが実際に読んだ必要はありません。ただし金庫にしまって誰も見られない運用は周知になりません。会社が周知の事実を立証できなければ、不利な条項はあなたを縛りません
原則は労働者に有利なほうです。7条但書により、個別の労働契約で就業規則と異なる合意をした部分は個別合意が優先します。ただし12条で、就業規則の基準を下回る個別合意は無効になります。業界裏話ヒント:個別契約は就業規則より有利な方向にだけ上書きでき、不利な方向には下げられない。入社時のオファーレターやメールで有利な条件を引き出して文面に残しておくと、後で効いてきます
いいえ、すでに働いている人の労働条件を就業規則の変更で不利に下げる場面は7条ではなく10条の問題です。10条は変更の合理性をより厳しく審査します。業界裏話ヒント:7条は入社時、10条は変更時と場面が分かれています。会社が7条を持ち出して既存社員の不利益変更を正当化しようとしたら、それは条文の使い方を間違えています。10条の合理性(不利益の程度・必要性・代償措置・労組との交渉)で争えます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 7 条:入社時、契約に定めのない労働条件を就業規則で補充 | — |
| 必要な要件 | 合理的な労働条件 + 労働者への周知 | — |
| 効果 | 就業規則の内容が労働契約の内容になる | — |
| 個別合意との関係 | 異なる個別合意がある部分は個別合意が優先(但書) | — |
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