労働契約法 第6条(労働契約の成立)
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労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。
この条文の基本情報
労働契約の成立とは何ですか?
定義労働契約の成立とは、労働契約法第6条に定められた規定で、「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働契約法第6条(労働契約の成立)は、日本の労働契約法に含まれる条文です。
- 労働契約法第6条の条文原文は「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。」で始まります。
- 労働契約法第6条は第二章 労働契約の成立及び変更に置かれています。
- 労働契約法の公布日は平成19年12月5日です。
- 労働契約法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働契約法第6条の前の条は労働契約法第5条です。
- 労働契約法第6条の次の条は労働契約法第7条です。
- 労働契約法第6条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第6条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128 - 本サイト収録
労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第6条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/419AC0000000128/6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働契約法6条は、労働者と使用者が「労働」と「賃金支払」について合意した時点で労働契約が成立すると定める。契約書の署名は成立要件ではなく、口頭の合意でも成立する。
Q · 雇用契約書にサインしてないけど、私はもう労働者なの?
はい、合意した時点で労働者です
労働契約法6条により、労働者が「働く」、使用者が「賃金を払う」と合意した時点で労働契約は成立します。契約書の署名は成立要件ではなく、合意の存在を証する一手段にすぎません。口頭やメール、シフト表のやり取りだけでも成立しており、内定通知も合意である以上すでに労働契約が成立しています。契約書がないことは権利を主張できない理由になりません。
解説
バイト先で店長に「明日から来て」と言われ、書面も交わさず働き始めた。あなたはもう労働者だ。労働契約法6条は、契約書へのサインを成立要件にしていない。労働者が「働く」と言い、使用者が「賃金を払う」と言い、両者が合意した瞬間に労働契約は成立する。これを諾成契約という。重要なのは二つ。第一に、内定通知も合意である以上、すでに労働契約は成立している。だから内定の一方的取消は、入社前であっても「解雇」と同じ厳しさで審査される(最判昭和54.7.20大日本印刷事件)。第二に、契約書のタイトルが「業務委託」でも、実態が使用者の指揮命令下での労働なら、裁判所は労働契約と認定する。あなたが労働者か個人事業主かは、紙の表題ではなく働き方の実態で決まる。
法的な位置づけ
労働契約法6条は労働契約の成立要件を定める規定であり、労働者が使用者の指揮命令下で労働し使用者が賃金を支払うことについて両当事者が合意した時点で労働契約が成立する諾成契約であることを明文化する。書面の作成は成立要件ではなく、合意の存在を証する一手段にすぎない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.合意成立の証拠を真っ先に固める 契約書がなくても合意は立証できる。内定通知書、採用メール、LINE のやり取り、シフト表、給与の振込記録をスクリーンショットや原本で確保し、いつ・誰が・何を合意したかを時系列で整理する
- 2.内定取消なら取消理由を書面で求める 内定取消の通知が来たら、取消理由を書面で明示するよう請求する。客観的合理性と社会的相当性を欠く理由であれば、地位確認と賃金請求の両方を争える余地がある
- 3.業務委託扱いなら労働者性の実態を記録 「業務委託だから残業代なし」と言われたら、指揮命令・時間拘束・専属性の実態を記録する。出退勤の記録、指示の LINE、シフト表がそろえば、業務委託という看板は法的にほぼ無力化する
- 4.一人で抱えず公的窓口へ相談 証拠を持って労働基準監督署、総合労働相談コーナー、または一人でも加入できるユニオンに相談する。早期に動くほど合意成立や労働者性の立証が有利になる
よくある質問 AI による整理
Q1労働契約はいつ成立しますか?
労働者が働くこと、使用者が賃金を払うことを合意した時点で成立します(労働契約法6条)。契約書の作成や署名は成立の条件ではありません。
Q2内定で労働契約は成立していますか?
成立しています。内定は始期付解約権留保付労働契約とされ(大日本印刷事件)、入社前でも契約は成立済みです。だから内定取消は解雇に準じて審査されます。
Q3口約束だけの雇用契約は有効ですか?
有効です。労働契約法6条は合意で成立する諾成契約とし、書面を成立要件にしていません。口頭やメール、LINE のやり取りでも契約は成立します。
Q4業務委託でも労働者と認められますか?
実態が指揮命令下での時間拘束のある労働なら、契約書の表題が業務委託でも労働者と認定されます。判断は紙の名称でなく働き方の実態によります。
Q5労働契約法6条とは何ですか?
労働契約の成立要件を定める条文です。労働と賃金支払について労使が合意すれば契約が成立する、という諾成契約の原則を明文化しています。
Q6内定取消は違法になりますか?
客観的に合理的な理由と社会的相当性を欠く内定取消は無効です。漠然とした業績悪化や印象悪化を理由とする取消は争えます。
Q7諾成契約とは何ですか?
当事者の合意のみで成立し、書面の作成や物の引渡しを要しない契約をいいます。労働契約は6条によりこの諾成契約に位置づけられます。
Q8労働契約に書面交付の義務はありますか?
成立要件ではありませんが、労働基準法15条が労働条件の明示義務を別途定めており、賃金や労働時間などは書面等で示す必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1雇用契約書をもらってないんですけど、私ってちゃんとした労働者なんですか?
労働者です。労働契約法6条は、働くことと賃金を払うことの合意で契約が成立すると定めており、契約書は成立要件ではありません(書面の交付義務は別途、労働基準法15条の話)。実務のポイント:契約書がない方が、むしろ使用者側が労働条件を立証できず不利になる場面があります。あなたの主張する時給や勤務時間を覆す書面が相手にないからです。口頭でも、メールやシフト表が立派な証拠になる
Q2内定取消されました。これって泣き寝入りするしかないですか?
いいえ。内定は始期付解約権留保付労働契約としてすでに成立しています(最判昭和54.7.20大日本印刷事件)。取消には客観的合理性と社会的相当性が必要で、漠然とした業績悪化や印象の悪化では無効です。実務のポイント:企業は『内定は契約じゃない』と言いがちですが誤りです。働く地位の確認と賃金請求の両方を争えます。他社を断った証拠を残しておくと、損害の立証で効いてくる
Q3「業務委託」で契約したのに、残業代って請求できるんですか?
実態が労働なら請求できます。契約書の表題が業務委託でも、指揮命令下で時間に拘束されて働いていれば、6条の労働契約、すなわち労働者と認定され、労働基準法が適用されます。実務のポイント:裁判所や労基署は『契約の名前』ではなく『働き方の実態』で判断します(労働者性の判断基準、昭和60年の労働基準法研究会報告)。指示の LINE や出退勤の記録があれば、業務委託の看板はほぼ無力。過去にさかのぼって残業代・有給が認められた例は多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「雇用契約書にサインしなければ労働者ではない」と思われているが、逆である。6条は合意で成立すると定めており、契約書は成立要件ではなく証拠の一つにすぎない。口頭やメールの合意だけでも、労働契約はすでに成立している
- あなたから見れば「業務委託で働く個人事業主」でも、労働基準監督署や裁判所から見れば「労働者」であることがある。この落差が命取りで、自分は労働者ではないと思い込んだまま、残業代・有給・労災といった権利をまとめて手放してしまう
- 内定をもらった人の多くは「内定は単なる約束で、取り消されても仕方ない」と知っている。だが知らないのはその深刻度だ。内定取消は労働契約の解約、すなわち解雇に準じ、企業が客観的合理性を立証できなければ無効になる。損害賠償だけでなく、働く地位そのものの確認まで争える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する事項 | 労契法6条:労働契約の成立(合意で成立) | 労基法15条:労働条件の明示義務(成立後の手続) 民法623条:雇用契約(一般法) |
| 書面の位置づけ | 書面は成立要件ではない(諾成契約) | 賃金等の一定事項は書面等での明示が必要 書面不要、合意で成立 |
| 違反・欠缺の効果 | 合意があれば書面なしでも契約成立 | 明示義務違反は罰則・即時解除権の対象 労契法が特別法として優先適用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も勞動契約を合意で成立する諾成契約とし、勞動基準法2条で勞工・雇主・勞動契約を定義。労働者性は実態で判断する点が日本と共通する。
韓国も근로계약を合意で成立する諾成契約とし、17条で労働条件の書面明示義務を別途課す。日本の6条+労基法15条の構造に類似する。
ドイツは2017年に § 611a を新設し Arbeitsvertrag を明文化。労働者性は人的従属性で判断され、Nachweisgesetz が労働条件の証明を要求する。
米国は随意雇用(at-will)が原則で成立に書面を要しないが、解雇の自由が広く、日本のような解雇規制や内定取消法理は限定的である。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 卒業前に内定をもらい、他社をすべて断った。卒業直前、企業から「業績悪化のため内定取消」のメール一通。これは労働契約が成立した後の解約、つまり解雇に準じる扱いになる。客観的に合理的な理由と社会的相当性がなければ無効。黙って受け入れる話ではない
- もし、契約書に「業務委託」と書いてあっても、毎朝出社して上司の指示で働き、勤務時間も決められていたら? あなたは法的には労働者だ。残業代も有給も労災も、業務委託では消えていたはずの権利が、実態認定で全部戻ってくる
- あなたが小さな会社の社長で、面接の場で「採用します」と口走った。相手はそれを合意と受け取る。後から「やっぱりナシで」は通らない。口頭の一言が労働契約を成立させてしまう
- 内定取消の通知が来た。入社予定日まであと20日。この期間に証拠(内定通知書、誓約書の提出記録、他社を断ったメール)を固めないと、契約が成立していたという立証が一気に難しくなる
- 友人が「アルバイトの面接で受かったのに、初日の前日に断られた」と相談してきた。これも労働契約成立後の解約になりうると気付く。シフトの約束や採用の LINE が証拠になる、とあなたは教えられる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず合意成立の証拠を固める:内定通知書、採用メール、LINE、シフト表、給与の振込記録。紙の契約書がなくても合意は立証できる2. 内定取消なら取消理由を書面で求める。客観的合理性と社会的相当性を欠けば無効を主張できる3. 業務委託扱いなら、指揮命令・時間拘束・専属性の実態を記録し労働者性を立証する4. 一人で抱えず、労働基準監督署、総合労働相談コーナー、一人でも入れるユニオンに相談する
訴えられた側:1. 採用・内定の意思表示は慎重に。「採用する」の一言が労働契約を成立させると認識する2. 内定取消が避けられない場合、客観的合理的理由を文書化し、取消ではなく合意解約や入社時期の調整を先に打診する3. 業務委託を使うなら実態も委託に整える:指揮命令をしない、勤務時間を拘束しない、専属を求めない。看板と実態の乖離が偽装請負・労働者性認定のリスクになる4. 紛争化したら早期に社会保険労務士・弁護士へ
時効(請求できる期限):労働契約の成立そのものに時効はないが、未払賃金・残業代の請求権は支払日から3年で消滅する(労働基準法115条、当分の間3年。本来5年への移行が予定されており、最新の改正状況をご確認ください)。内定取消の地位確認は、取消通知の到達後すみやかに動くほど立証が有利になる
学説
通説:労働契約は諾成契約であり、労働と賃金支払についての合意で成立する。書面は成立要件でなく証拠にすぎない。労働者性は契約形式でなく使用従属性の実態で判断するのが確立した理解である。
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)制定 労働契約法の制定(平成19年法律第128号、平成20年3月1日施行)に伴い6条として新設。判例で確立していた労働契約の諾成契約性を明文化した。以後、6条本文に実質的改正はない
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:労働契約法(平成19年法律第128号、平成20年3月1日施行)の制定により6条として新設。判例で確立していた労働契約の諾成契約性を明文化した。以後、6条本文に実質的改正はない。
- 労働契約法 第3条合意原則・対等な立場という労働契約の基本原則
- 労働契約法 第4条労働契約内容の理解促進、合意の実質化
- 労働契約法 第7条就業規則による労働契約内容の補充
- 労働契約法 第8条合意による労働契約内容の変更
- 労働契約法 第16条解雇権濫用法理、内定取消への準用基礎
- 労働基準法 第15条労働条件の明示義務、書面交付は成立要件と別の規律
- 民法 第623条一般法たる雇用契約、労働契約はその特別類型
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