要点保険法 17 条は、故意または重大な過失で生じた損害は保険者が免責されると定める。ただし責任保険契約では、この免責が「故意」の場合のみに読み替えられる。
Q · 重過失で火事を出したら、火災保険も賠償責任保険も両方下りないの?
火災保険は下りないが、賠償責任保険は下りる
保険法 17 条 1 項により、故意または重大な過失で生じた損害は保険者が免責されます。自分の建物を対象とする火災保険は、重過失があればこの規定で下りません。しかし 2 項は責任保険契約に限り「故意又は重大な過失」を「故意」だけに読み替えるため、他人への賠償をてん補する賠償責任保険は、わざとでない限り重過失でも支払われます。同じ火事でも、保険が自分に向くか他人に向くかで結論が分かれます。
寝タバコで自宅を全焼させた。火災保険は下りない。だが延焼した隣家への賠償金は、個人賠償責任保険から支払われる。同じ一つの火事で、片方の保険は逃げ、もう片方は逃げない。この分岐を作っているのが保険法 17 条だ。1 項は「故意又は重大な過失」で生じた損害を免責とし、戦争その他の変乱も同じ扱いにする。ところが 2 項は、責任保険契約(あなたが他人に賠償責任を負うことによる損害をてん補する保険)に限って、その「故意又は重大な過失」を「故意」だけに読み替える。つまり責任保険では、どれほど重い不注意でも、わざとでなければ保険は生きている。あなたの財布を守る保険と、被害者に届く保険とでは、法律が引いた線の位置が違う。保険会社から「重大な過失があるので支払えません」と言われたとき、その一言がどちらの保険に向けられたものかを見分けられるかどうかで、受け取れる金額は桁が変わる。
保険法 17 条は保険者の免責事由を定める規定であり、1 項は故意又は重大な過失による損害及び戦争その他の変乱による損害を免責とする。2 項は責任保険契約についてのみ、1 項の「故意又は重大な過失」を「故意」に読み替え、重過失免責を排除して被害者への賠償原資を確保する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
保険者の免責事由を定めた規定です。1 項で故意・重過失・戦争等による損害を免責とし、2 項で責任保険に限り免責を故意のみに読み替えます。
自分の建物を対象とする火災保険は 17 条 1 項の重過失免責で下りない可能性があります。ただし免責の立証責任は保険会社側にあります。
支払われます。17 条 2 項が責任保険契約の免責事由を「故意」だけに読み替えるため、故意でない限り重過失でも保険給付が生きています。
その主張が 1 項の話か 2 項の責任保険部分かを書面で特定させます。免責事由は保険者が立証する必要があるため、開示を求めて交渉できます。
保険給付請求権は原則として保険事故発生時から 3 年で時効消滅します(保険法 95 条 1 項)。不払い通知を受けたら残存期間を確認してください。
失火責任法により重過失があるときだけ賠償責任が生じ、その賠償を個人賠償責任保険がてん補します。責任保険なので故意でなければ支払われます。
下りません。2 項が読み替えるのは前段の「故意又は重大な過失」だけで、後段の戦争その他の変乱による免責は責任保険にもそのまま及びます。
わずかな注意で結果を避けられたのに漫然と見過ごした状態を指し、単なるうっかりでは足りません。認定のハードルは実務上かなり高いです。
わずかな注意さえ払えば結果を予見して避けられたのに、漫然と見過ごした状態を指す。単なるうっかりでは足りず、認定のハードルは実務上かなり高い。業界裏話ヒント:保険会社が重過失を主張しても、17 条 1 項は免責事由であるから、その立証責任は保険者側にある。訴訟で保険会社の重過失主張が退けられ支払いが命じられた例は珍しくない。「重過失だと言われた」と「重過失が立証された」は全く別の段階だ
対人賠償責任保険は 17 条 2 項の責任保険にあたるため、故意でない限り支払われる。脇見運転や信号無視が重過失と評価されても、賠償金は保険から出る。業界裏話ヒント:自賠責保険はさらに手厚く、自動車損害賠償保障法 14 条により免責されるのは保険契約者等の「悪意」の場合だけであり、被害者は同法 16 条で保険会社に直接請求できる。加害者が非協力でも被害者側から金を取りに行ける経路が別に用意されている
17 条は保険契約者に有利な内容へ変更することを妨げないから、約款が重過失でも支払う設計なら約款が優先する。逆に責任保険で 2 項より不利な免責を約款に置けるかは、実務上、解釈が分かれている。業界裏話ヒント:約款文言をそのまま受け入れる前に、その保険が責任保険かどうかを見極める。責任保険であれば、2 項という法律上の基準を持ち出して交渉できる余地が残る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる保険 | 保険法 17 条:損害保険契約全般の免責 | — |
| 基本の免責事由 | 故意又は重大な過失+戦争その他の変乱 | — |
| 責任保険の特則 | 2 項で重過失免責を外し故意のみに読み替え | — |
| 立証責任 | 免責事由は保険者が主張立証 | — |
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