要点保険法 20 条は重複保険において、各保険者がてん補損害額の全額について保険給付義務を負うと定める。按分は被保険者への給付ではなく、保険者間の求償で処理される。
Q · 火災保険を二社でかけていたら、両方に全額請求できるの?
各社に満額請求できるが、二重取りはできません
保険法 20 条 1 項により、他社の損害保険があっても各保険者はてん補損害額の全額について保険給付義務を負います。つまり被保険者は、対応や支払いの早い一社に満額を請求できます。ただし損害保険では利得禁止が働くため、実際の損害を超えて二倍受け取ることはできません。各社が満額払って給付総額が損害額を超えたときは、2 項により満額を払った会社が自己の負担部分を超えた分を他社へ求償し、精算は会社どうしの裏側で行われます。
賃貸マンションの火事で家財が全焼した。あなたは自分で入った家財保険と、クレジットカード付帯の保険、二つ持っていた。ここで多くの人がつまずく。「二つあるなら両社で折半して請求するのか」「片方しか使えないのか」。保険法 20 条の答えは、どちらでもない。1 項はこう言う。他に保険があっても、各保険会社はてん補損害額の全額について保険給付を行う義務を負う。つまりあなたは、二社のうち払いの早い方、対応のいい方に満額を請求していい。もう一方に頭を下げる必要はない。ただし実際の損害を超えて二倍もらえるわけではない(利得禁止)。では会社はどうするか。2 項で、満額払った会社が自己の負担部分を超えた分を、もう一社に求償する。会社どうしが後ろで精算する。あなたが立ち会う必要はない。この一条は、あなたを二社に振り回される被保険者から、払いのいい会社を選ぶ側へと立場を変える。
保険法 20 条は重複保険を規律する規定であり、同一の損害を二以上の損害保険契約がてん補する場合に、各保険者が他の契約の有無にかかわらずてん補損害額の全額について保険給付義務を負う独立責任額全額主義(1 項)と、給付総額がてん補損害額を超えたときの保険者間の求償(2 項)を定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
同一の損害を二以上の損害保険契約が重ねててん補する状態です。保険法 20 条が適用され、各保険者がてん補損害額の全額の給付義務を負います。
他社の保険があっても各保険者が損害額の全額の給付義務を負う原則です。旧商法の按分主義を改め、2010 年施行の保険法 20 条 1 項で明文化されました。
満額を払った会社が自己の負担部分を超えた分を、保険法 20 条 2 項に基づき他社へ求償します。被保険者は精算に立ち会う必要がありません。
他の契約がないと仮定した各社の給付額(独立責任額)の合計に対する各社の割合を、てん補損害額に乗じた額です。契約ごとに損害額が異なる場合は最も高い額が基準です。
同じ損害なら重複保険となり、20 条 1 項で各社に満額請求できます。ただし実損が上限で二重取りはできず、精算は会社間の求償で行われます。
被保険者が割り振る必要はありません。対応や支払いの早い一社に満額を請求すればよく、20 条 1 項が各社に全額給付義務を課しています。
契約時の告知事項として重複契約の申告を求める約款は多いですが、20 条自体は給付段階のルールで、申告の有無で満額給付義務が消えるわけではありません。約款を確認してください。
保険給付請求権の消滅時効は 3 年です(保険法 95 条)。対応の遅い会社を待つ間に時効が迫るため、早い会社へ先に満額請求して止血するのが安全です。
もらえません。損害保険は利得禁止が働き、実際の損害額(てん補損害額)が上限です(保険法 18 条)。ただし 20 条 1 項により各社はそれぞれ満額の給付義務を負うので、あなたは払いの早い一社に満額請求できます。業界裏話ヒント:二重取りはできないが、複数社あることは弱みではなく強み。対応の遅い会社に付き合う義務はなく、動きの早い会社を選んで先に満額を確保し、あとは会社間の精算に任せてよい
仕方なくありません。20 条 1 項は「他の保険があっても各保険者はてん補損害額の全額について保険給付を行う義務を負う」と明言しています。按分(負担部分の調整)は 2 項の会社間の求償の問題で、あなたへの給付を減らす根拠ではありません。業界裏話ヒント:旧商法時代は同時・異時で扱いが分かれ按分が語られたが、2010 年施行の保険法は独立責任額全額主義に統一した。古い知識のまま按分で減額と説明する担当者もいる。条文番号を出して満額を求めるだけで対応が変わる
生命保険は別です。死亡や入院に一定額を払う定額保険には利得禁止が働かず、複数契約すればそれぞれから満額を受け取れます。20 条が適用されるのは火災・自動車・家財などの損害保険(実損てん補型)だけです。業界裏話ヒント:医療・傷害保険でも「入院日額 5,000 円」のような定額給付型は二重に受け取れるが、実費補償型(かかった費用を補償)は損害保険的で二重取り不可。証券の給付タイプが日額か実費かを見るのが分かれ道
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 20 条:重複保険(同一損害を複数契約がてん補) | — |
| 被保険者への効果 | 各社に満額請求でき、二重取りは利得禁止で不可 | — |
| 会社間・調整の仕組み | 2 項の保険者間の求償で負担部分を精算 | — |
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