要点保険法 84 条は、傷害疾病定額保険で契約者が故意または重大な過失で告知義務に違反したとき保険者の契約解除を認めるが、募集人の妨害や契約から 5 年経過で解除権は消滅する。
Q · 告知書に書き忘れがあったら、保険会社はいつでも契約を解除できるの?
故意か重過失、しかも 5 年以内でなければ解除できません
保険法 84 条により、傷害疾病定額保険で契約者や被保険者が故意または重大な過失で告知義務に違反すると、保険者は契約を解除できます。ただし解除できるのは故意・重過失の場合に限られ、募集人が告知を妨げたとき(2 項)、保険者が解除原因を知ってから 1 箇月を過ぎたとき、契約締結から 5 年を過ぎたとき(4 項)には解除できません。さらに解除されても、隠した事実と保険事故に因果関係がなければ給付は受けられます(88 条)。
がん検診で腫瘍が見つかり、加入していた医療保険に給付を請求した。数週間後に届いたのは振込通知ではなく、『告知義務違反により契約を解除します』という一枚の書面だった。保険法84条は、まさにこの瞬間を規律する。傷害疾病定額保険(医療保険・がん保険・傷害保険など、事故や病気で決まった額が支払われるタイプ)で、契約者や被保険者が故意または重大な過失で告知事項を偽ったとき、保険者は契約を解除できる。だが、多くの人がここで誤解している。あなたが負うのは『聞かれたことに正直に答える』義務であって、聞かれてもいない持病を自分から申告する義務ではない。しかも解除できるのは故意か重過失のときだけで、うっかり書き忘れた程度では足りない。さらに、募集人が『それは書かなくていい』と言った場合、契約から5年経った場合、こうしたときには保険者は解除できない。相手の切り札には、いくつも穴が空いている。
保険法 84 条は、傷害疾病定額保険契約における告知義務違反解除を定める規定である。保険契約者または被保険者が故意または重大な過失により告知事項を偽った場合に保険者へ解除権を認めつつ、募集人の告知妨害、保険者の悪意・過失、契約から 5 年および解除原因を知った時から 1 箇月の期間制限を解除の障害事由として規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
保険契約の際、健康状態や病歴など保険者が質問した事項について、故意または重大な過失で事実を告げなかったり嘘の告知をすることです。保険法 84 条により契約解除の原因となります。
けがや病気で入院・手術などの事故が起きたとき、実際の損害額に関係なく契約であらかじめ定めた一定額が支払われる保険です。医療保険・がん保険・傷害保険が代表例です。
いいえ。告知しなかった事実と実際の保険事故に因果関係がなければ、解除されても保険者は給付を拒めません(保険法 88 条)。無関係の入院なら支払われます。
重大な過失は、少し注意すれば当然気づいたのに告知しなかったレベルです。単なる勘違いや軽い書き忘れは単純過失にとどまり、解除の要件を満たしません。
契約締結から 5 年、または保険者が解除原因を知ったときから 1 箇月で解除権は消滅します(保険法 84 条 4 項)。給付請求権自体の消滅時効は 3 年です(95 条)。
保険法は契約者と保険会社の契約関係を定める私法で、告知義務違反解除もここに含まれます。保険業法は保険会社の監督や募集規制を定める行政法で、募集人の告知妨害を禁じます。
指摘された健診項目が告知書で質問されていたか、故意・重過失があったか、契約から 5 年を経過していないかを確認します。要件を欠けば解除は無効を主張できます。
給付請求後の調査で、医療機関のカルテや健診記録を照会し、告知内容と実際の受診歴を照合します。請求をきっかけに過去の受診歴が調べられるのが一般的です。
断られない可能性が高い。保険法88条は、告知しなかった事実と実際の保険事故との間に因果関係がなければ、保険者は給付を拒めないと定めている。胃の持病を告知せず骨折で入院したなら、両者は無関係なので給付されるべきだ。業界裏話ヒント:保険会社は解除できる場合でも、この因果関係の有無を必ずしも積極的に説明しない。『解除だから一切払わない』という通知が来ても、事故との無関係を主張して給付を勝ち取れるケースは多い
保険募集人があなたの告知を妨げたり、告知しないよう勧めた場合、保険者は解除できない(保険法84条2項2号・3号)。ただし、募集人の行為がなくてもあなたが告知しなかったと認められる場合は例外だ(同条3項)。業界裏話ヒント:問題は立証で、募集人は後から『そんなことは言っていない』と否認する。加入時のやり取りを録音するか、後からでもメールやLINEで『あのとき書かなくていいと言われた件』と確認を取り、証拠を残しておく人が勝つ
傷害疾病定額保険では、契約締結から5年を経過すると、告知義務違反を理由とする解除権は消滅する(保険法84条4項)。また保険者が解除原因を知った時から1箇月動かなくても消滅する。業界裏話ヒント:この5年は契約者にとって強力な盾になる。ただし『重大事由による解除』(86条)や詐欺による取消しは別枠で、悪質な虚偽は5年経っても安心できない
解除できるのは、故意または重大な過失があった場合に限られる(保険法84条1項)。単なる勘違いや軽い書き忘れ、つまり通常の不注意だけでは解除の要件を満たさない。業界裏話ヒント:『重大な過失』は、少し注意すれば当然気づいたはずなのに告知しなかったレベルを指す。健診で明確に指摘された病名を書かなかったのは重過失、うろ覚えの軽微な症状を失念したのは単純過失、この線引きが争いの主戦場になる(最新の判例動向をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる保険 | 保険法 84 条:傷害疾病定額保険(医療・がん・傷害保険) | — |
| 告知義務の性質 | 質問応答義務(84 条・66 条) | — |
| 解除の主観要件 | 故意または重大な過失 | — |
| 期間制限 | 知った時から 1 箇月・契約から 5 年で消滅(84 条 4 項) | — |
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