いじめ防止対策推進法 第19条(インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進)
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- 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、及び効果的に対処することができるよう、これらの者に対し、必要な啓発活動を行うものとする。
- 2.国及び地方公共団体は、児童等がインターネットを通じて行われるいじめに巻き込まれていないかどうかを監視する関係機関又は関係団体の取組を支援するとともに、インターネットを通じて行われるいじめに関する事案に対処する体制の整備に努めるものとする。
- 3.インターネットを通じていじめが行われた場合において、当該いじめを受けた児童等又はその保護者は、当該いじめに係る情報の削除を求め、又は発信者情報(特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第二条第十号に規定する発信者情報をいう。)の開示を請求しようとするときは、必要に応じ、法務局又は地方法務局の協力を求めることができる。
この条文の基本情報
インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進とは何ですか?
定義インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進とは、いじめ防止対策推進法第19条に定められた規定で、「学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性その他のインターネットを通じて送信され…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- いじめ防止対策推進法第19条(インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進)は、日本のいじめ防止対策推進法に含まれる条文です。
- いじめ防止対策推進法第19条の条文原文は「学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性その他のインターネットを通じて送信され…」で始まります。
- いじめ防止対策推進法第19条は第三章 基本的施策に置かれています。
- いじめ防止対策推進法の公布日は平成25年6月28日です。
- いじめ防止対策推進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- いじめ防止対策推進法第19条の前の条はいじめ防止対策推進法第18条です。
- いじめ防止対策推進法第19条の次の条はいじめ防止対策推進法第20条です。
- いじめ防止対策推進法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第19条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC1000000071 - 本サイト収録
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/425AC1000000071/19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点いじめ防止対策推進法19条は、ネットいじめの被害児童と保護者が、投稿削除や発信者情報開示を求める際に法務局の協力を求められると定める。学校には啓発義務がある。
Q · 子どもがLINEやSNSで悪口を書かれた。弁護士に頼む前にできることはある?
法務局に無料で相談でき、削除要請をしてもらえる場合がある
いじめ防止対策推進法19条3項により、ネットいじめを受けた児童等とその保護者は、投稿の削除や発信者情報の開示を求めるとき、法務局・地方法務局の協力を求めることができます。人権相談は無料で、法務局が違法性を判断すれば運営者に削除を要請することもあります。ただし法務局は発信者を調べてくれるわけではありません。発信者の特定は、プロバイダへの開示請求か裁判所への開示命令申立てで行います。ログが消える前に証拠保全と相談を急ぐことが重要です。
解説
子どものスマホに届いた、クラスのグループ LINE の悪口のスクショ。親がまず考えるのは「弁護士に頼むと何十万円かかるのか」だろう。だが本条3項には、弁護士を雇う前に使える公的な入口が書いてある。いじめを受けた児童等とその保護者は、投稿の削除を求めるときや発信者情報の開示を請求するとき、必要に応じて法務局・地方法務局(法務省の出先機関で、人権相談の窓口を持つ役所)に協力を求めることができる。法務局の人権相談は無料である。事案によっては、法務局が違法性を判断したうえで、自らプロバイダや SNS 運営者に削除を要請する。1項は、学校とその設置者(公立なら教育委員会)に対し、ネットいじめについて児童・保護者への啓発を義務づけている。2項は、国と自治体に監視・対処体制の整備を求めている。いじめの定義(2条)はネット上の行為を明記しているから、「ネットのことは学校の管轄外」という説明はそもそも成り立たない。学校を動かす根拠と、学校の外で動く手段の両方が、この一条に並んでいる。
法的な位置づけ
いじめ防止対策推進法19条は、インターネットを通じて行われるいじめへの対策を定める規定である。学校の設置者及び学校に児童等・保護者への啓発活動を、国及び地方公共団体に監視団体の取組支援と対処体制の整備を求めるとともに、被害児童等又は保護者が情報の削除や発信者情報の開示を求める際に、法務局又は地方法務局の協力を求めることができる旨を定める。
手順
- 1.投稿の証拠を保全する 削除を依頼する前に、投稿のスクリーンショット(URL・投稿日時・アカウント名が写るもの)を保存する。可能なら画面録画も残し、保存日時をメモする
- 2.学校へ書面で連絡する 担任や学校に、メールなど記録が残る形で連絡する。いじめ防止対策推進法23条に基づく事実確認と結果報告を求めると明記する
- 3.法務局の人権相談を利用する 子どもの人権110番(0120-007-110)またはインターネット人権相談で相談する。19条3項に基づき、削除依頼の方法の助言を受けたり、法務局から運営者への削除要請を検討してもらったりする
- 4.発信者の特定が必要なら早めに弁護士へ相談 ログが消える前に弁護士に相談し、プロバイダへの開示請求(情報流通プラットフォーム対処法5条)か、裁判所への開示命令申立て(同法8条)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1ネットいじめとは何ですか?
インターネットを通じて行われ、対象の児童が心身の苦痛を感じるいじめです。いじめ防止対策推進法2条が、いじめの定義にネット上の行為を明記しています。
Q2いじめ防止対策推進法19条とは?
ネットいじめ対策の条文です。学校への啓発義務、国・自治体への体制整備の努力義務、被害者が法務局に協力を求められることの3点を定めています。
Q3子どもの人権110番の電話番号は?
0120-007-110(無料)です。法務局の職員や人権擁護委員が相談に応じます。インターネット人権相談の窓口もあります。
Q4ネットいじめの投稿の削除依頼の方法は?
まず証拠を保存し、SNS運営者の通報フォームから削除を申し出ます。通らなければ法務局に相談し、法務局からの削除要請を検討します。
Q5発信者を特定するためのログはいつまで残る?
事業者によって違いますが、数か月程度とされることが多いです。特定を考えているなら、投稿を見つけた直後から動く必要があります。
Q6子どもがSNSに悪口を書くのは違法?
名誉毀損罪(刑法230条)や侮辱罪(231条)、民法709条の不法行為になりえます。14歳未満は刑事責任を問われませんが、民事では親が賠償責任を負う場合があります。
Q7学校はネットいじめの啓発をしなければならない?
はい。19条1項は学校とその設置者に、児童と保護者へネットいじめの啓発活動を行うよう定めています。
Q8自治体のネットパトロールの根拠は?
19条2項です。国と地方公共団体は、ネットいじめを監視する関係機関・団体の取組を支援し、対処体制を整備するよう努めるとされています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ネットのいじめは学校は関係ないって担任に言われたんですけど、本当?
本当ではない。法2条はいじめの定義に「インターネットを通じて行われるもの」を含め、学校には23条で事実確認と設置者への報告が義務づけられている。本条1項も、学校にネットいじめの啓発を求めている。実務のポイント:各校が定める学校いじめ防止基本方針(13条)に、ネットいじめの対応手順が書かれていることが多い。それを印刷して面談に持参し、「この手順のどこまで進んでいますか」と聞くと、現場の態度は変わりやすい
Q2法務局って具体的に何をしてくれるの?お金はかかる?
人権相談は無料である。本条3項に基づき、削除依頼の方法を助言してくれるほか、法務局が違法性を判断した場合は、プロバイダや SNS 運営者に直接削除を要請することがある。実務のポイント:この削除要請に法的な強制力はない。それでも運営者側は、公的機関からの要請を個人の通報とは別のルートで扱うことが多いとされる。自分で通報して断られた後でも、法務局経由でもう一度試す価値はある
Q3犯人を特定したいんです。法務局が調べてくれますか?
調べてはくれない。発信者情報の開示は、被害者側がプロバイダへの請求(情報流通プラットフォーム対処法5条)か、裁判所への開示命令の申立て(同法8条)で行う。本条3項の「協力」は、手続の助言が中心である。実務のポイント:2022年に始まった開示命令手続は、以前の二段階訴訟より短期間で済む。それでも、ログが消えたら手続は空振りに終わる。弁護士への相談は「削除の後」ではなく「保全の直後」に入れる
Q4加害者が小学生だと、結局何もできないんですか?
刑事責任は14歳未満には問えない(刑法41条)。だが民事は別で、責任能力のない子については監督義務者である親に賠償を求められる(民法714条)。学校には23条の対処義務が残る。実務のポイント:重大事態として28条の調査が行われると、学校は被害側の保護者に調査結果を適切に提供しなければならない(同条2項)。その報告書が、後の民事交渉でいちばん強い証拠になることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「学校外のネットの出来事に、学校は責任を負うのか」という問いの立て方自体がずれている。法2条は、同じ学校に在籍しているなど一定の人的関係がある児童等の行為であれば、場所を問わずネット上の行為もいじめに含める。問うべきは責任の有無ではない。学校が23条の事実確認と設置者への報告をいつ始めたか、である
- 法務局に頼めば発信者を特定してくれる、と期待する人がいる。だが本条が定めるのは「協力を求めることができる」までである。発信者情報の開示請求や開示命令の申立ては、被害者側がプロバイダや裁判所に対して行う手続だ。法務局が担うのは助言と削除要請である。この役割分担を誤解して待っているうちに、ログが消える
- 保護者から見れば加害投稿は「子ども同士の悪ふざけ」でも、法律から見れば名誉毀損(刑法230条)や侮辱(231条)、民法709条の不法行為になりうる。14歳未満なら刑事責任は問われない(刑法41条)。だが民事では、責任能力のない年齢の子については民法714条で親が、責任能力のある子でも親の監督に落ち度があれば709条で親自身が賠償を負う場面がある。この落差が親の財布を直撃する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 19条:ネットいじめの啓発・体制整備・法務局への協力要請 | 2条:いじめの定義(ネット上の行為を含む) 23条:学校の事実確認・報告・支援 |
| 義務の主体 | 学校・設置者、国・地方公共団体(3項は被害者側の権能) | 主体なし(定義規定) 学校の教職員・学校 |
| 被害者側が使える場面 | 削除・開示を求めるときに法務局の協力を求める | 「ネットのことは管轄外」という学校の説明に反論する 学校に事実確認と結果報告を求める |
| 重大事態との関係 | 直接の定めなし | 重大事態の前提となるいじめの範囲を画する 28条の重大事態調査につながる初動対応 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は教育部の準則で網路霸凌を校園霸凌に含め、学校の調査・処理手続を定める。日本のように法務局という学校外の公的窓口を条文で明示する仕組みとは異なる
韓国は사이버 따돌림を学校暴力の定義に含め、教育支援庁の学校暴力対策審議委員会が措置を決める。行政による処分色が日本より強い
中国は網絡欺凌を明文で禁じ、被害未成年者と保護者がサービス提供者に削除・遮断等を通知でき、提供者は速やかに措置を取る義務を負う
フランスは2022年の法律で学校内のハラスメントを独立の犯罪類型とし、ネット上の行為も含めて刑事処罰の対象とした
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 娘が中学のクラス LINE グループから外された。その直後、別のグループで顔写真付きの悪口が回り始めた。担任は「学校外のネットの話なので」と言う。だが法2条はいじめの定義にインターネットを通じた行為を明記しており、学校の対処義務(23条)の対象から外れない。担任の一言をそのまま受け入れる必要はない
- もし匿名の暴露アカウントに息子の実名と最寄り駅が晒されたら、どうなる? 運営者への削除依頼は自分でも出せるが、通らないことも多い。法務局の人権相談を通せば、法務局が違法性を判断したうえで運営者に削除を要請するという別の経路が開く。同じ削除依頼でも、個人の通報と公的機関の要請では運営者側の扱いが変わりうる
- あなたの子が、友達の変顔動画を「ネタ」として TikTok に上げた側だった。相手の保護者から学校経由で連絡が来た。悪ふざけのつもりでも、相手が心身の苦痛を感じていれば法2条のいじめに当たりうる。まず動画を消し、誰がどこまで保存・転載したかを子どもと一緒に洗い出すのが先決である
- 裏アカの投稿者を突き止めたい。だがアクセスログの寿命は数か月しかないことが多い。今週中に証拠保全と相談に動かなければ、特定の道はほぼ閉じる。
- 教育委員会の担当者としてネットパトロール事業の予算要求書を書いている。2項は、国と自治体に監視団体への支援と対処体制の整備を「努めるものとする」と定める。努力義務ではある。しかし重大事態が起きた後の検証では「体制を整えていたか」が必ず問われる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 投稿のスクショを保存する(URL・日時・アカウント名が写るもの)。可能なら画面録画も残す2. 学校へ書面で連絡し、法23条に基づく事実確認と結果報告を求める3. 法務局の人権相談(子どもの人権110番0120-007-110、またはインターネット人権相談)で削除要請の可否を確認する4. 発信者の特定が必要なら、ログ保存期間を踏まえて早めに弁護士へ相談し、開示命令の申立てを検討する
訴えられた側:1. 子どもを責める前に、投稿・転送・スタンプでの反応まで、事実を一緒に洗い出す2. 該当投稿は削除する。ただし何をいつ消したかの記録は自分側に残す3. 学校の聞き取りには誠実に応じ、謝罪の場は学校を通じて設定する4. 賠償請求を受けたら、子の年齢と責任能力、親の監督状況(民法714条・709条)を整理したうえで弁護士に相談する。拡散に加わった第三者がいれば、責任の範囲も切り分ける
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。不法行為に基づく賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、行為の時から20年(民法724条)。名誉毀損・侮辱で告訴する場合は、犯人を知った日から6か月(刑事訴訟法235条)。実務上いちばん短い期限はプロバイダのアクセスログ保存期間で、数か月程度とされることが多い(事業者により異なる)
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)制定 いじめ防止対策推進法の制定時から、ネットいじめ対策として本条が置かれた。3項の引用先法律名・号番号はその後のプロバイダ責任制限法改正と名称変更に合わせて改められたとみられるが、改正回数と時期は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)の制定とともに、インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進として本条が設けられた
- いじめ防止対策推進法 第2条ネット上の行為を含むいじめの定義
- いじめ防止対策推進法 第23条学校の事実確認・報告・支援義務
- いじめ防止対策推進法 第28条重大事態の調査と被害側への情報提供
- いじめ防止対策推進法 第9条保護者の責務、規範意識の指導
- 特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律 第5条発信者情報開示請求の要件(通称 情報流通プラットフォーム対処法)
- 特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律 第8条裁判所による発信者情報開示命令
- 民法 第714条責任無能力者の監督義務者責任
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