要点行政不服審査法65条は、再審査請求に理由がある場合に再審査庁が原裁決等を取り消し、事実上の行為については違法・不当の宣言と撤廃命令を行うことを定める。
Q · 審査請求でも負けたら、もう裁判に行くしかないの?
いいえ、労災や年金では再審査請求という三つ目の関門が残る
行政不服審査法65条により、再審査請求に理由が認められれば、再審査庁は裁決で原処分や原裁決を全部または一部取り消します。決定書を伴わない事実上の行為については、違法または不当である旨を宣言し、処分庁に撤廃を命じます。ただしこの制度は労災保険法・国民年金法など、個別の法律が再審査請求を認めた分野に限られます(同法6条)。根拠法に定めがなければ入口はなく、次は取消訴訟になります。
労災で大ケガをしたのに「業務外」と判断され、保険金が一円も出ない。役所に審査請求を出したが、それも棄却された。ここで多くの人は裁判に進むか、あるいは諦める。だが年金や労災の世界には、裁判の重い扉を叩く前に、もう一段だけ用意された関門がある。それが再審査請求であり、第65条はそこで「あなたが勝ったとき何が起きるか」を定めている。再審査請求に理由があると認められれば、再審査庁は裁決で元の処分や裁決を全部または一部取り消す。さらに、行政が事実上やってしまった行為(決定書を伴わない実力行使、例えば物の留置や施設への収容など)については、それが違法または不当だと宣言したうえで、処分庁に撤廃を命じる。つまり二度はねつけられた先に、もう一度ひっくり返せる椅子が残っているということだ。ただしこの椅子は、労働者災害補償保険法や国民年金法のように、個別の法律が「再審査請求ができる」と書いている分野にしか存在しない。
行政不服審査法65条は、再審査請求の認容裁決の内容を定める規定である。原裁決等に理由があれば裁決でその全部または一部を取り消し、事実上の行為については違法または不当である旨を宣言したうえで、処分庁に撤廃を命じる。再審査請求は個別法が明文で認める分野に限って成立する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
審査請求の裁決になお不服がある場合に、もう一段上の機関へ申し立てる不服申立てです。労災保険・年金など個別法が認めた分野でのみ可能で、理由が認められれば65条で原処分が取り消されます。
すべての処分でできるわけではなく、労災保険法・国民年金法・厚生年金保険法など、個別の法律が「再審査請求ができる」と明文で定めた分野に限られます(同法6条)。定めがなければ次は取消訴訟です。
原裁決を知った日の翌日から1月、原裁決の日の翌日から1年が原則です(同法62条)。これを過ぎると中身を判断されずに却下されるため、まず残り日数を数えることが重要です。
すぐには支給されません。65条が命じるのは原処分の取消や事実上の行為の撤廃までで、その後あらためて処分庁が支給手続を進めます。認容裁決は終点ではなく正しい審査の起点です。
社会保険審査会や労働保険審査会など、より独立した合議制の専門機関が判断します。複数の専門家が審理するため、技術的・医学的な争点では覆る余地があります。
決定書を伴わずに行政が事実上行う行為で、物の留置や施設への収容などが例です。65条2項はこれを違法・不当と宣言し、処分庁に撤廃を命じる救済を用意しています。
認容裁決は65条により原処分を取り消す勝訴的裁決、棄却裁決は不服を退ける裁決です。公共の福祉に著しく反する場合は64条の事情裁決で棄却しつつ違法を宣言することもあります。
再審査請求に理由があるときの裁決の内容を定めた規定で、原裁決等の取消(1項)と、事実上の行為の違法・不当宣言+撤廃命令(2項)の2類型を規定します。
そうとは限りません。労災保険、年金、社会保険などの分野では、個別の法律が再審査請求という第二の不服申立てを用意しています(第6条が再審査請求の根拠を定めます)。理由が認められれば第65条で原処分が取り消されます。業界裏話ヒント:この制度は分野限定で、根拠法に定めがある場合にしか使えません。多くの人は存在自体を知らずに諦めるか、いきなり費用と時間のかかる訴訟に進みます。まず争っている処分の根拠法を一行ずつ確認するだけで、安く早い救済の入口が見つかることがあります
審査請求は通常その処分庁の上級行政庁が審査しますが、再審査請求は社会保険審査会や労働保険審査会といった、より独立した合議制の機関が判断する点が大きく違います(認容の効果は第65条)。専門家が複数で判断するぶん、技術的・専門的な争点では覆る余地があります。業界裏話ヒント:合議体は新たに提出された医学的資料を重視する傾向があり、一段目で資料が薄いまま負けた案件こそ、再審査で補強すると逆転しやすい。最初から全部出し切らず、二段目の合議体に決定打を残すという戦い方を知る人と知らない人で結果が分かれます
取消訴訟との関係は行政事件訴訟法第8条が定め、原則は審査請求などを経ずに訴えられる自由選択主義です。ただし個別の法律が不服申立てを経ることを訴訟の条件とする場合があります。業界裏話ヒント:年金・労災の領域は前置が定められていることがあり、再審査請求まで経ないと訴訟に進めないケースがあります。逆に言えば、再審査請求はやってもやらなくてもいい寄り道ではなく、裁判への必須の通過点になっていることがある。自分の分野が前置かどうかを最初に確認しないと、訴訟の入口で門前払いになります(最新の改正状況をご確認ください)
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|---|---|---|
| 対象と効果 | 65条:再審査請求の認容(原裁決等の取消/事実上の行為の撤廃命令) | — |
| 申立ての段階 | 三段目(審査請求の裁決後の再審査請求) | — |
| 理由がない場合の対応 | 64条:再審査請求の却下・棄却・事情裁決 | — |
| 利用できる分野 | 個別法が再審査請求を認めた分野に限定(6条) | — |
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