要点健康保険法128条は、日雇特例被保険者への給付を、同一の事由で労災や他の医療保険、介護保険から相当する給付を受けられる場合には行わないと定める併給調整規定です。
Q · 現場でケガをしたとき、日雇の受給資格者票で健保を使えばいいんですか?
労災から受けられる状態なら、日雇の健保給付は行われません
健康保険法128条1項により、同一の疾病・負傷・死亡・出産について、前章(一般の健康保険)、他の医療保険各法、労災補償関係法令、介護保険から相当する給付を「受けることができる場合」には、日雇特例被保険者への療養の給付も傷病手当金も行われません。実際に請求していなくても、受けられる状態であれば止まります。労災を放置したまま健保で処理すると、後から返還請求の対象になります。なお第3項と第6項のみ「受けたとき、その限度において」と定め、現に受けた額の分だけを差し引く構造です。
建設現場、港湾荷役、日雇派遣。そこで働く人が持つ健康保険の受給資格者票には、条文の側から掛けられた止め金がある。128条は、同一の傷病・死亡・出産について、一般の健康保険(前章)、船員保険や共済などの他の医療保険各法、労災保険等の災害補償法令、介護保険から相当する給付を受けられる場合、日雇特例被保険者への給付を行わないと定める。決定的なのは書き分けだ。1項・4項・5項は「受けることができる場合」、つまり請求していなくても受給可能なだけで不支給になる。3項と6項だけが「受けたとき、その限度において」、実際に受け取った額の分だけを差し引く(6項は感染症法の入院措置など公費負担医療が対象)。あなたが労災請求を面倒がって放置すれば、労災も健保も出ない。取りこぼしではなく、条文が最初からそう書いてある。
健康保険法第128条は、日雇特例被保険者に対する保険給付の併給調整を定める規定である。同一の疾病、負傷、死亡又は出産について、前章の規定、国民健康保険法を除く医療保険各法、第55条第1項に規定する災害補償関係法令又は介護保険法により相当する給付を受けることができる場合には給付を行わず、第3項及び第6項は現に給付を受けたときにその限度において行わないものとする。
日雇特例被保険者への保険給付の併給調整を定める条文です。同一の疾病・負傷・死亡・出産について他制度から相当する給付を受けられる場合、日雇側の給付を行わないと規定しています。
1項・4項・5項は請求していなくても受給可能なだけで不支給になります。3項・6項だけが現に受けた額の限度で差し引く構造です。文言の差が結論を分けます。
もらえません。業務上と認定されうる以上「受けることができる場合」に当たり、128条1項で日雇の給付は行われません。労災も健保も出ない状態になります。
「受けることができる場合」に当たらなくなるため、日雇の給付が復活します。不支給決定通知書を添えて協会けんぽへ請求してください。
受給資格がある期間は国民健康保険が引っ込みます。128条の括弧書きは国保法を除外しており、譲るのは国保側(国民健康保険法56条)だからです。
原則として介護保険が優先し、128条5項で訪問看護療養費や特別療養費は行われません。厚生労働大臣が定める疾病等に該当すれば医療保険からの訪問看護が続きます。
項によります。3項・6項は「その限度において」なので重複分に限られる余地があります。1項に基づく不支給は、そもそも給付が行われない前提です。
権利を行使できる時から2年で消滅します(健康保険法193条1項)。療養費は費用を支払った日の翌日、出産育児一時金は出産日の翌日が起算点です。
従うと両方失います。業務上の負傷なら労災から給付を受けられる状態なので、128条1項により日雇特例被保険者の療養の給付も傷病手当金も行われません。健保で処理した分は後から返還請求の対象です。業界裏話ヒント:協会けんぽは2項で労災保険の給付支給状況を給付を行う者へ直接照会できます。労基署と協会は横につながっており、事業主の口約束は照会一本で崩れる
受給資格が立っている期間は国民健康保険が引っ込みます。128条の括弧書きが国民健康保険法をあえて除外しているのは、譲るのが国保側(国民健康保険法56条)だからです。国保証で受診すれば、後日市町村から給付分の返還を求められます。業界裏話ヒント:受給資格は前2月に通算26日分、または前6月に通算78日分の保険料納付で立つ(健康保険法129条2項、最新の改正状況をご確認ください)。印紙の日数を数えている人だけが窓口で迷わない
原則として介護保険が優先し、128条5項で訪問看護療養費や特別療養費は行われません。ただし末期の悪性腫瘍や一定の難病など厚生労働大臣が定める疾病等に該当すれば、医療保険からの訪問看護が続きます。業界裏話ヒント:この振り分けはケアマネジャーではなく主治医の疾病区分や特別指示書で決まる。認定通知が届いた日に疾病名を訪問看護ステーションへ伝えるかどうかで、その月の請求先が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる被保険者 | 健保128条:日雇特例被保険者 | — |
| 調整の相手方 | 前章の規定、国保法を除く医療保険各法、55条1項の災害補償関係法令、介護保険法 | — |
| 発動の要件 | 1項・4項・5項は「受けることができる場合」、3項・6項は「受けたとき、その限度において」 | — |
| 実務上の落とし穴 | 労災未請求でも給付が止まる。請求順序を誤ると返還請求が来る | — |
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