第百二十六条第一項の規定による申請に関し虚偽の申請をした者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
要点健康保険法211条は、日雇特例被保険者手帳の交付申請(同法126条1項)で虚偽の申請をした者を六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。給付の受領がなくても成立する。
Q · 日雇の保険手帳の申請書に嘘を書いたら、給付を受けていなくても罪になるの?
給付を受けていなくても、虚偽の申請だけで犯罪が成立します
健康保険法211条は、同法126条1項に基づく日雇特例被保険者手帳の交付申請について虚偽の申請をした者を、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処すると定めます。処罰の対象は申請行為そのものであり、保険給付を一円も受け取っていなくても、虚偽の記載がある申請書を提出した時点で既遂に達します。さらに、虚偽の手帳で実際に療養の給付を受けた場合は、刑法246条の詐欺罪が別途成立しうる点にも注意が必要です。
日雇いの建設現場や港湾で働く人が持つ、一冊の薄い手帳がある。日雇特例被保険者手帳だ。あなたがその交付を厚生労働大臣に申請するとき(健康保険法126条1項)、書いた内容に嘘があれば、それだけで六月以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金の対象になる。給付を一円も受け取っていなくてもだ。ここが多くの人の想像とずれている。手帳はただの保険証ではなく、事業主が働いた日数分の健康保険印紙を貼り付けていく保険料徴収の帳簿そのものである。だから制度は、不正受給の場面ではなく入口の申請段階に刑罰を置いた。逆に言えば、あなたが守るべき線は「窓口で給付を受ける瞬間」ではなく「申請書を提出する瞬間」にある。現場で誰かに代筆された書類を、確かめずに窓口へ回す。その一動作が刑事事件の入口になりうる。
健康保険法211条は、同法126条1項に基づく日雇特例被保険者手帳の交付申請に関し虚偽の申請をした者に対する罰則規定であり、法定刑を六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金と定める。保険給付の受領や財産的損害の発生を要件とせず、故意による虚偽申請それ自体を処罰する形式犯として構成されている。
日々雇い入れられる労働者などが健康保険の適用を受けるために交付される手帳です。事業主が就労日数分の健康保険印紙を貼り付ける、保険料徴収の台帳としての性格も持ちます。
健康保険法126条1項により厚生労働大臣に申請します。実務上の窓口は年金事務所(日本年金機構)で、申請書の記載内容に虚偽があれば211条の対象になります。
法定刑が六月以下の拘禁刑であるため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は虚偽の申請書が窓口に到達し、犯罪行為が終わった時点です。
日雇特例被保険者の保険料を納付するために、事業主が手帳に貼付・消印する印紙です。印紙の貼付状況が保険料の納付記録であり、同時に給付要件の判定資料にもなります。
虚偽の申請をしたのは書類を作成した側であり、名義を使われた本人は被害者です。ただし有印私文書偽造(刑法159条)も問題になるため、罪名を自分で決めつけず記録を確保して相談すべきです。
日雇特例被保険者手帳の交付を受け、印紙を貼る余白が残っている間は、原則として市町村の国民健康保険の適用から除外されます(国民健康保険法6条)。二重加入は想定されていません。
211条は手帳の交付申請で虚偽の申請をした申請者本人を罰する規定です。208条は事業主側の届出義務違反などを対象とし、名宛人と処罰される場面が異なります。
犯罪です。健康保険法211条は行政上の過料ではなく刑罰(拘禁刑・罰金)を定めており、有罪となれば前科が残ります。故意がない誤記や記憶違いは対象外です。
211条が罰するのは故意の虚偽申請であり、書き間違いや記憶違いは対象外である。分かれ目は、その記載が日雇特例被保険者に当たるかどうかの判断(健康保険法3条2項)に影響する事項かどうかだ。業界裏話ヒント:自分から訂正届を出した記録が年金事務所に残っていると、後で故意を否定する最強の材料になる。指摘される前に出した一枚と、指摘された後の一枚では価値がまったく違う
211条だけならその範囲だが、虚偽の手帳で実際に療養の給付を受けていれば刑法246条の詐欺罪が別に成立する。詐欺罪は10年以下の拘禁刑で、罰金刑という逃げ道がない。業界裏話ヒント:実務では健康保険法の罰則単独よりも詐欺で立件される事案の方が多い。給付を受け取る前に止まったか、受け取った後かで、略式罰金で終わるか正式起訴になるかが変わる
211条の主体は「虚偽の申請をした者」、つまり申請者本人である。内容が虚偽だと分かって提出した以上は本人が正犯になり、指示した事業主は教唆犯(刑法61条)として別に問われる。業界裏話ヒント:捜査で最初に指示関係を具体的に述べた側が、実務上は情状で有利になりやすい。誰が言い出したかを最後まで伏せると、そのまま単独犯として処理される
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰される主体 | 健康保険法211条:手帳の交付を申請した本人(虚偽の申請をした者) | — |
| 成立に給付の受領が必要か | 不要。申請書が到達した時点で既遂(形式犯) | — |
| 法定刑 | 六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金 | — |
| 実務上の分岐点 | 提出前の訂正なら構成要件不成立 | — |
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