被保険者又は保険給付を受けるべき者が、正当な理由がなくて第百九十七条第二項の規定に違反して、申出をせず、若しくは虚偽の申出をし、届出をせず、若しくは虚偽の届出をし、又は文書の提出を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。
要点健康保険法 217 条は、被保険者などが正当な理由なく届出義務に違反し、または虚偽の届出をした場合に 10 万円以下の過料を科す規定。過料は刑罰ではない秩序罰で、前科はつかない。
Q · 扶養を外す届出を忘れたら、健康保険法で罰せられるんですか?
過料 10 万円より、医療費 7 割の返還請求のほうが重い
健康保険法 217 条により、正当な理由なく 197 条 2 項の申出・届出を怠り、または虚偽の届出をすると 10 万円以下の過料が科されます。ただし過料は刑罰ではない秩序罰で、前科はつきません。実務で家計に効くのはむしろ別の配線で、資格喪失後に保険証を使えば保険者が負担した 7 割相当額の返還請求が届き、不正が認定されれば 58 条の不正利得徴収が重なります。過料には 10 万円の上限がありますが、返還請求に上限はありません。
健康保険証は、資格を失った翌日から一枚の紙切れになる。子どもが就職して扶養を外れた、配偶者のパート収入が基準を超えた、任意継続をやめた。そのたびに保険者へ申し出る義務は、会社ではなくあなた自身に置かれている(197 条 2 項)。それを正当な理由なく怠り、あるいは虚偽の届出をしたとき、217 条が 10 万円以下の過料を用意する。ただし家計に効くのは過料ではない。無資格のまま保険証を使えば、保険者が立て替えた医療費 7 割分の返還請求が別に届く。さらに偽りその他不正の行為と認定されれば 58 条の不正利得徴収が動く。過料は警告灯であって、本体の請求書は裏口から来る。
健康保険法 217 条は、被保険者および保険給付を受けるべき者に対する秩序罰を定める規定である。同法 197 条 2 項が課す申出・届出義務および文書提出義務に、正当な理由なく違反した場合、または虚偽の申出・届出をした場合に、10 万円以下の過料を科す。過料は刑罰ではなく、裁判所が非訟事件手続法に基づく決定によって科す点に特徴がある。
被扶養者の異動や任意継続の申出は、健康保険法 197 条 2 項で本人の義務とされています。事業主が担うのは 48 条の資格取得・喪失や報酬の届出で、担当者が別です。
収入が認定基準を超えた事実が生じた日から外れ、届出日ではありません。基準は保険者の認定基準(一般に年収 130 万円等)によるため、加入先の運用を確認してください。
罰金は刑罰で前科がつき刑事裁判で科されます。過料は秩序罰で前科はつかず、裁判所が非訟事件手続法に基づく決定で科します。217 条は過料のほうです。
保険者が負担した 7 割相当額の返還を求められます。過料とは別枠の請求で上限はなく、偽りその他不正の行為と認定されれば 58 条の不正利得徴収も動きます。
加入している保険者(協会けんぽ支部または健康保険組合)へ申し出ます。令和 4 年(2022 年)1 月施行の改正で本人の申出による資格喪失が可能になりました。
返却の遅れそのものより、扶養から外れた届出が出ているかが本題です。217 条が制裁で担保するのは 197 条 2 項の申出・届出義務であり、券面の返却ではありません。
健康保険法 193 条により、保険給付を受ける権利や保険料等の徴収権は行使できる時から 2 年で時効消滅します。起算点は各給付・各保険料ごとに個別に進行します。
オンライン資格確認が広がり、資格喪失後の受診は窓口で弾かれるか後日まとめて検知されます。届出の遅れが可視化されるため、217 条の適用場面は増える方向です。
つきません。217 条の過料は刑罰ではなく秩序罰で、非訟事件手続法に基づき裁判所が決定で科します。前科にはならず、資格の欠格事由にもなりません。ただし支払わなければ検察官の命令で強制執行されます。業界裏話ヒント:過料の裁判は当事者の陳述を聴かない略式で出ることがあり、告知から 1 週間以内に異議を申し立てれば裁判は効力を失って通常手続に戻ります
過料より先に来るのは医療費の返還です。資格喪失日以降に保険証で受診した分について、保険者が負担した 7 割相当額の返還を求められ、不正が認定されれば 58 条の不正利得徴収が重なります。金額に上限はなく、通院の多い家族なら数十万円に届きます。業界裏話ヒント:切替先の保険に遡って加入できれば、その保険から療養費として 7 割が戻ります。返還請求書が届いた日に、遡及加入の手続も同時に始める
条文は「正当な理由がなくて」としか書いておらず、中身は個別判断です。入院、災害、保険者からの通知が届かなかった事情などは考慮されますが、知らなかった、忙しかっただけでは通りにくい。実務上、解釈が分かれる論点です。業界裏話ヒント:保険者は過料の手続より先に督促や自主的な届出の催告を出すのが通例で、その段階で自ら届け出て事情を書面に残した人と、放置した人とで、その後の扱いが決定的に分かれます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 名宛人 | 217 条:被保険者または保険給付を受けるべき者(本人) | — |
| 制裁の性質 | 秩序罰としての過料(刑罰ではない、前科なし) | — |
| 金額の上限 | 10 万円以下の上限あり | — |
| 手続の主体 | 裁判所(非訟事件手続法に基づく決定、略式あり) | — |
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