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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

健康保険法 第53条の2(法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る保険給付の特例)

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被保険者又はその被扶養者が法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この条において同じ。)であるときは、当該被保険者又はその被扶養者のその法人の役員としての業務(被保険者の数が五人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務であって厚生労働省令で定めるものを除く。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関して保険給付は、行わない。

この条文の基本情報

法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る保険給付の特例とは何ですか?

定義法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る保険給付の特例とは、健康保険法第53条の2に定められた規定で、「被保険者又はその被扶養者が法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 健康保険法第53条の2(法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る保険給付の特例)は、日本の健康保険法に含まれる条文です。
  2. 健康保険法第53条の2の条文原文は「被保険者又はその被扶養者が法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法…」で始まります。
  3. 健康保険法第53条の2は第一節 通則に置かれています。
  4. 健康保険法の公布日は大正11年4月22日です。
  5. 健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 健康保険法第53条の2の前の条は健康保険法第53条です。
  7. 健康保険法第53条の2の次の条は健康保険法第54条です。
  8. 健康保険法第53条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式健康保険法(大正十一年法律第七十号)第53条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070
  • 本サイト収録健康保険法(大正十一年法律第七十号)第53条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/211AC0000000070/53_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点健康保険法53条の2は、法人の役員が役員としての業務に起因して負傷等をした場合に保険給付を行わないと定める。被保険者5人未満の事業所の省令所定業務は例外となる。

Q · 会社の役員が仕事中にケガをしたら、健康保険は使えるの?

使えない。役員の業務起因なら健保も労災も原則ゼロ

健康保険法53条の2により、法人の役員が役員としての業務に起因して負傷や疾病に至った場合、健康保険の保険給付は行われません。労災保険も原則として労働者を対象とするため、特別加入していない役員は治療費が全額自己負担になります。例外は、被保険者数5人未満の適用事業所で、一般の従業員と同一の業務に従事している場合です(厚生労働省令)。私傷病であれば通常どおり給付されます。

解説

会社の代表取締役が現場を見回っている最中に転倒し、大腿骨を折った。病院の窓口で保険証を出す。ここで健康保険は使えない。53条の2は、法人の役員としての業務に起因する疾病、負傷、死亡について保険給付を行わないと定めている。一方、労働者災害補償保険が守るのは原則として「労働者」だけであり、役員はそこにも入らない。つまりあなたが役員である限り、業務中の事故は健保と労災の両方から外れる谷間に落ちる。治療費は全額自己負担、傷病手当金もゼロである。この穴を塞ぐ道は二つ。労災保険の特別加入(中小事業主等)と、被保険者が5人未満の事業所で一般従業員と同一の業務に従事している場合の省令上の例外だ。どちらも事前の手当てが要る。ケガをしてから気付いたのでは間に合わない。

法的な位置づけ

健康保険法53条の2は、法人の役員(相談役、顧問その他名称を問わず、業務を執行する社員、取締役、執行役と同等以上の支配力を有する者を含む)が、その役員としての業務に起因して疾病、負傷又は死亡に至った場合について、健康保険の保険給付を行わない旨を定める給付制限規定である。被保険者数5人未満の適用事業所の省令所定の業務は適用対象外となる。

よくある質問 AI による整理

Q1健康保険法53条の2とは何ですか?

法人の役員が役員としての業務に起因して疾病、負傷、死亡に至った場合、健康保険の給付を行わないと定める規定です。平成25年改正で新設されました。

Q2役員は労災保険に入れますか?

原則として労災保険の対象は労働者であり、役員は入れません。中小事業主等であれば労働保険事務組合への事務委託を前提に特別加入できます(労災保険法33条)。

Q3みなし役員とは何ですか?

登記上の取締役でなくても、相談役や顧問など名称を問わず、法人に対し取締役等と同等以上の支配力を有すると認められる者です。53条の2の役員に含まれます。

Q4役員のケガに健康保険は使えますか?

私傷病なら通常どおり使えます。役員としての業務に起因する傷病だけが53条の2で給付対象から外れます。境界事案は業務起因性の認定次第です。

Q5労災の特別加入はいつから効力が生じますか?

承認された日以降、将来に向かってのみ効力を生じます。事故後に遡って加入することはできないため、役員就任前に手続を始める必要があります。

Q6健康保険の不支給決定に不服があるときはどうしますか?

処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求します(健康保険法189条)。決定理由を書面で確定させてから準備します。

Q7一人社長の会社でも53条の2は適用されますか?

適用されます。ただし被保険者数が5人未満で、役員の業務が一般の従業員が従事する業務と同一と認められる場合は、省令の例外により給付対象となり得ます。

Q8役員は傷病手当金をもらえますか?

私傷病による労務不能なら要件を満たせば受給できます。役員としての業務に起因する傷病は53条の2で保険給付が行われないため、傷病手当金も出ません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1役員でも、風邪で病院に行くときは普通に健康保険が使えますよね?

使える。53条の2が止めるのは、法人の役員としての業務に起因する疾病、負傷、死亡に限られる。私傷病であれば通常どおり療養の給付を受けられる(健康保険法63条)。実務のポイント:厄介なのは境界だ。出張先のホテルで倒れた、接待の帰りに階段から落ちた、この種の事案は保険者ごとに判断が割れる。受診時に「何をしていたときのケガか」をどう申告したかが、後の業務起因性の認定を事実上先に決めてしまう

Q2うちは従業員4人の会社で、社長も毎日一緒に現場に出ています。これは例外に入りますか?

被保険者の数が5人未満の適用事業所で、役員としての業務が一般の従業員が従事する業務と同一であると認められる場合は、厚生労働省令の定めにより給付の対象となる。判断されるのは肩書きではなく実態である。実務のポイント:ここでいう5人未満は「被保険者」の数であって従業員数ではない。社会保険に入っていない短時間パートは数えない。逆に、加入要件を満たすパートを適用漏れしていると、後から遡って被保険者と扱われ5人以上になり、例外が消えることがある

Q3労災保険の特別加入さえしておけば、健康保険が使えなくても困りませんよね?

特別加入していれば業務災害として療養補償給付や休業補償給付を受けられるので、谷間はおおむね塞がる。ただし中小事業主等としての要件があり、労働保険事務組合への事務委託が前提になる(労働者災害補償保険法33条)。実務のポイント:特別加入の給付基礎日額は自分の申告額で決まる。保険料を惜しんで低く申告すると、休業したときの補償も同じ比率で削られる。加入したこと自体に安心して、日額を10年見直していない社長は珍しくない

間違えやすい点 AI による整理

  • 保険証を持っている以上、役員でも健康保険は当然に使えると思われている。だが被保険者資格の有無と、個別の給付が行われるかどうかは別の話である。資格はそのままで、業務起因の傷病についてだけ給付が切り落とされる。窓口で3割負担で済んだ後になって、保険者から不支給決定と返還請求が来ることがある
  • 「業務上のケガは労災」という知識は多くの経営者が持っている。抜け落ちているのはその深刻度だ。役員は原則として労災保険の対象外であり、特別加入は自動付与ではなく申請制で、しかも遡って加入することはできない。知っているつもりの人ほど、未加入のまま何年も現場に立ち続ける
  • 「役員は健保と労災のどちらを使うのか」という問いの立て方そのものが誤っている。正しい問いは「特別加入していない今、どちらからも外れる範囲はどこまでか」である。二択ではなく、ゼロという答えが最初から盤上に置かれている
  • 平成25年(2013年)改正前は、業務上の傷病は一律に健康保険の対象外だった。今は違う。労災保険の給付を受けられない被用者の業務上の傷病は健康保険で救われるようになり、除外されるのは法人役員の業務起因分だけになった。古い解説書の記憶で「業務上は健保対象外」と覚えていると、受けられるはずの給付を自分から手放すことになる
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割53条の2:法人役員の業務起因の傷病を給付対象から外す除外規定63条:療養の給付そのものを定める中心的な給付規定
55条:労災保険等の他法令給付との重複を調整する規定
対象となる人法人の役員(みなし役員を含む)とその被扶養者被保険者および被扶養者全般
他法令の給付を受けられる被保険者
効果保険給付が行われない(自己負担または特別加入等で対応)療養の給付が行われる(自己負担割合に応じた一部負担)
他法令の給付が優先し、その限度で健康保険給付を行わない
例外・救済被保険者5人未満の適用事業所で一般従業員と同一業務の場合は省令の例外他の給付制限規定(116条以下等)による制限あり
他法令給付が受けられない場合は健康保険で救済

他国ではどう定めているか 6 か国

台湾
全民健康保険法・労工保険条例第8条第1項第3款

台湾も職業災害は労工職業災害保険が担い健保は求償する構造。ただし実際に労働に従事する雇主は労保に任意加入でき、日本の特別加入に相当する受け皿がある

韓国
국민건강보험법 제53조・산업재해보상보험법 제124조

韓国も業務上災害で他法令の補償を受ける場合に健康保険給付を制限し、中小企業事業主には産災保険の特例加入を用意する。日本と構造が最も近い

中国
中華人民共和国社会保険法 第30条・工傷保険条例

工傷保険基金が支払うべき医療費は基本医療保険の支払範囲外とされる。ただし法人役員という主体に着目した除外規定は置かれていない点が日本と異なる

ドイツ
SGB V § 11 Abs. 5・SGB VII § 6

労災保険の保険事故には健康保険給付を行わない点は同じ。企業者は労災保険に任意加入でき、業種によっては定款で強制加入とされるため空白が生じにくい

フランス
Code de la sécurité sociale art. L.411-1(AT/MP)

同化被用者として一般制度に加入する会社役員も労災(AT/MP)補償の対象外とされ、任意加入や民間保険で補う。日本の谷間問題と構造が酷似する

アメリカ
各州 Workers' Compensation Act

会社役員は州法によって適用除外の届出や選択加入が可能で、除外を選ぶと業務上傷病の補償が消える。除外の選択が本人の申請に委ねられる点が日本の特別加入と共通

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、従業員4人の町工場の社長が自ら旋盤を回していて指を切断したら、どうなるか。被保険者5人未満で一般従業員と同一の業務なら省令の例外に当たり、健康保険が使える。だが6人目が社会保険に入った翌月に同じ事故が起きれば、給付はゼロになる。人が一人増えることが、社長自身の医療保障を消してしまう
  • 役員就任の内示が出た。登記は来週だが、労災保険の特別加入は労働保険事務組合への委託が前提で、申請から承認まで日数がかかる。その空白期間に事故が起きれば、誰も守ってくれない
  • 協会けんぽに請求したところ、業務起因を理由とする不支給決定が届いた。あなたは「役員という肩書きだが実態は現場作業員だ」と反論したい。ここで勝負を決めるのは肩書きではなく、被保険者5人未満という数と、業務内容が一般従業員と同一かという二点である
  • 肩書きは相談役、役員報酬も出ていない。だが実際は創業者として全部を仕切っている。53条の2の括弧書きは、名称のいかんを問わず取締役等と同等以上の支配力を有すると認められる者を役員に含める。登記から名前を外しても、支配力が残っていれば谷間からは出られない
  • 夫の健康保険の被扶養者になっている妻が、知人の会社の非常勤取締役に名前を貸している。その会社の視察中に階段から落ちた。被扶養者であっても、本人が法人の役員としての業務に起因して負傷したのであれば、家族療養費は支給されない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 受診時に業務中の事故であることを窓口で正確に伝え、健保処理か自費かを安易に確定させない2. 自社の被保険者数を確認し、5人未満なら一般従業員と同一業務であることを示す資料(作業日報、シフト表、職務分掌)を集める3. 保険者から不支給決定を書面で出させ、理由を確定させる4. 決定を知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求(健康保険法189条)。並行して労災の特別加入の有無、傷害保険や役員向け共済の適用も洗い出す

訴えられた側:1. 役員の傷病報告を受けたら、業務起因性と役員該当性(相談役・顧問でも同等以上の支配力があればみなし役員)を事実ベースで整理する2. 被保険者数と実際の業務内容を確認し、省令の例外に当たるなら健保請求を通す3. 該当しないなら特別加入の有無と民間保険を確認し、労働保険事務組合への委託を即日検討する4. 遡及加入はできないため、他の役員全員分を同じ日にまとめて点検する

時効(請求できる期限):本条自体に期間制限はない。保険給付を受ける権利は2年で時効消滅する(健康保険法193条、療養費は費用を支払った日の翌日から起算)。不支給決定に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(同法189条)。労災保険の特別加入は将来に向かってのみ効力を生じ、事故後の遡及加入はできない(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:53条の2は、業務上の傷病は事業主が保険料を負担する労災保険で賄うという制度的棲み分けを維持するための規定であり、平成25年改正で健康保険の業務外要件が削除された後も、法人役員の業務起因分だけを給付から外す趣旨と解されている。

実務上の取扱い:役員該当性は登記や肩書ではなく法人に対する支配力の実態で判断される。また、省令の例外要件である5人未満は従業員数ではなく被保険者の数で数えるため、短時間労働者の適用漏れが後に是正されると例外が消滅し得る。

改正沿革 AI による整理

  • 平成25年(2013年)新設、同年10月1日施行 健康保険法等の一部を改正する法律により新設された。従来は第1条が「業務外の事由による」と定め、業務上の傷病を一律に給付対象外としていたが、同文言を削除して、労災保険の給付を受けられない被用者の業務上の傷病を健康保険の給付対象に取り込んだ。その上で、法人の役員としての業務に起因するものだけを本条で除外し、被保険者5人未満の適用事業所の役員業務については厚生労働省令で例外を設けた

改正の年表

  1. 1.大正11年(1922年) 新設:健康保険法制定(大正11年法律第70号)。ビスマルク型の疾病保険を範とする被用者医療保険制度が発足した。
  2. 2.昭和22年(1947年) 改正:労働者災害補償保険法の制定に伴い、業務上の傷病は労災保険、業務外の傷病は健康保険という棲み分けが確立した。
  3. 3.平成25年(2013年) 新設:健康保険法等の一部を改正する法律により53条の2を新設し、同年10月1日施行。従来第1条にあった「業務外の事由による」との文言を削除して、労災保険の給付を受けられない被用者の業務上の傷病を健康保険の給付対象に取り込む一方、法人の役員としての業務に起因するものだけを本条で除外し、被保険者5人未満の適用事業所の役員業務については厚生労働省令で例外を設けた。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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