要点手形法 50 条は、遡求を受けて支払う債務者が、支払と引換に拒絶証書・計算書・手形の交付を請求できると定める。受け戻した裏書人は自己と後者の裏書を抹消できる。
Q · 手形が不渡りになって遡求されたとき、ただ払えばいいの?
払うなら手形・拒絶証書・計算書を引換に必ず受け取れ
手形法 50 条により、遡求を受けて支払う者は、支払と引換に(1)拒絶証書、(2)受取を証する記載をした計算書、(3)手形そのもの、の三点の交付を請求できます。これは引換給付(同時履行)の関係であり、手形を回収しないまま先払いすると、その手形が第三者へ再流通して二重に支払いを求められる危険があります。三点を受け取って初めて、前の裏書人や振出人に再遡求できます。また 2 項により、受け戻した裏書人は自己と後者の裏書を抹消できます。
取引先から受け取った約束手形を、自分の支払いのために別の会社へ裏書譲渡した。半年後、その手形が満期に支払われず(不渡り)、最後の所持人があなたに遡求してきた。裏書人として支払う義務はある。だが、ここで丸腰のまま振り込んではいけない。手形法 50 条は、遡求を受けて支払う者に「引換給付」の権利を与える。支払と引換に、(1)拒絶証書(支払を拒まれた事実を公的に証明した書面)、(2)受取を証する記載をした計算書(いくら払ったかの精算書)、(3)手形そのもの、この三点の交付を請求できる。なぜ重要か。これらを手にして初めて、あなたは自分より前の裏書人や振出人に再遡求できるからだ。さらに 2 項で、手形を受け戻した裏書人は、自分と後者の裏書を抹消できる。払った証拠を握り、次に誰を追うかのルートを確保する、その武装解除を防ぐ一条である。
手形法 50 条は、手形の遡求における引換給付と受戻しを定める規定である。遡求を受けて支払う債務者は、支払と引換に拒絶証書・受取を証する記載をした計算書・手形の交付を請求でき、受け戻した裏書人は自己および後者の裏書を抹消することができる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
遡求を受けて支払う際に、支払と引換に手形そのものを取り戻すことです。手形法 50 条 1 項が根拠で、回収しないと二重払いの危険があります。
作成期間内に拒絶証書を作らないと、振出人を除く裏書人全員への遡求権が原則消滅します(手形法 44 条)。支払時の引換交付も 50 条で請求できます。
その手形が善意の第三者へ再流通し、同じ債務をもう一度請求されかねません。振込明細だけでは抗弁しきれない場面があります。
手形法 50 条 2 項により、受け戻した裏書人は自己と自分より後の裏書のみ抹消できます。自分より前の裏書は前者を追うため残します。
いくら支払ったかの精算内容と受取を証する記載です。これが前者への再遡求金額(手形法 49 条)の立証資料になります。
受け戻した裏書人の前者に対する権利は、受戻日または訴え提起を受けた日から 6 か月で時効消滅します(手形法 70 条 3 項)。
使えます。手形法 77 条により、為替手形の遡求・受戻しの規定が約束手形に準用されます。
2026 年めどの利用廃止が進んでいますが、移行期に残る手形の不渡り・遡求には引き続き適用されます(最新の廃止状況をご確認ください)。
振出人だけでなく、その手形を裏書した人全員、保証人を含めて誰にでも請求できます。これらの遡求義務者は合同責任(連帯に近い責任、手形法 47 条)を負うので、最も資力のある一人を狙い撃ちできます。業界裏話ヒント。実務では、振出人が倒産していても、間に入った裏書人に資力があればそこから満額回収できる。だからこそ拒絶証書を期間内に作るかどうかが、追える人数を左右する分かれ目になります
極めて危険です。手形が相手の手元に残れば、それが善意の第三者へ再び流通し、あなたは同じ債務をもう一度請求されかねません。50 条 1 項が「支払と引換に手形の交付を請求できる」と定めるのは、まさにこの二重払いを防ぐためです。業界裏話ヒント。手形債務は手形という紙に乗って動くので、紙を回収しない支払いは法律上「払った証拠が宙に浮く」状態になる。振込明細だけでは抗弁しきれない場面がある
勝手にではありません。50 条 2 項は、手形を受け戻した裏書人に限って、自己の裏書と自分より後の裏書を抹消する権利を認めています。これで手形面上、あなたが正当な権利者であることを示し、前者への再遡求をきれいに行えます。業界裏話ヒント。抹消できるのは「自己及び後者」の裏書だけで、自分より前の裏書は消せない。前者は追う相手として残す必要があるからで、消す順番にも意味がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 50 条:遡求を受けた者の支払(引換給付・受戻し) | — |
| 請求できる交付物 | 拒絶証書・受取記載の計算書・手形の三点 | — |
| 金額の根拠 | 前者への再遡求は 49 条で計算 | — |
| 怠った場合の効果 | 受戻しを怠ると二重払い・再遡求困難 | — |
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