工場事業場における安全保持の施設の正常な維持又は運行を停廃し、又はこれを妨げる行為は、争議行為としてでもこれをなすことはできない。
要点労働関係調整法 36 条は、工場事業場の安全保持施設の正常な維持・運行を停廃し妨げる行為を、争議行為としても禁止する。違反すれば争議の正当性を失い免責も消える。
Q · ストで工場を全部止めたいけど、安全装置も止めていいの?
安全保持施設だけは止められません。違反すると免責が消えます。
労働関係調整法 36 条により、ボイラーの安全弁や坑内の排水・換気設備など、人命に直結する安全保持施設の正常な維持・運行を止めたり妨げたりする行為は、争議行為としても許されません。生産設備の停止は正当な争議行為の範囲内ですが、安全施設に手をかけた瞬間、ストの正当性が失われ、労働組合法 1 条 2 項の刑事免責・8 条の民事免責が外れます。会社から損害賠償を請求され、同法 39 条で 10 万円以下の罰金の対象にもなります。
ストライキは憲法 28 条が保障する強力な武器だ。正当な争議行為である限り、会社はあなたを解雇できず(労働組合法 7 条)、損害賠償も請求できない(同 8 条)。だがその武器にも、越えてはならない一線がある。それが労働関係調整法 36 条だ。工場の排水ポンプ、ガス検知装置、ボイラーの安全弁、坑内の換気設備。こうした「人の生命と身体を守る施設」の正常な維持・運行を止めたり妨げたりする行為は、たとえ争議行為としてであっても許されない。ここを踏み越えた瞬間、闘争そのものが違法に転じ、刑事免責も民事免責も吹き飛ぶ。会社はあなたや組合に損害賠償を請求でき、刑事罰(労調法 39 条、10 万円以下の罰金)の対象にもなる。守ってはいけないのは生産設備ではない。命に直結する安全装置だけが、この聖域に入る。この区別を知らずにストを設計すると、合法だったはずの闘争が一瞬で自壊する。
労働関係調整法 36 条は、工場事業場における安全保持の施設、すなわち人の生命・身体の安全を維持するための設備の正常な維持または運行を、停廃しまたは妨げる行為を禁止する規定である。この禁止は争議行為として行う場合にも及び、生産設備の停止とは区別される。違反は同法 39 条の罰則の対象となる。
安全保持施設の維持に必要な保安要員を引き上げて行うストです。労調法 36 条との関係で正当性が問題となり、施設の停廃にあたるかは実務上見解が分かれています。
ボイラーの安全弁、坑内の排水・換気設備、ガス検知装置など、人の生命・身体の安全維持に直結する設備です。生産設備や単なる機械は含まれません。
争議行為の正当性が失われ、刑事免責・民事免責が外れます。会社から損害賠償を請求され、同法 39 条で 10 万円以下の罰金の対象にもなります。
生産設備を止めて会社に経済的打撃を与えるのは憲法 28 条が保障する正当な争議行為です。ただし安全保持施設の停止や暴力行為は正当性の範囲を超えます。
病院・電気・ガス・水道などの公益事業では、労調法 37 条により争議行為の 10 日前までに労働委員会と厚生労働大臣等への予告が必要です。
施設の停廃・妨害にあたるかで判断が分かれます。職場を離れた結果として施設が止まる場合に直ちに違反となるかは、学説・裁判例で見解が一致していません。
正当な争議行為には労働組合法 1 条 2 項により刑法上の違法性が阻却される制度です。36 条違反などで正当性を失うと、この免責は及びません。
労調法 38 条により、緊急調整の公表日から 50 日間は争議行為が禁止されます。安全施設を対象とする 36 条とは別の争議制限です。
生産設備を止めるのは正当な争議行為の範囲内です(憲法 28 条)。しかし安全保持施設、たとえばボイラーの安全装置や坑内の排水・換気設備は、止めると人命に関わるため労調法 36 条で例外的に禁止されています。業界裏話ヒント:会社側は時に生産設備まで「安全施設だ」と拡大主張し、ストそのものを違法化しようとする。線引きの主導権を最初に握った側が交渉で有利に立つ
実は実務上、解釈が分かれている論点です。労調法 36 条は施設の「停廃・妨害」を禁じますが、組合員が職場を離れた結果として施設が止まる場合に直ちに違反となるかは、学説・裁判例で見解が一致していません。業界裏話ヒント:この曖昧さを逆手に取り、会社は「保安スト=違法」と決めつけて萎縮させようとする。組合側は事前に保安要員配置計画を作っておけば、この攻撃を無効化できる
罰金(労調法 39 条、10 万円以下)は氷山の一角です。本当に怖いのは、その行為で争議行為全体が正当性を失い、労働組合法 1 条 2 項の刑事免責・8 条の民事免責が外れること。会社は参加者個人に解雇や損害賠償を仕掛けられます。業界裏話ヒント:罰金額が小さいから軽視されがちだが、波及する民事責任は数千万円規模になりうる。弁護士は罰金より免責喪失のリスクを真っ先に警告する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律対象 | 安全保持施設の維持・運行(停廃・妨害の禁止) | — |
| 制限の性質 | 対象行為の絶対的禁止 | — |
| 違反の効果 | 争議の正当性喪失+39 条の罰金 | — |
| 適用場面 | 全事業場の安全保持施設 | — |
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