日本国憲法 第1条
クイックジャンプ
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第1条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第1条の条文原文は「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」で始まります。
- 日本国憲法第1条は第一章 天皇に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第1条の次の条は日本国憲法第2条です。
- 日本国憲法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法1条は、天皇を日本国と国民統合の象徴と定め、その地位は主権を持つ国民の総意に基づくとする。天皇は国政に関する権能を持たない(4条)。
Q · 天皇って、日本のトップなんですか?それとも飾りなんですか?
トップではなく象徴。主権は国民にあります
日本国憲法1条は、天皇を『象徴』と定めており、元首やトップとは書いていません。天皇は内閣総理大臣や最高裁長官を任命しますが、それは形式的な国事行為で、政治的な決定権は一切ありません(4条)。国の方針を決めるのは国民が選んだ国会と内閣です。さらに1条は、天皇の地位の根拠を『主権の存する日本国民の総意』に置きます。血統や神勅ではなく、国民全体の意思が天皇制を支えている、という意味です。
解説
明治憲法のもとで、天皇は『統治権の総攬者』、つまり立法・行政・司法のすべてを一身に束ねる存在だった。それが敗戦を境に、たった一文で根底から書き換えられた。憲法1条が定めるのは二つ。第一に、天皇は『象徴』である。象徴とは、実権を持たない存在を意味する。天皇は内閣総理大臣も最高裁長官も任命するが、それは形式的な国事行為にすぎず、政治的な決定権は一切ない(4条)。第二に、そしてこちらが本当の核心だが、天皇の地位の根拠は『主権の存する日本国民の総意』にある。血統でも神勅でもなく、あなたを含む国民全員の意思が、天皇という制度を支えている。理論上、国民が憲法改正(96条)で総意を変えれば、天皇制そのものを変えられる。あなたは知らないうちに、その総意の一票を握っている。
法的な位置づけ
日本国憲法1条は、天皇の地位を定める規定であり、天皇を日本国および日本国民統合の象徴とし、その地位は主権の存する日本国民の総意に基づくと規定する。天皇を象徴と位置づけることで、国政に関する権能を持たない存在とし(4条)、国民主権の原理を国の根本に据える基礎条文として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1象徵天皇とは何ですか?
天皇が国政の実権を持たず、日本国と国民統合の象徴として存在する制度です。憲法1条が定め、政治的決定権はなく形式的な国事行為のみを行います(4条・7条)。
Q2国民主権とはどういう意味ですか?
国の最終的な決定権が国民にあるという原理です。憲法1条は天皇の地位の根拠を『主権の存する日本国民の総意』に置き、主権者が国民であることを明示しています。
Q3天皇と元首は何が違うのですか?
憲法は天皇を『象徴』とのみ定め、元首とは書いていません。元首は国を代表し国政の権能を持つ存在ですが、天皇は国政の権能を持たないため、憲法学上も扱いが分かれます。
Q4なぜ天皇は選挙で投票できないのですか?
天皇は政治的に中立であるべき象徴であり、国政の権能を持たないからです(1条・4条)。投票・政党支持・政治的発言は、象徴としての地位と両立しないと解されています。
Q5天皇制は国民の意思で変えられますか?
理論上は可能です。1条は天皇の地位を『国民の総意に基く』とするため、総意が変われば憲法改正の手続(96条)を通じて制度そのものを変更しうるとされます。
Q6八月革命説とは何ですか?
ポツダム宣言受諾により主権が天皇から国民へ移った(法的な革命があった)とみる学説です。明治憲法から日本国憲法への主権の転換を説明する代表的な憲法理論です。
Q7元号はなぜ天皇の代替わりで変わるのですか?
元号は天皇一代につき一つとする一世一元制が採られているためです。2019年の改元で『令和』となり、公文書の日付など日常にも象徴天皇制が及んでいます。
Q8天皇を相手に裁判を起こせますか?
事実上できません。最高裁は、象徴である天皇には民事裁判権が及ばないとしています(最判平成元年11月20日)。象徴という地位に伴う特別な扱いの一例です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1天皇って結局、日本のトップなんですか?
法的には『トップ』ではありません。憲法1条は天皇を『象徴』と定め、4条で『国政に関する権能を有しない』と明記しています。国の方針を決めるのは国民が選んだ国会と内閣で、天皇はその決定を形式的に追認する役割(7条の国事行為)です。実務のポイント:外国の儀礼上は天皇を『元首』として扱うことが多く、国内の憲法上の地位と外交上の扱いがずれている。この『象徴か元首か』は憲法学でも決着しておらず、実務上、解釈が分かれている
Q2天皇が『退位したい』と言えば、いつでも辞められるんですか?
いいえ。皇位継承のルールは皇室典範が定め、もともと生前退位の規定はありませんでした。2016年の上皇陛下のお気持ち表明を受け、国会が『天皇の退位等に関する皇室典範特例法』を制定し、一代限りで退位が実現しました。実務のポイント:天皇個人の意思だけでは辞められず、国会という国民の代表の判断が要る。これは1条の『国民の総意に基く』が現実に作動した実例で、皇位が個人ではなく制度であることをよく示している
間違えやすい点 AI による整理
- 『天皇は日本の元首で、国のトップだ』と考える人が多い。だが憲法上、天皇は『象徴』であって元首とは書かれていない。国政の権能を持たないため(4条)、政治的なトップはあくまで国民が選んだ代表だ。あなたから見れば天皇は国の頂点に見えるが、法的に見れば、頂点に立つのは主権者である国民自身だ
- 『天皇に実権がないことは知っている』という人でも、その『象徴』が伴う具体的な制約までは知らないことが多い。天皇は政治的発言ができないだけでなく、投票も、政党支持も、私的な訴訟の当事者になることも事実上できない。象徴であることは、一人の人間としての基本的人権が広範に制約されることを意味する
- 『天皇制は変えられない、絶対的なものだ』と思われがちだが、1条は天皇の地位を『国民の総意に基く』としている。総意が変われば、憲法改正の手続(96条)を通じて制度そのものを変更しうる。天皇制は不動の前提ではなく、国民の意思の上に乗った制度だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 1条:天皇の地位(象徴)と国民主権の根拠 | 4条:天皇は国政に関する権能を有しない 7条:天皇が行う国事行為の具体的列挙 |
| 天皇の位置づけ | 日本国・国民統合の象徴 | 権能の限界(政治的決定権なし) 形式的・儀礼的行為の主体 |
| 条文の機能 | 象徴天皇制と国民主権の基礎を定める | 象徴の意味を権能面から限定する 内閣の助言と承認のもとで行為を限定列挙 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は君主制を採らないが、主権が国民全体に属するとする国民主権原理の点で1条の核心と対応する
韓国も民主共和国・主権在民を冒頭に掲げ、君主制を持たない点で日本と構造が異なるが国民主権の原理は共通
ドイツは『すべての国家権力は国民から発する』と定め、共和制下の国民主権を明示。象徴的な君主は存在しない
米国は前文の人民主権を基礎とする共和制。象徴君主を持たず、大統領が元首かつ行政の長を兼ねる点で日本と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- なぜ天皇は選挙で投票できないのか、考えたことはあるだろうか。答えは1条と4条にある。天皇が政治的な存在であってはならないからだ。象徴という地位は、政治的中立の徹底という制約とワンセットになっている。皇族に表現の自由や参政権の制限があるのも、源はすべてここにある
- あなたの運転免許証やマイナンバーカードに印字された『令和』。この元号は、天皇の代替わりで切り替わる。2019年の改元で、日本中の役所のシステムが一斉に書き換わった。象徴天皇制は、あなたの財布の中の書類にまで及んでいる
- 皇位を継ぐ資格は男系男子に限られている(皇室典範1条)。だが将来、皇位継承者が絶える可能性が現実味を帯びている。女性天皇・女系天皇を認めるかの議論は、突き詰めれば『国民の総意』をどう測るかという1条の問題に行き着く。世論調査も国会の議論も、その総意を読み取ろうとする試みだ
学説
八月革命説(宮沢俊義):ポツダム宣言の受諾により、主権が天皇から国民へ移る法的な革命が起こったとみる学説。これにより明治憲法から日本国憲法への主権原理の転換(君主主権から国民主権へ)を法理論的に説明する、戦後憲法学の代表的見解である。
通説(象徴=非元首説/元首説の対立):1条は天皇を『象徴』とのみ定め元首とは規定しないため、天皇が元首にあたるかは学説が分かれる。国政の権能を持たない点を重視して元首性を否定する見解と、対外的儀礼上の代表性を根拠に元首と解する見解が対立する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定(1946年11月3日公布、1947年5月3日施行)に伴い1条を新設。明治憲法の天皇主権・統治権の総攬から、象徴天皇制と国民主権へと根本原理を転換した。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める