日本国憲法 第68条
クイックジャンプ
- 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
- 2.内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第68条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第68条の条文原文は「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。」で始まります。
- 日本国憲法第68条は第五章 内閣に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第68条の前の条は日本国憲法第67条です。
- 日本国憲法第68条の次の条は日本国憲法第69条です。
- 日本国憲法第68条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第68条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第68条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/68
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点憲法68条は、内閣総理大臣が国務大臣を任命し(過半数は国会議員)、任意に罷免できることを定める規定である。罷免に国会の同意や理由は不要である。
Q · 総理大臣は、気に入らない大臣を本当に一人でクビにできるの?
できます。憲法68条2項で理由なく任意に罷免できます
憲法68条は二つの権限を内閣総理大臣に与えます。1項により総理は国務大臣を任命しますが、その過半数は国会議員でなければなりません。残り半数までは議員でない民間人を起用できます。2項により総理は理由を示さず任意に国務大臣を罷免でき、国会の同意も不要です。この一方的な罷免権こそが、戦前の内閣と異なり首相を内閣の司令塔とする制度的な核心です。
解説
ニュースで「内閣改造」という言葉を聞いたことがあるはずだ。あの人事ゲームの法的エンジンが、この条文である。憲法68条は二つの巨大な権限を総理大臣に与える。1項、総理は国務大臣を任命する。ただしその過半数は国会議員でなければならない。つまり半数までは議員でない民間人を大臣に据えてよい。2項、総理は任意に、つまり理由を述べる必要なく、いつでも国務大臣を罷免(クビに)できる。あなたが見落としているのはこの2項の破壊力だ。戦前の内閣は閣僚一人の反対で総辞職に追い込まれた。だが現行憲法は、総理に「気に入らない大臣を一人で切る権限」を与えることで、首相を内閣の真の司令塔に変えた。閣僚はみな、総理の信任という一本の糸の上に立っている。誰が大臣になり、誰がいつ消えるか。その全てが、この条文から生まれている。
法的な位置づけ
憲法68条は、内閣総理大臣の国務大臣に対する任免権を定める規定である。1項は総理大臣が国務大臣を任命するとしつつ、その過半数を国会議員から選ぶことを要求し、議院内閣制の民主的基盤を確保する。2項は総理大臣が任意に国務大臣を罷免できると定め、首相による内閣の一元的な統率を可能とする。
よくある質問 AI による整理
Q1国務大臣の任命とは何ですか?
内閣総理大臣が各分野を担当する大臣を選ぶ行為です。憲法68条1項が根拠で、その過半数は国会議員から選ばれなければなりません。
Q2国務大臣の罷免とは何ですか?
総理大臣が国務大臣を辞めさせる行為です。憲法68条2項により、総理は理由を示さず任意に、いつでも罷免できます。国会の同意は不要です。
Q3民間人の大臣は何人までなれますか?
国務大臣の過半数が国会議員であればよいため、半数未満であれば民間人を起用できます。内閣法の員数上限の範囲内で、実際は数名程度に限られます。
Q4国務大臣の罷免に理由は必要ですか?
不要です。憲法68条2項は「任意に」罷免できると定めており、総理は理由の説明も国会の承認もなく大臣を罷免できます。
Q5内閣改造とは何ですか?
総理大臣が国務大臣を入れ替える人事です。憲法68条の任免権に基づき、政権の刷新や党内バランス調整のために実施されます。
Q6国務大臣の人数は何人ですか?
内閣法により原則14人以内(特別の場合17人以内、復興等の特例で増員あり)と定められています。憲法68条は人数自体を直接定めていません。
Q7国務大臣はどんな資格が必要ですか?
過半数が国会議員であること(68条1項)と、文民であること(66条2項)が要件です。国籍や専門資格の制限は憲法上ありません。
Q8総理大臣が辞めたら大臣はどうなりますか?
内閣総理大臣が欠けると内閣は総辞職します(憲法70条)。国務大臣の地位も総理の信任を基礎とするため、原則として全員が職を失います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大臣って国会議員じゃない人でもなれるんですか?
なれます。憲法68条1項が要求するのは「過半数は国会議員」までで、半数以下なら議員でない民間人を国務大臣に任命できます。実際、経済界・学界・官僚出身の民間大臣は歴代内閣に登場しています。実務のポイント:ただし内閣法でも閣僚の上限数が定められており、民間人枠は実質的に数名に限られます。さらに国会議員でない大臣も国会に出席して答弁する義務があり(憲法63条)、答弁能力のない人選は政権の弱点になる。だから民間起用は「目玉人事」として政治的に計算されて打たれる
Q2大臣が総理に逆らったら、本当にクビにできるんですか?
できます。憲法68条2項は総理が「任意に」つまり理由を示さず罷免できると定めており、国会の同意も不要です。歴史的な実例として、2005年の郵政解散の際、署名(副署)を拒んだ農林水産大臣を当時の総理が罷免し、自ら同職を兼任して署名したケースがあります。実務のポイント:閣僚はこの罷免権の存在自体によって統率されており、実際に罷免が発動される前に大半は「自発的辞任」の形で収まります。表向き穏便に見える大臣交代の多くが、水面下ではこの伝家の宝刀を背景にした交渉の結果だと知っておくと、政治報道の読み方が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「総理が大臣を任命する」ことは誰でも知っている。だが、その裏にある罷免権の一方性を見落としている人が多い。総理は大臣を切るのに国会の承認も理由の説明もいらない。任命権だけなら戦前の首相も持っていた。現行憲法の首相を「司令塔」に変えたのは、この無条件の罷免権の方だ。深刻度を測り損ねると、なぜ閣僚が総理に従順なのかが見えなくなる
- 「大臣は各分野の専門家がなるもの」という思い込みがある。実際は逆で、1項が要求するのは過半数が国会議員であること。つまり原則は政治家であり、民間の専門家は半数以下の例外枠だ。専門性より、国会という民主的基盤との結びつきが先に来る。この前提を取り違えると、議院内閣制の骨格を読み違える
- 市民の目には、大臣が「一身上の都合」や「健康上の理由」で辞めたと映る。だが法律の目で見ると、その裏で総理から事実上の罷免を迫られた可能性がある。表向きの「辞任」と、68条2項の罷免権の作動は、しばしば同じ出来事の表と裏だ。この落差を知らないと、政治報道の言葉を額面どおりに受け取ってしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 68条:国務大臣の任命と罷免 | 67条:内閣総理大臣の指名 66条:内閣の組織と連帯責任 |
| 権限の主体 | 総理大臣が単独で任免 | 国会が指名し天皇が任命 内閣が合議体として行政権を行使 |
| 民主的統制の形 | 国務大臣の過半数が国会議員(68条1項) | 国会議員の中から国会が指名 国会に対する連帯責任(66条3項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
行政院各部会首長は行政院長の提請により総統が任命。首長の選定は行政院長主導である点で日本の首相任命権と類似する
国務委員は国務総理の提請を経て大統領が任命・解任する。首相提案型である点で日本より大統領の関与が強い
連邦大臣は連邦首相の提案で連邦大統領が任免する。首相の人事主導は日本と共通するが、形式的任命権は大統領にある
大統領が閣僚を任命し、上院の助言と同意を要する。罷免は大統領が一方的に行えるが、議院内閣制ではなく大統領制である点で構造が根本的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし総理大臣があなたの応援する政治家を突然大臣から外したら、その政治家は抵抗できるのか。答えは否だ。憲法68条2項により、総理は理由を示さず任意に罷免できる。閣僚は総理の信任の上にのみ立っており、議会の同意も裁判所の救済も介在しない
- 経済界の大物やテレビでおなじみの学者が、ある日突然「○○大臣」に就任することがある。これは1項「過半数は国会議員」の裏返しで、半数までは議員でない民間人を起用できるという設計だ。あなたが専門分野で名を成せば、選挙に出ていなくとも閣僚の椅子が視野に入る
- 解散を巡って一人の大臣が署名を拒んだ。総理に残された時間は数時間。総理はその大臣を罷免し、自ら兼任して署名する。68条2項が、政局の最後の扉を開ける
学説
通説:68条2項の罷免権は総理の自由な裁量に属し、理由の明示も国会の関与も要しない。これにより内閣の一体性と首相のリーダーシップが制度的に担保されると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定により新設。大日本帝国憲法下の内閣官制を改め、総理大臣に国務大臣の任命権と任意罷免権を明文で付与し、議院内閣制下の首相主導体制を確立
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める