日本国憲法 第69条
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内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第69条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第69条の条文原文は「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。」で始まります。
- 日本国憲法第69条は第五章 内閣に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第69条の前の条は日本国憲法第68条です。
- 日本国憲法第69条の次の条は日本国憲法第70条です。
- 日本国憲法第69条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第69条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第69条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/69
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法69条は、衆議院が内閣不信任案を可決し又は信任案を否決したとき、内閣は十日以内に解散しなければ総辞職する義務を負うと定める。
Q · 内閣不信任案が可決されたら、内閣はどうなるの?
十日以内に解散か総辞職かを選びます
日本国憲法69条により、衆議院が内閣不信任案を可決した(または信任案を否決した)場合、内閣は十日以内に衆議院を解散しない限り総辞職しなければなりません。つまり内閣には「解散して国民の審判を仰ぐ」か「総辞職して政権を手放す」かの二択が与えられます。多くの場合は解散が選ばれ、1993年の宮澤内閣はこの場面で解散を選んだ結果、長く続いた単独政権が終わりました。なお戦後の衆議院解散の大半は、本条ではなく7条解散です。
解説
テレビで「衆議院解散」のテロップが流れ、街頭に選挙ポスターが並ぶ。あなたが投票所に向かう、その引き金を引いているのが憲法69条だと思っている人は多い。だが、ここに最大の盲点がある。69条が定めるのは「内閣が衆議院で不信任案を可決された(または信任案を否決された)とき、十日以内に衆議院を解散しない限り、内閣は総辞職しなければならない」という、たった一つの場面だけだ。問題は、戦後に行われた衆議院解散のうち、この69条を理由にしたものはごく一部しかないという事実である。残りの大多数は、内閣が自分の都合のいいタイミングを選んで打った「7条解散」だ。つまり、あなたが投票している総選挙のほとんどは、69条とは別の論理で発動している。69条は「議会が内閣にノーを突きつけたら、内閣は職を賭けるか議会を国民の審判にかけるか、どちらかを十日以内に選べ」という、議院内閣制の最後の安全装置である。この装置が実際にはほとんど作動していない、その構造を知っているかどうかで、政局ニュースの見え方は一変する。
法的な位置づけ
日本国憲法69条は、内閣不信任決議の効果を定める規定である。衆議院が内閣不信任案を可決し、又は信任案を否決した場合、内閣は十日以内に衆議院を解散しないかぎり総辞職する義務を負う。議院内閣制における内閣の対国会連帯責任を具体化した条文である。
よくある質問 AI による整理
Q1内閣不信任決議とは?
衆議院が「現在の内閣を信任しない」と意思表示する議決です。可決されると憲法69条により、内閣は十日以内に衆議院を解散するか、総辞職するかを選ばなければなりません。
Q2内閣不信任案は誰が提出できる?
衆議院議員が一定数の賛成を得て提出します。実務上は野党会派がまとめて提出することが多く、本会議で過半数の賛成があれば可決されます。参議院には不信任決議の権限はありません。
Q3参議院でも内閣不信任決議はできる?
できません。憲法69条の法的効果を持つ不信任決議は衆議院に限られます。参議院が行えるのは法的拘束力のない『問責決議』で、可決されても内閣に総辞職や解散の義務は生じません。
Q4信任決議案の否決とはどういう意味?
内閣の側が『自分たちを信任するか』を問う信任案を出し、それが否決された場合を指します。不信任案の可決と同じ効果を持ち、内閣は十日以内に解散か総辞職を迫られます。
Q5内閣総辞職と内閣不信任の違いは?
内閣不信任は衆議院が内閣を否定する議決、総辞職は内閣が自ら全員辞職する行為です。不信任が可決され解散しなければ総辞職に至りますが、内閣は不信任がなくても自発的に総辞職できます。
Q6内閣不信任決議が可決された歴史的な例は?
戦後でも数例にとどまります。1993年の宮澤内閣に対する不信任案可決が代表例で、内閣は総辞職ではなく解散を選び、その後の総選挙で長く続いた単独政権体制が終わりました。
Q7衆議院の任期満了と解散の違いは?
任期満了は4年(憲法45条)が経過して議員資格を失うこと、解散は任期途中で内閣の判断により全員が資格を失うことです。戦後はほとんどが解散で、満了まで務めた例はごく稀です。
Q8内閣不信任決議案の可決に必要な賛成数は?
出席議員の過半数の賛成で可決されます。与党が衆議院で多数を握る通常時はまず可決されず、与党から大量の造反が出るなど与党分裂時にのみ現実に作動します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ニュースでよく聞く『7条解散』って、69条と何が違うんですか?
69条解散は、内閣不信任案が可決された(または信任案が否決された)ことを受けて、内閣が十日以内に行う解散です。一方7条解散は、不信任とは無関係に、内閣が天皇の国事行為(憲法7条3号)への助言と承認という形で、任意のタイミングで打つ解散です。戦後の解散の大半は後者です。実務のポイント:7条解散の合憲性を正面から争った『苫米地事件』で、最高裁は統治行為論を持ち出し、解散の有効無効は司法審査の対象外と判断しました(最大判昭和35.6.8)。つまり首相の解散権は、裁判所がチェックしない領域として事実上確立している。この一点を押さえると、なぜ首相の解散権がこれほど強いのかが腑に落ちる
Q2内閣不信任案が通ったら、首相は必ず辞めなきゃいけないんですか?
必ずしも辞める必要はありません。69条は内閣に二択を与えています。十日以内に衆議院を解散すれば総辞職を回避でき、解散しなければ総辞職しなければならない、という構造です。多くの場合、追い込まれた内閣は総辞職ではなく解散を選び、国民の審判に賭けます。実務のポイント:解散を選んでも、選挙後に召集される特別国会で内閣は一度総辞職します(憲法70条)。つまり69条の解散は『総辞職を先送りして国民に信を問う』動きで、解散して与党が勝てば同じ首相が再指名される。負ければそこで政権が終わる。十日間の選択は、政治生命を賭けた一手になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「衆議院解散は内閣不信任があったときに行われる」と思っている人が大半だが、これは前提そのものが現実とずれている。戦後の解散の圧倒的多数は不信任とは無関係の「7条解散」で、内閣が選挙に有利なタイミングを狙って打つもの。69条による解散はむしろ例外。あなたが見てきた解散ニュースの大半は、実は69条の話ではない
- 「内閣不信任案が可決されれば必ず総選挙になる」と誤解されているが、69条は内閣に選択肢を与えている。総辞職という道もある。可決されても、内閣が解散ではなく総辞職を選べば、総選挙にはならず次の首相指名に進む。どちらを選ぶかは内閣の判断に委ねられている
- 首相が「いつでも好きなときに解散できる」のを当然と思っている人が多いが、その自由な解散権の憲法上の根拠は、実は条文に明記されていない。7条の天皇の国事行為に対する内閣の助言と承認から導く解釈が通説的に運用されているだけで、学説では今も議論が続いている。当たり前に見える首相の権力が、薄い解釈の上に乗っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の根拠 | 憲法69条:内閣不信任案の可決(又は信任案の否決)を受けた解散 | 憲法7条:天皇の国事行為への助言と承認による任意の解散(7条解散) 憲法45条:解散がない場合の衆議院議員の任期満了(4年) |
| 発動のタイミング | 不信任可決後、十日以内に解散しなければ総辞職 | 内閣が選挙に有利と判断した任意の時期 任期4年が経過した時点(自動) |
| 戦後の実例の多寡 | ごく一部(例:1993年宮澤内閣) | 圧倒的多数の解散がこの型 ほぼ皆無(満了例はごく稀) |
| 内閣の主導性 | 受動的(議会に追い込まれた防衛的解散) | 能動的(攻めの解散、時期を内閣が選択) なし(時の経過による自動消滅) |
他国ではどう定めているか 4 か国
立法院が行政院長に対し不信任案を可決でき、可決後は行政院長が総統に立法院の解散を呈請できる。日本の69条と類似の二択構造を持つが、解散発動の主体が総統である点が異なる。
韓国は大統領制で国会の内閣不信任による解散制度はない。国会は国務総理・国務委員の解任建議ができるが、議会解散には直結しない点で日本と構造が大きく異なる。
ドイツは『建設的不信任投票』を採り、後任首相を同時に選出しなければ現首相を倒せない。政権の空白を防ぐ設計で、単純な不信任で解散・総辞職に至る日本とは思想が異なる。
米国は大統領制で議会による内閣不信任・議会解散の制度を持たない。大統領の責任追及は弾劾(impeachment)という別の枠組みによる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 野党が内閣不信任決議案を提出した、というニュースが流れる。多くの人は「これで解散総選挙だ」と思うが、可決されなければ何も起きない。与党が多数を握る限り不信任案はまず通らない。69条が現実に作動するのは、与党が分裂したときだけ。あなたがこの構造を知っていれば、不信任案提出という政治パフォーマンスに振り回されなくなる
- 首相が記者会見で突然「衆議院を解散する」と表明した。不信任案など出ていないのに、なぜ解散できるのか。答えは69条ではなく憲法7条(天皇の国事行為としての解散)を根拠とする「7条解散」。この自由な解散権の憲法上の根拠については、実務上、学説で解釈が分かれている論点である
- もし、与党から大量の造反が出て内閣不信任案が可決されたら、その後の十日間で何が起きるか。内閣は二択を迫られる。総辞職して政権を手放すか、衆議院を解散して全国民の投票で決着をつけるか。1993年の宮澤内閣がまさにこの場面で解散を選び、結果として38年続いた自民党単独政権が終わった。十日間の選択が、政治史を動かす
- あなたが選挙の投票案内を受け取ったとき、それが任期満了によるものか、解散によるものかを区別できるだろうか。衆議院議員の任期は4年(憲法45条)だが、満了まで務め上げた例は戦後ほぼ一度しかない。残りはすべて途中解散。なぜ満了させないのか、その答えが解散権という政治の最大の武器にある
学説
7条説(通説的運用):内閣の自由な解散権の根拠を、憲法7条3号の天皇の国事行為に対する内閣の助言と承認に求める見解。実務はこの立場で運用されているが、明文の根拠を欠く点に批判もある。
制度説・65条説など:解散権の根拠を議院内閣制という制度そのものや行政権(65条)に求める見解。7条説への対抗として主張され、解散権の限界をめぐり学説は今も分かれている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定により本条が設けられた。内閣の対国会連帯責任(66条3項)と一体で、不信任決議の効果として『十日以内の解散か総辞職か』の二択を明文化。以後改正なく現行。
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