日本国憲法 第75条
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国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第75条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第75条の条文原文は「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。」で始まります。
- 日本国憲法第75条は第五章 内閣に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第75条の前の条は日本国憲法第74条です。
- 日本国憲法第75条の次の条は日本国憲法第76条です。
- 日本国憲法第75条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第75条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第75条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/75
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法75条は、国務大臣は在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されないと定める。ただし但書により訴追の権利は害されず、辞職後の起訴は妨げられない。
Q · 大臣って在任中は内閣総理大臣が認めないと起訴できないって本当?
本当。ただし辞めれば起訴でき、免責ではない
憲法75条により、国務大臣は在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追(起訴)されません。ただし但書が『訴追の権利は害されない』と定めており、これは免責ではなく在任中だけの先送りです。辞職や内閣総辞職の後は通常どおり起訴でき、通説では在任中は公訴時効の進行も停止すると解されます。守られるのは大臣個人ではなく、検察権の政治的濫用から行政の安定を守る仕組みです。
解説
汚職、収賄、交通事故での死亡事故。現職の国務大臣がそうした罪を犯しても、在任中は内閣総理大臣が同意しない限り起訴されない。憲法75条はそう定める。ここで多くの人が「大臣は逃げ得じゃないか」と憤る。だが条文の後半、但書を読み飛ばしてはいけない。「これがため、訴追の権利は、害されない」。つまりこれは免罪符ではなく、起訴のタイミングを在任中だけ先送りする仕掛けだ。大臣を辞めた瞬間、あるいは内閣が総辞職した瞬間、検察は何事もなかったように起訴できる。さらに通説では、在任中は公訴時効の進行が止まると解されている。守られているのは大臣個人ではなく、検察権による政治介入から行政の安定を守る仕組みのほうだ。あなたが思っていた「特権」とは、まるで意味が違う。
法的な位置づけ
日本国憲法75条は、国務大臣の訴追に関する特則を定める規定である。国務大臣は在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追(起訴)されない。ただし但書により訴追の権利自体は保存され、在任中の起訴が先送りされるにすぎず、辞職後は通常どおり起訴されうる。これは大臣個人への免責ではなく、検察権の政治的濫用から行政の安定を守るための制度である。
よくある質問 AI による整理
Q1国務大臣の訴追同意とは何ですか?
国務大臣を在任中に起訴するには内閣総理大臣の同意が必要とする憲法75条の制度です。免責ではなく在任中だけの先送りで、辞職後は通常どおり起訴できます。
Q2憲法75条をわかりやすく説明すると?
現職大臣は総理の同意がないと起訴されないという規定です。ただし但書で訴追権が保存され、辞めれば起訴可能。盾ではなく在任中だけ作動するタイマーと考えると分かりやすいです。
Q3現職大臣は在任中に逮捕できますか?
通説では『訴追』に逮捕は含まれず、現行犯逮捕や勾留は在任中でも可能とされます。同意が要るのは起訴だけです。ただし逮捕も含むとする少数説もあり解釈は分かれています。
Q4大臣を辞職後に起訴すると時効で逃げられませんか?
逃げにくいです。通説では在任中は公訴時効の進行が停止すると解されるため、在任期間は時効カウントから除かれ、辞職後に古い事件でも起訴されえます。
Q5憲法75条の但書はどういう意味ですか?
『これがため、訴追の権利は、害されない』とあり、同意が得られなくても訴追権そのものは消えないという意味です。つまり起訴を先送りするだけで免責ではないことを明示しています。
Q6内閣総理大臣自身も75条の対象になりますか?
争いがあります。総理も国務大臣に含むとすれば自分の起訴に自分が同意する不合理が生じるため、総理を除外する説も有力です。実務上、解釈が分かれています。
Q7訴追同意制度は実際に使われたことがありますか?
戦後ほぼ発動例がありません。総理が同意を拒めば『身内をかばった』と政治的に大炎上するため、事実上『使えない盾』になっているのが実情です。
Q875条が守っているのは大臣個人ですか?
いいえ。守るのは大臣個人の利益ではなく、検察権が政権を狙い撃ちして行政を麻痺させる事態を防ぐ仕組みです。三権分立の安全装置の一つと位置づけられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大臣って結局、在任中は絶対に捕まらないんですか?
いいえ。憲法75条が止めているのは『訴追(起訴)』であって、通説では逮捕は含まれません。つまり現行犯逮捕や勾留は在任中でも可能で、起訴だけが総理の同意待ちになります。ただし逮捕も含むとの少数説もあり、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:この同意拒否は戦後ほぼ発動されたことがない。総理が同意を拒めば『身内をかばった』と政治的に大炎上するため、事実上『使えない盾』になっている
Q2総理大臣が自分の罪をかばうために同意しない、ってできるんですか?
そもそも内閣総理大臣自身が『国務大臣』に含まれ本条の対象になるかは学説が分かれます。含むとすれば自分の起訴に自分が同意する不合理が生じるとして、総理を除外する説も有力です(実務上、解釈が分かれている)。実務のポイント:現実には総理の刑事責任が問われた事件は、ロッキード事件の田中角栄元総理のように『退任後』に起訴されている。在任中の同意要件が問題になる前に、政権が倒れているのが実情だ
Q3辞めるまで逃げ切れば、時効で無罪放免になりませんか?
なりにくいです。但書『訴追の権利は害されない』を受け、通説は在任中は公訴時効の進行が停止すると解します。つまり在任期間は時効のカウントから除かれ、辞職後に古い事件でも起訴されえます。実務のポイント:長期政権で何年も大臣を続けた人ほど、退任後に過去の事件が掘り起こされるリスクが温存される。『時間が解決する』という一般人の感覚が、ここでは通用しない構造になっている
間違えやすい点 AI による整理
- 「大臣は在任中、何をしても罪に問われない」と思われがちだが、条文は起訴を『先送り』するだけで免責はしていない。但書が訴追の権利を明文で保存しており、辞職後の起訴を最初から前提にしている
- 「大臣を起訴するかどうかは検察が決める」という前提自体が、ここでは崩れる。在任中に限っては、起訴の可否を握るのは検察ではなく内閣総理大臣の同意だ。問いの立て方そのものを変えなければならない
- あなたから見れば『大臣優遇のズルい特権』だが、制度設計の側から見れば『検察による政治テロを防ぐ装置』。この視角の落差を埋めない限り、なぜこんな条文が存在するのか永遠に腑に落ちない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護される身分・対象 | 憲法75条:国務大臣 | 憲法50条:国会議員 憲法14条:すべての国民 |
| 制限される国家作用 | 訴追(起訴)に総理の同意が必要 | 会期中の逮捕に院の許諾が必要 なし(平等原則そのもの) |
| 解除条件 | 総理の同意、または辞職・総辞職 | 院の許諾、または会期の終了 —(本則であり75条が例外) |
| 性質 | 期間限定の手続的な先送り(免責ではない) | 会期中の身体的自由の保護 刑罰権の平等な貫徹を求める原則 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は総統の在任中の刑事免責を定めるが、閣僚個別の訴追に元首の同意を要する制度はない
韓国は大統領の不訴追特権(内乱・外患の罪を除く)を定める。閣僚については一般原則が適用される
ドイツは議員の免責特権・不逮捕特権を定めるが、閣僚の訴追に首相の同意は不要である
米国には閣僚の訴追に大統領の同意を要する制度はなく、現職閣僚も通常どおり訴追されうる(弾劾は別制度)
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、現職の大臣がひき逃げ事故を起こしたら、すぐに逮捕・起訴されるのか? 答えは「逮捕はされうるが、起訴には内閣総理大臣の同意が要る」。多くの憲法学者は『訴追』に逮捕は含まれないと解しており、身柄拘束と起訴は別扱いになる(実務上、解釈が分かれている)
- あなたが内閣に入閣した直後、過去の政治資金問題で検察が動き始めた。あなたを起訴するかどうかの判断は、あなた自身ではなく内閣総理大臣の手にある。総理が同意すれば、現職のまま被告人席に立つことになる
- 総理大臣が、政敵である大臣の起訴に同意する。政治的には自爆行為だ。だからこの条文は、戦後ほぼ発動されたことがない
- 内閣総辞職が迫っている。検察は大臣でなくなる瞬間を待って起訴状を準備する。辞職した翌日、同意の壁は消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 現職大臣が加害者の事件では、告訴・告発・証拠保全を在任中に完了させておく。起訴できなくても捜査と証拠固定は進められる2. 逮捕は『訴追』に含まれないとの通説に立てば身柄確保は在任中でも可能なので、まず捜査機関に被害を申告する3. 起訴は内閣総理大臣の同意か、対象者の辞職・総辞職を待つ。通説では在任中は公訴時効が停止するため、待っても権利は消えない4. 民事の損害賠償(民法709条)は本条の制約を受けないため、刑事と並行して進められる
訴えられた側:1. あなたが現職大臣で刑事捜査の対象になっても、在任中の起訴には内閣総理大臣の同意が必要。ただし但書により、辞職後の起訴は妨げられない2. 同意するか否かは総理の政治判断であり、あなた自身が拒否権を持つわけではない3. 逮捕は訴追に含まれないとの解釈に立てば、在任中でも身柄を拘束されうる。弁護人を直ちに選任する4. 在任が長引いても時効で逃げ切れる保証はない。通説では時効が停止するため、退任後の防御も見据えて証拠を保全する
時効(請求できる期限):公訴時効は刑事訴訟法250条による(罪により異なる。例:殺人は時効廃止、収賄は原則として比較的短期)。通説では大臣の在任中は時効の進行が停止すると解されるが、停止の有無・範囲は実務上、解釈が分かれている。起算点は犯罪行為終了時(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(性質):本条は起訴を在任中だけ先送りするのみで免責ではなく、但書が訴追権を保存する。通説は本条の趣旨から、在任中は公訴時効の進行が停止すると解する。
通説・少数説(訴追の範囲):『訴追』には逮捕は含まれず起訴のみを指すとするのが通説。ただし逮捕も含むとする少数説もあり、身柄拘束の可否について実務上解釈が分かれる。
学説(総理の扱い):内閣総理大臣自身が本条の『国務大臣』に含まれるかは争いがあり、自己の起訴に自己が同意する不合理を避けるため総理を除外する説も有力である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定により新設。明治憲法には対応規定がなく、戦後の三権分立体制において検察権の政治的濫用から行政の安定を守る趣旨で導入された。
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