日本国憲法 第50条
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両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第50条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第50条の条文原文は「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。」で始まります。
- 日本国憲法第50条は第四章 国会に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第50条の前の条は日本国憲法第49条です。
- 日本国憲法第50条の次の条は日本国憲法第51条です。
- 日本国憲法第50条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第50条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第50条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/50
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法50条は、両議院の議員が会期中は法律の定める場合を除き逮捕されないと定める不逮捕特権の規定。起訴や捜査は止まらず、議院が許諾すれば会期中でも逮捕できる。
Q · 国会議員は会期中なら絶対に逮捕されないの?
いいえ。法律の定める場合や議院の許諾があれば会期中でも逮捕されます。
日本国憲法50条により、両議院の議員は会期中、原則として逮捕されません。ただし『法律の定める場合』は例外で、国会法33条は現行犯と、その議院が許諾した場合の逮捕を認めています。さらにこの特権は逮捕という身柄拘束を止めるだけで、起訴や捜査は会期中でも進みます。守られるのは議員個人ではなく、政府の逮捕権濫用から議会を守る制度そのものです。
解説
国会議員が汚職で捜査されているのに逮捕されない、というニュースを見て「政治家は特権でぬくぬく守られている」と感じたことはないだろうか。その根拠が憲法50条だ。だがこの条文を正確に読むと、世間の理解とはかなり違う。第一に、これは「逮捕されない」のであって「起訴されない」ではない。検察は会期中でも起訴できるし、捜査も進む。止まるのは逮捕という身柄拘束だけだ。第二に、その身柄拘束も無条件には止まらない。国会法33条により、その議院が「許諾」すれば会期中でも逮捕できる。第三に、この特権は議員個人のものではなく「議院」のものだ。だから釈放を要求するかどうかも議院が決める。つまり50条は議員を法の上に置く条文ではなく、政府が逮捕権を悪用して議会を弾圧する事態を防ぐための歴史的な安全装置である。明治期、政府が反対派議員を狙い撃ちで拘束した記憶から生まれた仕組みだ。
法的な位置づけ
日本国憲法50条が定める不逮捕特権とは、両議院の議員が国会の会期中、法律の定める場合を除いて逮捕されない権能をいう。会期前に逮捕された議員についても、その議院の要求があれば会期中の釈放を義務づける。特権の主体は議員個人ではなく議院であり、起訴・訴追には及ばない点に本質がある。
よくある質問 AI による整理
Q1不逮捕特権とは何ですか?
国会議員が会期中、法律の定める場合を除いて逮捕されない権能です。憲法50条が根拠で、政府の逮捕権濫用から議会を守るための制度です。
Q2現行犯でも国会議員は逮捕されないのですか?
逮捕されます。現行犯は『法律の定める場合』にあたり(国会法33条)、不逮捕特権の対象外です。会期中でもその場で逮捕できます。
Q3国会の会期中とはいつからいつまでですか?
召集日から会期終了日までを指します。常会・臨時会・特別会で期間が異なり、会期が閉じた瞬間に不逮捕特権は消滅します。
Q4議院の許諾とはどういう手続きですか?
検察などが逮捕許諾請求を出し、議院運営委員会の審査を経て本会議で議院が許諾するか決めます(国会法33条)。政治判断が絡みます。
Q5不逮捕特権があっても裁判は受けるのですか?
受けます。特権は逮捕という身柄拘束を止めるだけで、起訴・捜査・公判は会期中でも進行します。在宅起訴され有罪になる議員もいます。
Q6不逮捕特権はいつ生まれた制度ですか?
起源はイギリス権利章典(1689)にさかのぼり、明治期の大日本帝国憲法53条を経て日本国憲法50条に受け継がれました。
Q7参議院の緊急集会中にも不逮捕特権は及びますか?
及びます。国会法100条により、緊急集会中の参議院議員も会期中に準じて不逮捕特権の保護を受けます。
Q8不逮捕特権を議員本人が放棄することはできますか?
できません。特権の主体は議員個人ではなく議院であり、本人の意思だけでは放棄できません。逮捕の可否は議院の許諾で決まります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国会議員って、結局逮捕されないんですか? ずるくないですか?
『逮捕されない』だけで『起訴されない』ではありません。検察は会期中でも起訴でき、捜査も進みます。さらに国会法33条により、その議院が許諾すれば会期中でも逮捕できますし、現行犯は特権の対象外です。実務のポイント:報道で『不逮捕特権』と聞くと逃げ得に見えますが、実務では逮捕の有無と有罪無罪は無関係。逮捕されずに在宅のまま起訴され、普通に裁判で有罪になる議員は珍しくありません。
Q2会期が終わったら逮捕できるんですか?
できます。憲法50条の特権は『会期中』に限られるため、会期が閉じれば一般の市民と同じく逮捕の対象になります。会期前に逮捕された議員も、その議院の要求がなければ会期中は釈放されません。実務のポイント:検察が立件のタイミングを国会の会期表とにらめっこして決めることがあります。会期末や閉会直後に逮捕状が動くのは偶然ではなく、特権の隙間を突いた読みです。
Q3地方議員にもこの特権はありますか?
ありません。憲法50条は『両議院の議員』、つまり衆議院・参議院の国会議員だけが対象です。県議会・市議会の地方議員には不逮捕特権がなく、会期中でも逮捕されます。実務のポイント:『議員』とひとくくりにされがちですが、特権の有無で国会議員と地方議員はまるで別物。地方の政治汚職が国政の事件より早く立件されやすい一因が、この特権の差にあります。
間違えやすい点 AI による整理
- 政治家は不逮捕特権で守られていると知っている人は多い。だがその特権が「身柄拘束を会期中だけ止める」にすぎず、起訴も捜査も止められないという深刻な限界までは知らない。汚職議員が会期中に逮捕されなくても、検察は粛々と捜査し起訴し、裁判は進む。逮捕の有無と有罪無罪は、まったく別の話だ
- 「議員は逮捕されない特権を持つ」という前提自体がずれている。この特権の主体は議員個人ではなく『議院』だ。だから会期中の逮捕にはその議院の許諾が要り(国会法33条)、逮捕された議員の釈放も議院が要求して初めて実現する。個人の盾ではなく議会組織の自律を守る装置だと捉え直すと、条文の文言がすべて腑に落ちる
- 「選挙で選ばれた議員ならみな不逮捕特権がある」と思われがちだが、これは衆議院・参議院の国会議員だけの特権だ。県議会・市議会の地方議員には不逮捕特権がなく、会期中でも普通に逮捕される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 守る対象 | 50条(不逮捕特権):会期中の身柄拘束(逮捕)を止める | 51条(免責特権):院内の発言・表決の院外での法的責任を免除 33条(現行犯・令状主義):一般市民を含む逮捕の要件 |
| 効力の限界 | 起訴・捜査は止まらない/会期外は失効 | 院内の発言でも民事・刑事の免責、ただし院内懲罰は別 現行犯・令状があれば逮捕可能 |
| 主体 | 議院(個人ではなく議会組織の自律) | 議員個人の発言の自由を保障 全国民(特権ではなく一般原則) |
| 例外・解除 | 現行犯/議院の許諾(国会法33条) | 院外での個人的言動には及ばない 令状主義の例外は現行犯のみ |
他国ではどう定めているか 4 か国
立法委員は会期中、現行犯を除き立法院の許可なく逮捕・拘禁されない。日本と同じく議会の許諾を要件とする
国会議員は現行犯を除き会期中、国会の同意なく逮捕・拘禁されない。会期前逮捕者も国会の要求で釈放される点まで日本と酷似
連邦議会議員の逮捕には原則として議会の許可を要する。免責(Indemnität)と免逮捕(Immunität)を条文上明確に区別する
Privilege from Arrest は反逆罪・重罪・治安紊乱を除く民事的拘束からの保護にとどまり、刑事逮捕には及ばない点で日本より射程が狭い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 汚職の証拠が出ているのに、なぜあの国会議員は逮捕されないのか? 答えは憲法50条の会期中不逮捕特権だ。だが会期が終われば話は別になる。検察は会期末を静かに待っている場合がある。逮捕されない期間と、立件されない期間は、まったく別物だ
- あなたが当選したばかりの新人国会議員で、過去の事件で逮捕状が出そうだとする。会期中はその院の許諾がなければ逮捕されないが、許諾請求が本会議にかかれば、所属会派と議院運営委員会の判断があなたの身柄を左右する。党があなたを守ってくれるとは限らない
- 現行犯はこの特権の外だ。国会議員が街頭演説中に暴力をふるって取り押さえられれば、会期中でも即逮捕される
- 国会の会期終了まであと3日。検察は会期が明けるその朝に逮捕状を執行するつもりかもしれない。会期というカレンダーが、誰かの身柄拘束のタイマーになっている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 政治家の不正に憤っても『逮捕されない=お咎めなし』ではないと理解する。会期中でも起訴・捜査は進む2. 報道では『許諾請求が出たか』『会期はいつ終わるか』に注目すると、事態の本当の進行が読める3. 告発したい具体的な不正があるなら、刑事告発(刑事訴訟法239条)は議員相手でも可能で、不逮捕特権は告発・捜査を妨げない4. 選挙という最終手段がある。50条は会期中の逮捕を止めるが、有権者の審判までは止められない
訴えられた側:1. 会期中であれば、現行犯でない限りその院の許諾なしに逮捕されない(国会法33条)。まず会期中か会期外かを確認する2. 許諾請求が出された場合、所属会派・議院運営委員会の動きが身柄を左右する。純然たる政治判断が絡む3. 会期前にすでに逮捕されているなら、その議院に釈放要求の動議を出せるか所属会派と協議する(国会法34条) 4. ただし特権は逮捕の延期にすぎず起訴・裁判は免れない。弁護人と本案の防御を並行して固める
時効(請求できる期限):不逮捕特権が及ぶのは『国会の会期中』に限られる(憲法50条)。会期前に逮捕された議員の釈放要求も会期中に限る。会期が終了した瞬間に特権は消滅し、一般市民と同じ逮捕手続の対象になる。なお被疑事件自体の公訴時効は、対象犯罪ごとに別途進行する
学説
通説:憲法50条の不逮捕特権は議員個人の利益ではなく議院の自律と議会の活動の確保を目的とする制度的保障と解される。したがって特権の主体は議院であり、許諾や釈放要求の判断権も議院に帰属する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治22年(1889年) 新設:大日本帝国憲法53条が議員の不逮捕特権を規定。会期中は政府の許諾なく逮捕されないとした
- 2.昭和22年(1947年) 改正:日本国憲法50条として継受。『法律の定める場合』を除く会期中の不逮捕に加え、会期前逮捕議員の議院による釈放要求を明文化
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