日本国憲法 第63条
クイックジャンプ
内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第63条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第63条の条文原文は「内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。」で始まります。
- 日本国憲法第63条は第四章 国会に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第63条の前の条は日本国憲法第62条です。
- 日本国憲法第63条の次の条は日本国憲法第64条です。
- 日本国憲法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第63条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/63
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法63条は、国務大臣が議席の有無を問わず議院に出席して発言でき、答弁や説明を求められたときは出席しなければならないと定める規定である。
Q · 大臣って国会議員じゃなくても国会に出られるの?呼ばれたら断れる?
議席のない民間人大臣でも出席でき、求められれば拒否できません
日本国憲法63条により、内閣総理大臣その他の国務大臣は、議席を有するか否かにかかわらず、議案について発言するためいつでも議院に出席できます。これは出席の「権利」です。同時に、議院から答弁または説明のため出席を求められたときは出席しなければならないという「義務」も負います。民間出身で議席ゼロの大臣でもこの権利と義務の対象であり、出席義務違反に直接の罰則はないものの、内閣不信任決議(69条)など政治責任で問われます。
解説
国会中継をつけると、大臣が分厚い答弁書を棒読みし、野党議員に詰め寄られている。あの見慣れた光景は、憲法63条という一文が生み出している。「内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」。ここに二つの仕掛けがある。第一に、大臣は国会議員でなくても国会に出て発言できる。民間出身の専門家が大臣に起用されても、議席ゼロのまま堂々と答弁できるのはこの条文のおかげだ。第二に、議院から「来て答えろ」と呼ばれたら、大臣は拒否できない。出席は権利であると同時に義務でもある。あなたが選挙で選んだ国会議員が、行政のトップである大臣を公開の場で問い詰められる。その制度的な根拠が、この一文に凝縮されている。
法的な位置づけ
日本国憲法63条は、国務大臣の議院出席に関する規定である。内閣総理大臣その他の国務大臣に対し、議席の有無を問わず議案について発言するための出席の権利を認めるとともに、議院から答弁または説明のため出席を求められた場合の出席義務を定め、議院内閣制における行政府と立法府の関係を規律する。
よくある質問 AI による整理
Q1議院内閣制とは何ですか?
内閣が国会の信任に基づいて成立し、国会に対して連帯して責任を負う制度です。憲法63条の大臣出席や66条の連帯責任、69条の不信任決議がその仕組みを支えています。
Q2民間人閣僚とは何ですか?
国会に議席を持たない民間出身の国務大臣のことです。憲法68条は過半数が国会議員であればよいとし、残りは民間人でも可能で、63条が議席のない大臣の国会発言を保障します。
Q3国会の出席要求は大臣にとって強制ですか?
強制です。憲法63条後段は、答弁または説明のため出席を求められたときは出席しなければならないと定めます。出席は権利であると同時に憲法上の義務でもあります。
Q4国務大臣の連帯責任とは何ですか?
内閣が一体として国会に対し責任を負う原則です。憲法66条3項が定め、各大臣の国会答弁(63条)はこの連帯責任を果たす場として機能します。
Q5国政調査権とは何ですか?
各議院が国政に関して調査し、証人の出頭や記録の提出を求められる権能です。憲法62条が定め、大臣の出席要求(63条)の前提となる議院の権限です。
Q6内閣不信任決議とは何ですか?
衆議院が内閣に対する信任を否定する決議です。憲法69条が定め、可決されると内閣は10日以内に衆議院解散か総辞職を選ばねばならず、出席義務違反の政治的帰結にもなります。
Q7国会会議録はどこで見られますか?
国立国会図書館の国会会議録検索システムで、本会議・委員会の発言が全文無料公開されています。大臣の過去答弁を検索して矛盾を確認できます。
Q8副大臣や大臣政務官も国会で答弁できますか?
できます。国会法の規定により副大臣・大臣政務官も答弁に立てますが、憲法63条が直接対象とするのは国務大臣であり、両者は根拠が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大臣って、国会議員じゃない人もなれるんですか?
なれます。憲法68条は「国務大臣の過半数は国会議員の中から選ばなければならない」と定めるだけで、残りは民間出身でも構いません。そして議席を持たない民間人大臣でも、63条が「議席を有すると有しないとにかかはらず」出席・発言を保障しているので、堂々と国会で答弁できます。実務のポイント:報道で「民間人閣僚」と呼ばれる人を見たとき、その背後に63条が働いていると気づける人は意外に少ない。学者や経営者の大臣起用は、この仕組みなしには成り立たない
Q2大臣が国会答弁を拒否したり、ずっと欠席したらどうなるんですか?
刑罰のような直接の制裁はありません。63条後段の出席義務は憲法上の義務ですが、違反しても罰則規定はなく、最終的には政治責任、たとえば内閣不信任決議(憲法69条)や世論の批判という形で問われます。実務のポイント:実務では「答弁拒否」そのものより、出席義務は果たしつつ中身を曖昧にしてすり抜ける手法が横行する。出席はしても説明責任を骨抜きにできる点が憲法の限界とされ、実務上、評価が分かれている論点だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「大臣はみんな国会議員でしょ」という前提が、そもそも誤っている。憲法68条が要求するのは過半数が国会議員であること。残りは民間出身でよく、その民間人大臣が国会で答弁できる根拠が63条だ。問いの立て方を変えると、日本の内閣の組み立て方そのものが見えてくる
- 国会答弁が「大臣の義務」なのは知っていても、それが憲法上の義務だと知る人は少ない。法律である国会法が決めたルールではなく、憲法63条後段が「出席しなければならない」と直接命じている。つまり法律をいじっても、この義務だけは消せない
- あなたから見れば「大臣が答弁してくれる」のは政府のサービスに見えるが、憲法から見ればこれは行政府が立法府の統制下に置かれている証拠だ。答弁を渋る大臣を追及できるのは、相手の温情ではなく、憲法が議会に与えた権限である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 63条:国務大臣の議院出席の権利と義務 | 62条:各議院の国政調査権(証人喚問・記録提出) 68条:国務大臣の任免と過半数国会議員要件 |
| 主体 | 内閣総理大臣その他の国務大臣(出席する側) | 各議院(調査する側) 内閣総理大臣(任免する側) |
| 法的性質 | 出席の権利+出席・答弁の義務 | 議院に与えられた権能 内閣構成の要件規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では関係院院長と各部会首長が立法院の開会時に列席し意見を陳述できるほか、増修条文で行政院への質詢が制度化されている。出席を権利・義務の両面で捉える点は日本と共通する
韓国憲法は国務総理・国務委員の国会または委員会への出席・答弁を定め、国会が出席を要求できる。日本の63条後段とほぼ同型の出席要求・答弁義務構造を持つ
ドイツ基本法は連邦議会が政府構成員の出席を要求できる権利(Zitierrecht)と、政府構成員がいつでも議場に入り発言できる権利(Zutrittsrecht)を分けて規定。日本63条の権利・義務の二面構造と発想が一致する
米国は大統領制で権力分立が厳格なため、閣僚の議場出席権・出席義務を定める憲法規定はない。閣僚は議会委員会で証言する慣行があるが、これは議場での出席義務とは性質が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 予算委員会の中継で、総理大臣が朝から晩まで座らされ、所管外の細かい質問にまで答えさせられている。なぜ逃げられないのか。63条後段の「出席を求められたときは、出席しなければならない」が、あの長時間拘束を支えている。大臣にとって出席は選べる選択肢ではなく、憲法上の義務だ
- ニュースで「民間人閣僚」と紹介される起業家や学者が国会で答弁している。議席を一つも持たない人が、なぜ国権の最高機関で発言できるのか。答えは63条前段、議席の有無を問わず出席・発言できると定めているからだ
学説
通説:63条前段は国務大臣の議院出席・発言の権利を、後段は議院の求めに応じた出席・答弁の義務を定める。前段の出席権は議院内閣制における行政府の立法過程参加を、後段の出席義務は議会による民主的統制を担保するものと理解され、両者が議院内閣制の制度的基盤を構成すると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定により新設。大日本帝国憲法下の国務大臣の議会出席慣行を、議席の有無を問わない出席権と議院の求めに応じる出席義務として明文化。以後改正されていない。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める