受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 8 分8 分8 分

日本国憲法 第19条

クイックジャンプ

思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 日本国憲法第19条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
  2. 日本国憲法第19条の条文原文は「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」で始まります。
  3. 日本国憲法第19条は第三章 国民の権利及び義務に置かれています。
  4. 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
  5. 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 日本国憲法第19条の前の条は日本国憲法第18条です。
  7. 日本国憲法第19条の次の条は日本国憲法第20条です。
  8. 日本国憲法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式日本国憲法(昭和二十一年憲法)第19条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION
  • 本サイト収録日本国憲法(昭和二十一年憲法)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/19
裁判例 47件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点日本国憲法19条は、思想及び良心の自由を保障し、国家が個人の内心に立ち入ることを絶対的に禁じる。内心にとどまる限り公共の福祉による制限は及ばない。

Q · 心の中で何を信じても、国はそれを理由に不利益を与えられないの?

内心は絶対的に守られるが、外形的行為には調整が及ぶ

日本国憲法19条は『思想及び良心の自由は、これを侵してはならない』と定めます。内心にとどまる限り、表現の自由(21条)のような『公共の福祉』による制限は原則として及ばず、何を信じるかを理由に国家が不利益を課すことは許されません。沈黙を保つ自由、内心を告白させられない自由も含みます。ただし内心が外形的行為として現れた場面(君が代起立斉唱など)では、最高裁は『間接的制約』を認め、他の法益との調整が問題となります。

解説

採用面接で「支持政党はどこですか」と聞かれて答えに詰まった、卒業式で「起立して国歌を歌え」と職務命令を受けて従うか迷った、ネットの古い投稿を掘り返されて「こんな思想の人間は雇えない」と内定を切られた。一見バラバラのこれらは、すべて憲法19条という同じ防壁の内側にある。「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」。たった一文だが、これは国家があなたの内心に立ち入ることを絶対的に禁じる規定だ。表現の自由(21条)が「外に出した言葉」を守るのに対し、19条は「まだ口に出していない頭の中」そのものを守る。だからこの自由には、表現の自由のような『公共の福祉による制限』が原則として効かない。あなたが心の中で何を信じようと、国はそれを理由に不利益を課せない。沈黙を保つ自由、内心を告白させられない自由も含まれる。ただし境界線が一つある。内心そのものは絶対に守られるが、それが『外形的行為』として現れた瞬間、別の利益との調整が始まる。君が代起立斉唱の最高裁判決が突きつけたのは、まさにこの内心と行為の境目だ。

法的な位置づけ

日本国憲法19条は思想及び良心の自由を保障する規定であり、個人の内心における思想・世界観・信条の形成と保持を国家の干渉から守る。内心にとどまる限り絶対的保障とされ、信条を理由とする不利益取扱いを禁じる。外形的行為として現れた場面では、他の法益との調整が問題となる。

よくある質問 AI による整理

Q1思想良心の自由とは何ですか?

個人の内心における思想・世界観・信条を国家の干渉から守る自由です。日本国憲法19条が根拠で、内心にとどまる限り絶対的に保障されます。

Q2なぜ思想良心の自由は絶対的保障と言われるのですか?

何を信じるかを国が操作できる社会は全体主義そのものだからです。内心にとどまる限り、表現の自由のような公共の福祉による制限すら原則として許されません。

Q3間接的制約とは何ですか?

君が代起立斉唱の職務命令のように、内心を直接否定しないが結果として思想良心に負担を生じさせる制約です。最高裁はこの場合に他の法益との調整を認めました。

Q4思想の自由と表現の自由の違いは何ですか?

19条はまだ口に出していない内心そのものを守り、21条は外に出した言論を守ります。19条は公共の福祉による制限が原則及ばない点が決定的に異なります。

Q5三菱樹脂事件とはどんな判例ですか?

思想信条を理由とする本採用拒否が争われた事件です。最高裁は企業の採用の自由を広く認めつつ、思想差別は労基法3条等で私人間にも間接適用されるとしました。

Q6公務員の思想の自由は制限されますか?

内心そのものは制限されませんが、職務命令という外形的行為の次元では制約が及びます。君が代起立斉唱は合憲とされつつ間接的制約と認められました。

Q7良心的兵役拒否は日本でも問題になりますか?

日本に徴兵制はありませんが、医療・教育・公務の現場で職務命令と個人の良心が衝突する局面は今も静かに起きており、根は19条にあります。

Q8沈黙の自由とは何ですか?

自分の思想や信条を表明することを強制されない自由です。19条は告白を強いられない自由も内心の自由の一部として保障します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1面接で支持政党や宗教を聞かれたら、正直に答えないとダメですか?

答える法的義務はありません。思想信条・支持政党・宗教は職業適性と無関係な内心の核心であり、これを理由に不利益を課すことは労働基準法3条の信条差別に触れます。19条の趣旨もこれを支えます。実務のポイント:厚生労働省は採用選考で本人の適性・能力に関係ない事項(思想信条、支持政党、宗教、生活環境、家族など)を尋ねないよう企業に指導しています。聞かれた時点でその企業のコンプライアンス感覚が透けて見える。答えを濁すこと自体が、あなたを守る正当な権利行使です

Q2君が代を歌いたくない教員が処分されるのは、思想の自由の侵害じゃないんですか?

最高裁は起立斉唱を命じる職務命令を合憲としつつ、それが思想良心への『間接的な制約』にあたることは正面から認めました(最判平成23年など)。内心の否定までは強制していない、という論理です。実務のポイント:判決は合憲としながらも、制約が認められる以上、処分の累積加重(戒告から減給・停職へ重くしていくこと)には歯止めをかける判断も示しています。『合憲=何でも許される』ではなく、処分の重さ次第で違法になりうる。争うなら処分の比例性が突破口です

Q3心から反省していないのに、裁判所に『謝罪広告を出せ』と命じられたら従うしかないんですか?

名誉毀損の救済として謝罪広告を命じることは可能で、最高裁は『単に事態の真相を告白し陳謝する程度』のものなら19条に反しないとしました(最大判昭和31.7.4)。実務のポイント:ポイントは文面の中身です。事実関係を述べる謝罪は許容されても、『深く反省し』『心から悔いて』のような内心の告白を強いる文言まで及ぶと、良心の自由の侵害として争う余地が出てきます。命じられた謝罪文の一語一句を確認することが、知っている人とそうでない人の分かれ目です

Q4憲法19条って国相手の話ですよね、民間企業の私には関係ないのでは?

直接には国家を縛る規定ですが、無関係ではありません。三菱樹脂事件(最大判昭和48.12.12)以降、思想信条による私人間の差別は、労働基準法3条や民法90条(公序良俗)という『窓口』を通じて間接的に規律されます。実務のポイント:企業の採用の自由は広く認められた一方、いったん雇用したあとの思想を理由とする解雇・差別には、この間接適用の網がしっかりかかります。『入口は緩いが、入った後は守られる』という非対称を知っているかどうかで、雇用トラブルでの立ち位置が変わります

間違えやすい点 AI による整理

  • 「思想良心の自由なんて、どうせ表現の自由と同じでしょう」と思われがちだが、決定的に違う。表現の自由は『公共の福祉』で制限できるが、内心にとどまる限りの思想良心の自由は制限が原則として許されない絶対的保障だと解されている。外に出すか出さないか、その一線で保護の強さがまるで変わる
  • 「内心の自由が守られているなら、国は何も強制できない」と考えるのは、保護の射程を読み違えている。守られているのは『内心そのもの』であって、内心に基づく『外形的行為』までではない。君が代起立斉唱のように、行為の次元では他の利益との調整が入る。あなたが守られている領域は、思っているより広く、そして思っているより狭い
  • 「19条は国 vs 個人の話で、会社や私人の間では関係ない」と多くの人が思っているが、ここが落とし穴。憲法は直接私人を縛らないが、三菱樹脂事件以降、思想信条による差別は労働基準法3条や民法90条(公序良俗)を通じて私人間にも『間接的に』及ぶ。会社の人事も、この防壁の射程から完全には自由ではない
比較の観点この条文ほかの条文
保護の対象19条:内心の思想・世界観・信条そのもの21条:外部に表出した言論・出版・表現
20条:信仰・宗教的行為・宗教団体
公共の福祉による制限内心にとどまる限り原則として及ばない(絶対的保障)及ぶ(名誉毀損・わいせつ等の制約あり)
内心の信仰は絶対、宗教的行為には及ぶ
典型的な争点君が代起立斉唱、謝罪広告の強制、思想差別検閲、名誉毀損、ヘイトスピーチ
政教分離、信仰に基づく行為の拒否

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国憲法第11条・第22条

台湾は思想良心を独立条文で明示せず、表現の自由(11条)および概括的基本権規定(22条)により保障する構成をとる

韓国
대한민국 헌법 제19조(양심의 자유)

韓国は『良心の自由』を独立条文で保障する点で日本に近く、良心的兵役拒否をめぐる憲法裁判所の判断も蓄積している

ドイツ
Grundgesetz Art. 4(Gewissensfreiheit)

ドイツは信仰・良心・世界観の自由を一体的に保障し、良心的兵役拒否を明文(Art. 4 III)で認める

アメリカ
First Amendment(U.S. Constitution)

米国は思想良心の自由を独立条文で持たず、信教・表現の自由を定める修正1条の解釈を通じて保護する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 採用面接で「うちは特定の政治団体と関わりのある人は困るんですが、あなたはどうですか」と踏み込んだ質問をされた。これに正直に答える義務はない。思想信条を理由とする採用差別は労働基準法3条にも触れ、内心を申告させること自体が19条の問題を孕む。ただし三菱樹脂事件の最高裁は、企業の採用の自由を広く認めたため、私人間では争い方が変わる
  • もし公立学校の教員であるあなたが、卒業式で君が代の起立斉唱を命じられ、思想上どうしても従えなかったら、どうなる? 最高裁は起立斉唱の職務命令を合憲としつつ、それが思想良心への『間接的な制約』にあたることは認めた。従わなければ懲戒処分、従えば内心との葛藤、その板挟みに立つことになる
  • 会社の身元調査で、あなたの信仰する宗教や支持政党、過去の市民運動への参加歴が調べられていた。これらは内心の核心に関わる情報だ。本人の同意なく収集・利用されれば、19条の精神と個人情報保護法の両面で問題になる
  • あなたが名誉毀損で訴えられ、裁判所から「謝罪広告を新聞に載せろ」と命じられた。心から反省していないのに謝罪を強制されるのは良心の自由の侵害ではないか。最高裁はこの点、『単に事態の真相を告白し陳謝する程度』の謝罪広告なら合憲とした。だが『深く反省し』のような内心の告白を強いる文面は別問題になりうる
  • 転職活動中、前職を退職した本当の理由が『会社の不正に内部告発した』ことだと知られ、次々と選考で落とされている。信条や良心に基づく行動を理由とした排除は、19条が守ろうとした価値の核心に触れる。立証は難しいが、争点として組み立てる余地はある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 思想信条を理由とする不利益(採用差別、解雇、懲戒)を受けたと感じたら、まず時系列・やり取りの記録・メールやメッセージを保全する。内心を理由とした処分は『本音の動機』の立証が鍵になるため、客観証拠が分水嶺2. 私人間(企業・団体)の問題なら、労働基準法3条(信条による差別禁止)や民法90条を切り口に労働局・弁護士へ相談3. 公務員・公立学校の職務命令なら、内心への直接制約か外形的行為への制約かを切り分け、行政不服審査や取消訴訟を検討4. 内心の告白を強制する文面(謝罪広告等)なら、その文面が単なる事実陳述を超えていないか精査する

訴えられた側:1. 採用・人事の担当者側であれば、思想信条・支持政党・宗教を問う質問は原則避ける。記録に残れば差別の証拠になりうる2. やむを得ず外形的行為(服装規定、式典での所作等)を命じる必要があるなら、それが内心の核心を狙うものでなく、正当な業務上の必要に基づくと説明できる形に設計する3. 謝罪・反省の表明を求める場面では、『事実の陳述』にとどめ、内心の悔悟まで強制する文言を避ける4. 紛争化したら、処分の動機が思想ではなく行為や能力に基づくことを示す客観資料を整える

時効(請求できる期限):19条侵害そのものに固有の時効はないが、これを争う具体的手段に期限がある。労働事件の解雇無効・地位確認は、確認の利益が続く限り提訴可能だが放置は不利。行政処分の取消訴訟は処分を知った日から6か月かつ処分日から1年(行政事件訴訟法14条)。私人間の不法行為による損害賠償は知った時から3年(民法724条)。いずれも起算点の特定が重要(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説(絶対的保障説):思想良心の自由のうち、内心にとどまる限りの精神活動は『公共の福祉』による制限すら原則として許されない絶対的保障であると解する。外形的行為として現れた場面でのみ他の法益との調整が認められる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定に伴い新設。戦前の治安維持法下での思想弾圧への反省から、思想と良心の自由を独立条文として明文で絶対的に保障した。以後改正なし。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

日本国憲法の全文を見る所属する編章節を開く:第三章 国民の権利及び義務

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›