労働基準法 第10条
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この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働基準法第10条は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
- 労働基準法第10条の条文原文は「この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。」で始まります。
- 労働基準法第10条は第一章 総則に置かれています。
- 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
- 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働基準法第10条の前の条は労働基準法第9条です。
- 労働基準法第10条の次の条は労働基準法第11条です。
- 労働基準法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - 本サイト収録
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働基準法10条は使用者を、事業主・経営担当者に加え、労働者に関する事項を事業主のために処理するすべての者と定義する。中間管理職も実態次第で個人として罰則の対象になりうる。
Q · 労働基準法でいう「使用者」は社長だけのこと?
社長だけでなく、部下を実際に管理する上司も含まれます
労働基準法10条の使用者には、事業主(会社・社長)だけでなく、事業の経営担当者、さらに労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者が含まれます。つまり部下のシフトを組み、残業を命じ、勤怠を管理する中間管理職も、肩書が課長や店長でも使用者にあたりえます。違反があれば両罰規定(121条)により会社とは別に個人が罰則(119条以下)の対象になりうる点が重要です。判断基準は肩書ではなく、労働条件を実際に決定・処理していた実態です。
解説
あなたが部下を持つ課長だとする。残業代の未払いや違法な長時間労働で会社が労働基準監督署に摘発されたとき、罰金や懲役の対象になるのは社長だけだと思っていないか。労働基準法10条は使用者をこう定義する。事業主、事業の経営担当者、そして労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者。最後の一句が効く。あなたが部下のシフトを組み、残業を命じ、有給を握っている立場なら、肩書が課長でも係長でも、この法律上はあなた自身が使用者だ。違反があれば、会社とは別に、あなた個人が罰則(119条以下)の名宛人になりうる。逆に労働者として権利を主張するときも、誰を相手にすればいいかをこの一行が教えてくれる。社長ではなく、目の前であなたを管理している上司こそが、法的責任を負う使用者かもしれない。
法的な位置づけ
労働基準法10条は、同法における「使用者」の範囲を定める定義規定である。事業主のみならず、事業の経営担当者、および労働者に関する事項について事業主のために行為をする者すべてを含む。誰が使用者にあたるかは、肩書ではなく労働条件を実際に決定・処理する実態によって判断される。
よくある質問 AI による整理
Q1労働基準法の使用者とは何ですか?
事業主、事業の経営担当者、そして労働者に関する事項を事業主のために行為するすべての者を指します。社長や法人だけでなく、実際に労働条件を管理する立場の者が含まれます(労基法10条)。
Q2店長は労働基準法の使用者になりますか?
部下のシフト・残業・勤怠を実際に管理していれば、店長でも使用者にあたりえます。肩書ではなく実態で判断されるため、現場で労働条件を決めている者が使用者です。
Q3使用者と労働者の違いは何ですか?
労働者は使用される側で賃金を支払われる者(労基法9条)、使用者は労働者に関する事項を処理する側です。部下を管理する管理職は、上司に対しては労働者、部下に対しては使用者という二重の立場を持ちます。
Q4両罰規定とは何ですか?
違反行為をした使用者個人と、その事業主(会社)の両方を処罰できる仕組みです(労基法121条)。会社が罰金を払えば個人が免責される、という関係ではありません。
Q5名ばかり管理職とは何ですか?
残業代の支払対象から外す目的で管理職の肩書だけを付けるが、実権を伴わない立場を指します。10条では使用者扱いされ責任だけ負う一方、41条の管理監督者には該当せず残業代が出るべき場合があります。
Q6労働基準法違反では誰が罰せられますか?
違反行為を実際に行った使用者個人と、両罰規定により事業主(会社)の双方です。社長に限らず、違法を指示・黙認した管理職個人も名宛人になりえます(労基法119条以下)。
Q7上司の指示に従っただけでも使用者として責任を負いますか?
自らが労働者に関する事項を決定・処理する立場で違法行為を行えば責任を負いえます。ただし上位者の方針に従った単なる伝達者にすぎない場合は、指示系統の記録で責任の軽重を主張できる余地があります。
Q8派遣社員の使用者は派遣元と派遣先どちらですか?
項目ごとに分担します。労働時間・休憩・休日などの管理は指揮命令する派遣先、賃金支払などは派遣元が労基法上の使用者責任を負います(労働者派遣法44条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1平社員に毛が生えた程度の係長でも、本当に「使用者」になるんですか?
肩書ではなく実態で判断されます。労働基準法10条は労働者に関する事項について事業主のために行為をする者すべてを使用者とするので、部下の残業を命じたり勤怠を管理する実質的権限があれば、係長でも使用者です。逆に肩書が管理職でも実権がなければ使用者と認められないこともある。実務のポイント:裁判所も労基署も職位の名前ではなく、誰が実際に労働条件を決めていたかで判断します。組織図より、実際の指示メールやシフト作成者の方が決定的な証拠になる
Q2会社が罰金を払えば、指示した上司個人は逃げられるんですか?
逃げられません。労働基準法は両罰規定(121条)を置き、実際に違反行為をした使用者個人と、その事業主(会社)の両方を処罰できます。会社が払えば個人は免責、という関係ではない。実務のポイント:悪質・反復的なケースほど労基署は個人の送検に動きます。書類送検されると氏名が公表されることもあり、社内処分とは比べものにならない打撃になる。会社が示談で済ませても、刑事責任は別軌道で残る
Q3派遣で働いています。違法残業を命じるのは派遣先ですが、使用者は派遣元ですよね?
両方が、項目ごとに分担して使用者責任を負います。労働者派遣法44条により、労働時間・休憩・休日などの管理は実際に指揮命令する派遣先が労働基準法上の使用者として責任を負い、賃金支払などは派遣元が負います。実務のポイント:派遣先は雇い主じゃないから労基法は関係ない、というのは誤りで、違法な長時間労働の責任は派遣先に向かう。申告先を派遣元だと思い込んで、本当の責任者を取り逃がさないことが肝心
間違えやすい点 AI による整理
- 「労働基準法で罰せられるのは会社か社長だけ」と思っている人が多いが、10条の使用者は労働者に関する事項を実際に処理する者すべてを含む。部長・課長・店長といった中間管理職も、その立場で違法行為を指示・黙認すれば、個人として罰則の対象になる
- 中間管理職が責任を負いうることを何となく知っていても、その深刻度を見誤っている人が多い。これは社内の人事処分の話ではなく、労働基準法119条以下の刑事罰(懲役・罰金)の話だ。書類送検されれば前科がつく可能性すらある。会社が払う和解金とは次元が違う
- 「自分は雇われている側だから使用者ではない」という前提自体が、半分しか正しくない。あなたが一人でも部下を持ち、その勤怠や残業を管理しているなら、あなたは労働者であると同時に、その部下に対しては使用者でもある。一人の人間が両方の立場を同時に持つ。この二重性を見落とすと、自分の足元のリスクが見えない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 定義の対象 | 労基法10条:使用者(事業主+経営担当者+労働者に関する事項を処理する者) | 労基法9条:労働者(使用され賃金を支払われる者) 労働安全衛生法2条:事業者(事業を行う者) |
| 判断基準 | 肩書ではなく労働条件を実際に決定・処理する実態 | 指揮監督下で労務を提供し対価を得る実態 事業を経営する法人・個人そのもの |
| 罰則の名宛人 | 違反した使用者個人+両罰規定で事業主(121条) | 保護される側で原則名宛人ではない 事業者(法人)に安全衛生上の義務 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も雇主を、雇用労働者を使用し賃金を支払う事業主・事業経営の責任者・代表事業主処理労働事務の者と定義し、実態で広く捉える点で日本に近い
韓国も使用者を、事業主・事業経営担当者・労働者に関する事項について事業主のために行為する者と定義し、日本法とほぼ同一の構造を採る
米国 FLSA は employer を広く定義し、判例(economic reality test)で実態に基づき個人責任を認める。実態判断による広い使用者概念は日本と通底する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは飲食チェーンの店長として、人手不足のため部下にタイムカードを切らせてからのサービス残業を黙認していた。退職した元従業員が労基署に申告。調査の結果、命令を出していたあなた個人が労働基準法違反の被疑者として名前が挙がる。社長ではなくあなたが、だ
- もし、あなたの上司が「これは会社の方針だから」と違法な働き方を強要してきたら、誰の責任になる? 会社という抽象的な存在ではなく、その指示を出した上司個人が使用者として責任を負う。あなたが録音やメールで誰が指示したかを残しておけば、責任の所在が一気に明確になる
- あなたが派遣社員で、派遣先の現場責任者から連日の違法残業を命じられている。あと数週間で契約更新の時期。申告すれば更新されないかもしれない恐怖。だが労働時間の管理について使用者責任を負うのは派遣先だ。時間切れになる前に、本当の責任者を見極めて動く必要がある
- 残業代未払いを訴えようとしたとき、相手は会社(法人)だけではない。違法を直接指示した上司個人も使用者として、刑事責任の対象になりうる。会社が倒産しても、指示した個人の責任は別軌道で追及できる場合がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 違法行為(未払い残業、違法な長時間労働など)を誰が指示・黙認したかを特定し、メール・LINE・録音で記録する2. 労働基準監督署に申告する際、会社名だけでなく指示した上司個人の氏名・役職も伝える。10条の使用者として個人も対象になりうる3. 未払い賃金の請求は会社へ(労働債権)、悪質な場合は刑事罰の端緒として労基署へ、二段構えで動く4. 会社の資力に不安があれば、経営担当者個人や役員の責任追及(会社法429条等)も視野に入れる
訴えられた側:1. 自分が使用者に該当するかをまず冷静に判断。労働者の勤怠・残業・賃金に関する実質的な決定権を持っていたかが分かれ目2. 違法行為が上位者(社長・本部)の方針・指示によるものなら、その指示系統を記録で示し、自分は伝達者にすぎないと主張できる余地がある3. 是正勧告の段階なら、速やかに是正して送検・起訴を回避する4. 弁護士に相談し、両罰規定(121条)で会社と自分のどちらがどこまで責任を負うかを整理する
時効(請求できる期限):10条の定義自体に時効はないが、関連する労働基準法違反の罰則には公訴時効がある(法定刑に応じおおむね3年)。未払い賃金の請求権は労働基準法115条により当面3年(本則5年の経過措置、最新の改正状況をご確認ください)。労基署への申告に法定期限はないが、証拠が散逸する前に動く
- 労働基準法 第9条労働者の定義、使用者の対概念
- 労働基準法 第121条両罰規定、使用者個人と事業主の併科
- 労働基準法 第24条賃金全額払い、使用者が負う代表的義務
- 労働基準法 第119条罰則、使用者を名宛人とする刑事罰
- 労働契約法 第2条労働契約上の使用者の定義、より狭い当事者概念
- 労働安全衛生法 第2条安全衛生上の事業者の定義、別概念の対比
- 労働者派遣法 第44条派遣における使用者責任の分配特則
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