要点労働基準法 121 条は両罰規定を定め、従業者が事業主のために労基法違反をした場合、行為者に加え事業主にも各本条の罰金刑を科す。事業主が防止措置を講じた場合は免責される。
Q · 従業員が勝手にやった労基法違反でも、社長個人が罰せられるの?
原則、事業主にも罰金が科されうる
労働基準法 121 条 1 項の両罰規定により、実際に違反した従業者に加え、事業主にも各本条の罰金刑が科されます。最高裁はこれを過失責任と解しており、事業主が違反防止に必要な措置をしていたと立証できなければ過失が推定されます。さらに 2 項では、事業主が違反を指示し、または計画を知りながら防止・是正措置を講じなかった場合、行為者として罰せられ、罰金刑だけでなく懲役(2025 年 6 月施行の改正で拘禁刑に統合)の対象になり得ます。
あなたが飲食チェーンを経営していて、雇った店長が現場のアルバイトにサービス残業をさせていた。あなたは本社にいて何も知らなかった。それでも労働基準法 121 条はあなた個人に罰金を科しうる。両罰規定と呼ばれるこの仕組みは、実際に違反した店長だけでなく、事業主であるあなたにも各罰則の罰金刑を科す。鍵は、最高裁がこの責任を過失責任と解している点だ。つまりあなたが違反防止に必要な措置をしていたと証明できなければ、過失があったものと推定される。立証の矢は最初からあなたに向いている。「知らなかった」は抗弁にならず、「措置をしていたか」が問われる。さらに 2 項はもっと重い。あなたが違反の計画を知りながら放置した、是正しなかった、あるいは指示した場合、あなたは行為者本人として罰せられる。これは罰金だけでなく懲役(2025 年 6 月施行の改正で拘禁刑に統合)の対象になりうるという意味だ。現場の責任は、現場で止まらない。
労働基準法 121 条は両罰規定を定める罰則であり、事業の労働者に関する事項について事業主のために違反行為をした代理人・使用人その他の従業者がある場合に、行為者の処罰に加えて事業主に対しても各本条の罰金刑を科す旨を規定する。ただし事業主が違反の防止に必要な措置をした場合は科刑を免れる。
違反行為をした従業者だけでなく、その事業主にも罰則(罰金刑)を科す仕組みです。労働基準法 121 条をはじめ、労働安全衛生法や最低賃金法など労働関係の主要法令に置かれています。
従業員が事業主のために労基法違反をすると、行為者本人に加え事業主にも各本条の罰金刑が科される条文です。事業主が違反防止に必要な措置をしていれば免責されます。
121 条 2 項で事業主が違反を指示・黙認した場合は行為者として懲役(拘禁刑)の対象になり得ます。1 項の罰金にとどまる場合もありますが、悪質なら刑事手続が及びます。
勧告書記載の期限(おおむね 2 週間〜1 か月)を徒過すると、書類送検(刑事手続)に進むリスクが高まります。実効的な是正と記録化が分水嶺になります。
最高裁は事業主の責任を過失責任と解し、違反防止に必要な措置をしたと立証できなければ過失があったと推定します。立証責任が事実上事業主側に転換します。
加盟店オーナーが独立した事業主であれば、本部ではなくオーナー個人が両罰規定の名宛人になります。労務違反の刑事責任はオーナーに集中します。
2025 年 6 月施行の改正で懲役と禁錮が拘禁刑に一本化されました。労基法 121 条 2 項の重い類型では、この拘禁刑が科され得ます。
罰金額は違反した各本条(117〜120 条)の法定刑によります。労働時間違反などは 30 万円以下の罰金が一般的な目安です。
原則として科されます。労働基準法 121 条 1 項の両罰規定により、実際に違反した従業員に加え、事業主にも各罰則の罰金刑が科されます。最高裁はこれを過失責任と解しており、防止措置をしていたと立証できなければ過失が推定されます。業界裏話ヒント:問われるのは「知っていたか」ではなく「防止措置を講じていたか」です。労務管理規程・研修記録・是正履歴を平時から文書で残していたかが、罰金を払うかどうかの分かれ目になります。
口頭での主張だけでは弱いです。121 条 1 項ただし書の「違反の防止に必要な措置をした」と認められるには、客観的な裏付けが要ります。研修の実施記録、就業規則の周知、労働時間の点検体制など、仕組みとして機能していた証拠が必要です。業界裏話ヒント:勧告後に慌てて作った書類は作成日で見抜かれます。平時から積み上げた記録だけが過失推定を覆せる、という点を経営者は意外と知りません。
済みません。労働基準法 121 条 2 項により、事業主が違反を教唆した場合や、計画を知りながら防止措置を講じなかった場合は「行為者として罰する」とされ、罰金刑だけでなく懲役(2025 年 6 月施行で拘禁刑に統合)の対象になります。業界裏話ヒント:1 項と 2 項は責任の重さが段違いです。メールや議事録に黙認や指示の痕跡が残っていると、1 項の罰金事案が一気に 2 項の事案へ格上げされます。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 責任の根拠 | 121 条 1 項:事業主の監督上の過失(過失推定) | — |
| 科される刑 | 各本条の罰金刑のみ | — |
| 免責・抗弁 | 違反防止に必要な措置をした立証で免責 | — |
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