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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

労働基準法 第25条(非常時払)

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使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。

この条文の基本情報

非常時払とは何ですか?

定義非常時払とは、労働基準法第25条に定められた規定で、「使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 労働基準法第25条(非常時払)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
  2. 労働基準法第25条の条文原文は「使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を…」で始まります。
  3. 労働基準法第25条は第三章 賃金に置かれています。
  4. 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
  5. 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 労働基準法第25条の前の条は労働基準法第24条です。
  7. 労働基準法第25条の次の条は労働基準法第26条です。
  8. 労働基準法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第25条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  • 本サイト収録労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/25

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点労働基準法25条は、労働者が出産・疾病・災害などの非常時の費用のため請求した場合、使用者は支払期日前でも既往の労働分の賃金を支払う義務を負うと定める。

Q · 出産や入院で急にお金が必要なとき、給料日前でも会社に賃金を払ってもらえる?

はい、非常時の要件を満たせば給料日前でも請求できます

労働基準法25条により、出産・疾病・災害などの非常時の費用に充てるために請求すれば、会社は支払期日前でも既往の労働に対する賃金を支払わなければなりません。これは就業規則の有無や社長の判断に関係なく認められた法定の請求権です。対象は『すでに働いて稼いだ分』に限られ、未来の労働分の前貸しは含みません。会社が正当な理由なく拒否すると労基法120条で30万円以下の罰金の対象になります。

解説

給料日は月末、でも子どもが今日生まれた、あるいは親が倒れて入院費を即日払えと病院に言われた。財布は空、給料日まであと二週間。この板挟みを、日本の労働法は一行で打ち破る。労働基準法25条、通称「非常時払」。あなたが出産、疾病、災害、その他厚生労働省令で定める非常時の費用に充てるために請求すれば、会社は給料日前であっても、すでに働いた分の賃金を支払わなければならない。ここで効くのは「既往の労働に対する賃金」という限定だ。まだ働いていない分の前借りではなく、もう汗を流して稼いだ分を前倒しで受け取る権利。だから会社は「規定がない」「前例がない」とは言えない。これは恩恵ではなく、あなたが法律で持たされた請求権であり、会社が拒めば30万円以下の罰金(労基法120条)が待っている。多くの労働者はこの一行の存在を知らず、消費者金融に走ってしまう。

法的な位置づけ

労働基準法25条は非常時払を定める規定であり、労働者が出産・疾病・災害・結婚・死亡・1週間以上の帰郷など非常の場合の費用に充てるために請求したとき、使用者に支払期日前の賃金支払義務を課す。対象は既往の労働に対する賃金に限られ、未来の労働分の前貸しは含まない。賃金の毎月一定期日払の原則(労基法24条)に対する例外として機能する。

手順

  1. 1.非常時の要件を施行規則9条で確認 出産、本人や生計を一にする家族の疾病、災害、結婚、近親者の死亡、1週間以上の帰郷のいずれに当たるかを労働基準法施行規則9条で照合する。要件に当たれば就業規則の規定がなくても請求できる
  2. 2.請求書またはメールを条番号付きで作成 「労働基準法25条に基づく非常時払を請求します」と条番号を明記し、必要額(既往の労働分の範囲内)を記載する。口頭でも有効だが、後の『言った言わない』を防ぐため書面・メールで記録を残す
  3. 3.疎明資料を添えて人事・経理へ提出 入院案内、医療費の見積書、罹災証明書、領収書など費用の発生を裏づける資料を添付して人事・経理に提出する。資料があると社内決裁が速く進みやすい
  4. 4.拒否されたら労働基準監督署へ相談 会社が正当な理由なく支払いを渋ったら、最寄りの労働基準監督署へ相談する。25条違反は是正勧告と労基法120条の罰金の対象になるため、請求記録を持参すると対応が進みやすい

よくある質問 AI による整理

Q1非常時払とは何ですか?

出産・疾病・災害などの非常時に、労働者が請求すれば給料日前でもすでに働いた分の賃金を会社が支払う制度です。労働基準法25条が根拠で、就業規則がなくても認められる法定の権利です。

Q2非常時払は災害でも使えますか?

使えます。災害は施行規則9条が定める典型的な非常時です。被災して帰省・修繕費が必要な場合のほか、やむを得ない事由による1週間以上の帰郷も対象に含まれます。

Q3非常時払の対象になる「非常時」とは?結婚や葬儀も入りますか?

出産・疾病・災害に加え、施行規則9条は結婚、近親者の死亡、1週間以上の帰郷も非常時に含めます。本人だけでなく生計を一にする家族の事由も対象です。

Q4非常時払はいくらまで請求できますか?

請求できるのは『既往の労働に対する賃金』、つまり請求時点までに実際に働いて稼いだ分が上限です。未来の労働分の前貸しは含まれないため、月の前半ほど請求できる額は小さくなります。

Q5会社が非常時払を拒否したらどうすればいいですか?

非常時の要件を満たすなら会社に支払義務があります。拒否された場合は最寄りの労働基準監督署に相談してください。25条違反は是正勧告と120条の罰金の対象になります。

Q6非常時払とふつうの前借りの違いは何ですか?

ふつうの前借りは会社の任意の福利厚生ですが、非常時払は要件を満たせば拒否できない法的義務です。前者は未来分も対象になりうる一方、非常時払は既往の労働分に限られます。

Q7アルバイトやパートでも非常時払を請求できますか?

請求できます。労働基準法は雇用形態を問わず労働者に適用されるため、パート・アルバイト・契約社員でも、すでに働いた分について非常時払を請求できます。

Q8非常時払の請求に時効はありますか?

非常時払の請求自体に固有の時効はありませんが、対象である賃金請求権は労基法115条により時効消滅します(5年・当分の間3年)。急場のたびに速やかに行使するのが実務です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1前借りって、結局は会社の好意でやってもらうものじゃないんですか?

違います。25条の非常時払は会社の好意ではなく法的義務です。出産、疾病、災害などの非常時要件を満たせば、就業規則に規定がなくても会社は既往の労働分の賃金を支払わなければなりません(労基法25条)。実務のポイント:多くの会社の経理担当者は、25条を『福利厚生の前借り制度』と混同しています。福利厚生の前借りは会社の任意ですが、25条の非常時払は拒否すると120条の罰金対象。請求時に条番号を明示すると、対応が一段変わります

Q2病気って自分の病気だけですか? 親の入院費でも頼めますか?

頼めます。労基法施行規則9条は、本人だけでなく『生計を一にする者』の非常時も対象に含めています。親と同居して家計を共にしているなら、その入院費に充てるための請求は25条の射程内です。実務のポイント:『生計を一にする』は必ずしも同居が条件ではなく、仕送りなどで生計をともにしていれば認められうる。会社が『家族の分はダメ』と即答してきても、施行規則9条の文言を持ち出して再交渉する余地があります

Q3請求したら、まだ働いていない来月分まで先にもらえますか?

それはもらえません。25条が保障するのは『既往の労働に対する賃金』、つまり請求時点までにあなたが実際に働いて稼いだ分の前倒しだけです。未来の労働分の前貸しは25条の対象外で、それは別途の貸付になります。実務のポイント:請求できる上限は『今日までの出勤日数 × 賃金』。月の前半で非常時が起きると請求できる額が小さくなるため、足りない分は高額療養費制度や自治体の貸付など他の制度と組み合わせるのが実務的です

Q4請求は書面じゃないとダメですか? 口頭でも大丈夫?

口頭でも法的には有効です。25条は請求の方式を限定していません。ただし、後で『言った言わない』にならないよう、メールや書面で記録を残すのが安全です。実務のポイント:『労働基準法25条に基づく非常時払を請求します』と条番号を入れて文書化しておくと、会社が支払いを渋った場合に労基署へ持ち込む際の証拠になります。証拠が残っている請求は、会社側も無下にしにくい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「給料の前借りは会社の温情次第」と思い込んでいる人が多いが、25条の非常時払は温情ではなく法的義務だ。非常時の要件さえ満たせば、就業規則に規定がなくても、社長の機嫌がどうでも、会社は既往の労働分を支払わなければならない。立場が「お願いする側」から「請求する側」へ変わる
  • 非常時払を知っている人でも、その射程の広さを見落としている。出産と病気だけだと思われがちだが、施行規則9条は災害、結婚、近親者の死亡、やむを得ない事由による一週間以上の帰郷まで含む。自分や家族だけでなく、生計を一にする者の非常時も対象になる。カバー範囲は想像よりずっと広い
  • 「前借りなんだから、まだ働いていない来月分も頼める」と考えるのは、問いの立て方そのものが間違っている。25条が保障するのは『既往の労働』、つまりすでに働いて稼いだ分の前倒しだけだ。未来の労働分の前貸しは含まれず、それは別の貸付契約の話になる。請求できる上限は『今日までに働いた分』と理解しておくこと
比較の観点この条文ほかの条文
適用場面25条:出産・疾病・災害など非常時に既往賃金を前倒し請求24条:通常の賃金支払(全額・通貨・毎月一定期日払)
23条:退職・死亡時の金品返還と賃金清算
支払対象既往の労働に対する賃金(未来分の前貸しは不可)当該支払期に発生した賃金全額
未払賃金・積立金・保証金など労働者の権利に属する金品
タイミング支払期日前でも請求があれば支払い毎月一定の期日(原則の支払期日)
請求があった日から7日以内
違反の効果120条で30万円以下の罰金、労基署の是正勧告120条で30万円以下の罰金
120条で30万円以下の罰金

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国労働基準法 第22-23条

台湾には非常時払に直接対応する規定はなく、賃金支払の方法・期日に関する一般規定が最も近い。緊急時の前倒し請求を労働者の権利として明文化していない点が日本と異なる

韓国
근로기준법 제45조(비상시 지급)

韓国は日本の25条をほぼそのまま継受し、出産・疾病・災害その他大統領令で定める非常時に既往の労働分の支払期日前請求を認める。要件構造は日本とほぼ同一

ドイツ
—

ドイツ法には非常時払に相当する一般的な明文規定はなく、賃金は原則として労務提供後に支払う(BGB §614)。急場の前倒しは個別の労働協約・就業規則の問題として処理される

アメリカ
—

米国の連邦公正労働基準法(FLSA)に非常時の賃金前倒し請求権はない。緊急時の前払いは雇用契約や任意の制度(earned wage access 等)に委ねられる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 妻が予定より早く出産し、入院費と新生児用品で十数万円が今すぐ必要になった。給料日まで十日。25条で会社に請求すれば、今月すでに働いた分の賃金を前倒しで受け取れる。会社の経理が「そんな制度はない」と渋っても、これは就業規則の有無に関係なく法律上の権利だ
  • もし、あなたの実家が地震で被災し、帰省して片付けと修繕の費用を工面しなければならなくなったら? 災害は25条の典型的な非常時にあたる。さらに施行規則9条は「やむを得ない事由による一週間以上の帰郷」も対象に含めており、被災帰省はまさにこれに該当する
  • あなたが小さな会社の経理担当で、従業員から「親の手術代で給料を前倒しでほしい」と請求された。断ろうとしたが、これは断れない。既往の労働分であれば支払い義務がある。応じないと会社が罰金を科されるリスクを負う
  • 本人や家族の急病で高額な治療費が発生。健康保険の高額療養費は後から戻るが、窓口ではいったん全額立て替えを求められる。その立て替え分を25条の請求でしのぐ。あと三日で支払い期限という場面で、消費者金融より先に会社へ請求書を出すという選択肢が手元にある
  • 結婚式の費用が想定を超え、給料日前に支払いが集中した。結婚も施行規則9条の非常時に含まれる。「自分の都合で前借りなんて言い出しにくい」と諦める前に、これが法定の権利だと知っているかどうかで、その月の資金繰りが変わる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 非常時の事実を確認:出産、本人や生計を一にする家族の疾病、災害、結婚、死亡、一週間以上の帰郷のいずれかに当たるかを施行規則9条で照合2. 会社の人事・経理へ請求:口頭でも有効だが、メールや書面で「労基法25条に基づき非常時払を請求する」と明記し、必要額(既往の労働分の範囲内)を伝える3. 領収書や入院案内など費用の疎明資料を添えると通りやすい4. 会社が拒否したら、最寄りの労働基準監督署へ相談。25条違反は是正勧告と罰金の対象になる

訴えられた側:1. 請求が施行規則9条の非常時要件を満たすか、請求額が既往の労働分の範囲内かを確認2. 要件を満たすなら、就業規則に規定がなくても支払い義務がある。前例がない等を理由に拒めない3. 未来の労働分の前貸しを求められた場合は25条の対象外なので、その点だけ切り分けて説明4. 支払いを拒否すると120条で30万円以下の罰金、加えて労基署の是正勧告を受けるリスクがある。早期の支払いが最も低コスト

時効(請求できる期限):非常時払の請求自体に固有の時効はないが、その対象である賃金請求権は労働基準法115条により5年(当分の間3年、最新の改正状況をご確認ください)で時効消滅する。請求の起算点は各賃金の支払期日。非常時払は支払期日前の前倒し請求なので、急場のたびに速やかに行使するのが実務

学説

通説:25条の非常時払は使用者の任意の便宜ではなく法定の義務であり、施行規則9条の非常時要件を満たせば就業規則の定めの有無を問わず支払義務が生じる。保障の対象は『既往の労働に対する賃金』に限られ、未提供の労働分の前貸しは本条の射程外であると解されている。

改正沿革 AI による整理

  • 平成11年(1999年)中央省庁等改革関連 委任先の表記を改正。労働省の厚生労働省への再編に伴い、非常時の範囲を定める委任を『命令で定める』から『厚生労働省令で定める』へと改めた。実体的な保障内容は昭和22年(1947年)制定時から維持されている

改正の年表

  1. 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法制定時に非常時払を規定。賃金の毎月一定期日払の原則(24条)に対する生活保障上の例外として、既往の労働分の支払期日前請求を認めた
  2. 2.平成11年(1999年) 改正:中央省庁等改革に伴い、非常時の範囲を定める委任の表記を整理。労働省の厚生労働省への再編に対応したもので、実体的な保障内容は制定時から維持されている

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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