要点労働基準法32条の5の1年単位変形労働時間制は、労使協定と労基署への届出により、対象期間を平均し週40時間以内なら特定日に法定時間を超えて働かせうる。届出を欠けば無効となる。
Q · 「うちは変形労働時間制だから残業代は出ない」と言われたら、本当に残業代はもらえないの?
いいえ、届出や上限を欠く変形制は無効で残業代を請求できます
労働基準法37条により、変形労働時間制でも事前に特定した労働時間を超えて働けば割増賃金の対象になります。さらに1年単位の変形制が有効になるには、労使協定の締結、労基署への届出、各日の労働時間の事前特定、省令上限(1日10時間・1週52時間・連続労働日数)の遵守がすべて必要です。一つでも欠ければ制度は無効となり、法定労働時間(週40時間・1日8時間)を超えた分は割増賃金を請求できます。
繁忙期に週6日、1日10時間働かされ、残業代が一円も出ない。ブラック企業だと怒りに任せて辞める前に、まずこの制度の存在を知っておくべきだ。労働基準法のこの条文は、会社が労使協定(会社と従業員の過半数代表が結ぶ書面の約束)を結べば、1ヶ月を超え1年以内の期間を平均して週40時間を超えない限り、特定の週や日に法定労働時間(週40時間・1日8時間)を超えて働かせてよいと定める。製造業の季節変動、観光地の繁忙期、建設の工期。こうした業種で「忙しい時期は長く、暇な時期は短く」を合法化する仕組みだ。だが落とし穴がある。制度が有効になるには、労使協定の締結、労基署への届出、対象期間や各日の労働時間の事前特定、省令が定める上限(1日10時間・1週52時間・連続労働日数)の遵守、これらすべてを満たさねばならない。一つでも欠ければ制度は丸ごと無効。その瞬間、あなたが働いた超過時間はすべて「ただの残業」に戻り、割増賃金の請求権が生まれる。
労働基準法32条の5の1年単位の変形労働時間制は、労使協定により1か月を超え1年以内の対象期間を定め、その期間を平均して週40時間を超えない範囲で、特定された週・日に法定労働時間を超えて労働させることを認める制度である。季節的な業務の繁閑に労働時間をならすことを目的とし、対象期間や各日の労働時間の事前特定を要件とする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
労使協定で1か月超〜1年以内の対象期間を定め、平均して週40時間以内なら特定の週や日に法定労働時間を超えて働かせてよい制度です。労働基準法32条の5が根拠です。
厚生労働省令により1日10時間、1週52時間が原則の上限です。これを超える設定は無効で、超えた部分は割増賃金の対象になります。
出ます。事前に特定した労働時間を超えて働いた分は、労働基準法37条により割増賃金の対象です。変形制は割増の基準時間をならすだけで、割増義務を消す制度ではありません。
原則として連続6日が限度です。特定期間(繁忙期)として定めた期間は1週間に1日の休日が確保できる範囲まで緩和されます。
必要です。労使協定を所轄の労働基準監督署へ届け出なければなりません。届出を欠く変形制は無効で、過去にさかのぼり割増賃金を請求できます。
平均して週40時間を超えない範囲で労働させる、1か月を超え1年以内の期間を指します。この期間の労働日と各日の労働時間を事前に特定する必要があります。
協定の未締結、労基署への未届出、各日の労働時間の不特定、省令上限の超過、過半数代表者の選出手続不備などです。一つでも欠ければ制度全体が無効になります。
対象期間が3か月を超える場合、年間の労働日数は原則280日が上限です。これを超える設定はできません。
諦める必要はない。変形制が有効なのは、労使協定の届出、就業規則の記載、各日の労働時間の事前特定、省令上限の遵守をすべて満たした場合だけだ。一つでも欠ければ無効で、法定時間を超えた分は割増賃金の対象になる(37条)。業界裏話ヒント:実務では届出を忘れている、協定はあるが各日の労働時間を特定していない会社が驚くほど多い。弁護士はまず労基署への届出の有無から崩しにかかる
就業規則に書くだけでは足りない。労働者の過半数で組織する労働組合、なければ過半数代表者との書面による労使協定が必須で、しかも労基署への届出が要る(32条の2第2項の準用)。業界裏話ヒント:過半数代表者が会社に指名された名ばかり代表だと、協定そのものの有効性を争える。代表者が投票や挙手など民主的手続で選ばれたかは、見落とされがちな急所だ
実際に働いた時間が、平均して週40時間で計算した賃金を上回っていれば、その差額を清算して支払う義務が会社にある(32条の4の2)。繁忙期に長く働いてから辞めた人ほど、清算で受け取れる額は大きい。業界裏話ヒント:この中途退職時の賃金清算は会社側が見落としやすく、退職者も知らないことが多い。最終給与明細に清算分が乗っているか、辞める前に必ず確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する労働時間の枠組み | 32条の5:1年単位の変形(対象期間を平均し週40時間) | — |
| 有効要件 | 労使協定+届出+各日の労働時間の事前特定+省令上限 | — |
| 割増賃金の発生 | 事前特定時間を超えた分に発生(37条) | — |
| 中途退職者の取扱い | 32条の4の2により賃金清算が必要 | — |
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