労働基準法 第71条
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前条の規定に基いて発する厚生労働省令は、当該厚生労働省令によつて労働者を使用することについて行政官庁の許可を受けた使用者に使用される労働者以外の労働者については、適用しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働基準法第71条は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
- 労働基準法第71条の条文原文は「前条の規定に基いて発する厚生労働省令は、当該厚生労働省令によつて労働者を使用することについて行政官庁の許可を受けた使用者に使用される労働者以外の労働者については…」で始まります。
- 労働基準法第71条は第七章に置かれています。
- 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
- 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働基準法第71条の前の条は労働基準法第70条です。
- 労働基準法第71条の次の条は労働基準法第72条です。
- 労働基準法第71条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第71条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - 本サイト収録
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第71条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/71
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働基準法71条は、職業訓練の労働条件特例が適用されるのは行政官庁の許可を受けた使用者に使われる労働者に限ると定める。無許可なら特例は効かず通常の保護が全面適用される。
Q · 「訓練生だから労基法の特例が効く」と言われたら、そのまま従うしかないの?
無許可の会社の訓練特例は無効。通常の労働者と同じ保護を受けます
労働基準法71条により、職業訓練を理由とする労働条件の特例(70条に基づく厚生労働省令)が適用されるのは、行政官庁の許可を受けた使用者に使用される労働者に限られます。会社がこの許可を取っていなければ、特例の根拠は存在せず、訓練生も残業代・年少者保護・契約期間の上限などを普通の労働者と全く同じく全面的に受けます。確認すべきは条文の中身ではなく、会社が許可を持っているかという一点です。
解説
「うちは見習い期間だから、労基法のルールは少し緩くてね」。そう言われて条件をのむ前に、知っておくべき仕組みがある。労働基準法70条は、職業訓練を受ける労働者について、契約期間や年少者の危険業務などの特例を厚生労働省令で定められるとする。だが71条がそこに鍵をかける。その特例が効くのは、行政官庁の許可を受けた使用者に使われる労働者だけ。許可を取っていない会社が「訓練だから」と特例を振りかざしても、その根拠は最初から存在しない。あなたは普通の労働者と一字一句同じ保護を受ける。残業代も、年少者保護も、契約期間の上限も、丸ごと適用される。「訓練生は権利が薄い」のではない。許可という関門を越えた会社の訓練生だけが、限定的に特例の対象になる。順番が逆なのだ。
法的な位置づけ
労働基準法71条は、職業訓練を受ける労働者に関する労働条件の特例(70条に基づく厚生労働省令)の適用範囲を画する規定である。特例は、当該省令により労働者を使用することについて行政官庁の許可を受けた使用者に使用される労働者に限って適用され、無許可の使用者の下では一切適用されない。
よくある質問 AI による整理
Q1職業訓練の特例とは何ですか?
職業訓練を受ける労働者について、契約期間や年少者の危険業務などの扱いを通常と変える特例です。労働基準法70条が厚生労働省令に委任し、71条が適用を許可制に縛ります。
Q2労働基準法71条の「行政官庁の許可」とは何を指しますか?
70条の省令によって労働者を使用することについて、所轄行政官庁(労働基準監督署等)から受ける許可を指します。この許可がある使用者の労働者だけが特例の対象になります。
Q3認定職業訓練と労基法の特例はどう違いますか?
認定は職業能力開発促進法に基づく訓練内容の認定、特例適用は労基法71条の行政官庁許可です。両者は別制度で、認定があっても許可がなければ労基法特例は効きません。
Q4見習いや修行でも最低賃金は適用されますか?
適用されます。最低賃金は最低賃金法が定める強行基準で、71条の許可がない限り訓練名目でも下げられません。無許可で最賃を下回れば差額を請求できます。
Q5訓練生に年少者保護は適用されますか?
許可がなければ全面適用されます。18歳未満の危険有害業務の制限(労基法62条)を外せるのは許可を受けた事業所だけで、無許可なら危険作業の指示自体が違法です。
Q6無許可で訓練特例を使うとどうなりますか?
特例の主張は通らず通常の労基法基準で判断されます。未払賃金の請求対象になり、労働基準監督署の是正勧告や付加金(労基法114条)のリスクも生じます。
Q7未払い残業代はいつまで遡って請求できますか?
賃金請求権の消滅時効は5年(当分の間3年、労基法115条・附則)で、起算点は各賃金の支払日です。時効の完成前に請求することが重要です。
Q8職業訓練特例の許可はどこに申請しますか?
70条の省令に定める行政官庁(一般に所轄の労働基準監督署を経由する行政庁)に申請します。認定職業訓練の認定とあわせて正規に取得してから運用する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「研修中だから残業代は出ない」って言われたんですが、本当ですか?
原則として違法の可能性が高い。労働基準法70条・71条の特例で労働条件の扱いを変えられるのは、行政官庁の許可を受けた事業所に限られます。許可なく「研修だから」と残業代を払わないのは、ただの賃金未払いです(労働基準法37条)。実務のポイント:許可を取っている事業所は全国でごく一部。多くの「研修」「見習い」は許可なしの通常雇用なので、残業代も最低賃金もフル適用される。まず会社が特例許可を持っているか確認するのが第一歩
Q2会社が職業訓練の許可を取っているか、どうやって確認できますか?
会社に直接、職業訓練特例の許可書の提示を求めるのが最短です。71条の特例は許可を受けた使用者にしか効かないので、許可がなければ特例の主張は崩れます。提示を渋るなら、許可がない可能性が高い。実務のポイント:許可の有無は労働基準監督署に相談すれば確認の糸口がつかめます。「許可を取っているか会社に聞いた」という事実自体が、会社に襟を正させる圧力になる。聞くこと自体がコストゼロの牽制だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「訓練生だから労基法の保護は薄い」と考えて条件を受け入れがちだが、問いの立て方が逆。特例が効くには会社が先に行政官庁の許可を取る必要があり、無許可ならあなたは普通の労働者と全く同じ保護を受ける。薄いのは保護ではなく、許可を取っている会社の数のほうだ
- 職業訓練の特例に許可制があること自体は知っていても、許可を取らずに特例を適用している会社が実在することの深刻さを知らない人が多い。無許可の特例運用は丸ごと労基法違反であり、未払い分の請求対象、是正勧告や付加金の対象になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 71条:特例の適用範囲を行政官庁の許可に限定 | 70条:職業訓練の特例を厚生労働省令に委任する母法 69条:徒弟の弊害排除、訓練名目の酷使禁止 |
| 適用の前提 | 行政官庁の許可を受けた使用者であること | 厚生労働省令が特例を具体的に定めていること 前提なし(強行規定として常に適用) |
| 無許可・違反時の効果 | 特例不適用、通常の労働者として全保護が適用 | 特例の根拠が発生せず、通常基準に戻る 徒弟の酷使は常に違法、是正勧告の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は技術生(見習い)の保護を専章で定め、酷使や名目上の低賃金を規制する点で日本の69〜71条群と機能的に近い
韓国も技能習得者の酷使を禁じ、訓練名目での保護外しを制限する。運用の枠組みは日本と類似
ドイツは職業訓練を独立の法律で体系化し、訓練生の地位・報酬・保護を詳細に定める。許可より認定・登録を軸にする
米国は学習者・見習いについて最低賃金の特例証明(certificate)制度を持ち、行政の事前許可を要件とする点で71条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし入社時に「訓練期間中は変形労働だから残業代はなし」と言われ、半年我慢して辞めたとしたら? 会社が職業訓練特例の許可を取っていなければ、その残業代は過去分まで請求できる。賃金請求権の時効は5年(当分の間3年)、消える前に動けるかが分かれ目だ
- あなたが小さな工房の経営者で、弟子に「修行だから」と労基法の上限を超えて働かせている。許可がなければ、それは特例ではなくただの違反。監督署の是正勧告一枚で過去分の支払い義務が確定する
- 建設会社の見習いとして危険な高所作業をさせられている18歳。本来、年少者は危険有害業務が制限される(労働基準法62条)。特例でそれを外せるのは許可を受けた事業所だけ。無許可なら、その作業指示そのものが違法だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず会社が職業訓練特例の許可を受けているか確認、許可書の提示を求める2. 許可がなければ、あなたは通常の労働者として残業代・年少者保護・契約期間上限がフル適用される3. 未払い残業代があればタイムカード・シフト表・LINE 指示など労働時間の証拠を確保4. 労働基準監督署に相談、無許可の特例運用は是正勧告の対象5. 過去分の請求は賃金請求権の時効内に行う
訴えられた側:1. 訓練特例を適用しているなら、行政官庁の許可を現に受けているか即確認2. 許可がないなら特例の主張は通らない、通常の労基法基準で労働条件を再計算3. 未払いが生じていれば過去分の精算を検討、放置すると是正勧告・付加金(労働基準法114条)のリスク4. 今後も訓練特例を使うなら、職業能力開発促進法の認定と行政官庁の許可を正規に取得してから運用する
時効(請求できる期限):本条自体に固有の時効はない。関係する未払賃金請求権の消滅時効は5年(当分の間3年、労働基準法115条・附則)、起算点は各賃金の支払日。残業代の請求はこの期間内に行うこと。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:労基法70条の特例は労働者保護の例外であり、71条はその適用を行政官庁の許可を受けた使用者に厳格に限定する。無許可の使用者による特例の援用は認められず、当該労働者には労基法の一般規定がそのまま適用されると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法制定にあたり、職業訓練を受ける労働者の特例(旧規定)とその適用を許可制に限定する規律が設けられた
- 2.平成13年(2001年) 改正:中央省庁再編に伴い、特例を定める省令の主体が『労働省令』から『厚生労働省令』へ改められた
- 労働基準法 第70条職業訓練の特例を省令に委任する母法
- 労働基準法 第69条徒弟の弊害排除、訓練名目の酷使禁止
- 労働基準法 第72条職業訓練生の年次有給休暇の特例
- 労働基準法 第13条法定基準に達しない労働条件の無効
- 職業能力開発促進法 第24条認定職業訓練、特例の前提となる認定制度
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