労働基準法 第69条(徒弟の弊害排除)
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- 使用者は、徒弟、見習、養成工その他名称の如何を問わず、技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使してはならない。
- 2.使用者は、技能の習得を目的とする労働者を家事その他技能の習得に関係のない作業に従事させてはならない。
この条文の基本情報
徒弟の弊害排除とは何ですか?
定義徒弟の弊害排除とは、労働基準法第69条に定められた規定で、「使用者は、徒弟、見習、養成工その他名称の如何を問わず、技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使してはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働基準法第69条(徒弟の弊害排除)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
- 労働基準法第69条の条文原文は「使用者は、徒弟、見習、養成工その他名称の如何を問わず、技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使してはならない。」で始まります。
- 労働基準法第69条は第七章に置かれています。
- 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
- 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働基準法第69条の前の条は労働基準法第68条です。
- 労働基準法第69条の次の条は労働基準法第70条です。
- 労働基準法第69条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第69条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - 本サイト収録
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第69条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/69
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働基準法69条は、技能習得を口実にした労働者の酷使(1項)と、技能習得と無関係な家事・雑用への従事(2項)を禁止する。名称が見習い・研修でも実態が搾取なら違法となる。
Q · 「修行だから」「見習いだから」と言われて雑用や長時間労働ばかり。これって我慢するしかないの?
見習い・研修を口実にした酷使や無関係な雑用は違法です
労働基準法69条により、使用者は徒弟・見習・養成工など名称を問わず、技能習得を目的とする者であることを理由に労働者を酷使してはならず(1項)、技能習得を目的とする労働者を家事その他技能習得に無関係な作業へ従事させてはなりません(2項)。「修行だから」「見習いだから」という名目は、酷使や雑用強制を正当化する法的な盾になりません。見習いでも実態が労働であれば労働者として完全に保護され、最低賃金法や労働時間規制も適用されます。
解説
寿司屋で何年も皿洗いと掃除しかさせてもらえない。美容室で先輩の買い物と店の雑用に追われ、技術はいつまでも教わらない。外国人技能実習生として来日したのに、習得すべき技能と無関係な作業を延々とやらされる。一見バラバラなこれらに共通して効くのが労働基準法69条だ。1項は「技能を覚えさせてやっている」を口実にした酷使を禁じ、2項は技能習得と関係のない家事や雑用に従事させること自体を明確に禁止する。つまり「見習いだから雑用は当然」「修行だから安い賃金で長時間も仕方ない」という業界の常識を、法律は正面から否定している。あなたが今「技能を学ぶため」という名目で割に合わない働き方をさせられているなら、その名目自体が雇用主の盾にならないことを知っておくべきだ。我慢の問題ではなく、最初から違法かどうかの問題なのだ。
法的な位置づけ
労働基準法69条は、いわゆる徒弟の弊害排除を定める規定である。1項は技能習得を目的とする者であることを理由とした労働者の酷使を禁じ、2項は技能習得を目的とする労働者を家事その他技能習得と無関係な作業に従事させることを禁止する。名称の如何を問わず、修行・研修を口実とした搾取に適用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.無関係な業務の内容と頻度を日付入りで記録 技能習得と無関係な業務(家事、社長の私用、店の雑用、長時間の単純作業)の内容と頻度を、日付入りで毎日記録する。シフト表、業務指示の LINE やメールも保存し、「酷使」「無関係作業」の立証材料を固める
- 2.研修・技能習得を謳った契約書や求人票を保全 雇用契約書・求人票・募集要項で「技能習得」「研修」「見習い」を謳っていた証拠を保全する。名目と実態のギャップが69条違反の核心となるため、名目を示す書面が交渉・申告の決め手になる
- 3.在職中に労働基準監督署へ申告 労働基準法104条に基づき、在職中に管轄の労働基準監督署へ申告し是正勧告を求める。在職中の方が使用者は勧告を重く受け止め、業務内容の改善や未払い分の支払いに応じやすい。申告を理由とする不利益取扱いは禁止されている
- 4.未払い賃金があればユニオン・法テラスに相談 未払い賃金や残業代があれば併せて請求し、必要に応じて一人でも入れる地域ユニオンや法テラスに相談する。外国人技能実習生は外国人技能実習機構の母国語相談窓口も利用できる
よくある質問 AI による整理
Q1徒弟の弊害排除とは?
労働基準法69条の通称です。徒弟・見習・養成工などの名目で技能習得を口実に労働者を酷使したり、技能と無関係な家事・雑用に従事させたりすることを禁じる規定を指します。
Q2労働基準法69条に違反したらどうなりますか?
労働基準監督署の是正勧告の対象になります。無関係な作業をさせつつ未払い賃金や残業代があれば遡って支払いを命じられることもあり、悪質なら送検・公表に至る場合もあります。
Q3見習い期間でも労働基準法は適用されますか?
適用されます。69条は徒弟・見習・養成工という名称を名指しで保護対象とし、名称が何であれ実態が労働なら最低賃金法・労働時間規制も完全に適用されます。
Q4修行は何年まで我慢すれば合法ですか?
年数の問題ではありません。技能習得と無関係な家事・雑用に従事させること自体が69条2項違反となりうるため、「下積み◯年」という年数で合法・違法が決まるわけではありません。
Q5技能実習生に無関係な仕事をさせる場合の通報先は?
労働基準監督署に加え、外国人技能実習機構への通報が有効です。母国語相談窓口もあり、無関係作業は入管法上の不正行為として実習先の受入れ停止につながることがあります。
Q6労働基準監督署への申告は在職中でもできますか?
できます。労働基準法104条は在職・退職を問わず申告権を保障し、申告を理由とする不利益取扱いも禁止しています。在職中の方が是正が早く動きやすい傾向があります。
Q7認定職業訓練なら69条の例外になりますか?
一部特例があります。職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者には労働基準法70条以下で労働時間などの特例が認められますが、酷使や無関係作業の禁止まで免除されるわけではありません。
Q8見習いでも残業代は請求できますか?
請求できます。見習いも労働者である以上、法定労働時間を超える労働には割増賃金が発生します。技能習得を口実に無償で長時間働かせることは69条1項の酷使にも当たりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「研修中・見習いだから最低賃金以下でも仕方ない」と言われましたが、本当ですか?
嘘です。見習いであっても実態が労働なら、最低賃金法が完全に適用されます。さらに労働基準法69条は技能習得を理由とした酷使を禁じており、低賃金で長時間という典型的な搾取はこの条文にも触れます。実務のポイント:「試用期間」「研修期間」を口実にした最低賃金割れは、労働基準監督署が最も指導しやすい分かりやすい違反。タイムカードと給与明細を持って申告すれば、過去分の差額支払いまで勧告されることが多い
Q2外国人技能実習生に、習う技術と関係ない掃除や別の作業をさせるのは違法ですか?
違法になりえます。労働基準法69条2項は、技能習得を目的とする労働者を技能習得と無関係な作業に従事させることを明確に禁じており、技能実習生も69条の保護対象です。実務のポイント:技能実習は職種・作業内容が在留資格で限定されており、無関係作業をさせると入管法上の不正行為にもなる。外国人技能実習機構への通報は労基署と並ぶもう一つの強力なルートで、実習先の受入れ停止につながることがある
Q3美容室で何年も雑用ばかりで技術を教えてもらえません。これは法律違反ですか?
技能習得と無関係な雑用に長期間従事させているなら、労働基準法69条2項違反の余地があります。ただし開店前の清掃など一定の付随業務は許容される場合もあり、線引きは実態次第です。実務のポイント:美容・調理など「修行文化」の業界では、この条文がほぼ機能してこなかった。だからこそ申告する人が少なく、声を上げると雇用主は意外なほど慌てる。退職前に証拠を固めて労基署に相談するのが効果的
間違えやすい点 AI による整理
- 「見習い・研修中は労働者じゃないから労基法は適用されない」と思われがちだが、むしろ逆。69条はまさに徒弟・見習・養成工という名称を名指しして、それを理由に酷使してはならないと定めている。名称が何であれ、実態が労働なら労働者として完全に保護される
- 「雑用をさせられる」こと自体は知っていても、それが明確な法律違反だと知る人は少ない。69条2項は、技能習得と無関係な家事その他の作業に従事させること自体を禁じている。理不尽だが我慢するしかない問題ではなく、最初から違法の問題なのだ
- 「給料さえきちんと払われていれば文句は言えない」という前提が誤っている。69条が問題にするのは賃金の多寡ではなく、技能習得という名目での酷使と無関係労働そのもの。仮に給料が出ていても、技能を教えず雑用ばかりさせれば2項違反になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の焦点 | 69条:技能習得を口実にした酷使・無関係作業への従事 | 5条:暴行・脅迫・監禁等による強制労働 70条:認定職業訓練を受ける者への労働時間等の特例 |
| 適用場面 | 徒弟・見習・養成工・技能実習生など技能習得目的の労働者 | 全労働者に対する意思に反する労働の強制 職業能力開発促進法に基づく認定を受けた訓練 |
| 禁止/効果 | 酷使(1項)と無関係な家事・雑用従事(2項)を禁止 | 強制労働を禁止(労基法上最も重い罰則) 一定範囲で労働時間・休憩等の特例を許容 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は技術生の章を設け、書面訓練契約や技術生からの費用徴収禁止などで保護する。名目による搾取防止という趣旨は共通する
韓国は日本の69条をほぼそのまま継受し、養成工・수습その他名称を問わず酷使と無関係作業への従事を禁止する
ドイツは職業訓練法で、訓練生には訓練目的に資する業務のみを委任できると規定し、無関係業務への従事を制度的に排除する
米国はインターン・トレーニーが労働者にあたるかを primary beneficiary test で判断し、実質的に使用者が利益を得る場合は賃金支払義務を課す
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし「研修中だから」と言われて、毎日開店前の清掃から閉店後の片付け、社長の私用の買い物まで命じられ、肝心の技術はほとんど教わらないとしたら? その働き方は69条2項が禁じる「技能習得と無関係な作業」に正面から当たりうる。名目が研修でも、実態が雑用係なら法律の評価は変わる
- あなたが小さな工場を経営し、若い見習いに「一人前になるまでの修行」として深夜まで単純作業をさせている。本人も納得しているつもりだが、技能習得を理由にした酷使は69条1項違反。労働基準監督署の是正勧告が来れば、過去の未払い残業代まで遡って支払う事態になりかねない
- 美容室に就職した妹が、半年経っても掃除とタオルたたみばかりだと泣いている。これは69条2項の問題かもしれない。修行という言葉に、法律上の特権はない
- 技能実習生のあなたに、農作業を覚えるはずが実際は別会社の工場で無関係な箱詰めをさせられている。在留期限まであと数か月、声を上げれば帰国させられるのではと怖い。だが69条と技能実習法はまさにこの状況のあなたを守るためにある。動くなら証拠を残しながら今だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 技能習得と無関係な業務(家事、私用、店の雑用、長時間の単純作業)の内容と頻度を、日付入りで記録する2. 雇用契約書・求人票で「技能習得」「研修」を謳っていた証拠を保全する3. 在職中に労働基準監督署へ申告(労働基準法104条)し、是正勧告を求める4. 未払い賃金や残業代があれば併せて請求、必要なら地域のユニオン(一人でも入れる労働組合)や法テラスに相談。外国人技能実習生は外国人技能実習機構の母国語相談窓口も使える
訴えられた側:1. 「技能習得」を名目にしていても、実態が酷使や無関係作業なら69条違反になると認識する2. 養成・研修の計画を文書化し、実際の業務が技能習得に沿っているか点検する3. 認定職業訓練の枠組み(職業能力開発促進法、労働基準法70条以下)を使えば一部に特例が認められる、制度を正しく利用する4. 労基署から是正勧告が来たら無視せず速やかに改善、放置すると行政指導が公表や送検に発展しうる
時効(請求できる期限):69条違反そのものに特定の時効はなく、労働基準監督署への申告(労働基準法104条)にも期限の定めはない。ただし未払い賃金の請求権は当分の間3年(労働基準法115条、本来は5年への移行過程)。証拠が散逸する前に動くこと(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:69条は封建的な徒弟制度の弊害を排除する趣旨の規定であり、徒弟・見習・養成工という名称に限らず、技能習得を目的とする者一般に適用される。技能実習生も保護対象に含まれ、名目ではなく実態で酷使・無関係作業の有無を判断するのが通説的理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法の制定に伴い新設。戦前の封建的な徒弟制度における酷使・雑用押し付けの弊害を排除するため、技能習得を口実とした酷使(1項)と無関係作業への従事(2項)を明文で禁止した。
- 労働基準法 第5条強制労働の禁止、酷使禁止と趣旨を共有
- 労働基準法 第6条中間搾取の排除、養成名目の搾取防止と連動
- 労働基準法 第70条認定職業訓練を受ける者についての特例
- 労働基準法 第71条前条に基づく特例措置の根拠規定
- 労働基準法 第104条違反事実の労基署への申告権
- 職業能力開発促進法 第24条認定職業訓練の体系を定める特別法(現行効力を要確認)
- 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律 第48条技能実習生に対する人権侵害行為の禁止(通称 技能実習法)
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