要点労働者災害補償保険法 29 条は、政府が保険給付とは別に社会復帰促進等事業を行えると定める。休業特別支給金などの上乗せ給付や、療養・介護・遺族就学の援護の法的根拠となる。
Q · 労災でもらえるお金は、治療費と休業補償だけなんですか?
いいえ、特別支給金など上乗せの援護もあります
労働者災害補償保険法 29 条は、政府が保険給付とは別に「社会復帰促進等事業」を行えると定めます。休業補償給付(給付基礎日額の6割)に休業特別支給金(2割)が上乗せされ合計8割になるほか、遺族の子の就学援護費、要介護時の介護の援護、義肢・補聴器の支給、アフターケアなどがあります。多くは自分で申請しないと支給されず、保険給付と違い不支給に対し原則として審査請求ができない点に注意が必要です。
仕事中の事故で働けなくなったとき、あなたの口座に振り込まれる休業のお金。その内訳をよく見ると、給付基礎日額の6割が「休業補償給付」、さらに2割が「休業特別支給金」として上乗せされ、合わせて8割になっている。この上乗せ2割の法的な出どころが、労災保険法29条の社会復帰促進等事業だ。多くの人は全部まとめて「労災のお金」と思っているが、前者は権利として支給される保険給付、後者は政府が「行うことができる」裁量の援護で、法的地位がまるで違う。さらにこの条文は、遺族の子の就学援護費、要介護になったときの介護の援護、療養やリハビリの施設、義肢や補聴器の支給まで幅広くカバーする。あなたが自分で申請しなければ出ないものが多い。知っているかどうかで、受け取る総額が変わる。
労働者災害補償保険法 29 条の社会復帰促進等事業とは、政府が労災保険の保険給付に加えて行うことができる援護事業をいう。被災労働者の円滑な社会復帰の促進、療養生活・介護・遺族の就学等の援護、労働者の安全衛生の確保を目的とし、休業特別支給金などの上乗せ給付や各種援護メニューの法的根拠となる。保険給付と異なり、政府の裁量と予算の範囲で実施される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
政府が労災保険の保険給付とは別に行える援護事業です。被災労働者の社会復帰促進、療養・介護・遺族就学の援護、安全衛生の確保が内容で、旧称は労働福祉事業です(労災保険法 29 条)。
給付基礎日額の2割が目安です。休業補償給付の6割と合わせて、休業中はおおむね給付基礎日額の8割が支給される計算になります。待期3日間は労災からは出ません。
保険給付の請求書様式に特別支給金欄が一体化しているため、休業補償給付などを請求する書面で特別支給金欄も同時に記入します。別に請求書を出す必要はありません。
重度の後遺障害で常時・随時介護が必要になった被災者を支援する援護です。保険給付である介護補償給付に加え、社会復帰促進等事業の枠でも援護を受けられる場合があります。
社会復帰促進等事業の補装具支給により、義肢・装具・補聴器などが支給される場合があります。要件と申請窓口は労働基準監督署で確認できます。
一定の傷病で治ゆ(症状固定)後も再発予防や後遺症状の悪化防止が必要な場合に、社会復帰促進等事業のアフターケアを受けられます。対象傷病と期間が定められています。
対応する保険給付と同様に、療養・休業・介護は2年、障害・遺族は5年が時効の目安です。起算点は各支給事由が生じた日です(最新の改正状況をご確認ください)。
労災保険の保険料の一部が充てられます。労災保険料は全額事業主負担で、その一部が治療費や休業補償ではなくこの援護事業の財源に回っています。
それだけではありません。休業補償給付(6割)に加え、社会復帰促進等事業として休業特別支給金(2割)が上乗せされ、合計8割になります(労災保険法29条)。障害や遺族にも、それぞれ特別支給金が用意されています。業界裏話ヒント:労働基準監督署は請求書の様式を一体化しているので、窓口で言われるまま書けば普通は上乗せ分も付きます。だが自分で様式を取り寄せて出すと、特別支給金欄を空欄のまま提出してしまう人がいる。提出前に必ず特別支給金の欄が埋まっているか確認する。
ここが落とし穴です。保険給付の不支給なら労災保険審査官に審査請求できますが、特別支給金は保険給付ではなく社会復帰促進等事業の援護なので、原則その対象外とされています(本条1項、実務上、解釈が分かれている論点)。争うには行政訴訟を検討することになります。業界裏話ヒント:この「保険給付か援護か」の区別を知らない人は、審査請求の期限を待っている間に争う機を逃す。不支給通知が来たら、それが保険給付の決定か特別支給金の決定かをまず見分ける。
あります。労災就学援護費が、遺族補償年金を受ける遺族の子の就学を支援します(本条1項二号の遺族の就学の援護)。学校種別ごとに月額が定められ、申請して受給します。業界裏話ヒント:これは遺族補償年金とは別枠で、年金だけ請求して就学援護費を申請し忘れる遺族が非常に多い。役所も全員に積極的に案内するとは限らない。遺族補償年金が決まったら、子の人数分の就学援護費も必ず申請する。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法的性質 | 29 条:政府の裁量による社会復帰促進等事業(援護) | — |
| 不服申立て | 特別支給金の不支給は原則として審査請求の対象外(行政訴訟を検討) | — |
| 給付・効果の内容 | 上乗せ特別支給金・就学援護費・介護の援護・補装具等 | — |
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