事業者が、第十九条の規定に違反する行為(第二条第九項第五号に該当するものであつて、継続してするものに限る。)をしたときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、当該事業者に対し、違反行為期間における、当該違反行為の相手方との間における政令で定める方法により算定した売上額(当該違反行為が商品又は役務の供給を受ける相手方に対するものである場合は当該違反行為の相手方との間における政令で定める方法により算定した購入額とし、当該違反行為の相手方が複数ある場合は当該違反行為のそれぞれの相手方との間における政令で定める方法により算定した売上額又は購入額の合計額とする。)に百分の一を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
要点独占禁止法20条の6は、優越的地位の濫用を継続して行った事業者に、対象取引額の1パーセントの課徴金を国庫へ納付させる規定。ただし1回限りの行為や算定額が100万円未満の場合は命じられない。
Q · 下請けいじめを公取委に通報したら、取られたお金は戻ってくるの?
戻りません。課徴金は国庫に入る公的制裁です
独占禁止法20条の6により、優越的地位の濫用を継続した事業者は、違反行為期間中の対象取引額の1パーセントを課徴金として国庫に納付します。これは国への公的制裁であり、被害者への賠償ではありません。自社の損害回復は、独占禁止法25条の無過失損害賠償または民法709条による民事請求で別途行う必要があります。なお算定額が100万円未満なら課徴金は命じられません。
大手スーパーに商品を卸している、コンビニ本部とフランチャイズ契約を結んでいる、自動車メーカーの一次下請けで部品を作っている。この三者に共通する急所がある。取引を一方的に切られたら明日から売上が消える、という構造だ。その力関係につけ込んで、相手が返品の押し付け、協賛金の要求、従業員の派遣強制を「継続的に」行えば、それは優越的地位の濫用となり、公正取引委員会は相手にその取引額の1パーセントを課徴金として国庫へ納めるよう命じなければならない。ここであなたが知るべきは二つ。第一に、この1パーセントはいじめられたあなたの懐ではなく国の懐に入る。第二に、課徴金が発動するのは「継続して」濫用した場合に限られ、一回限りの理不尽は別の手続で攻めることになる。泣き寝入りの構造を、誰がどう壊せるのかを規定した条文である。
独占禁止法20条の6は、優越的地位の濫用に対する課徴金納付命令を定める規定である。事業者が取引上の優越した地位を利用し、相手方に不利益を継続して課して同法19条に違反した場合、公正取引委員会は違反行為期間中の対象取引額の1パーセントに相当する額を課徴金として国庫に納付するよう命じる。1回限りの行為や算定額が100万円未満の場合は対象とならない。
取引上優位に立つ事業者が、取引を切られたら困る相手の弱みにつけ込み、返品の押し付けや協賛金要求などの不利益を課す行為です。判断基準は企業規模ではなく取引依存度です(独占禁止法2条9項5号)。
違反行為期間中の対象取引額の1パーセントです(独占禁止法20条の6)。取引規模が大きいほど額は膨らみますが、算定額が100万円未満の場合は課徴金は命じられません。
売れ残りの返品押し付け、協賛金の要求、従業員の派遣強制、一方的な代金減額などです。コンビニ本部の恵方巻き大量発注や大手小売の協賛金要求が典型例として問われてきました。
下請法は資本金区分で対象を形式的に画定し勧告で減額分の返還に直結します。独占禁止法20条の6は取引依存度で実質判断し課徴金は国庫に入ります。回収を狙うなら下請法ルートが有利な場合があります。
課徴金納付命令の除斥期間は、違反行為がなくなった日から7年です(令和元年改正後、改正前は5年)。最新の改正状況は必ずご確認ください。
公正取引委員会の申告窓口です。書面・オンラインで申告でき、匿名も一応可能ですが実名の方が調査は動きやすいです。下請法対象なら下請法の窓口も並行して検討します。
取引依存度の高い相手に協賛金を継続的に求めれば優越的地位の濫用となり得ます。業界慣行という言い訳は通りません。ただし単発では課徴金ではなく排除措置命令の対象になります。
納入業者に売れ残りを継続的に返品させる行為は、優越的地位の濫用の典型類型です。継続して行われれば対象取引額1パーセントの課徴金の対象となります(独占禁止法20条の6)。
残念ながら課徴金は国庫に納められ、被害者であるあなたには戻りません(本条)。あなたの損害は別途、独占禁止法25条の無過失損害賠償か民法709条で民事請求する必要があります。業界裏話ヒント:実は下請代金支払遅延等防止法(下請法)の対象取引なら、公取委の勧告で減額分の返還を相手にさせられる場合があり、独禁法ルートより回収に直結します。まず自分の取引が下請法の対象かを確認するのが先です
違います。判断基準は企業規模ではなく取引依存度です(第2条第9項第5号)。相手が中小企業でも、あなたがその取引に経営を握られていれば、相手は「優越的地位」にあると認定されえます。業界裏話ヒント:公取委は「その取引なしには事業継続が著しく困難になるか」で依存度を見ます。売上の何割をその一社に頼っているかを示せると、相手の立場の強さを一気に立証しやすくなります
本条の課徴金は「継続してするもの」に限られるため、一回限りの要求では1パーセント課徴金は発動しません(本条括弧書き)。ただし排除措置命令(取引慣行をやめさせる命令)は一回でも対象になりえます。業界裏話ヒント:だからこそ相手の濫用が「繰り返されている」記録が決定的に効きます。一回ごとに諦めて証拠を捨てると継続性を立証できず、最も強い課徴金カードを自ら手放すことになります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 性質 | 20条の6:課徴金(対象取引額の1%を国庫へ納付) | — |
| お金の行き先 | 国庫(被害者には1円も入らない) | — |
| 継続性の要否 | 「継続してするもの」に限る(1回限りは不発) | — |
| 被害回復への近さ | 遠い(公的制裁) | — |
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