要点独占禁止法 35 条は、公正取引委員会に事務総局を置き、その職員に検察官を加えることを義務付ける組織規定である。この検察官は独禁法違反事件のみを扱う。
Q · 独占禁止法 35 条の事務総局って、ただの役所の組織図の話ですよね?
組織規定だが、内部に検察官を置く点が要注意
独占禁止法 35 条は、公正取引委員会の事務を処理する事務総局の設置を定める組織規定です。事務総長・官房・局(3 以内)を置くほか、第 7 項で職員に検察官・弁護士を加えることを義務付けています。第 8 項により、その検察官が扱えるのは独禁法違反事件に限られます。つまり公取委は単なる行政機関ではなく、内部に刑事訴追へつなぐ検察官部門を抱える組織として設計されており、悪質なカルテルや談合が刑事告発(96 条の専属告発)へ進む起点がここにあります。
独占禁止法を読み進めて第35条にたどり着くと、多くの人はここで目が滑る。事務総局を置く、事務総長を置く、官房と局を置く。役所の組織図を文章にしただけに見えるからだ。だがその第7項を見落としてはいけない。「事務総局の職員中には、検察官、弁護士たる者又は弁護士の資格を有する者を加えなければならない」。つまり、公正取引委員会という行政機関の内部に、検察官が常駐している。そして第8項は、その検察官が扱える仕事を「この法律に違反する事件」に限定する。これが何を意味するか。あなたの会社の営業部が競合と価格を合わせた、入札で談合した、そのとき動くのは行政処分(課徴金や排除措置命令という、役所が会社に直接下す不利益処分)だけではない。事務総局の検察官部門が、悪質な事案を刑事告発のレールに乗せる準備をする。退屈な組織条文に見えるこの一条が、独禁法違反が「会社の罰金」で終わるか「担当者個人の懲役」まで行くかを分ける装置の土台になっている。
独占禁止法 35 条は、公正取引委員会の事務を処理する事務総局の設置を定める組織規定である。事務総長・官房・局(3 以内)を置くほか、職員に検察官及び弁護士を加えることを義務付け、内閣府設置法 17 条を準用して内部組織を構成する。
公正取引委員会の事務を実際に処理する実働組織です。独占禁止法 35 条を根拠に置かれ、事務総長が統理し、官房と局(3 以内)で構成されます。
独禁法 35 条 7 項が職員に検察官・弁護士を加えることを義務付けているためです。悪質な独禁法違反事件を刑事告発へつなぐ機能を組織内に確保する趣旨です。
公正取引委員会は判断権限を持つ合議体で、事務総局はその判断を支える実働部隊です。企業結合審査や事件調査を実際に回すのは事務総局です。
なり得ます。悪質なカルテルや談合は事務総局の検察官部門が刑事告発の準備をし、公取委の専属告発(96 条)を経て起訴されると、担当者個人が懲役刑を受けることもあります。
独禁法違反の罪は公取委が告発しなければ検察官が起訴できない制度です(96 条)。その告発準備を事務総局の検察官職員が担います。
独禁法 35 条 3 項により、事務総局の局務を統理する責任者です。委員会の下で事件処理や審査事務の全体を取りまとめます。
独禁法 35 条 6 項により、官房及び局の数は 3 以内と定められています。組織の規模が同時に処理できる事件の物理的な上限を規定しています。
行政調査は課徴金や排除措置命令など行政処分を目的とし、犯則調査は刑事告発を前提に証拠を集めます。後者は事務総局の犯則調査部門が担当します。
誤解です。確かに行政委員会ですが、事務総局には検察官が常駐し(第35条第7項)、悪質なカルテルや談合は刑事告発されます。独禁法違反の罪(89条以下)は公取委の専属告発(96条)が前提で、その告発を準備するのが事務総局の検察官部門です。業界裏話ヒント:刑事告発されると会社の罰金だけでなく、担当役員や社員個人が懲役刑を受けることがあります。「会社の問題」だと思っていた事案が、ある日「自分の問題」に変わる境界が、この組織の中に埋め込まれている
確定ではありません。独禁法違反の罪は公取委の専属告発(96条)が前提で、実際に刑事告発されるのは特に悪質・重大な事案に限られ、多くは課徴金納付命令などの行政処分で終わります。業界裏話ヒント:刑事告発を避ける最大の手段が課徴金減免制度(リニエンシー)です。事務総局の検察官部門(第35条第7項・第8項)が刑事ルートで本格稼働する前に自主申告すれば、刑事告発を免れる可能性が高まる。早く動いた者だけが助かる仕組みで、二番手では遅いこともある(最新の制度内容をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の対象 | 35 条:事務総局(委員会を支える実働組織) | — |
| 主な機能 | 事件処理・審査事務の遂行、検察官・弁護士の配置 | — |
| 実務での意味 | 行政処分か刑事告発かを分ける組織的土台(7・8 項) | — |
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