要点独占禁止法 83 条は、秘密保持命令を受けていない者が訴訟記録の秘密記載部分の閲覧を請求したとき、書記官が提出当事者へ直ちに通知し、請求日から 2 週間はその者に閲覧させてはならないと定める。
Q · 秘密保持命令を出しておけば、訴訟記録から営業秘密が相手に漏れないの?
命令外の第三者が閲覧請求すれば漏れ得るが 83 条が 2 週間止める
秘密保持命令(独占禁止法 81 条)は名指しした特定の人物だけを縛るため、命令を受けていない第三者が訴訟記録の秘密記載部分の閲覧を請求すれば、そのままでは見られてしまいます。そこで独占禁止法 83 条は、書記官が提出当事者へ直ちに通知し、請求日から 2 週間はその者に閲覧させてはならないと定めます。この 2 週間内に当該請求者への秘密保持命令を申し立てれば、その裁判が確定するまで閲覧は凍結されます(同条 2 項)。提出者全員の同意があれば通知も待機も不要です(同条 3 項)。
カルテルや優越的地位の濫用で損害賠償を起こされ、あなたの会社は原価表や取引先リストを証拠として法廷に出すことになった。営業秘密の塊だ。これが相手企業に流れれば、訴訟に勝っても会社が傾く。だから民事訴訟法92条で「秘密記載部分の閲覧制限」をかけ、独占禁止法81条で相手方の特定の人間に秘密保持命令を出す。ところが、ここに抜け穴がある。相手が秘密保持命令を受けていない第三者、たとえば新しく雇った社員や別部署の人間を立てて、その記録の閲覧を請求してきたらどうなる。83条はこの瞬間に作動する警報装置だ。命令を受けていない者が閲覧を請求すると、書記官はあなたに直ちに通知し、しかも請求から2週間はその人物に記録を見せない。あなたはその2週間で、新たに現れたその人物にも秘密保持命令を申し立てる。申し立てれば、裁判が確定するまで閲覧は止まったままになる。秘密が漏れる前の最後の数秒が、あなたの手に渡る仕組みだ。
独占禁止法 83 条は、秘密保持命令が発せられた訴訟における訴訟記録の閲覧手続の特則である。民事訴訟法 92 条の閲覧制限決定を前提に、命令を受けていない者が秘密記載部分の閲覧等を請求した場合、書記官の通知義務と、請求日から 2 週間の閲覧禁止期間を定める。期間内に当該請求者への秘密保持命令が申し立てられれば、その裁判が確定するまで閲覧禁止が延長される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
訴訟で開示される営業秘密について、命令を受けた者に対し訴訟目的外での使用や第三者への開示を禁じる裁判所の命令です。独占禁止法 81 条が根拠で、違反には罰則があります。
民事訴訟法 92 条により、訴訟記録のうち営業秘密が書かれた部分について、当事者以外の第三者の閲覧・謄写を制限する決定です。独占禁止法 83 条はこれを前提に働きます。
民訴 92 条の閲覧制限決定と独占禁止法 81 条の秘密保持命令をセットで申し立て、83 条の通知・待機制度を活用すれば、原価表や取引先リストの漏洩リスクを大きく下げられます。
命令を受けた者が訴訟目的外に営業秘密を使用・開示すると、独占禁止法上の刑事罰の対象になり得ます。訴訟資料を扱う実務者は対象範囲を正確に把握する必要があります。
民事訴訟記録は原則として何人でも閲覧できますが(民訴 91 条)、営業秘密が記載された秘密記載部分は民訴 92 条・独占禁止法 83 条で第三者の閲覧が制限されます。
違反事業者に対する無過失損害賠償責任を定める制度で、被害者は事業者の過失を立証せずに賠償を請求できます。営業秘密の提出を伴うため秘密保持命令が問題になります。
営業秘密を含む準備書面や証拠を提出する当事者が、相手方の特定の者を対象に申し立てます。誰を対象に含めるかの線引きが秘密防衛の実務上の要点です。
独占禁止法 82 条により、要件を欠くに至ったときなどに取消しを申し立てられます。命令が全て取り消された訴訟では 83 条の閲覧通知制度は適用されません。
いいえ。秘密保持命令(独占禁止法81条)は、命令を受けた人物に「訴訟以外の目的で使うな、命令を受けていない者に開示するな」と義務づけるもので、命令を受けた相手方弁護士は記録を見られます。見せずに済む相手は「命令を受けていない者」だけ。業界裏話ヒント:実務では相手方の誰を命令の対象にするかの線引きが攻防になる。技術を読み解ける社内技術者を対象から外せれば、相手は秘密の意味を完全には理解できない。誰を命令対象に含めるかの交渉が、実は秘密防衛の最前線
2週間は閲覧請求の日から起算し、期間内に請求者への秘密保持命令を申し立てれば閲覧は確定まで凍結されます(83条2項)。申立てが2週間を過ぎれば、請求者はその秘密記載部分を閲覧できてしまう。業界裏話ヒント:この2週間は実務上かなりタイト。申立書には秘密保持命令の要件(その者が秘密を知る必要性が乏しい等)の疎明が必要で、ゼロから書くと間に合わない。経験ある代理人は訴訟開始時にひな形を用意し、通知が来た当日に動ける態勢を組んでいる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 独禁法 83 条:命令外の者の閲覧請求に対する通知+2 週間の待機 | — |
| 作動の場面 | 命令を受けていない者が秘密記載部分の閲覧を請求した瞬間 | — |
| 効果 | 書記官が通知+請求日から 2 週間閲覧禁止(申立てで確定まで延長) | — |
| 回避・例外 | 提出者を含む全当事者の同意で通知・待機を省略(3 項) | — |
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