第八十九条から第九十一条までの罪を犯した者には、情状により、拘禁刑及び罰金を併科することができる。
要点独占禁止法 92 条は、89 条から 91 条の罪を犯した者に情状により拘禁刑と罰金を併科できると定める。通常は選択刑だが、悪質な事案では両刑が同時に科される。
Q · 談合で会社が課徴金を払えば、担当した社員は罰金だけで済むの?
済みません。個人に拘禁刑と罰金が併科されうる
独占禁止法 92 条により、89 条から 91 条の罪を犯した個人には、情状により拘禁刑と罰金を併科できます。これらの罪は通常『拘禁刑又は罰金』の選択刑で、裁判官はどちらか一方しか選べません。しかし 92 条は悪質な事案でその原則を破り、両方を同時に科す道を開きます。会社が課徴金や罰金を負担しても、カルテルを主導した役職員は個人として服役する可能性が残ります。刑事訴追には公正取引委員会の専属告発(96 条)が前提となります。
談合やカルテルが摘発されたとき、多くの人は「会社が罰金を払って終わり」と考える。だが独占禁止法 89 条から 91 条の罪を犯した『個人』には、別の現実が待っている。本条はその個人に、拘禁刑(身柄を拘束する刑、2025 年 6 月に懲役と禁錮を統合した自由刑)と罰金を、情状により同時に科すことを認める。通常これらの罪は『拘禁刑又は罰金』と定められ、裁判官はどちらか一方しか選べない。だが 92 条はその原則を破り、悪質な事案では両方を併せて科す道を開く。つまり、価格カルテルを主導した部長や役員は、罰金を払ったうえで、なお刑務所に入る可能性がある。会社が課徴金を払えば個人は逃げ切れる、という発想は、この一条の前で崩れる。
独占禁止法 92 条は刑の併科を定める規定であり、同法 89 条から 91 条までの罪を犯した者に対し、情状に応じて拘禁刑と罰金の両方を同時に科すことを認める。これらの罪は原則として拘禁刑または罰金のいずれかを科す選択刑であるが、本条はその特則として、悪質な経済犯罪に対する裁量的な加重手段を用意する。
89 条から 91 条の罪を犯した者に、情状により拘禁刑と罰金を併科できると定める規定です。通常は選択刑ですが、悪質な事案では両方を同時に科せます。
一つの犯罪に対して拘禁刑と罰金の二つを同時に科すことです。どちらか一方を選ぶ選択刑と異なり、92 条は両刑の同時適用を認めます。
あります。89 条以下の罪は行為をした個人を処罰し、92 条で拘禁刑と罰金が併科されうる。会社の課徴金とは別に、担当者個人が刑事責任を負います。
2025 年 6 月施行の改正で懲役と禁錮が拘禁刑に一本化されました。作業義務の有無で分かれていた両者を統合した自由刑です。
個人は 89 条で 5 年以下の拘禁刑または 500 万円以下の罰金、法人は 95 条の両罰規定で最大 5 億円の罰金が科されえます。
課徴金は公正取引委員会が科す行政上の金銭負担、罰金は裁判所が科す刑事罰です。両者は別の回路で、同時に課されることがあります。
独占禁止法違反の刑事事件は、公正取引委員会の告発がなければ検察が起訴できない仕組みです。96 条が定め、刑事手続の前提となります。
89 条の罪は 5 年以下の拘禁刑にあたり、公訴時効は 5 年です。継続的犯罪のため、合意に基づく最後の実行行為の終了時から起算します。
関係あります。89 条から 91 条の罪は行為をした『個人』を処罰し、95 条の両罰規定で会社にも罰金が科されます。個人と法人の両方が罰せられ、さらに 92 条で個人には拘禁刑と罰金が併科されうる。業界裏話ヒント:実際にカルテル事件で実刑判決を受けた役職員は存在します。会社は『個人の暴走』として切り離しにかかることがあり、組織ぐるみだった証拠を自分で確保しておかないと、一人で刑事責任を背負わされる
独占禁止法 89 条以下の罪は、公正取引委員会の『専属告発』(96 条)がなければ検察も起訴できません。委員会がまず調査し、悪質と判断した事案だけを刑事告発する二段構えです。業界裏話ヒント:だからこそ委員会の調査段階での対応が決定的。ここで協力し告発を回避できれば、92 条の併科リスクそのものが消える。告発されてから慌てても遅く、勝負は告発前の委員会対応にある
可能性があります。調査開始前に最初に申告した事業者は課徴金が全額免除され、その役職員も実務上、刑事告発の対象から外れる運用です。業界裏話ヒント:減免の順位は申告の『時刻』で決まる早い者勝ち。同じカルテルでも一番乗りした会社の役員は刑事責任を免れ、二番手以降は 92 条の併科に晒される。社内で疑いを察知した瞬間、誰より早く法務に上げた人間が生き残る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 92 条:89〜91 条の罪を犯した個人への刑の科し方(併科) | — |
| 刑の内容 | 拘禁刑と罰金を情状により同時に科す | — |
| 適用の性質 | 情状による裁量的な加重(併科) | — |
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