要点独占禁止法 84 条は、25 条の損害賠償訴訟が起きたとき、裁判所が損害額について公正取引委員会に意見を求めることができると定める。意見は裁判所を拘束しない参考資料である。
Q · カルテルで損した額、自分で証明できないと諦めるしかないの?
裁判所が公取委に損害額の意見を求められる
独占禁止法 84 条により、25 条の損害賠償訴訟が提起されると、裁判所は損害額について公正取引委員会に意見を求めることができます。市場分析の専門機関が本来の競争価格を推計するため、被害者が単独で数千万円の経済鑑定費用を負担する必要はありません。ただし意見は裁判所を拘束せず、あくまで参考資料です。2 項により、代金請求に対し相殺の抗弁として損害賠償を主張した場合にも準用されます。
カルテルで吊り上げられた価格を払わされた、独占企業に取引を不当に切られて売上が消えた。損害を受けた実感はあっても、いざ賠償を請求しようとすると最大の壁にぶつかる。「いくら損したのか」を自分で立証しなければならない、その額が天文学的に難しい。談合がなければ価格はいくらだったか、誰にも分からないからだ。独占禁止法 84 条は、この壁にトンネルを開ける。25 条の無過失損害賠償訴訟が起きると、裁判所は損害額について公正取引委員会に意見を求めることができる。市場分析の専門家集団が、本来の競争価格を推計してくれる仕組みだ。あなた一人で経済学者を雇い数千万円の鑑定費用を払う代わりに、国家機関の分析力を裁判所経由で動員できる。しかも 2 項により、あなたが逆に代金を請求されたとき相殺の抗弁として持ち出した場合でも、同じ仕組みが使える。
独占禁止法 84 条は損害額の求意見に関する規定であり、25 条の損害賠償訴訟が提起された場合に、裁判所が違反行為によって生じた損害の額について公正取引委員会へ意見を求めることができる旨を定める。第 2 項は、当該賠償請求が相殺のために裁判上主張された場合に準用される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
独占禁止法 84 条に基づき、25 条の損害賠償訴訟で裁判所が損害額について公正取引委員会の意見を求める制度です。専門機関が競争価格を推計し立証を支えます。
求めるのは裁判所です。当事者が直接求めるのではなく、訴訟の中で裁判所が公正取引委員会に意見聴取します。原告は裁判所へ求意見を上申して促すのが実務です。
使えます。84 条 2 項により、代金請求などで訴えられた側が損害賠償を相殺の抗弁として主張した場合にも、同じ求意見の仕組みが準用されます。攻守が逆転します。
排除措置命令や課徴金納付命令が確定した日から 3 年で時効消滅します(26 条 2 項)。命令確定前は裁判上主張できず、起算点は違反行為時ではなく確定日です。
使えません。26 条 1 項により、命令が確定するまで 25 条請求権は裁判上主張できません。相手が命令を争って抗告すれば、確定が延びる点に注意が必要です。
248 条は損害額の立証が困難なとき裁判所が相当な額を認定できる一般規定です。84 条は独占禁止法固有で、公正取引委員会の専門分析を意見として取り込む特則的機能を持ちます。
別物です。課徴金は国が徴収する行政上の措置で、25 条の損害賠償は被害者が加害者から回収する民事の請求です。課徴金の算定資料は損害額立証の土台に活用できます。
確定しません。84 条の意見は参考資料で裁判所を拘束せず、裁判所は異なる額を認定できます。相手方は独自の経済鑑定で反証するため、意見後こそ立証の本番です。
民法 709 条なら相手の故意・過失を自分で立証しますが、独占禁止法 25 条は無過失責任で、排除措置命令が確定していれば過失立証は不要です。さらに 84 条で損害額を公正取引委員会に意見聴取できます。業界裏話ヒント:実務では多くの原告が、立証の楽な 25 条ルートと、命令確定を待たずに提起できる 709 条ルートを併用します。709 条なら確定前でも動けるので、時効と立証のバランスを見て二刀流で組む弁護士が多い
決まりません。84 条の意見は裁判所への参考資料で、裁判所を法的に拘束しません。裁判所は意見と異なる額を認定できますし、民事訴訟法 248 条で相当な損害額を独自に認定することもできます。業界裏話ヒント:公取委の意見は強力な証拠的価値を持ちますが、相手方は対抗して独自の経済学者による鑑定を出してきます。意見が出た後こそ、算定モデルの前提を巡る専門家同士の戦いが本番。意見=勝訴ではない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 84 条:裁判所が公取委に損害額の意見を求める | — |
| 過失の立証 | 不要(25 条ルートを前提とするため) | — |
| 行使の前提 | 25 条訴訟が提起されていること | — |
| 拘束力 | 意見は参考資料、裁判所を拘束しない | — |
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