要点裁判所法 42 条は、判事補・弁護士・検察官など六つの職で通算十年以上の経験を持つ者から高等裁判所長官及び判事を任命すると定める。年数は司法修習修了後に限られる。
Q · 高等裁判所の判事になるには、どんな資格が必要なの?
判事補や弁護士など六職で通算十年以上の経験が必要です
裁判所法 42 条により、高等裁判所長官及び判事は、判事補・簡易裁判所判事・検察官・弁護士・裁判所調査官等・大学の法律学の教授等の六つの職の一又は二以上に通算十年以上在った者から任命されます。ただしその年数は原則として司法修習を終えた後に限られます(同条 3 項)。実際には司法修習後すぐ判事補となり、十年後に判事へ上がる『生え抜き』が大半で、弁護士任官の門は条文上開かれていても極めて狭いのが実情です。
裁判の判決文の末尾に並ぶ裁判官の名前。その人物が高等裁判所の判事になるには、判事補・簡易裁判所判事・検察官・弁護士・裁判所調査官など特定の職を通算十年以上経験していなければならない。第42条はその六つの入口を定める。だが条文を読むだけでは見えない現実がある。日本の裁判官の圧倒的多数は、司法修習を終えてすぐ判事補になり、十年後にこの条文で判事へ上がる『生え抜き』だ。弁護士や検察官から判事になる道(弁護士任官・法曹一元)も条文上は開いているのに、実際に通る人はごくわずか。あなたを裁く人間が、一度も依頼者の隣に座ったことがないかもしれない。その事実を知っているかどうかで、判決文の読み方が変わる。
裁判所法 42 条は、高等裁判所長官及び判事の任命資格を定める規定である。判事補、簡易裁判所判事、検察官、弁護士、裁判所調査官等、大学の法律学の教授又は准教授の六職のいずれか一又は二以上に通算十年以上在職した者の中から任命される旨を規定し、その在職年数は司法修習終了後に限られる。
判事補・簡易裁判所判事・検察官・弁護士・裁判所調査官等・大学の法律学教授等の六職の一又は二以上に通算十年以上在職することが必要です(裁判所法 42 条 1 項)。
裁判官を弁護士など実務経験者から登用すべきとする理念です。42 条 1 項 4 号の弁護士任官はその制度的現れですが、運用上は生え抜きが大半を占めます。
六職の在職年数を合算します。ただし判事補以外(2〜5 号)の年数は、司法修習を終えた後の年数に限って算入されます(42 条 3 項)。
なれます。42 条 1 項 6 号が大学の法律学の教授又は准教授を任命資格に挙げており、通算十年以上で高裁判事の対象になります。
同じです。42 条は『高等裁判所長官及び判事』を同一の資格要件で規律しており、長官も通算十年以上の要件を満たす者から任命されます。
原則として通算されますが、4 項の特例(教授等から転じた場合の年数加算)では副検事の年数は除外されるなど、職種により扱いが分かれます。
三年以上六職に在った者が裁判所事務官・法務事務官・法務教官に在職した場合、その期間は六職の在職とみなされます(42 条 2 項)。
条文上は弁護士から判事になる道が開かれていますが、生え抜き中心の任用慣行や収入・事務所事情などから、実際の採用は年にごくわずかにとどまります。
なれません。司法修習を終えて任官するのはまず『判事補』(裁判所法43条)で、いわば見習い期間。この判事補や検察官、弁護士などの職を通算十年以上経験して、初めて第42条で一人前の判事になれます。業界裏話ヒント:判事補の十年間は、最高裁による配属・転勤・評価のもとで進む完全なキャリアシステム。だから日本の裁判官は『独立しているが、組織に育てられた人』という二面性を持つ。この構造を知ると、なぜ判決が前例重視に傾きやすいかが見えてくる
本当です。第42条第1項第4号が弁護士経験を任命資格に挙げており、弁護士任官と呼ばれます。法曹一元(裁判官を弁護士など実務経験者から登用する理念)の現れですが、実際の採用は年にごくわずかで、制度はあっても門は極めて狭いのが実情です。業界裏話ヒント:弁護士任官が増えない背景には、収入の落差や事務所の事情だけでなく、生え抜き中心の任用慣行がある。だから『多様な経歴の裁判官に裁いてほしい』という理念と、現実の人事のあいだには長年埋まらない溝がある、と司法制度を論じる実務家はよく指摘する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 裁判所法 42 条(高等裁判所長官・判事) | — |
| 必要な経験 | 六職で通算十年以上(司法修習修了後の年数に限る) | — |
| 司法における位置づけ | 高等裁判所の一人前の判事・長官 | — |
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