要点地方自治法 118 条は、議会内の選挙で投票の効力に争いがあれば議会が決定し、不服なら決定から 21 日以内に総務大臣等へ審査申立て、さらに 21 日以内に裁判所へ出訴できると定める。
Q · 議長選挙で『その票は無効だ』と揉めたら、誰が決めて、どこまで争えるの?
まず議会が決定し、不服なら 21 日以内に審査申立て→出訴できます
地方自治法 118 条により、議会内の選挙で投票の効力に異議があるときは、まず議会自身が決定します(1 項)。その決定に不服な者は、決定の日から 21 日以内に、都道府県議会の事案は総務大臣、市町村議会の事案は都道府県知事へ審査を申し立て、その裁決にも不服なら、裁決の日から 21 日以内に裁判所へ出訴できます(5 項)。各 21 日は延長されない不変期間で、起算点は『決定があった日』『裁決のあった日』です。議会内部の人事でも、最後は司法審査に服します。
あなたが地方議員になったとして、最初の本会議で議長を選ぶ場面を考えてほしい。投票用紙が配られ、誰かの名前を書く。そう思っているなら、半分しか知らない。地方自治法118条は、議員の中に一人も異議がなければ、投票そのものを省いて「指名推選」で議長を決めてよいと定める。誰かが一人を指名し、議員全員が同意すれば、その人が当選人になる。逆に言えば、たった一人が「異議あり」と声を上げれば、その省略ルートは封じられ、通常の投票に戻る。さらにこの条文の本当の威力は後半にある。投票の効力に争いが生じたとき、その決定は裁判所ではなく議会自身が下す。そして、その決定に不服なら、21日以内に総務大臣または都道府県知事へ審査を申し立て、その裁決にも不服なら、さらに21日以内に裁判所へ出訴する。議会内部の選挙であっても、最後は司法の扉が開いている。その扉を開ける鍵が、この21日という二段階の時計だ。
地方自治法 118 条は、普通地方公共団体の議会が法律等に基づき行う選挙について、公職選挙法の投票・効力規定を準用し、投票の効力に関する異議をまず議会が決定する旨を定める規定である。あわせて議員全員の同意を要件とする指名推選による投票省略、決定への不服に対する審査申立てと出訴の二段階救済、決定の文書交付義務を規律する。
議員の中に異議がないときに投票を省いて議長等を選ぶ方法です(地方自治法 118 条 2 項)。被指名人を当選人とするには議員全員の同意が必要で、一人でも反対すれば成立しません。
多数決ではありません。指名推選は全員一致が要件で(118 条 3 項)、一人でも同意しなければ当選人とならず、通常の投票に戻ります。少数派が手続を投票に引き戻せる場面です。
まず議会の効力決定を経て、不服なら総務大臣または都道府県知事へ審査申立て、その裁決に不服なら裁判所へ出訴します(118 条 5 項)。いきなり裁判所には行けません。
議会の決定があった日から 21 日以内です(118 条 5 項)。不変期間で延長されません。起算点は決定の文書が本人に交付された日になります。
できません。一の選挙で二人以上を選ぶ場合、被指名人を区分して指名推選を適用してはならず(118 条 4 項)、一人ずつ会議に諮る必要があります。
有効ではありません。決定は文書で、理由を付して本人に交付しなければなりません(118 条 6 項)。口頭通知だけでは手続違反となり得ます。
都道府県議会の事案は総務大臣、市町村議会の事案は都道府県知事です(118 条 5 項)。団体の区分で申立て先が変わるため、提出先を誤らないことが重要です。
関係します。118 条 1 項が公職選挙法 46 条・47 条・48 条・68 条 1 項等を準用し、投票方式や無効投票の判定基準が議会内の選挙にも適用されます。
合法です。議員の中に異議がない場合に限り、指名推選という方法で投票を省略できます(地方自治法118条2項)。ただし被指名人を当選人とするには議員全員の同意が必要で(同3項)、一人でも反対すれば成立しません。業界裏話ヒント:実務では会派間の事前調整で『揉めない議長選び』として指名推選が使われますが、これは全員一致が崩れた瞬間に通常投票へ戻る脆い手続です。少数派議員が手続を投票に引き戻したいなら、議事が指名推選に流れる前に異議を明示することが唯一のレバーになる
持ち込めます。まず議会の決定に対し、都道府県なら総務大臣、市町村なら都道府県知事へ21日以内に審査を申し立て、その裁決に不服ならさらに21日以内に裁判所へ出訴できます(地方自治法118条5項)。業界裏話ヒント:議会内部の人事だから司法は介入しない、と諦める人が多いが、この条文は明文で出訴の道を用意している。ポイントは行政庁への審査を経る二段階構造で、いきなり裁判所には行けない。順番を間違えると却下されるので、まず行政庁への審査申立てから動く
二人以上を一度の選挙で選ぶ場合、被指名人を区分して指名推選の規定を適用してはなりません(地方自治法118条4項)。つまり『この二人をまとめて当選に』という一括処理は違法で、一人ずつ会議に諮る必要があります。業界裏話ヒント:この細則は議会事務局でも見落としがちで、まとめて処理した結果が後の選挙無効事由になる。複数ポストを同時に選ぶ場面では、手続の刻み方そのものが効力を左右するので、議事進行を一人ずつに分けさせることが防御になる
この条文に関連づけられた条文はまだありません。
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。