要点地方自治法 238 条の 4 は、行政財産を原則として貸付け・売却・私権設定できないと定め、用途を妨げない限度の貸付けや使用許可のみを例外的に認める。使用許可に借地借家法は適用されない。
Q · 市役所や図書館の中で売店をやっているのは、普通の賃貸とどう違うの?
賃貸ではなく使用許可で、借地借家法は適用されません
地方自治法 238 条の 4 により、行政財産は原則として貸付け・売却・私権設定ができず、例外として用途を妨げない限度での使用許可が与えられるだけです。使用許可には借地借家法が一切適用されず(8 項)、正当事由なしの立退き拒否権・更新請求権・立退料請求権はありません。公用・公共用に必要が生じたり許可条件に違反すれば、役所は許可を取り消せます(9 項)。同じ使用料を払っていても、貸付けか使用許可かで法的保護は決定的に異なります。
市立図書館の一角でカフェを開いている、市役所のロビーに売店を構えている、公営体育館で物販をやっている。あなたは毎月『使用料』を払い、そこを『借りている』つもりでいる。だが法律上、あなたは何も借りていない。地方自治法 238 条の 4 が定めるのは、役所の財産(行政財産、つまり庁舎・学校・公園など公共目的に供される財産)は原則として貸すことも売ることもできず、例外として『使用許可』を与えられるだけだという構造だ。そして 8 項がとどめを刺す。使用許可には借地借家法が一切適用されない。普通の店子なら持っている『正当事由がなければ追い出されない』『更新を拒絶されない』という盾が、あなたには無い。9 項により、役所が『公用で必要になった』と判断すれば、あなたの許可は取り消される。立退料の交渉すら、原則として土俵に乗らない。あなたが立っているのは、見た目は店舗だが、法的には砂の上だ。
地方自治法 238 条の 4 は行政財産の処分制限を定める規定であり、行政財産は原則として貸付け・交換・売払い・出資・信託・私権設定ができず、用途又は目的を妨げない限度で法定の例外的貸付け・地上権・地役権設定および使用許可のみが認められる旨を規律する。第 1 項に違反する行為は無効とされる。
地方公共団体が庁舎・学校・公園など公共目的に供する公有財産です。地方自治法 238 条の 4 により、原則として貸付け・売却・私権設定ができません。これに対し公共目的に供しない普通財産は処分が自由です。
行政財産は公共目的に供される財産で処分が原則禁止(238 条の 4)、普通財産は公共目的を離れた財産で貸付・売払いが自由(238 条の 5)です。同じ市有財産でも分類で扱いが正反対になります。
8 項が明文で適用を除外しているためです。行政財産は公共目的が優先されるため、民間賃借人を保護する借地借家法(正当事由・更新保護)を及ぼすと公用が妨げられるからです。
9 項の取消しには借地借家法の立退料請求権がなく、原則補償は限定的です。ただし許可条件や自治体の行政財産使用許可要綱に補償・原状回復費の定めがあれば、その範囲で交渉の余地があります。
別概念です。公の施設は住民利用に供する施設で 244 条以下が規律し、行政財産の使用許可(238 条の 4 第 7 項)は財産管理の観点からの目的外利用許可です。根拠条文が異なります。
原則は不可ですが、2 項一号の政令で定める堅固な建物を所有する目的なら、用途を妨げない限度で貸付けが可能です。地上権設定(五号)や区分所有(二号)の道もあります。
行政財産を本来の用途を妨げない限度で第三者に使用させる許可です(238 条の 4 第 7 項)。庁舎ロビーの売店や公園の自販機が典型例で、借地借家法の保護はありません。
取消処分は行政処分なので、行政事件訴訟法に基づく取消訴訟・執行停止を申し立てられます。出訴期間は処分を知った日から 6 か月、処分の日から 1 年です(行訴法 14 条)。
決定的に違います。あなたのは地方自治法 238 条の 4 第 7 項の『使用許可』で、8 項により借地借家法が一切適用されません。つまり正当事由なしの立退き拒否権も、更新請求権も、立退料請求権もありません。9 項で役所が公用上必要と判断すれば取り消せます。業界裏話ヒント:使用許可の許可条件や自治体の『行政財産使用許可要綱』に、取消時の補償や原状回復費の扱いが書かれていることがあります。契約時にここを読み込み、補償条項を入れさせられるかが、撤退時の数百万円を左右します
原則は不可ですが、238 条の 4 第 2 項一号の『政令で定める堅固な建物』を所有する目的で、行政財産の用途を妨げない限度なら貸付けが可能です。地上権(六号)や区分所有(二号)の道もあります。業界裏話ヒント:要件に乗らない貸付けは 6 項で無効になり、建てた建物が撤去対象になりかねません。担当者の『前例があるから大丈夫』は根拠になりません。必ず地方自治法施行令の該当条文と照らし、堅固な建物の定義に自分の計画が当てはまるかを契約前に確認してください
2 項の要件を満たさない貸付けなら 1 項違反で、6 項により契約は無効です。住民であれば、その行為のあった日から 1 年以内に住民監査請求(242 条)、続いて住民訴訟(242 条の 2)で是正を求められます。業界裏話ヒント:監査請求には 1 年の期間制限があり、これを逃すと『正当な理由』を立証しない限り門前払いです。違法を疑った時点で契約日・支出日を特定し、情報公開請求で契約書や決裁文書を取り寄せて証拠を固めてから期間内に動くのが定石です
この条文に関連づけられた条文はまだありません。
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。