要点地方自治法238条の5は、公用に供していない普通財産を貸付け・売払い・信託できると定める。貸付期間中に公共用の必要が生じれば長は契約を解除でき、借受人は損失補償を請求できる。
Q · 役所の使っていない土地って、民間が借りたり買ったりできるの?
借りられます。ただし役所は公共の必要時に解除でき、損失補償を請求できます。
地方自治法238条の5により、役所の財産のうち公用・公共用に供していない普通財産は、貸付け・交換・売払い・譲与・出資・信託の方法で民間に開放できます(第1項)。ただし貸付期間中に公用・公共用の必要が生じれば、長は契約期間中でも解除できます(第4項)。その場合、借受人は損失の補償を請求できます(第5項)。また用途指定付きで貸し付け・売り払った財産を借受人が指定用途に使わなければ、契約は解除され財産は自治体に戻ります(第6項)。
役所が持つ土地や建物のうち、庁舎や公園のように今まさに公共で使っているものを行政財産、それ以外の遊休地や余った土地を普通財産と呼ぶ。そして普通財産は、民間のあなたに貸し、売り、交換し、贈与できる。地方自治法238条の5は、その普通財産を役所がどう民間に開放できるかを定めた条文だ。鍵は第4項。あなたが役所から土地を借りても、役所が「公共のために必要になった」と言えば、契約期間の途中でも一方的に解除できる。だが泣き寝入りではない。第5項が、それによって生じた損失の補償をあなたが請求できると保証している。さらに第6項。役所が「この用途に使え」と条件をつけて貸したり売ったりした場合、あなたがその用途に使わなければ契約は解除され、土地は役所へ戻る。役所の土地は安く手に入るが、その安さには必ず条件と引き換えが組み込まれている。
普通財産とは、地方公共団体の公有財産のうち行政財産以外のもの、すなわち現に公用・公共用に供していない財産をいう。地方自治法238条の5は、この普通財産を貸付け・交換・売払い・譲与・出資・私権の設定・信託の方法で運用し処分できる旨を定め、行政財産の処分制限(238条の4)に対する特則として機能する。
地方公共団体の公有財産のうち、行政財産(庁舎・公園など現に公共で使っている財産)以外のものをいいます。遊休地や余剰地が典型で、貸付け・売払いなど民間への処分が認められます(地方自治法238条の5第1項)。
行政財産は現に公用・公共用に供している財産で、原則として貸付け・売払いが制限されます(238条の4)。普通財産はそれ以外で、私法上の契約として民間に貸付け・売却・信託できます(238条の5)。
適正な対価による通常の処分は不要ですが、条例で定める額を超える財産の無償譲渡・無償貸付・適正対価によらない譲渡には議会の議決が必要です(96条1項、237条2項)。
各自治体の管財課・財産活用課が公募や入札で行うのが原則です。適正な対価が前提で、用途指定を付すこともあります。公募情報は自治体サイトに掲載されますが目立たないため、担当課への直接照会が早道です。
第4項の公用・公共用の必要による解除がされた時点で、借受人は第5項の損失補償請求権を行使できます。補償の範囲は条文に書かれず協議で決まるため、解除通知が届いたら速やかに証拠を整えて動くのが有利です。
原則は適正な対価が必要です(237条2項)。地方創生・移住促進などの政策目的があり、条例や議会の議決を得れば適正対価によらない処分も可能ですが、相当な根拠が求められます。
指定された用途に供さない、または供した後に指定期間内に用途を廃止すると、契約は解除され財産は自治体に戻ります(第6項、第7項で売払い・譲与に準用)。無断の転売・別用途流用は解除リスクを抱えます。
普通財産である土地を、自治体を受益者として政令で定める信託の目的により信託する仕組みです(第2項)。土地を手放さずに有効活用し収益を得る手法で、第4項〜第6項の解除規定が準用されます(第8項)。
本当だ。役所の財産のうち公共で使っていない普通財産は、民間に貸付や売却ができる(238条の5第1項)。ただし適正な対価が原則で、無償や著しい安値での貸付・譲渡には議会の議決が必要になる(237条2項、96条1項)。業界裏話ヒント:自治体は遊休地の活用に困っており、地方創生や移住促進の名目なら相場より安く借りられる余地が実際にある。公募情報は各自治体の管財課・財産活用課のサイトに出るが目立たない。狙うなら担当課に直接「未利用地の貸付公募の予定はあるか」と問い合わせるのが早い
泣き寝入りではない。第4項で役所は公用・公共用の必要が生じれば契約期間中でも解除できるが、第5項により借受人は『これによって生じた損失の補償』を請求できる(238条の5第5項)。業界裏話ヒント:補償の範囲は条文に書かれておらず協議で決まる。だからこそ契約時に『解除時は設備投資・移転費用・逸失利益を補償する』と特約で具体化しておくと、いざという時の交渉力が段違いになる。多くの借受人はこれを入れず、解除時に雀の涙の補償しか取れない
契約を解除され、土地は自治体に戻る(238条の5第6項、第7項で売払・譲与に準用)。指定された期日までに用途に使わない、または使った後で指定期間内に用途を廃止した場合が対象だ。業界裏話ヒント:これは公有地の安値払い下げを巡る紛争の核心条文で、安く譲り受けた土地を転売や別用途に流用する抜け穴を塞ぐ装置として働く。逆に言えば、用途を守れる確信がないまま条件付きで安く取得すると、投じた費用ごと失うリスクを抱えることになる
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