要点地方自治法 255 条の 2 は、法定受託事務の処分への審査請求を、処分をした役所ではなく一段上の都道府県知事や各大臣に対して行うと定める特例規定である。
Q · 市役所に申請を断られたとき、その不服はどこに持っていけばいいの?
法定受託事務なら、市役所ではなく一段上の都道府県知事や各大臣に審査請求します
地方自治法 255 条の 2 により、法定受託事務に係る処分への審査請求は、処分をした市町村ではなく一段上の行政庁が審査します。市町村長の処分なら都道府県知事へ、都道府県知事の処分なら所管の各大臣へ。市町村教育委員会の処分は都道府県教育委員会、市町村選挙管理委員会の処分は都道府県選挙管理委員会が宛先です。期限は処分を知った日の翌日から 3 か月(行政不服審査法 18 条)。
パスポートの申請が市の窓口で却下された。戸籍の記載をめぐる処理に納得がいかない。これらに共通するのは「法定受託事務」、つまり本来は国の仕事を市町村が代わりに処理している分野だ。多くの人が知らないのは、その却下に不服があるとき、文句を持っていく相手が「却下した同じ役所」ではないという点。地方自治法 255 条の 2 は、法定受託事務の処分への審査請求を、一段上の政府へ送ると定める。市町村長の処分なら都道府県知事へ、都道府県知事の処分なら担当の各大臣へ。あなたを断った窓口と、あなたの不服を審査する人物が、物理的に別組織になる。これは偶然ではなく設計だ。同じ役所が自分の判断を覆すのは期待しにくいから、より距離のある上位機関に審査させる。あなたが手にしているのは、却下されたら諦める道ではなく、一段上へ持ち上げる正規ルートだ。
地方自治法 255 条の 2 は、法定受託事務に係る処分及び不作為についての審査請求の宛先を定める特例規定である。一般法である行政不服審査法 4 条の定めにかかわらず、市町村の執行機関の処分は都道府県知事へ、都道府県の執行機関の処分は所管の各大臣へ審査請求すべきものとし、第 2 項では委任に基づく処分について再審査請求の途を定める。
本来は国や都道府県が果たすべき役割に係る事務を、法律により市町村等が処理するものです(地方自治法 2 条 9 項)。パスポートや戸籍など身近な窓口業務に多く含まれます。
処分をした役所ではなく一段上です。市町村長の処分は都道府県知事へ、都道府県知事の処分は所管の各大臣へ。地方自治法 255 条の 2 が宛先を定めています。
審査請求の裁決にさらに不服がある場合の二段目の不服申立てです。地方自治法 255 条の 2 第 2 項は、委任に基づく処分について再審査請求を認めます。
処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内です(行政不服審査法 18 条 1 項)。処分の日の翌日から 1 年を過ぎると原則できません。
法定受託事務なら都道府県知事、自治事務なら原則その市町村長が審査庁です。まず事務の性質を確認することが宛先選びの第一歩になります。
自治事務は地方固有の事務、法定受託事務は国等の役割に係る事務の代行です。審査請求の宛先が変わるため、255 条の 2 が適用されるかが決まります。
審査請求を受けて審理・裁決する行政庁です。法定受託事務では処分庁と別組織(一段上の知事や大臣)が審査庁になります。
できます。255 条の 2 第 1 項後段により、不作為の審査請求は当該各号に定める者に代えて、不作為に係る執行機関に対して行うこともできます。
いいえ。多くの場合、まず審査請求という行政内部の不服申立てができます。法定受託事務なら、地方自治法 255 条の 2 により、審査するのは処分をした市町村ではなく、都道府県知事や担当大臣という上位機関。裁判より費用も時間も軽い。業界裏話ヒント:審査請求を経ずに直接訴訟できる事務もあれば、先に審査請求をしないと訴訟できない(審査請求前置)事務もある。どちらかを最初に確認しないと、訴状を出しても門前払いになる
法定受託事務については、その思い込みが外れます。地方自治法 255 条の 2 は、処分をした市町村ではなく一段上の都道府県や国の大臣に審査させると定めるので、判断者が別組織になる。業界裏話ヒント:さらに、委任に基づく処分では「再審査請求」(同条 2 項)というもう一段の不服申立てが残る場面がある。一度の裁決で諦める人が多い中、二段目を知る者だけが粘れる
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