職業安定法 第2条(職業選択の自由)
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何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができる。
この条文の基本情報
職業選択の自由とは何ですか?
定義職業選択の自由とは、職業安定法第2条に定められた規定で、「何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 職業安定法第2条(職業選択の自由)は、日本の職業安定法に含まれる条文です。
- 職業安定法第2条の条文原文は「何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができる。」で始まります。
- 職業安定法第2条は第一章 総則に置かれています。
- 職業安定法の公布日は昭和22年11月30日です。
- 職業安定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 職業安定法第2条の前の条は職業安定法第1条です。
- 職業安定法第2条の次の条は職業安定法第3条です。
- 職業安定法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 - 本サイト収録
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000141/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点職業安定法2条は、何人も公共の福祉に反しない限り職業を自由に選択できると定める。憲法22条1項を労働行政に具体化した原則規定で、直接の罰則はない。
Q · 会社に「辞めさせない」と言われたら、職業安定法2条を根拠に辞められる?
本条は原則宣言。退職自体は民法627条で2週間後に成立
職業安定法2条は、公共の福祉に反しない限り何人も職業を自由に選択できると定める原則規定で、本条だけで会社を罰したり退職を成立させたりするわけではありません。実際に退職の効力を生じさせるのは民法627条1項で、期間の定めのない雇用なら申入れから2週間で契約は終わります。違約金で縛る約束は労働基準法16条が禁止し、行き過ぎた競業避止条項は公序良俗(民法90条)違反として無効とされることがあります。本条は、こうした判断の背景にある価値の宣言として働きます。
解説
辞表を出したのに「後任が見つかるまで辞めさせない」と言われる。入社時の誓約書に「退職後3年間は同業他社への就職を禁ずる」と書いてある。こうした会社の言い分を、多くの人は「サインした以上は従うしかない」と受け止めてしまう。だが職業安定法2条は、職業を選ぶ自由を労働行政の出発点に置いている。これは憲法22条1項を雇用の現場に引き直した宣言である。注意したいのは、本条そのものは会社を直接罰する条文ではないという点だ。効き目は別の条文を通じて出てくる。退職の自由は民法627条(期間の定めのない雇用なら、申入れから2週間で終了)、辞めたら違約金という約束の禁止は労働基準法16条、暴行や脅迫で働かせることの禁止は同法5条と職業安定法63条が受け持つ。競業避止の誓約書も、裁判所は「職業選択の自由を不当に縛っていないか」という目で、期間・地域・代償措置(制限の見返りとして払われる手当など)を審査し、行き過ぎた部分は公序良俗違反(民法90条)として無効にする。会社の言い分のどこが法的に通らないかを指摘できれば、その時点で交渉の主導権はあなたの側に移る
法的な位置づけ
職業安定法第2条は、職業選択の自由を定める総則規定である。何人も公共の福祉に反しない限り職業を自由に選択できることを宣言し、憲法22条1項の保障を職業紹介・労働者募集等の労働行政において具体化する。直接の罰則や私法上の効力規定ではなく、関係法令の解釈原理として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1職業選択の自由とは?
どの職業に就くか、いつ辞めて別の職業に移るかを自分で決められる自由です。憲法22条1項が保障し、職業安定法2条が労働行政の原則として確認しています。
Q2職業安定法2条に違反すると罰則はある?
本条自体に罰則はありません。暴行や脅迫による職業紹介・募集は同法63条、強制労働は労働基準法5条、違約金の約束は同法16条がそれぞれ規律します。
Q3公共の福祉による職業の制限とは?
医師・弁護士の資格制度、営業許可、在留資格による就労制限などです。安全や公正を守るための合理的な制約として、職業選択の自由と両立すると考えられています。
Q4退職代行を使ったら懲戒解雇にされる?
退職代行の利用自体は懲戒事由になりにくいと考えられます。正当な退職の意思表示を理由に懲戒解雇や退職金不支給とするのは、就業規則上も無理があります。
Q5病院奨学金のお礼奉公は違法?
一定期間勤めなければ一括返済という条項は、実態によって労働基準法16条の賠償予定の禁止に違反すると争われることがあります。貸付の実態と返済条件が判断の分かれ目です。
Q6技能実習生は転職できる?
技能実習制度では原則として転籍が制限されてきました。後継の育成就労制度では本人意向による転籍を一定条件で認める方向です。最新の施行状況の確認が必要です。
Q7元同僚の引き抜きは違法?
転職の勧誘自体は原則自由です。ただし在職中の大量引き抜きや営業秘密の持ち出しを伴う場合は、不法行為や不正競争防止法違反として責任を問われることがあります。
Q8職業安定法とはどんな法律?
職業紹介、労働者の募集、労働者供給事業などを規律し、職業の安定と経済の発展を目的とする法律です。昭和22年に制定され、厚生労働省が所管しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が退職届を受け取ってくれないんですが、辞められないんですか?
辞められる。期間の定めのない雇用なら、退職の申入れから2週間で契約は終わり(民法627条1項)、会社の承諾は要らない。実務のポイント:争いになるのは、たいてい「いつ申し入れたか」の証明である。内容証明郵便か、送信日時の残るメールで出しておけば、会社側の弁護士もそれ以上は争わないことが多い。有期契約の場合は、やむを得ない事由が必要になるなど扱いが変わる(民法628条、労働基準法137条)
Q2競業避止の誓約書にサインしちゃったら、同業他社には転職できないですか?
必ずしもそうではない。裁判所は職業選択の自由(憲法22条1項、本条)との兼ね合いから、期間・地域・職種・代償措置・本人の地位を見て有効かどうかを判断する。実務のポイント:判断の分かれ目になりやすいのが代償措置である。制限の見返りとなる手当がまったくない条項は、無効とされやすい。もっとも、前職の顧客を積極的に引き抜けば、不法行為などの別ルートで責任を問われうるので、その線は踏まない方がよい
Q3辞めたら研修費30万円を返せって言われてます。払わなきゃダメですか?
研修の実態しだいである。業務に必要な研修の費用を、退職したら返せとする規定は、賠償予定の禁止(労働基準法16条)に違反すると判断されやすい。実務のポイント:本人の希望で受けた汎用的な資格取得の費用を、返済免除の特約付きで貸し付けた形になっている場合は、有効とされることがある。会社の書類が「貸付」なのか「研修命令」なのかで結論が変わるので、その書類を最初に確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「サインした誓約書は絶対だ」と思われがちだが、競業避止条項は、裁判で守るべき企業の利益、本人の地位、制限の期間と地域、代償措置の有無を総合的に見て判断される。代償措置がなく範囲の広い条項は無効とされやすい。ただし、どこまで有効かは事案ごとに判断が分かれる
- 職業選択の自由が何でも許すと考えるのは早い。「公共の福祉に反しない限り」という留保があり、医師や弁護士の資格制度、営業許可、外国人の在留資格による就労制限は、どれもこの範囲内の制約として認められている。自由は絶対ではない。どこまでなら合理的な制約として許されるか、という線引きの問題である
- 退職をめぐる争いで本当に効いてくるのは、辞めることそのものより、辞めた後にお金で縛る仕組みである。違約金、研修費の返還、奨学金の一括返済。辞める自由は法律で守られていても、辞めたあとの負担が大きすぎれば、結局だれも辞められない。法律が労働基準法16条で賠償予定(あらかじめ違約金額を決めておく約束)を禁じているのは、この抜け道をふさぐためだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 職安法2条:公共の福祉に反しない限り職業を自由に選択できる | 職安法3条:人種・国籍・信条・性別等による差別的取扱いの禁止(均等待遇) 職安法63条:暴行・脅迫・監禁等による職業紹介・募集等の処罰 |
| 規定の性格 | 原則宣言(罰則なし、解釈指針) | 行為規範(職業紹介・募集の場面での義務) 刑罰規定(同法で最も重い罰則の一つ) |
| 実務での使われ方 | 競業避止条項・退職制限の有効性判断で価値の根拠として参照 | 求人・紹介における差別的取扱いの是正根拠 意思に反する就労を強いる紹介・募集の刑事責任追及 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は離職後の競業禁止について、期間上限や合理的補償を法律で明文化しており、判例による日本の総合判断より要件が明確である
韓国も憲法で職業選択の自由を保障し、競業禁止約定は判例が期間・地域・代償等から有効性を判断する点で日本に近い
ドイツは職業の自由を基本権として保障し、商法典で離職後の競業禁止に補償金支払を要件化している
米国は州ごとに異なり、カリフォルニア州は雇用上の競業禁止契約を原則無効とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退職届を出したら、上司に「繁忙期が終わる3か月後まで受理しない」と言われた。だが期間の定めのない雇用なら、退職の申入れから2週間で契約は終わる(民法627条1項)。会社の「受理」は必要ない
- 転職先から内定をもらったその日に、前の会社の人事から電話が来た。「誓約書の競業避止条項に違反するので、損害賠償を請求する」という。もし誓約書が期間3年、地域無制限、代償措置なしだったら、その条項は本当に有効なのか?
- あなたは小さな会社の経営者で、辞めていく営業担当者が顧客を持っていくのが怖い。そこで「退職後5年は同業禁止」の誓約書を全員に書かせた。ところが裁判になると、その広すぎる条項は職業選択の自由を不当に縛るとして無効とされやすい。守りたかった顧客情報は、結局守れない
- 看護学校の奨学金を病院から借りていた。「5年勤めなければ一括返済」という条件で、残りはあと1年半。辞めたいが、返済額を思うと身動きがとれない。こうした「お礼奉公」型の返済条項については、労働基準法16条違反として争われた裁判例がある
- 友人から「退職代行に頼んだら会社が『懲戒解雇にして退職金を出さない』と言ってきた」と相談された。正当な理由のない退職を懲戒事由とすることには無理がある。今夜のうちに、就業規則の退職金規程を手に入れるよう伝えることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 退職の意思は日付が残る書面かメールで伝える。期間の定めのない雇用なら2週間で終わる(民法627条1項)2. 誓約書や就業規則のコピーを手元に確保し、競業避止の期間・地域・代償措置を確認する3. 違約金や研修費の返還を求められたら、労働基準法16条を指摘して支払いを保留する4. 引き止めが脅しや拘束にまで及んでいれば、労働基準監督署か弁護士に相談する
訴えられた側:1. 自社の競業避止条項を、期間・地域・職種・代償措置の四点で見直す。広すぎる条項は全体が無効とされかねない2. 守りたいものが顧客情報や技術なら、不正競争防止法上の営業秘密として管理する(秘密としての管理、有用性、非公知性)方が確実である3. 研修費返還の規定は、労働基準法16条に違反しないよう、金銭消費貸借(お金の貸し借り)としての実態を整える4. 退職を拒んだり、退職金を没収すると脅したりすることは避ける
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。退職の効力は、期間の定めのない雇用なら申入れから2週間で生じる(民法627条1項)。未払い賃金の請求権は、当分の間3年で時効にかかる(労働基準法115条、143条3項。最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:職業選択の自由には、職業を選ぶ自由に加え、選んだ職業を営む自由や離職・転職の自由も含まれる。私人間では直接適用されず、民法90条などの一般条項を通じて間接的に考慮される
改正沿革 AI による整理
- 昭和22年(1947年) 職業安定法の制定時から総則に置かれた原則規定。その後の改正で本条の文言が変わったかどうかは、人による確認が必要
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:職業安定法の制定時に総則規定として置かれた。憲法22条1項を受け、職業選択の自由を労働行政の原則として宣言
- 職業安定法 第1条法の目的、職業の安定の確保
- 職業安定法 第3条職業紹介等における均等待遇
- 職業安定法 第63条暴行脅迫等による紹介・募集の処罰
- 労働基準法 第5条強制労働の禁止
- 労働基準法 第16条違約金・賠償予定の禁止
- 民法 第627条無期雇用の2週間での解約申入れ
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